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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1968
塔68 12/15 764–765ページ

『すべての国の民への証言』

エホバの証人の1968年度年鑑より

シンガポール

人口: 1,865,000人

伝道者最高数: 191人

比率: 9,746人に1人

シンガポールでは,野外において多くの良いわざが成し遂げられました。昨年中,支部は新しい建物に移転しました。そしてここからはマレーシアのわざも監督されています。昨年の最も興味ある楽しい出来事は,「人々を弟子とする」地域大会でした。一兄弟の感想は次のようです。「こうした劇を見て,楽しく,しかも深い感銘を受けながら色々の事柄を教えられたことは,これが初めてです。どれもすばらしい劇でした」。今でも兄弟たちが劇から引用することばを耳にします。

この国でも「すなどる」わざを行なうためになすべき仕事がたくさんあり,エホバは誠実な心の持ち主をご自分の組織に導いておられることが確かにわかります。このことを経験した一兄弟は次のように述べました。結婚した一人の若い婦人は,近くの区域でエホバの証人に会いましたが,聖書を十分に学ばないうちに,ご主人の仕事の関係で家族は突然シンガポールに引っ越しました。約2週間後,奥さんはエホバの証人と連絡を取って見ようと思いましたが,その方法がわからなかったのです。信心深いこの婦人は,どうぞ助けてくださいと神に祈りました。ところが翌朝,一人の兄弟が彼女の家を尋ねたのです。婦人は興奮しながら言いました。「昨晩,私は神のしもべをつかわし私を援助していただきたいと神に祈りましたが,今朝あなたがいらっしゃいました! ほんとうにうれしいです」。婦人は「ものみの塔」と「目ざめよ!」誌を喜んで予約しました。家庭聖書研究が現在行なわれています。エホバとエホバの民に対するこの婦人の認識は,急速に高まっています。婦人は色々の集会に出席し「ものみの塔」研究では注解さえしました。そして,友人に聖書の真理を話しはじめています。

聖書の教えに従うならば,長い間には良い結果が得られます。一人の若いキリストの弟子は,学校の先生が「聖書を読まなければ英語の知識は完璧とは言えない」と話したので,欽定訳聖書を読みはじめたと述べました。彼の両親はクリスチャンではないため,そのことを気にもとめませんでした。当時,一人のエホバの証人が彼の家を尋ね,無料で聖書を学ぶように彼に勧めました。英語の上達のためには,まさに最良のそして費用のかからない方法ではないかと考えました。彼はその勧めに応じました。両親はこのことをも気にかけませんでしたが,エホバの証人の使命が英語を教えることではないと知るや,その訪問を思いとどまらせようとしはじめたのです。学生は述べています。「その証人は,クリスチャンが忍耐しなければならないことや,研究を続けることの大切さを聖書から私に示しました。それで私は彼の忍耐をためそうと決め,数週間,彼を避けました。しかし証人は毎週やって来て,彼の忍耐のほどを証明しました。両親は反対しましたが,私は勉強を続けました。そして私は新しい『永遠の生命』の本を入手し,現在の事物の体制の終わりの近いことを知り,私は決意しました。英語の勉強よりも,御国奉仕が私にとって重大な事柄となりました。事実『私は人々を弟子とする』地域大会について聞いた時,献身を表わそうと決意しました。その時私は19歳で両親の監督下にあるため,このことについて両親と話し合うことは正しいと考えました。両親は大そう心をかき乱し,私の研究用の書籍類を取りあげてしまいました。しかし再び手に入れ,もっと熱心に夜ふけまでも学びました。両親は私が気違いになってしまったのではないかと思ったのでしょう。ある朝,私を病院へ連れて行くと告げました。いわれるままに両親と行った先は精神病院で医師は精神病医でした。私は聖書の原則に従って両親には逆らわず,病院でとりきめられた課程に参加しました。精神状態を診断するために医師の質問に答えるかわりに,私は彼に良い証言ができました。ついに医師は,『あなたの信仰はすばらしいです』と述べ,それから私の両親に『お子さんは決して気違いではないので心配はいりません』とうけあいました。このことで両親は安心し,また私がキリストの一弟子として,親子関係に関する聖書の原則に従う必要のあることを知って喜びました」。

