良いたよりを伝える ―「互いに助け合う」ことにより
1 「互いに助け合う」取決めが提案されたのは約3年前の1979年10月号から1980年2月号までの「わたしたちの王国奉仕」でした。それ以後目立った結果が得られています。第1日曜日の奉仕が定着したのはその一例でしょう。多くの会衆で第1日曜日に伝道者の群衆が奉仕に参加するようになりました。これは,奉仕の友として励まし合い誘い合って参加したことの結果です。
2 しかし最近一部の会衆でこの「互いに助け合う」取決めが見られなくなっているとの報告を受けることがあります。また単に野外奉仕の際だれかと二人で行くことだけがこの提案の意味することだと理解している人も少なくないようです。もちろんいつでも必要な時にそのようにできますが,これはもっと明確な目的をもった取決めです。援助を受ける人と援助を与える人との間で,特定の期間,特定の分野において目標を持ち,その目標を達成できたと自分たちが感じる時まで,共に準備し,練習し,働く取決めなのです。「互いのことをよく考えて」時間を買い取り,「りっぱな業……を鼓舞し合い……互いに励まし合」うために協力してゆくことです。(ヘブライ 10:24,25)どのような目標を持つことができるでしょうか。宣教の分野であれば,雑誌配布,雑誌経路の作り方,家から家で聖書を用いて会話すること,出版物の提供,家から家で研究を勧めること,再訪問の仕方,研究への結びつけ方,研究の司会方法,組織の話など,どんな目標をも掲げることができるでしょう。さらに,個人や家族研究,集会の出席や参加,そのほかさまざまな分野でこの取決めを活用できるのです。
3 取決めはどのようにして設けられますか。自分たちで取り決めることができますし,自分が援助を必要としていることあるいは援助できることを奉仕監督か書籍研究の司会者に伝えて,ふさわしい取決めを設けてもらうこともできます。もしあなたが特定の分野で援助できることを自発的に奉仕監督か書籍研究の司会者に申し出られるなら,この取決めの成功に大きな貢献となるでしょう。イエスがわたしたちに教えられたのは,そのような自己犠牲的な愛ではありませんでしたか。―ヨハネ 13:34。
4 この取決めを成功させるためのもう一つの鍵は奉仕監督と書籍研究の司会者たちが握っています。会衆全体の互いに助け合う計画を見守り,推し進めることは奉仕監督の主な仕事の一つです。奉仕監督は月に一度書籍研究の群れを訪問して1週間その群れと共に奉仕しますが,その時に多くのことを行なえます。書籍研究の司会者と群れの中での取決めについて検討し,有益な提案を与えることができます。また群れに対する15分間の話をする機会や奉仕者たちと共に働く機会を用いて,援助を受けたい人も与えたい人も積極的に申し出るよう励ますことができるでしょう。
5 書籍研究の司会者も,取決めを設ける段階で,あるいは進行段階において援助や提案を与える立場にいます。それら兄弟たちは自分の群れにおける援助の取決めを常に知っているべきです。それでもし自分たちで互いに助け合うことを取り決めたなら,書籍研究の司会者に伝えてください。自発的な申し出がなければ,書籍研究の司会者は援助できる奉仕者に声をかけて,ある分野で特定の伝道者を助けるように依頼するでしょう。その後,両者と一緒に会って「互いに助け合う」取決めが設けられたことを伝え,今後の計画に関する提案を与えるかもしれません。群れの中で常に最も実際的な組み合わせがなされているように見守って進歩的であるようにし,援助されている人もやがて援助する側になるよう励ますことができるでしょう。―テモテ第二 2:2。
6 ほとんどすべての旅行する監督たちは,すべての伝道者が教える業にあずかる者となるためにこの取決めを活用することを勧めています。この点で,1980年1月号「王国奉仕」の「互いに助け合う」の記事を書籍研究の司会者たちが復習し,各群れで実行すると良いでしょう。是非そうしてごらんください。3年前に比べて伝道者は約2万2,000人も増加しています。今後この増加は速度を速めることが予想されます。加わってくる新しい伝道者にも援助が速やかに与えられるなら,皆が教える業の喜びを経験するという際立った結果を期待できるでしょう。自分の子供以外の研究を持ったことのない姉妹,再訪問で研究に結びつける自信のない姉妹,研究生を行動に促す点で困難を覚えている姉妹という3人を援助したある姉妹はこう述べています。『会衆の目標がすべての奉仕者が研究を持つことであると告げられていましたので,自分にできるだけのことをしたいと思いました。自分のやり方に自信があるわけではありませんのでつい消極的になりがちですが,兄弟が声をかけてくださるだけで積極的に働くことが容易になります。共に働く良い機会を与えてくださったことに感謝しています』。皆さんすべてが同じような喜びを経験されますように。