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目ざめよ! 1970
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認識の目をもって物事を見る

あなたは鳥かこん虫の飛ぶところを見たことがありますか。「もちろんです」,とあなたが答える前に,この「見る」という意味をもっと詳しく定義することにしましょう。

たとえば多くの人は,鳥を見るとき,その美しい羽根に目をとめるだけです。ところがこれがネコとなると,同じ鳥を見ても,おいしそうな晩ごはんに見えるかもしれません。また,農夫が鳥,たとえばツバメなどを見るとすれば,春の近づいたしるしをそこに見るでしょう。ですから「見る」ということは,目の網膜に像を映すだけのことではなく,それ以上の意味をもつ場合があるわけです。

一例として,老練な時計修理工が精巧な時計を調べているところを考えてみましょう。彼は何を「見る」でしょうか。その見方は,時計のケースの内側をちょっとのぞく程度のものではなく,もっと念の入ったものです。時間の正確さを判定し,その構造の詳細を調べあげてから,その性能を評価します。自分の見たことから得られた結果を見,製作者が克服しなければならなかった問題とを結びつけるなら,製作者の思いの中まで「見る」かもしれません。それどころか,その製品をとおして,製作者と敬意ある交わりを結ぶことまでするかもしれません。

この例に見習えば,わたしたちも,鳥やこん虫の飛行を,深いところまで「見る」ことができるでしょう。そうしたものの飛行が優美なことに疑問はありませんが,飛行機としては,どれほどすぐれているでしょうか。そのできばえは,製作者のどんな性質を反映していますか。

多能な生き物

あなたは最近,たとえばトンボを見たとき,実際になにを見ましたか。たぶん,あなたは,トンボが目の前で飛び回っていたときに,それに注意を引かれたかもしれません。そして,日の光に輝くその美しい色にみとれたかもしれません。ところがそのうちにトンボは,突如,驚くべき速度で,予想もつかないような方向に飛んで行った,というようなことはありませんでしたか。もしあなたが飛行に科学的な関心をもっていたならば,この小さなこん虫がなぜ,ヘリコプターの特技であるホバリングと,国定翼機の高速安定飛行を合わせ行なうことができるのか,驚かれたでしょう。トンボはなんと多能ではありませんか。

考えれば考えるほど,あなたはトンボに感心させられたにちがいありません。もしこの小さなこん虫にかくされている秘密が応用できるとすれば,世界強国の,しのぎをけずる軍事戦略家たちは,疑いもなく大金を投ずることでしょう。それでもしあなたが洞察力をもって「見ていた」なら,美しいこん虫として見るだけにとどまらず,多種の能力をもつ飛行機のすばらしい例をそこに見たことでしょう。

人間が懸命になって究明している,この多能性は,ふつうどの鳥にも見られます。ハイタカを例にとってみますと,この鳥の翼の構造と機械作用は,トンボのそれとは似ていないのですが,それでも1箇所で舞うこともできれば,非常な速さで飛び去ることもでき,人間が不断の努力を傾けて研究している二様飛行が行なえます。

周囲への影響

注目に価することとして,優秀な設計者は,設計にあたり,周囲への影響をも含めてあらゆる事柄を考慮に入れます。彼は利権や,ある技術上の能率という狭い面にとらわれることがありません。事実,すぐれた設計士は,技術上の必要条件と,審美的な必要条件とをうまく平衡させ,しかるのち努力して両者から最大限を引き出すというやりかたをします。

このことに留意して,飛行の別の面を考えてみましょう。あなたは,飛ぶ生き物が人の感覚をかき乱さないことに気づいたことがありますか。たとえばそれらがたてる音です。これはふつう聞いて感じのよいものです。それにひきかえ,固定翼をもつ飛行機やヘリコプターは,神経をいためつけるような音をたてます。また人間の作る飛行機は,わたしたちが呼吸する空気を汚し,不健康や病気の原因となります。なんという大きな相違でしょう!

