エホバの証者の年鑑からの抜萃
日本
人口: 93,540,000人
最高伝道者数: 1,658
比率: 56,417人に1人
人口密度が非常に高いこの日本の国では,まだまだ大きな仕事がエホバの証者の手によってなされねばなりません。世界中で良いおとずれを伝えている神の奉仕者が本当に少なかった初期クリスチャンの活動がしのばれます。日本もちょうどそれと同じです。少ないですが,ここでもすばらしいわざをしている奉仕者がおります。彼らは「異邦人たちの改宗の模様をくわしく説明し,すべての兄弟たちを大いに喜ばせ」たいと思っています。(使行 15:3,新口)最近日本で改宗する人は多く,このことは,既に新世社会に入っている人々にとって大きな喜びとなっています。なぜなら人々が偽りの神々から離れ,全宇宙の真の神を崇拝するようになるのを見るからです。真理に入って新世社会の一部になった者の間に真の一致が見られます。そして共に御国の良いおとずれを熱心に伝道しています。この1年も日本においては増加のすばらしい年でした。数の面ではそんなに多くありませんが,円熟性と理解の面でたしかに進歩がみられました。前年度にくらべてエホバの証者の数は22%増加し,同じ支部の僕の報告によると沖縄でも神の御国の良いたよりを宣べ伝えている者の数は31%増加しました。次に日本と沖縄からの報告を載せましょう。
野外における奉仕者の数の増加を見守ることはすばらしいことでした。毎月伝道者の最高数が得られ,17ヵ月も最高数が続いて,7月には1658名の伝道者が野外にでて,これは30%以上の増加でした。しかし伝道者数の増加にもまして大きな喜びをもたらすものは,クリスチャンとしての円熟性を増すということです。
この年の大きな出来事はヘンシェル兄弟の訪問と,そのとき同時に行なわれた地域大会でした。私たちは東京の美しい近代的な会館で大会をひらきました。最初のプログラムの時から1000名近くの人がエホバの食卓に集まり,これは以前の公開講演会出席者数の最高と同じくらいでした。ヘンシェル兄弟の話は非常に興味深いものでした。「預言に注意せよ」という公開講演をきいてから,一人の善意者はこう言いました,「このように将来のことを知ることができるのは本当にエホバだけですね!」。公開講演に1717名が出席したのを見て私たちの心はおどりました。
大会の時に,開拓者やそのほかの人々が野外からの楽しい経験を述べました。小さいサムエルをしのばせるような5歳の奉仕者は,マイクロホンに向っておじけずに話しました。そして家から家に行く時人々にどう話すかを実演してみせました,「この雑誌はどのようにすれば新しい世で永遠に生きられるかが書いてあります」。この簡単な証言を使い,この坊やはその前の月に80冊の雑誌を配布しました。大きくなった時何になりたいかときかれて,こう答えました,「お父さんのように開拓者になりたい。それから,新しい世で動物たちと一緒に遊ぶ」。
家事をよく整理して正規開拓者になった一人の家庭の主婦は3つの主な理由で全時間奉仕に大きな喜びを見出していると言いました。その理由というのは,(1)「私の羊を養いなさい」という命令に十分従うことができる。(2)この古い世から離れていることができる。(3)新しい世が非常に身近かに感じられるということです。日本でますます多くの人はこの喜びを味わっています。昨年中に会衆のすべての伝道者の19%にあたる208名のそれぞれ違った人々は休暇開拓奉仕をし,その中の37人は,この奉仕がとても楽しかったので後程,正規開拓者になりました。その中の何人かは特別開拓者として,まだ証言のわざがなされていない地域で奉仕しています。
この大会で浸礼を受けた98人の中の一人は,その翌月休暇開拓奉仕を始めました。この方は19歳の若い姉妹で,以前は心臓病のため,ほとんど家にとじこもっていました。真理を学んだ時,1週に1回か2回家から家へ伝道し始めました。4ヵ月の後,彼女はすっかり元気になり,家族の者も彼女自身もびっくりしてしまいました。休暇開拓奉仕の1日,1日は楽しく,はじめて体の調子が本当によくなりました。彼女は今正規開拓奉仕の申込みをしました。彼女の話によると,家から家へ歩いて伝道することは何よりの薬だということです。
忙しくしている人々に,会ったとき,この人はもう駄目だと思わないようにしましょう。特別開拓者は忙しく働いている靴屋さんに証言し,その人は2冊の雑誌をとり,非常に謙そんな態度を示しました。勉強がその店で始められ,間もなくして彼はエホバに奉仕したいと熱心に望むようになりました。店をそのままにして度々出かけていくことはできませんでしたが,たくさんのお客さんが彼のところにやってきます。それで彼が話す機会はありました。1ヵ月に40時間奉仕し,店で40冊の雑誌を配布しました。家にいるおばあさんは彼が仏壇でいつものようにおがまなくてはいけないと言いましたが,彼はエホバの崇拝のために断固とした立場をとりました。
機会をのがさずに証言する人は,本当によい経験を味わうことができます。一人の若い伝道者はある日学校の帰りに定期と学生証をなくしてしまいました。みつからなければたぶん大損をすることになるでしょう。ところが翌日速達の手紙がきて,その中にはなくした定期と学生証が入っていました。彼女は見つけてくれた人に感謝の手紙を書き,その中で御国奉仕の中から一番新しい聖書の話を使って証言しました。幾日かたってそのひろった人は会社員で,彼女の家を訪ねてきました。遠いところをわざわざきたのです。そして贈り物をもってきて,これは手紙に書かれていた良い音信に対する感謝のしるしだと言いました。その若い伝道者とその母親は更に証言し,彼は非常に熱心にききました。そして彼の住んでいる近くの会衆の兄弟と勉強するように取りきめました。今彼はそこの集会に出席しています。
沖縄
人口: 837,000人
最高伝道者数: 97人
比率: 8,629人に1人
この年の大部分の期間,沖縄の島のわざは全部沖縄の兄弟たちの手により進められてきました。この地方の兄弟が巡回の僕として任命されました。4つの会衆の沖縄の僕たちは増加をめざしてよく働き,たしかにエホバは彼らを祝福して,今までにない大きな増加を与えました。
巡回の僕が再訪問をしていた時,雑誌1冊を前にとった男の人を訪ねました。彼は小さい事業をしていて,ほかのまちにもその支店がありました。巡回の僕は暖く迎えられ,話題が「救い」ということに発展しました。その人は,それが霊的な状態で,たとえば天に行くことだと思うと言いました。この時巡回の僕は「見よ! 私は凡べての物を新しくする」という小冊子を取り出し,その人に聖書をお持ちですかとききました。彼はすぐに日本語の新しい聖書を出してきました。そこで二人は一緒に,小冊子の最初の2節を調べ聖書からその聖句を見ました。その結果,彼は人類が地上の楽園で救いを得るということをよく納得しました。彼は「このことをよく考えてはいたのですが,今やっとわかりました」と言いました。小冊子のうしろに「神を真とすべし」が紹介されているのを見て,「この本があるのですか」とたずねました。巡回の僕はこの前の再訪問で,ちょうどその本を出してしまったので,「今は持っていません」と言いました。するとその人が「沖縄にはあるのですか」と言いました。巡回の僕が「はい,あります。1冊持ってまいりましょう」と言うと,彼は次のように言いました。「いいえ1冊ではなくて,10冊欲しいんですけれど。僕の支店の支配人と事務所で働いている者に1冊づつプレゼントしたいんですよ。皆もこれを読むべきだと思いますね」。