ローデシア

人口: 4,530,400人

伝道者最高数: 10,612人

比率: 427人に1人

エホバは御国宣教学校のとりきめを豊かに祝福されました。出席の招待を受けた一兄弟は,感謝の手紙を次のようにしたためています。「私は最初にこの学校のことを聞いた時からいつも出席することを考えていました。エホバは,私がりっぱな奉仕者になり,兄弟たちをよりよく援助できるようになることを望まれて,もう一度ご自分の深い善意といつくしみとを私に示されたように思います。しかし私はエホバのご配慮を受けるに値するほどの者ではありません」。同様のりっぱな心がまえは,この兄弟が奥さんと一緒に休暇開拓奉仕を行なったあとでも示されました,その手紙の続きはこうです。「私たちは長年一緒に休暇開拓をしたいと思っていましたが,家庭における聖書的な責務のために,昨年の4月までそれは不可能でした。しかしついに休暇開拓奉仕ができましたが,その奉仕から得た喜びを思いのままに言い表わすことはできません! エホバが私たちに望まれることを行なって得られるほどの満足は,どんな他の職業であっても得ることができません。皆さんも奥さんとともにこの奉仕をなさるならば,休暇開拓を行なう人だけが経験する満足と心の平安を確かに味わえるでしょう。私はできるかぎり近い将来,妻と一緒に再び休暇開拓をする計画です」。

休暇開拓を行なった一人の監督は,この活動にたずさわっている間に,会衆内の兄弟たちを大いに援助できることを知りました。そしてどのようにこのことを行なえたかについて,次のように説明しています。「私はこの4月,宣教活動で多くの兄弟を訓練し,実際的な方法で個人的に援助して,この面で監督としての奉仕を楽しみました。私が役にたつと思った方法は,一人の伝道者か休暇開拓者,あるいは,正規開拓者と午前中ずっと一緒に働くことです。街頭伝道や店から店,あるいは車から車を尋ねるいずれの伝道でも,まず早朝の雑誌活動で伝道を開始します。これはその日の良い出発となりました。それから私たちは奉仕の集合場所に行き,家から家の宣教に2時間ほど費やし,次いで午前中の残りの時間を再訪問や聖書研究のわざに用いました。私は奉仕の色々な面に参加し,また彼らの証言を実際に見聞きしたので,役にたついくつかの提案を述べることができました。また私も『良いたより』を伝える際の多くのすぐれた方法を学びました。すべてのしもべや監督が,皆さんの保護の下にある『羊の群れをかう』実際的な方法として,このような特別な月について考慮されることを私はお勧めします。

野外宣教で人々が耳をかさないように思える時,あなたは時々落胆しますか。またそれが無益だったと考えますか。私たちの宣教がかならず人の目に止まっていることは,一人の巡回のしもべが述べた次の経験によく示されています。彼の奉仕している地方の一地区で地震がありました。それは低く重々しい地鳴りを伴う地震だったとのことです。この地震は広範囲の地域を襲って多数の小さな町や村をゆすり,人々は恐れおののいて,家や職場から避難しました。こうした事態は,野外宣教にたずさわる奉仕者に対する人々の態度にどんな影響を及ぼしましたか。巡回のしもべは次のように述べています。「この激しい地震が終わってのち,この地域の人々は穏やかになり,音信の種を播く下ごしらえができていました。多くの人々はエホバの証人を求め始めたのです。聖書をたずさえた一婦人は,メソジスト教会の制服を着てある日の昼ごろ私の家に来ました。婦人は大そう真剣で,次のように述べました。「あなたはこの地震についてどのように考えておられるかどうぞ教えてください。エホバの証人の皆さんは,他のどんな宗派の人々よりも聖書をよく知っておられることを存じています』。それからとても充実した討議がなされました。私は『良いたより』の小冊子1冊を婦人に配布し,『終わりの日』のしるしを論じた個所から研究が始まりました。その日の午後,証言のわざのために伝道者が集まった時,すべての人々が同様の経験を述べました。ある伝道者のもとにその地震について尋ねたいという人々が一度に10人以上も押しかけました」。そうです,私たちのわざは人々の目にかならず止まっています。人々は問題に直面する場合,聖書から慰めを得るには誰に尋ねれば良いかを知っているのです。

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