非公式の証言により真理を伝える
● フィンランドにおいて1974年度中に1,300人余がバプテスマを受けました。そのなかには,非公式の証言によって初めて真理について聞いた人たちもいました。献身したある若い姉妹が,30人ほどの職員の働いている衣料品店に勤めていました。それらの従業員はみな非常に若く見えたので,真理には関心がないだろうと姉妹は考えていました。従業員は,血の入ったパンケーキがどれほどおいしいかについて,しばしば話していましたが,その若い姉妹は,議論の的になるような問題で従業員たちと話し合いを始めたいとは思いませんでした。ところが,やがてクリスマスの問題が持ち上がりました。従業員のひとりは,その姉妹がクリスマスのために夫に何を買うつもりかを知りたがっていたので,姉妹は,「何も買いません」と話したところ,それがきっかけとなって,クリスマスの起源について説明でき,こうして関心が引き起こされました。その従業員と姉妹は店からは同じ方向の場所に住んでいたので,ふたりは一緒に乗物で通い,話し合いました。しかし,どこで聖書研究をすることができたのでしょうか。その従業員の夫は真理に反感を抱いていたので,結局昼食時間中にコーヒー店で研究をすることにしました。夏の時期には時々公園で研究を行ない,またある週には通勤の途中や帰途の時間を利用して研究を司会しました。そのうちにもう一人の従業員が研究に加わり,間もなく二人とも集会に出席するようになりました。今ではその二人ともバプテスマを受けた姉妹になり,またその店のもう一人の従業員もバプテスマを受けました。今やその店の職員はみな,それら三人の姉妹たちがどんな人かを知っているので,さらに多くの証言の機会に恵まれています。それで,自分の周囲の人々と真理を分かち合うのは有益なことです。―「エホバの証人の1975年の年鑑」より