ヨエル*書
2 「年長者たちよ*,これを聞け。この地*に住むすべての者よ,耳を向けよ+。このような事があなた方の日に,いや,あなた方の父祖たちの日にさえ,かつて起きただろうか+。3 それについてあなた方の子らに語り告げよ。あなた方の子らはその子らに,その子らはまた次の世代に[語り告げよ+]。4 毛虫が食い残したものは,いなごがこれを食べた+。いなごが残したものは,はい回る翼のないいなご*がこれを食べた。そして,はい回る翼のないいなごが残したものは,ごきぶりがこれを食べた+。
5 「大酒にふける者たちよ+,目を覚まして泣き悲しめ+。ぶどう酒にふける者たちすべてよ,甘いぶどう酒のゆえに泣きわめけ+。それはあなた方の口から断たれたからである+。6 わたしの土地に上って来た国民がいるからである。それは強大で,数知れない+。その歯はライオン*の歯であり+,それにはライオン*のあご骨がある。7 それはわたしのぶどうの木を驚きの的とし+,わたしのいちじくの木をただの切り株とした+。それを全くむき出しにして投げ捨てた+。その小枝は白くなった。8 泣き叫べ*。処女が粗布を身に巻いて+,自分の若いうちの所有者*に関して[泣き叫ぶ]かのように。
9 「穀物の捧げ物+や飲み物の捧げ物+はエホバの家から断たれた。祭司たち,エホバに奉仕する者たち+は嘆き悲しんだ+。10 畑は奪略に遭い+,地面は喪に服した+。穀物は奪い取られ,新しいぶどう酒は干上がり+,油は消え去ってしまったからである+。11 農夫たちは恥じらった+。ぶどう栽培者たちは泣きわめいた*。小麦のため,また大麦のためである。畑の収穫物がなくなってしまったからである+。12 ぶどうの木は枯れ,いちじくの木もしおれてしまった。ざくろの木,またやしの木とりんごの木,野のすべての木は枯れてしまった+。歓喜は人*の子らから恥じらい去ったのである+。
13 「祭司たちよ,帯を引き締めて胸をたたけ+。祭壇に奉仕する者たち+よ,泣きわめけ。わたしの神*に奉仕する者たちよ,中に入り,粗布をまとって夜を過ごせ。あなた方の神の家に対して,穀物の捧げ物+と飲み物の捧げ物が差し止められたからである+。14 断食の時を神聖なものとせよ+。聖会を召集せよ+。年長者たちを,この地*に住むすべての者をあなた方の神エホバの家に集め+,エホバに助けを叫び求めよ+。
15 「ああ,その日よ+! エホバの日は近く+,全能者による*奪略のようにしてそれは来るのである。16 食物さえわたしたちの目の前から断たれ,わたしたちの神の家からは,歓びも楽しさも[断たれた]ではないか+。17 干しいちじく*は彼らのシャベルの下でしなびた。倉は荒廃させられた。納屋*は打ち壊された。穀物は尽きたからである。18 家畜はいかにあえいだことか。牛の群れは[いかに]混乱してさまよったことか。彼らのための牧草がないからである+。そして,羊の群れは罪科を負わされた。
19 「エホバよ,わたしはあなたに呼びかけます+。火が荒野の牧草地をむさぼり食い,炎が野のすべての木を焼き尽くしたからです+。20 野の獣たちもまた切にあなたを求めています+。水の流れがかれたからです+。火が荒野の牧草地をむさぼり食いました」。
2 「シオンで角笛*を吹き鳴らせ+。わたしの聖なる山+で戦いの叫びを上げよ+。この地*に住むすべての者よ,動揺せよ+! エホバの日が来るから+,それが近いからである。2 それは闇と陰うつの日+,雲と濃い暗闇の日であり,山々の上に広がった明け方の光のようである+。
「数が多くて強大な民がいる+。そのようなものは定めのない過去からいまだ存在したことがなく+,それ以後にも代々の年月にわたり二度とないであろう。3 その前方では火がむさぼり食った+。その後方では炎が焼き尽くす+。前方の地はエデンの園のよう*であっても+,後方では荒れすさんだ荒野となる。それから逃れ得るものもなかった。
