スペインからの報告
伝道者 1949 43 1952 145 1953 206
予言者イザヤは,大きな暗やみが民の上に覆うであろうと語つています。このことは,まつたくスペインの国の民の状態です。ローマ,カトリックの教職制度はこの状態に対して責任を持ちます。なぜならば,彼らはその勢力を持つすべての国の民を文盲にしておくように,スペインの国の民をも文盲にしているからです。彼らの願うことは,民が読み書きができず,また全然知識を持たないで,暗やみに止まつていることです。しかし,ある者はこの暗やみを破り離れており,正しい時になつて偽りの宗教は大旋風を刈りとるでしよう。スペインで神の御国の良いたよりを伝道することは難しい仕事ですがこの国にいる多くのクリスチヤンは,友人,親戚,そして興味を示す他の人たちと共にいる時,黙つてはいません。彼らは人々に良いたよりを語ります。クリスチヤンは,御国のこの良いたよりは証しとして全世界に伝道されねばならぬと知つており,そしてヱホバの証者はクリスチヤンです。次のことは,良いたよりでもつて働く私たちの共働者について述べています。
ある町で,牧師と警察の両方から難しい問題が生じましたが,それにもかかわらず良い証言が与えられました。一人の若い特別開拓者は,他の人を助けて,家々で聖書の理解を助けたという理由のために2日と半日『留置』されました。でも恐れを感ぜず,短い投獄のあいだ,その女の開拓者は警察の役人,同囚者そして長官に証言しました。後になつて,『その教理』を伝道してはならないという警告をうけて解放されました。でも,新しい世の社会の活潑な一成員として働き続ける以外に何ができますか?
多くの会衆と同じく,姉妹たちは奉仕の仕事に大きく参加しています。数人の姉妹たちは,家族の責任がありますが,それでも1ヶ月のうちに多くの時間を伝道に費しています。一人の姉妹は,毎週14の聖書研究を司会しており,また戸口の訪問の仕事も多くしております。姉妹たちは,次の予言の成就に参加し続けています。『主みことばを賜う。その音信をのぶる女は多くして群をなせり。』― 詩 68:11。
誠実な心を持つ多くのカトリックの人々にとつて,聖書は『新教徒の本』であつて,恐れをもつて取り扱うべきものです。多くの人は聖書を見たこともなければ,聖書が何であるかを知らないと言つても過言ではありません。宣教者の報告に次のようなのがあります。家から家への仕事のときに,その仕事は人々を助けて聖書を理解させることですと説明し,お家の人は聖書を良く知つていますかと尋ねました。いいえ,聖書というものを聞いたことがありませんと家の人は言いました。それでは,たぶん福音について聞いたことがあるでしよう? いいえ,福音とは何でしたか? 辛棒強い伝道者は,元気を失わず使徒たちについて話しをいたしました。しかし,その家の人は,使徒たちなど全然知つていませんでした。私たちの仕事の性質が何であるかを,知らせる最後の試みとして『聖』ペテロを御存じですかと尋ねました。ポカンとした答えを聞いて,ビラの方が私たちの音信を良く説明するだろうとその伝道者は確信しました。聖書について無智であつたというこの例は,プエブロ(村)で起つたのではなく,大きな工業都市で起つたものです。(1954年度のヱホバの証者の年鑑より)