子供たちにとって不毛の環境
現代の社会は,子供の健全な成長に必要な環境を,実りあるものから不毛なものへと徐々に変えてしまった,と米国のイリノイ大学のエドワード・A・ワイン教授は述べています。同教授はその原因として,極端な個人主義,物質的な豊かさ,そして宗教の失敗を挙げています。「親たちの中には戦列に立たされているように感じる人もいるが,それも無理のないことである」と,ウォール・ストリート・ジャーナル紙の中でワイン教授は述べています。また,「お手上げの状態になってしまう人もおり,有能な夫婦が子供の養育を先に延ばし,敬遠しさえしている」とも述べています。対策として教授は,夫婦が子供の適切な養育に真剣に取り組むこと,家族の一致を促進して信者の参加を期待する宗教に加わること,愛と懲らしめを織り交ぜること,名声をもたらすような目標を犠牲にすることなどを提案しています。
聖書はこうした必要を幾世紀も昔から強調していました。聖書は親たちに,「キリスト教の懲らしめのうちにキリスト教の教えをもって,彼ら[子供たち]を育てなさい」と勧めています。(エフェソス 6:4,フィリップス訳)神の言葉はさらにこう説き勧めています。「民を,男も,女も,幼い者も……集合させなさい。彼らが聴くため,また学ぶためである」。(申命記 31:12)これらの原則を一貫して適用すれば,悪化してゆく現代の社会の時流に家族が対抗してゆくのに役立つに違いありません。