マリファナの使用がもたらす影響
1970年9月20日号,ニューヨーク・タイムズ・マガジンの編集者にあてた手紙の中で,F・E・ウィンクラー博士はマリファナ使用者に関して次のように述べている。「マリファナとハッシュ(大麻の樹脂を固めたもの)使用の初期的な影響は,意志力の漸次喪失であり,専門家は6週間ぐらい少量の麻薬を服用した人に,この症状を見てとる。こうした意志力の喪失は圧力に抵抗する能力を弱めるため,マリファナの使用者が麻薬を無理やり勧める者や強奪者,また変質者の犠牲になることはきわめて多い。やがて真の喜びを感じる力は全くなくなり,その代わり,そうぞうしいみせかけの楽しみに興じるようになる。健康な青少年はスポーツ,ハイキング,芸術的な創作など,あらゆる種類の活動に熱心に参加するが,マリファナ使用者はとてつもない目標について際限なく話し,そのくせ一向行動を起こそうとしない。そして,この傾向はしだいに強くなる。マリファナを使用すると,運動能力はきまって低下する。芸術的な活動は無意味なものになり,独創性が全く失われる。他の人々に対してしっかりした感情を持たないで,感傷におぼれる傾向を持つ。麻薬は抑制力を取り除くので,短期間ながら性的な活動が活発になるが,数年たつときまって衰え,男女とも性的不具者になる」。ウィンクラー博士は最後に,「深刻で悲劇的な人格の崩壊がマリファナ使用者に」忍び寄っていると語った。