「偉大なるかな主エホバ」
フランツ・シューベルトは,ヨハン・ラディスラフ・ピルケル作の「全能」と題する次の叙情詩のために曲を作りました(作品79/2,DV852,1825年)。
偉大なるかな主エホバ!
天と地はその御力をふれ告げる。
とどろく嵐の中に,森の流れの大きなどよめきの中に
その賛美の言葉を聞く。
緑の森のざわめきの中に聞く。
黄金に波打つ穀物の中に,
美しく咲き誇る燃えるような花の中に,
星をちりばめた天の輝きの中にそれを見る。
その言葉が雷鳴と共に響き,素早く空を駆ける
稲妻と共にきらめくと,畏怖の念が生まれる。
だが,エホバの,とこしえの神の御力を,
それにも増して悟らしめるもの,それは脈打つ心臓である。
熱き目をもて高きを見,御恵みと慈しみを求める
その時に。