悲惨な生活を強いられる子供
● ネパールのカトマンズにある一宮殿には,子供が生きた“女神”として祭られています。クマリと呼ばれるこの少女はわずか7歳ですが,3歳の時から礼拝の対象としてこのヒンズー教の寺院に閉じ込められています。ヒンズー教の一学者は,人がクマリに選ばれるのはその人の生まれた時の星の位置が,「特に強い運命線」を示しているからである,と説明しています。その少女は寺院の儀式を執り行なったり,自分を礼拝するために遠くヒマラヤの村々からやって来る人々に祝福を与えたりして毎日を過ごします。礼拝に来る人の大半は,子供を欲しがる不妊の婦人です。クマリの両親はそこに訪ねて来ても,我が子に触れたり,特別なあいさつを受けたりすることは許されません。思春期になるとその子供は解放され,別の幼いクマリがその代わりに女神になります。しかしながら,前述の学者はこう述べています。「その子供が解放されたとしても,配偶者を見つけることはほとんどないであろう。当地の男性は,強い運命線を持つ婦人に関して迷信的な考えを抱いているからである」。その学者はさらに,「ごく最近までクマリだった少女のうちの幾人かは,売春婦としてカトマンズの街頭をさまよっている」と述べました。