4 「その姿は馬の姿に似ており,その走って行く様は乗用馬のようである+。5 山々の頂を行く兵車のような響きを立てて彼らは跳び回る+。刈り株をむさぼり食って燃える火のような音を立てながら+。それは強大な民のようであり,戦闘隊列を組んでいる+。6 それのためにもろもろの民は激しい痛みを覚える+。すべての顔は,必ずや[興奮の]ほてりを示しているであろう+。
7 「強力な者たちのように*彼らは走る+。戦人のように城壁を上る。また各自自分の道を行きつつ,その道筋を変えない+。8 互いに押し合うこともない。走路を行く強健な男子*のようにして彼らは進んで行く。飛び来る物の中で倒れる者がいるとしても,[他の者]は進路からそれない。
9 「都市の中へ彼らは突き進む。城壁の上を彼らは走る。家々の上に彼らは上る。窓から盗人のように入り込む。10 その前で地は動揺した。天は激動した。太陽や月さえ暗くなり+,星もその輝きをとどめた+。11 そしてエホバは必ずその軍勢+の前に声を上げる+。その陣営には非常に多くの者がいるからである+。その言葉を遂行する者は強大なのである。エホバの日は大いなる[日]であり+,大いに畏怖の念を抱かせるものなのである。だれかその下でこらえ得ようか+」。
12 「ゆえに今また」と,エホバはお告げになる,「あなた方は心をつくし,断食+と涙とどうこく+とをもってわたしに帰れ+。13 そして,あなた方の衣ではなく+,心を裂け+。あなた方の神エホバに帰れ。[神]は慈しみと憐れみを持ち+,怒ることに遅く+,愛ある親切*に富んでいる+からである。そして,その災いに関して必ず悔やむのである+。14 [神]が身を翻してまさに悔やみ+,その後に祝福を+,あなた方の神エホバのための穀物の捧げ物や飲み物の捧げ物を残さ[ない]かどうかをだれが知っているだろうか。
15 「シオンで角笛を吹き鳴らせ+。断食の時を神聖なものとせよ+。聖会を召集せよ+。16 民を集めよ。会衆を神聖にせよ*+。年寄りたちを集合させよ。子供たち,また乳を吸う者たちを集めよ+。花婿はその奥室から,花嫁はその婚姻の間から出よ。
17 「玄関と祭壇+との間で,祭司たち,エホバに奉仕する者たちは泣き悲しんで言え,『エホバよ,どうかご自分の民を哀れんでください。ご自分の相続物をそしりの的+,諸国民によって支配されるものとはなさらないでください。どうして彼らがもろもろの民の中で,「彼らの神はどこにいるのか」などと言ってよいでしょうか+』。18 そうすれば,エホバは自らの土地のために熱心になり+,自分の民に同情を示すであろう+。19 そしてエホバは答えて自分の民にこう言う。『今わたしは穀物と新しいぶどう酒と油をあなた方に送る。あなた方はきっとそれに満ち足りるであろう+。わたしはもはやあなた方を諸国民のそしりの的とはしない+。20 そして北方から来た者*+をあなた方の上からはるかに遠ざけ,その者をまさに追い散らして水のない地と荒れ果てた所に行かせ,その顔を東方の海+に,その背部を西方の*海+に向けさせる。そして彼の悪臭はまさに立ち上り,その異臭は絶えず上って行く+。[神]は自分の行なうところにおいてまさに大いなる事を行なうからである』。
21 「地よ,恐れてはいけない。喜び,かつ歓び楽しめ。エホバは自分の行なうところにおいてまさに大いなる事を行なうからである+。22 開けた野の獣たちよ,恐れてはいけない+。荒野の牧草地は必ず緑になるからである+。樹木はまさしくその実りを出すのである+。いちじくの木とぶどうの木は必ずその活力を出すことになる+。23 そして,シオンの子らよ,あなた方の神*エホバにあって喜び,かつ歓び楽しめ+。[神]は秋の雨*を必要なだけ必ず与え+,あなた方に豊かな雨を,秋の雨と春の雨とを初めの時のように降らせるからである+。24 そして,脱穀場は[清められた]穀物で満ち,搾りおけは新しいぶどう酒と油であふれることになる+。25 こうしてわたしは,いなご,はい回る翼のないいなご,またごきぶりと毛虫,すなわちわたしがあなた方の中に送ったわたしの大いなる軍勢が食い荒らした年月に対して償いをする+。26 そしてあなた方はまさしく食べ,食べて満ち足り+,あなた方にこれほどすばらしい事を行なった+あなた方の神エホバの名を賛美することになる+。わたしの民は定めのない時に至るまで恥を被ることはない+。27 そしてあなた方は,わたしがイスラエルの中におり+,わたしがあなた方の神エホバであって,ほかの者はいないことを必ず知るであろう+。こうしてわたしの民は定めのない時に至るまで恥を被ることはない*。
