サケはきゅう覚を働かせるか
◆ サケは産卵のために川を上る際,どのようにして自分の生まれた場所を知るのだろうか。米国ウィスコンシン大学の科学者たちの主張によれば,サケは自分が生まれた川の化学的なにおいを覚えていてきゅう覚を働かせる。ある実験では,同じ状況でふ化した幾千匹ものサケが三つのグループに分けられた。六週間にわたって,一つのグループをある化学薬品に,また二番目のグループのそれとは別の化学薬品にさらし,三番目のグループは何の化学薬品にもさらさないでおいた。後日,サケはミシガン湖近くの川へ放され,湖へ移動して行った。産卵の時期になって,湖に近い二箇所の川に,以前使用された二種類の化学薬品のにおいが付けられた。最初の化学薬品にさらした魚の95%は,その化学薬品のにおいのする川に戻ってきた。また,二番目のグループの91%は,そのグループに用いられた化学薬品のにおいのする川に戻ってきた。化学薬品にさらされなかった魚は,様々な異なった川へ行った。こうした相違はにおいによるものと考えられている。