良いたよりを伝える ― 教える者となる
1 あなたは教える者となっておられますか。会衆の前に立って教えるという意味でそう言っているのではありません。マタイ 28章19,20節でイエスが,「人々を弟子とし……教えなさい」とお命じになったその業に参加しているかどうかということです。現代の神の民は,家庭聖書研究という方法によってこの教える業を大変効果的に遂行してきました。あなたご自身はいかがですか。もしかしたら,最近野外奉仕に参加し始めたばかりで,まだ研究をお持ちでないかもしれません。あるいは,司会していた研究が事情で中断してしまい,新しい研究をさがしておられるかもしれません。では,研究を持つことを強く願い,それを祈り求め,そのためにねばり強い努力をなさってください。―ヨハネ第一 5:14。
2 今月は,研究を持ちたい,あるいは増やしたいと思っている人にとって絶好の機会です。なぜなら,主に聖書研究を勧めることを意図した「王国ニュース」のパンフレットと共に「良いたより」の本が提供されるからです。提供物を求めた人々ともう少しの時間を用いて,「良いたより」の本から話し合ってみるのはいかがですか。1977年12月号「わたしたちの王国奉仕」の12月18日に始まる週と12月25日に始まる週のプログラムには,「良いたより」の本の18章および1章を用いて研究に結びつけてゆく話し合いの仕方が提案されています。是非,復習してごらんください。
3 例えば,「良いたより」の1章を用いて次のような短い話し合いができるかもしれません。「この1章には,この本が書かれた目的が説明されていますので,その最初のところだけでもご一緒に目を通していただけますか。(一節を自分で読むか,相手に読んでもらう。その後,)ところで,あなたでしたら,ご自分にとっては何が良いたよりであると思われますか。(相手の考えを聞く。)もっともな点ですね。結局,本当に良いたよりであるなら,ここに書かれているようなものであるべきではないでしょうか。(2節を自分で読むか,相手に読んでもらう。)このことに同意なさるのではありませんか。実際,本当の良いたよりなら,この言葉のような違いをもたらすはずではありませんか。(箴言 12章25節または25章25節を読んで,家の人の考えを尋ねる。)この左のさし絵は,そのような良いたよりから益を受けた人たちの様子を描いています。このような表情で毎日生活できたらいいと思われませんか。(家の人の感想を聞く。)今日はこれで失礼したいと思いますが,よろしければ来週少しの時間お邪魔して,この良いたよりの内容がどんなものか,お話ししたいと思います」。
4 こうして,家の人に期待を持たせ,次の訪問の予告をしておくことができます。質問と答えの形式にむりやりはめこむのではなく,欄外の質問を会話の中に自然に織り込んでいるのに気付かれるでしょう。続く数回の訪問も同じように形式張らない方法で,一度に数節ずつ話し合うことができます。関心が高まってきたなら,途中の区切りの良いところで目次を見せ,調べてみたい章を選んでもらい,次第に本格的な研究の形に移行していくこともできるでしょう。
5 「良いたより」の18,19章などから研究に結び付ける場合にも同じ方法を用いることができます。ある観察によれば,これらの章から話し合いを始めた後,急に1章に戻って研究を進めようとすると,関心が失われて研究が中断することが少なくないとのことです。このような場合,機械的に1章に戻るよりも家の人の関心をとらえそうな章を続けて討議し,十分に関心が高まった後に最初に戻って進めるのがよいでしょう。家の人が特にどんなことに関心を持っているかを見きわめながら融通のきく方法で司会すれば,研究を続けてゆく助けとなります。
6 研究を取り決めるのに小冊子が有用であると感じている奉仕者は少なくありません。特に予約をした人や,「聖書物語」などの本を求めた人を再訪問する際,改めて「良いたより」などの本を紹介することよりも,小冊子を手渡してそれから話し合いをする方が自然で容易であるのはうなずけることです。もし,「見よ!」や最近の3冊の小冊子が会衆に在庫しているなら,家の人のタイプに合わせて自由にそれらを活用してごらんください。現在のところ,協会には小冊子の在庫があまりありませんが,近い将来に「見よ!」の小冊子が大量に入る予定です。会衆はどうぞ早めに注文をお寄せになってください。
7 「良いたより」の本を用いるにしても,小冊子を用いるにしても,研究を軌道に乗せるための方法をよくのみ込み,話し合いの進め方を練習するのはとても大切なことです。練習すれば,わたしたちは自信をもって話し合いに家の人を引き入れることができます。もしかしたら,あなたは教える業にまだ十分の経験がないために,実際の場面でどのように話し,どのように進めたらよいのか自信を持てないでいるかもしれません。もしそうなら,経験を積んだ奉仕者と一緒に働くのも大きな助けになります。一緒に再訪問に行くのはいかがでしょうか。もし,研究になりそうな良い再訪問があったなら連れて行ってくれるよう頼んでおいてはいかがですか。きっと多くの事柄を学べるでしょう。よく成功している奉仕者たちも,この点で自分の経験の益を進んで他の人々に分かち与えるよう努めることができます。
8 あなたは教える者となっておられますか。そうした願いを持ち,そのことを祈り求め,ねばり強く努力するなら,大きな喜びと祝福を味わうことでしょう。