28 「またその後,わたしは自分の霊*をあらゆる肉なる者+の上に注ぐことになる+。あなた方の息子や娘たち+は必ず預言する。あなた方の老人たちは夢を見る。あなた方の若者たちは幻を見る。29 そして,その日には下男やはしためたちの上にもわたしの霊を注ぎ出す+。
30 「そしてわたしは天と地に異兆を与える+。血と火また煙の柱である+。31 畏怖の念を抱かせる,エホバの大いなる日の来る前に+,太陽は闇に変わり+,月は血になるであろう+。32 しかし,エホバの名を呼び求める者はみな安全に逃れることになる+。エホバの述べたとおり,シオンの山とエルサレムに,また生き残った者たちの中に*逃れ出た者たちがいるからであり+,その者たちをエホバは呼び寄せているのである*+」。
3 「見よ,その日,わたしがユダとエルサレムの捕らわれ人たちを連れ戻す+その時に+,2 わたしはまたあらゆる国民を集め寄せ+,これをエホシャファトの低地平原に下らせる+。わたしはそこで,彼らが諸国民の中に散らしたわたしの民またわたしの相続物であるイスラエルのために,彼らに対して自ら裁きを行なう+。彼らはわたしの土地を配分し合った+。3 また,わたしの民のためにしきりにくじを引いた+。彼らは遊女のために*男の子を与え+,ぶどう酒のために女の子を売って[酒を]飲もうとするのであった。
4 「そしてまた,ティルスとシドン+,またフィリスティア+の全域よ,あなた方はわたしとどんなかかわりがあるのか*。これが報いとしてあなた方がわたしに加える仕打ちか。それで,あなた方がわたしにこのような仕打ちを加えているのであれば,わたしはその仕打ちのゆえに迅速に,速やかにあなた方の頭に返報する+。5 あなた方がわたしの銀とわたしの金を取り+,わたしの望ましい良い物を自分たちの神殿に携え入れたゆえに+,6 またユダの子らとエルサレムの子らをギリシャ人*の子ら+に売り渡し+,これをその領地からはるか遠くに立ち退かせようとした+[ゆえに],7 今わたしは彼らを奮い立たせて,あなた方が彼らを売り渡したその場所から[来させ+],こうしてあなた方の仕打ちに対してあなた方の頭に返報する+。8 またわたしはあなた方の息子や娘たちをユダの子らの手に売り渡し+,彼らはこれをシェバ+の人々に,遠くの国民+に売り渡すことになる。エホバ自ら[これを]語ったのである。
9 「あなた方は諸国民の中でこうふれ告げよ+。『戦いを神聖なものとせよ! 強力な者たち*を奮い立たせよ+! これを近くに来させよ! すべての戦人を上って来させよ+! 10 あなた方のすきの刃を剣に,刈り込みばさみ+を小槍に打ち変えよ。弱い者は言え,「わたしは強力だ」と+。11 周りのすべての国の民よ,加勢に来るように+。集い寄れ+』」。
エホバよ,その場所へあなたの強力な者たちを下って来させてください+。
12 「諸国民は奮い立て。エホシャファトの低地平原に来たれ+。そこでわたしは周囲のすべての国民を裁くために座に着くからである+。
13 「鎌を突き入れよ+。収穫物は熟したからである+。来たれ,下り行け。ぶどうの搾り場は満ちたからである+。搾りおけはまさにあふれる。彼らの悪がみなぎったからである+。14 群がる民,群がる民が決定の低地平原にいる+。エホバの日が近く,決定の低地平原に臨んでいるからである+。15 太陽や月も必ず暗くなり,星さえその輝きをとどめる+。16 そして,シオンからエホバはとどろき,エルサレムからその声を放つ+。そして,天と地は必ず激動する+。しかしエホバはその民のための避け所となり+,イスラエルの子らのための要害となる+。17 こうしてあなた方は,わたしがあなた方の神エホバであり,わたしの聖なる山シオンに住んでいること+を知ることになる+。そしてエルサレムは聖なる場所とならねばならない+。よそ人たちはもはやそこを通らない+。
