信頼の欠如
◆ 国際的な軍縮を求める声が世界中で大きくなっている。種々の条約が調印され,禁止された核実験を探知するための装置が設置され,対抗する国どうしの査察団が編成されているにもかかわらず,兵器の製造は増大し続けている。何が必要なのだろうか。スウェーデンの軍縮問題専門家アルバ・ミルダールは,「相互の信頼」が不足しているとして,次のように語っている。「究極的に言って,そうした信頼は,条約の当事国がどこまで信頼に答えるかどうかにかかっている。……これは将来どんな形の世界秩序を作り出すことを望むか,という問題と関係してくる。つまり,率直さに基づく社会を望むか,それとも秘密に基づく社会を望むか,である」。