夕食会の目立つ場所
1世紀,改まった食事は食卓の所で横になって取るのが一般的だった。それぞれがクッションに左肘を突いて体を支え,右手で食べた。ギリシャ・ローマ時代の習慣では,典型的な食事室には低い食卓の周りに寝椅子が3つ置かれた。ローマ人はこの種の食事室をトリクリニウム(「3つの寝椅子のある部屋」という意味のギリシャ語に由来するラテン語)と呼んだ。本来,寝椅子1つに3人ずつで9人が食事できたが,さらに多くの人が食事できるようにもっと長い寝椅子を使うことも一般的になった。食事の席には伝統的に上下の席順があった。まず,下位の寝椅子(A),中位の寝椅子(B),上位の寝椅子(C)があり,同じ寝椅子でも違いがあって,左側の人が上位で右側の人が下位と見なされた。正式な宴会では,たいてい主人が下位の寝椅子の第1の席(1)に着き,中位の寝椅子の第3の席(2)が誉れある席だった。ユダヤ人がこの習慣にどれほど従っていたかは分からないが,イエスは弟子たちに謙遜の大切さを教えた時にその習慣に言及したようだ。
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