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  • 私はしっと深い夫でした
  • 目ざめよ! 1981
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目ざめよ! 1981
目81 2/8 12–15ページ

私はしっと深い夫でした

二人の友人の助けを得て,私は買ったばかりの古いスクールバスから熱に浮かされたように座席を取りはずしていました。私はいら立ち,小声でぶつぶつつぶやいていました。妻のキャシーと3人の息子が家に帰って来ると,私はげんこつでキャシーの顔を殴り,さらに離婚するとおどかし,殺してやると脅迫することまでしました。

妻は恐れの色を見せず,「ビル,あなたがそうなさってもエホバは私を復活させることがおできになるわ」というような言葉を小声でつぶやきました。二人の友人も驚いたように私の顔を見つめました。暴力をふるうのは,特に妻に対してそうするのはおよそ私らしくないことを知っていたからです。私がこれほどに取り乱して,家を売り,私の家族をこのスクールバスに乗せて遠い所へ運ぼうとしていたのはなぜでしょうか。なぜなら……

キャシーと息子たちはエホバの証人の王国会館での集会から帰って来るところでした。私は家に取り残されていました。これまでの結婚生活を通して,私たちはすべてのことを家族として一緒に行なっていました。子守りを雇ったことはありませんでしたが,いつも目標としてきたのは夫また妻として互いを喜ばせること,息子たち,つまり10歳のロイ,5歳のジャック,4歳のリックと一緒に働きまた遊びながら幸福な一致した家族生活を送ることでした。しかし,今の私たちは分裂していました。「エホバ」という名の人に,私の小さな世界を奪われてしまったのです。

本当を言うと,私は若い時代はずっと教会に通っており,約13年間無欠席のバッジをもらったこともあります。しかし愛の神であり創造者である方が本当にいるのかどうかについて疑問を抱かせる事件がありました。最も仲の良かった祖父が死んだ時,神が祖父を取られたということを聞いたのです。6歳だった私は,神がとても無情であるように思えました。幾年かたって大好きな母がやはり亡くなった時にも同じような説明しか聞けませんでした。アルコール中毒の父を残して,神が母を取り去られたというのです。

十代のころから,私は若い仲間がだ菓子屋の棚から物を盗み,告白の費用を払い,日曜のミサには必ず出席していたことに気付きました。大人たちが不道徳な行ないを“うまくやりおおせた”ことを誇りながら,自らを“クリスチャン”とみなしていたことも思い出します。それは私から見ると偽善でした。私は教会がなくても良い生活を送ることができました。教会は私には不要でした。

キャシーはノースカロライナ州のある町で成長しました。その教会での集会は,宗教的な場であると同時に社交的な場でもありました。キャシーは教会に大変熱心で,いつも日曜学校で教えていました。私は妻が子供たちを教会に連れて行くことについては心配しませんでした。良いことを多少は学べると思ったからです。でも妻は自分が出席するどんな教会にもしだいに満足できなくなってゆきました。特にうわさ話をしたりかげ口をきいたりすることに耐えられませんでした。キャシーを大変動転させたのは,ある日曜日にロイが上着のそでを引きちぎられて家に帰って来たことです。ちょうどロイのクラスでけんかがあったのです。妻が別の教会に行ってみようと言いだした時,私はどの教会も“似たりよったり”であることを知っていたので笑っただけでした。

何か月かたって,キャシーはモルモン教の勉強を始め,同時に家を訪問してくれたエホバの証人とも聖書を学び始めました。その勉強は私の仕事中に行なわれていましたから,気にかけもしませんでしたが,妻が王国会館の集会に出席しだして「エホバ」について多くのことを話すようになるにつれ,私の中にしっとの炎が燃え出しました。妻の見いだした新しい知識は次第に妻の決定に影響を及ぼすようになりましたが,それは私の意見といつも調和するわけではありませんでした。

例えば,キャシーは私の友人を訪問することはもうしたくないと言いました。その理由を尋ねたところ,妻が言うには,息子たちが私の友人の子供たちから悪い言葉を覚えるというのです。妻は友人についてもえり好みをするようになりました。私はげんこつを振り上げました。腹が立ってなりませんでした。「聖書の中には三位一体はない」とか,自分は「エホバ」を愛することや崇拝することを学んだとかいうことをのべつ幕なしに話そうとしているように私には感じられました。次第に妻の精神状態が心配になりました。それで何か手を打たなければなりません。家を売りに出して引っ越す,その手がありました。私はエホバの証人から逃れるためにそれを実行しました。