空気動力学上の性能

しかし空気動力学の面から見た性能を,飛行機と比較する場合,鳥はどうでしょうか。まず翼のことを考えてみましょう。これはどれほどの性能をもちますか。

空気動力学上の性能は,翼の形によって大きく左右されます。人間は,高等数学やら風洞内の実験やらを含む,多くの努力を重ねた結果,満足のいく飛行性能の翼を設計することができるようになりました。しかし鳥の翼もわたしたちの想像どおり,それぞれの生きかたに適した,理想的な形をしています。たとえば,アホウドリとタカの生き方には大きな違いがありますが,彼らの翼は,それぞれの異なる要求を完全に満たすべくつくられています。実際のところ,鳥がその翼で成し得ることを行ない得る飛行機を見た人がいるでしょうか。

推力

では推進法についてはなにが言えますか。わかりやすくするために,プロペラ,もっと正確にいってエアスクリューを取りあげてみましょう。この推進法はどのように作用しますか。

その名が暗示するとおり,エアスクリューは空気中にねじこまれるように前進して機体をひっぱります。しかし固体のナットの中に金属のボルトがねじ込まれる場合と違い,空気はいわばスリップするために,固体のナットには生じないむだが継続的につくりだされます。

この種の損失をはっきり理解するには,大魚をつり糸でたぐり寄せるつり師のことを考えてみるとよいでしょう。もし彼の船が海底か,川床にしっかりといかりでつながれていれば,しなければならないのは,腕でつり糸をたぐることだけでしょう。しかし船がいかりでつながれていなければ,そして一定の位置を一寸でも動きたくなければ,魚の方向にひっぱられるのを防ぐに足る速度で船のエンジンを動かさねばなりません。したがって,エンジンが使用した動力はすべて,周囲が流動体であるゆえに,完全な損失となるでしょう。

しかし鳥の翼はどうですか。鳥の翼は,見事に調和のとれたはばたきと,滑空技術とのために,プロペラのこうむる損失をほとんど避けることができます。現代の航空機にとりいれられているジェット推進法も,鳥の翼の性能にはおよびません。

鳥の推進法であるはばたきと滑空は,ある意味でスケーターの動作にくらべることができます。ゆるやかな傾斜をすべり下る,そして坂の終わりに達する直前に,その傾斜と並行して走るもうひとつの傾斜の背に移ることができるスケーターを想像してください。からだに推力を与えるために足を両側に突き出すところがちがうだけで,ふつうのスケーティングにはこの原理が応用されます。鳥の場合は,翼を下に動かす動作で推進します。

機動性

鳥はほんとうにすばらしい,性能のよい飛行機です。発明の才がにじみ出ているかのようです。とりわけ翼は,なんとすばらしい道具でしょう。

あなたは2羽のカモメが,一片の食物をめがけて舞いおり,正面衝突しそうなところを見たことがありますか。しかしそれはいつもしそうなだけです。負けたほうが避ける動作を起こす際,激しい翼のはばたきのために,2羽の鳥がもつれあって飛んでいるように見えるからです。

あるいは,カラスが金網の垣にとまるところを見たことがありますか。失速して不安定になる恐れなどさらにありません。着陸態勢にはいるとき,目標よりも先に飛びすぎるのではないかと思えますが,それまで性能のよいプロペラの働きをしていた強力な翼の先端は向きを変えて速度を落とします。またなんという止まりかたでしょう。鉄線に向かって静かに舞いおりるときの,その制御ぶりはみごとなものです。しかしカラスはとても疑い深いので,止まろうともせず,失速の状態から,またゆっくりと翼をはばたかせて,のんきそうに鳴きながら飛び去ることもあります。いまやってのけたその驚くべき芸当など気にもとめません。

航空機設計者は一般に,多能性を得るにも,鳥のような着陸の仕方をするのに必要なむずかしい動作をなしとげるにも,動く翼,形を自由に調節できる翼に多くの利点があることを認めています。しかし,はばたく翼と,形を変える翼の研究で,人間の技術者がえたみじめな結果は,人間が鳥の高等飛行のまねごとをするまでにも,前途ほど遠いものがあることを物語るものです。

多能性や空気動力学上の性能の面からにせよ,また機動性の面からにせよ,鳥を考察すればするほど,この航空機の創造者が名匠であることをうかがい知ることができます。目に美しく,動作が静かで優美な飛ぶ生き物を見るとき,わたしたちは感動し,彼らの偉大な設計者にひきつけられる思いがします。

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