これらの心の医師には助けが必要!
● あなたのお子さんは兄弟げんかをしますか。それはあなたに対する愛情のしるしに過ぎないのでしょうか。二人の教育心理学者は,「子供がひっきりなしにけんかをしているように思えて頭を悩ませている親は,元気を出すとよい。彼らはきっとあなた方に対する愛を示そうとしているだけなのだ」と述べています。子供たちは親の愛情を奪い合っており,「日の当たる場所を求めて争い,両親に気に入られることを願って」いるとされています。これらの心理学者によれば,子供のけんかは親に対して,「本当に愛してくれているの?」という質問を投げかける,子供なりの方法なのです。愛を伝える手段としてのけんかなど,あり得るでしょうか。そのようなことはあり得ません。
● 孤独な人は着物を脱げ。心理学者の中にはこのような知恵に欠けた提案をする人がいます。「裸になることは,自分が天涯孤独であるという不快な感情を取り除く一つの手段である。……ヌード療法は,自分自身と他の人々に安心感を与える点で役立つかつてなく斬新な方法だ」というのがその主張です。ある心理学者は,一人当たり75㌦(約1万5,000円)の,あらゆる人々のための一般ヌード・コース,夫婦の「創造的性交」のための上級ヌード・コース,「デートの遊びに飽き,もっと率直な状況下で交際することを欲する」独身者のためのヌード・コースを提唱しています。しかし実際に率直に示されたのは,この心理学者が私腹を肥やそうとしていることと,患者を傷つけていることです。
● サイエンス・ニューズ誌は,「全世界的な調査が明らかにしたところによれば,哲学博士の称号を持つ男子の心理学者で,自分の患者と性関係を持ったことのある人は,20人に1人ではきかない」と述べています。女性の心理学者の場合,その割合はかなり低くなっています。これは「親密な性関係は倫理に反する」ものであり,心理学者は患者を食いものにしてはならないという,アメリカ心理学会の条例に抵触するものです。この条例を好ましく思っていないある心理学者は,患者との性的な接触について,「治療者の側の病理学上の必要に見合ったものである」と述べています。
● 暴力的な風潮が広がってゆくことを嘆く人は少なくありません。ある精神科医は,この風潮はわたしたちのためになる,と発言しました。それは「暴力を使うのは健康によい。社会には暴力のはけ口が必要だ」という意見です。この医師の説明によれば,ベルファストの暴動の際,暴動に加わった人の間では憂うつ症患者の数が減少したものの,暴動に加わらなかった人々の間ではノイローゼが増加したとのことです。暴力沙汰を引き起こしがちなデモ行進が政府によって禁じられたとき,この医師はこう述べました。「デモ行進をことごとく禁ずるなどと言うのは愚の骨頂である。……政府には明らかに精神医学的な援助が必要だ」。助けを必要としているのはこの精神科医です。
● フットボールでタッチダウンをした選手が,ボールを地面にたたきつけるとしたら,その人は得点への執念を示しているのだとは思われませんか。しかし研究精神医学者の説では,それは表面的な見方になります。選手はお金が手に入ったり表彰されたりする面では試合を好みますが,傷を負ったり恥をかいたりする面では試合をきらいます。得点を加えてエンドゾーンに小躍りしてかけ込む選手は,自分の敵方に恥辱を加えているのであって,ボールを荒々しく投げるときは,ボールを敵の頭にたたきつけているのだ,というわけです。この治療専門家は次のように述べています。「精神科医の見地からすると,こうした事柄は愛と憎しみの関係を表わすものである。その人はボールをたたきつけるという行為によって,自分の生活のほとんどすべてがかかっている仕事に対して,絶望感や恥辱感を抱いているということを直接的に表現している」。この医師は「見抜いた」と述べています。しかし常識で見抜ける事実は,その選手は得点をふやしたので喜び勇んでいるということです。
● 心理学者も精神科医も,数学,化学,生物学,物理学などの科学が成し遂げた数々の立派な業績によって得られた社会的地位や名声を盗用している,と述べた記事がマックリーン誌に掲載されました。彼らの職業を「科学」と呼び,彼らの矛盾をはらんだ混乱しきった見解と実証的事実に基づいた自然科学とを結びつけるのは,全く納得のゆかないことです。マックリーン誌の結論はこうなっています。「もし精神科医,社会学者,心理学者の忠告に,物理学者,歯科医,技師のそれと同じほどの重要性を付与するとすれば,我々は自分たちが羊の内臓やデルフォイの神託にお伺いを立てた人々にやや劣るという思い違いをしていることになる」。