私たちは960㌔遠方の,マサチューセッツ州メルローズへ,そのスクールバスを使って引っ越しました。しかし何も解決されませんでした。そこで王国会館を見つけだすことができなかったため,妻は大変ふさぎ込むようになり,体をこわしてしまったのです。私は妻のそうした様子を見るに忍びなかったので,自分で王国会館を探し始めました。王国会館が見つかり,妻にまた喜びが戻りましたが,私の中にはしっとの思いが再びつのってゆきました。その気持ちを解消するため,私は仕事に打ち込み,夜も昼も仕事で過ごしました。

この間ずっと,妻と子供たちは集会に出席し,聖書を勉強してますます多くの知識を得てゆきました。そして妻が,本人に言わせれば「真理」を携えて,隣近所の家から家を訪問していることが分かりました。私はすぐさまそれをやめるように,そうしたことをするのであれば,ほかの土地か町でしてほしいと言いました。妻の友人であるラピン夫人が妻を近隣の町へ連れて行ってそうした訪問を行ないました。彼女は家々を訪問して妻の非常に親しい友人となりました。時には私に話し掛けようとさえしましたが,私はそれを少しも受け入れませんでした。ラピン夫人が玄関に姿を現わすや,私は裏へ逃げてしまったのです。私のしっと心をかき立てる別の人,別の証人が現われたのです。

では何ができるでしょうか。コネチカット州のニューロンドンで仕事が見つかりました。「これが答えだ」と私は思いました。でもやはり,それも解決策ではありませんでした。新しい仕事に沢山の時間を奪われて幾年かが過ぎ,息子たちは私なしで成長してゆきました。

ある日曜日のこと,私は実際に行なわれていることを見るために妻と一緒に王国会館に行き,妻を驚かせました。キャシーの驚いた表情を今でも思い出すことができます。

しかし私も驚きました。私が見聞きしたものは,教会について記憶している礼拝とは非常にかけ離れていたからです。私が聞いた聖書の話は,一ふさを二人の男子がさおにかついで運ばなければならない程大きなぶどうのある土地に関するものでした。それは夢のように思えましたが,確かに聖書の民数紀略 13章23節にはそう書かれていました。それは神の民のための約束の地に関する記述です。かなり人を鼓舞する有益な論議が整然と続けられました。

妻と子供たちが聖書をあれほど上手に説明できるのも不思議ではありません。知識では太刀打ちできないと感じて,私は関係を持とうとしませんでした。しかし議論になるたびに怒りを感じ,自分がどれほど聖書のことを知らないか思い知らされました。13歳を過ぎていたロイも,聖書のほとんどの質問に答えられたのです。私は劣等感と惨めさをひしひしと感じていました。こうした感情や気分の矢面に立たされたのはいつも妻でした。

私は障害となる心理的問題を非常に多く抱えていました。エホバに対する妻の愛に,妻の知識と,学んだことを他の人に伝える上での熱意に,同じことができるロイの能力にしっとを感じていました。自分はいつも働いているのに,妻には息子たちと楽しく過ごす時間があることをしっとし,息子たちがいつも母親に示している尊敬と誉れをねたましく思っていました。

私は悪態をつきビールを飲んで(飲んだくれではありませんでしたが)成長しました。しかしこうした事柄をまだ続けていたので,しかも激しさを増していたので,良心が痛みました。神経はいつもピリピリしており,体重は減り,行く先は真っ暗でした。ある日,私はノースカロライナ州に帰ることに決めました。そこなら生活のペースがゆるやかになるでしょう。家族としてもう一度一緒にやってゆくことが私の望みだったのです。

ノースカロライナ州に戻ってから二,三か月後,「聖書研究をしてみるのはどうですか。あなたのご家族がなぜそう考えるのかその理由を知りたいとは思われませんか。そうすれば家族のみなさんをより良く理解できるようになるでしょう。またあなたご自身も知識を得られます」と言われました。私は考えました。「よし。間違いを見つけてその間違いを証明してやろう。そうすれば自尊心を取り戻せるし家族を元通りにできる」。

