魂を得るに至る信仰を行いにあらわす
1963年エホバの証者の年鑑から
フィリピン共和国
人口: 27,473,000
最高伝道者数: 36,829
比率: 746人に1人
なんぢらの光を人の前に輝かせ,とのキリストの言葉に従うエホバの証者は,フィリピンにおいても大きな仕事を成し遂げました。良いたよりを宣明する仕事が心の正しい人にもたらしたものは,霊的な目ざめと明るい希望です。クリスチャンの光は輝かねばなりません。それは単に言葉だけでなく,生活の仕方そのものによってもなされねばなりません。クリスチャンが宣べ伝える事柄を,世の人々が聞き入れるかどうかは,伝える人の行動や態度によって大きく左右されるのです。フィリピンの支部の僕の報告は次の通りです。
物質的な利害とか身体的な難儀などによって,「羊」に対する愛がそがれることはありません。特殊な区域に任命を受けた開拓者は,自分たちの区域を冗談ながら,「行って帰らぬ土地」と呼んでいます。なぜかと言えば,その区域へ行くためには岩のごろごろした道を通らねばならず,しかもその道幅は狭く,両側にはおゝいかぶさるように,とげのある草が茂っているので,靴はいたみ,傘は破れて,無事なすがたで戻れる事がないからです。姉妹たちはその道の悪さにねをあげることもありましたが,忠実は報いをもたらしました。最近,喜びあふれる30人の伝道者を持つ会衆がその地に設立されたからです。しかし,喜びはそれで終りではありません。新しい会衆の兄弟たちは,献身的に努力した二人の開拓者の忠実な模範に動かされ,6人のしもべを含む8人の伝道者が休暇開拓者となり,さらに正規開拓者になる事を望んだからです。次の詩篇の言葉はなんと意味深いではありませんか。「人は種をたづさへ,涙をながしていでゆけど,たばをたづさへて喜びてかへりきたらん」。―詩 126:6。
神権的な家族が進んでたがいに協力し,すくなくとも家族の一人が開拓者になれるように努力するならば,開拓奉仕に対する熱意はいよいよ高められます。10人の子供を持つある父親は,家族の取りきめとして,子供たちは一人ずつ高等学校を終えたらすぐに開拓奉仕をすることに決めました。卒業までの間,子供たちは夏休みが来るたびに,休暇開拓奉仕をして,開拓奉仕に対する認識を深めました。この家族の計画には喜ばしい結果がありました。上の3人の子供は今特別開拓者であり,最近卒業した子供は正規開拓奉仕を始めるための準備をしており,残りの子供と母親は夏の休みに休暇開拓奉仕をしています。