18 「またその日,山々には甘いぶどう酒*が滴り+,丘には乳が流れ*,ユダの川床にはどこも水が流れる。そして,エホバの家からひとつの泉がわき出て+,それがアカシアの木+の奔流の谷*を潤すことになる。19 エジプトは荒れ果てた所となり+,エドムは荒れ果てた荒野となる+。それはユダの子らに対する暴虐のゆえである。その土地で彼らは罪のない血を流した+。20 しかしユダには,定めのない時に至るまで人が住む+。また,エルサレムには代々にわたって+。21 そしてわたしは,罪がないとはみなさなかった彼らの血*を罪のないものとみなすようになる*+。エホバはシオンに住まうであろう+」。
「エホバは神」の意。ヘ語,ヨーエール。
または,「長老たちよ」。ヘ語,ハッゼケーニーム; ギ語,プレスビュテロイ。使徒 15:2の脚注参照。
「この地」。ヘ語,ハーアーレツ。
「はい回る翼のないいなご」。ヘ語,ハイヤーレク。詩 105:34の脚注参照。
「ライオン」。ヘ語,アルエー。アフリカライオン。
「ライオン」。ヘ語,ラーヴィー。アジアライオン。
「泣き叫べ」,命令形,女性単数。
「所有者」。ヘ語,バアル; ギ語,アンドラ; ラ語,ウィルム,「夫」。
または,「農夫たちよ,恥じらえ。ぶどう栽培者たちよ,泣きわめけ」。
または,「地の人」。ヘ語,アーダーム。
「わたしの神」。ヘ語,エローハーイ。
「この地」。ヘ語,ハーアーレツ。
「全能者による」。ヘ語,ミシャッダイ。創 17:1の脚注と比較。
「干しいちじく」。または,「穀物の種」。
「貯蔵庫」かもしれない。
または,「ショファル」。ヘ語,ショーファール。
「この地」。ヘ語,ハーアーレツ。
「エデンの園のよう」。ヘ語,ケガン・エーデン; ギ語,ホース パラデイソス トリュフェース,「喜びの楽園<パラダイス>のよう」; シ語,アイク パルダイサー ダデン(daʽ·den); ラ語,クウァシ ホルトゥス ウォルプターティス,「楽しみの園のよう」。
または,「力ある者たちのように」。ヘ語,ケギッボーリーム。
「強健な男子」。ヘ語,ゲヴェル。
「愛ある親切」。または,「忠節な愛」。ヘ語,ヘセド。
または,「神聖なものとみなせ; 聖なるものとして扱え」。ヘ語,カッデシュー; ギ語,ハギアサテ; ラ語,サンクティフィカーテ。
「北から来た者」。あるいは,「さえずる者」と読むのかもしれない。訂正による。
字義,「後方の」。すなわち,東を向いたときの後ろ側。
「あなた方の神」。ヘ語,エローヘーケム。
「秋の雨」,訂正による; マソ本,「教え諭す者」。
マソ本と七十訳はここで2章が終わっている; タル,七十訳バグスター,シリ訳,ウル訳は2章が32節(マソ本の3:5)まで続いている。
「自分の霊」。ヘ語,ルーヒー; ギ語,プネウマトス; ラ語,スピーリトゥム。
「生き残った者たちの中に」,マソ本,ウル訳; ギ語,エウアンゲリゾメノイ,「良いたよりを告げる者たち; 福音を宣明する者たち」。
マソ本と七十訳は3章がここで終わっている; タル,七十訳バグスター,シリ訳,ウル訳は2章がここで終わっている。
字義,「その遊女のために」。ヘ語,バッゾーナー; ギ語,ポルナイス; ラ語,イン プロースティブルム。
字義,「あなた方はわたしにとって何なのか」。ヘブライ語の慣用句; その「仕打ち」に対して異議を示す,反発的な質問。付録7ロ参照。
「ギリシャ人」,七十訳,ウル訳; ヘ語,ハイエワーニーム,「イオニア人」。
2:7の脚注参照。
または,「山々には新鮮なぶどうの液」。
字義,「丘は乳[と共に]行き」。
「アカシアの木の奔流の谷」。または,「シッテムの奔流の谷」。
すなわち,流血の死。
「そしてわたしは彼らの血に復しゅうし,[彼らを]罪なしとみなすようなことは決してない」,七十訳; ウル訳,「そしてわたしは,自分が清めなかった彼らの血を清めるようになる」。