私はチャールズ(私の司会者)が聖書研究のために家に来ることを許さずに,私の方から毎週一晩彼の家を訪問しました。本当は行きたくなかったので,最初は準備することが本当にいら立ちのもとでした。毎週毎週,腹立ちまぎれにいろいろな物を投げつけては,またキャシーにいやな思いをさせてしまいました。

しかし何週間かたつうちに,事情は変わってきました。当初はすべてを受け入れませんでしたが,それでも聖書と調和しない教えは何一つ見いだせないことが徐々に分かってきたのです。時がたつにつれて,自分の学んでいる事柄すべてが聖書によって裏付けられていることが分かりました。ある日,友人から聖書に関連した質問を受けた際,自分でも驚きましたが,その質問だけでなく,友人の抱いていた他の幾つかの質問にも答えることができました。そうです,私も聖書研究が良い結果をもたらすことを味わい知ったのです。

これで私たちの問題は全部解決したように思えました。しかしそうではありません。そうは問屋がおろしませんでした。まだ自分の自制心にも問題がありましたし,依然としてたばこを吸っていました。(1日にたばこ3箱,コーヒー約15杯,多量のビール。睡眠薬も服用していました。)これは私の良心を痛ませるものであり,この習慣を克服できそうにはとても思えませんでした。毎晩たばこをやめるのですが朝になるとまた吸ってしまいます。たばこの箱を投げ捨てては,“神経のいら立ちを軽くするため”それをまた取りに戻るのです。このことで,私は,妻が喫煙の習慣をずっと昔に克服したことをねたましく思いました。

台所に洗濯機を据え付けようとして背中をひどく痛めてしまった時のことを思い出します。妻が助けにやって来ましたが,私は非常に腹が立っていたので,妻に体あたりし,妻を押しのけてドアから走り出てたばこを買いに行きました。本当にそれは闘いでした。しかし,真摯な多くの祈りと,クリスチャンの友人やエホバの霊の助けによって,ついに「私はやめました」と本当に言えるようになりました。こうして私は短気を克服するように助けられ,真のクリスチャンである家族をしっとする代わりに彼らに感謝するようになりました。

私は,自分の小さな家族がこの間ずっと聖書の原則に忠節に従っていたことを心から深く感謝しています。では昔のしっと深いこの夫にどんなことが生じたでしょうか。もしあなたがケンタッキー州のルイビル市の近くに住んでいるなら,あなたの会衆をビルとキャシーが訪問したかもしれません。それは今(この記事を書いている時点において),初期クリスチャンの時代のパウロと同じように,私のあずかっている喜ばしい特権なのです。私は様々な会衆に援助や励ましを与える旅行する奉仕者として仕えており,現在20の会衆を訪問していますが,それは私たちも励ましを受ける機会となっています。

私と同じようにしっとを感じることのある夫の方々については,その誇りが家族関係の障害にならないようにと願っています。むしろ子供たちが生涯のうちでも聖書の原則を学びかつ適用できる幼い時期を活用なさることを希望しています。夫の立場にいるこうした人たちの多くはすでにこのことを行なっており,その妻たちはペテロ第一 3章1,2節の霊感を受けたペテロの次の言葉を適用して,それから得られる結果を見る喜びにあずかっています。「妻たちよ,自分の夫に服しなさい。それは……ことばによらず,妻の行状によって,つまり,深い敬意のこもったあなたがたの貞潔な行状を実際に見て引き寄せられるためです」。

みなさんの祝福が私の場合よりも豊かなものでありますように。そして夫であれ妻であれ,しっと深い人になるという落とし穴を避けることによって十分の喜びを味わわれますように。―寄稿。

[13ページの拡大文]

ご主人が妻に対して,エホバの証人との勉強をやめるように言うのは,エホバの証人に関する好ましくない事柄を聞いたためかもしれません。でもご主人が耳にしたことは真実でしょうか。

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配偶者が何を学んでいるのか,それを知る一番良い方法はご自分でエホバの証人と聖書を勉強なさることです。全く費用はかかりません。お望みでなければ中断してもかまいません。さまざまな事実を直接知ることになるでしょう。

[15ページの拡大文]

王国会館で行なわれている集会においでになることは,そこで行なわれることをご自分で確かめる良い方法です。

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