世界展望
性病の爆発的増加
◆ 1970年度中,アメリカで報告された梅毒患者の数は8.1%もの驚くべき割合で増加した。大都市の中には増加率が50%を上回ったところもある。報告されたリン病患者はアメリカ全国で16%増加した。リン病の罹患率は今やふつうのカゼに次ぐ高率を示している。特に十代の若者のリン病患者は著しく増加している。推定によれば,性関係の乱脈な女性10人につきひとりはリン病にかかっており,重大な症状を呈したり,相手の男性に感染させたりするまではそれと気づかないとのことである。さらに憂慮されているのは,リン菌がペニシリンに対する抵抗力をつけつつあるという事実である。世界保健機構の報告によれば,リン病は世界中で手に負えなくなっているとのことである。
霊応盤のもたらす影響
◆ オーストラリアの1971年1月10日付,サンデー・テレグラフ紙は,霊応盤は英国の十代の若者たちを腐敗させ,堕落させているとして,次のように報じた。「教職者および聖職者たちは英国中の学校に広まっている霊応盤の流行は性や飲酒あるいは麻薬以上に重大な脅威であると宣言した。…事が明かるみに出る発端となったのは,信心深い女教師が教室にはいるたびに十代の女生徒30人がわめいたり,どなったり,金切り声を上げはじめた事件であった。それら女生徒たちは手に負えないほど乱暴になり,『神はいない』と叫び続けた。ふだん彼女たちは行儀の良い生徒であった」。その少女たちは霊応盤にこり,霊者が彼女たちに神はいないと語ったことが明らかにされた。同紙はさらに,「『ここはすばらしいよ。おまえはどうしてわたしのところへ来ないのだね』という,死んだ父親からの伝言とされることばを霊応盤を通して聞いた一少女は自殺を試みた」と報じている。英国心霊術者協会の幹事は「そうした霊応盤の市販は禁止すべきだ。…霊応盤が引き出す勢力は無責任なわざをするとともに危険である」と語った。聖書は,そのような邪悪な霊の勢力と接触しないようにと警告している。
現代の剣闘士
◆ 古代ローマ人は,十分に鍛えられた剣闘士が行なう血なまぐさい試合にスリルを感じた。今日多くの人々は,熟練したボクサーが技と力をきそう残忍な試合で痛打を浴びせ合うのを見て同様のスリルを味っている。1900年以来,そうした試合で400名以上の死者を出したことを知る人はほとんどない。回復不能の脳傷害を起こした者も多い。シカゴ大学のワード・ホールステッド博士はこう語った。「軽い一撃でさえ脳をはずませる。ボクシングのために引き起こされる脳の損壊には恐るべきものがある」
同性愛者の牧師
◆ アメリカ,カリフォルニア州サン・ラファエルのデーリー・インデペンダント・ジャーナル紙は,ユニテリアン派の評判の高いある牧師が公然の同性愛者であることを報じた。同紙によれば,「その牧師は自分が同性愛者であることを言明したのち,各地を回って同性愛者と自分の苦悩について話しはじめ,この2年間,彼はユニテリアン派の親ぼく会でこの種の話をするのに忙しかった」とのことである。真のクリスチャンの組織は,神がそのみことばの中で述べておられる道徳規準を守るものであるが,その規準の一つは明らかに同性愛を非としている。
疑問視される,放射能による年代測定法
◆ ニューヨーク・タイムズ紙によれば,最近のある発見は対象物件の放射能の崩壊率を測定して考古学上の発見物の年代を定める現行の測定法をくつがえすおそれがあるという。既知の正確な崩壊率に従って放射能性物質の崩壊率は一定していると仮定されていた。ところが今や,J・L・アンダーソン博士の発見によってこの仮定が疑問視されるに至った。同博士は米原子力委員会の研究所で個別に行なわれた種々の実験を通して彼の発見を確証した。同博士のことばによれば,崩壊率はこれまでの仮定のように一定ではないとされている。また彼は他の力が崩壊過程の速度を変える場合がありうると語った。
苦境に立つバプテスト教会
◆ アメリカ,テキサス州バプテスト協議会の席上,南部バプテスト協議会の前会長のひとりは1万2,000名の代表者を前にしてこう語った。「教会は,最大の挑戦に直面している時に,最もひどい貧血症で重態に陥っている。…われわれは(バプテスト)教会が眼前で死ぬのを見るべく生きているのである」。
アルゼンチンの牛肉の危機
◆ アルゼンチンは牛肉の生産,消費および輸出の面で多年主要な国の一つであった。しかしこの国にはもはや十分の量の牛肉がない。専門家筋によれば,少なくとも5,500万頭の肉牛が必要とされているが,保有肉牛は約4,500万頭に減少し,牛肉の値段は急騰した。ブエノスアイレス・ヘラルド紙はこう報じたとのことである。「無能力と先見の明の欠如が重なったため,わが国の土台そのものがくずれた」。
銀行倒産が増加
◆ 1969年の初頭から1971年3月までの26か月間に,アメリカでは19の銀行が倒産した。それらの銀行の預金者は12万6,998名で,預金高は2億1,919万2,000ドル(約849億円)であった。倒産件数の年平均は過去9年間の2倍を上回った。
農場を離れる
◆ アメリカの農場は290万ほどに減少した。これは1960年よりも100万ほど少ない。なぜこれほど多くの農場経営者が仕事をやめるのであろうか。インフレのために物品や装備類の価格が高くなったが,収入はそれに追いついてゆかない。また税金は天井知らずに上がり続けている。アメリカ全土の農場経営者のあいだには危機感が広まっている。
病菌で汚染された建物
◆ 最近アメリカの古い捨てられたある織物工場が取りこわされることになったが,その作業は,「米国史上,最も危険かつ経費のかかる取りこわし作業」と言われている。その建物は,牛や羊また時には人間を殺すおそれのある脾脱疽という伝染病の細菌に汚染されている。床面積2万6,000平方メートル,5階建てのその建物にはまず最初にホルムアルデヒドをしみこませる。しかし問題の細菌は塗料の下,木造部,床下,仕切りや割れ目の中にひそんでいることもありうるので,そうした処置を講じたからといってその建造物の危険性が完全に除去されると期待することはできない。できるだけほこりを立てないようにするために,手で慎重に進められる予定である。可燃物は超高温焼却炉で処分され,不燃物は無人地区に捨てられ,ホルムアルデヒドに浸されてその後何年間か定期的に点検されることになっている。
ニューヨークを悩ます麻薬の災い
◆ 他の諸都市と同様,ニューヨークは麻薬中毒の災いに悩まされている。麻薬中毒は15歳から35歳までの年齢層の人々の死因の筆頭をなしている。ニューヨークのおよそ10万人ものやっかいなヘロイン中毒者は同市で起きた重大犯罪の50%に関係していると見られている。
西洋わさびの用途
◆ スイスの植物学者ウォルター・シェーネンバーガーによれば,西洋わさびのジュースはかぜの予防になるという。同氏は,それにはバクテリアを殺す効果があり,毎日西洋わさびのジュースを茶さじ二,三杯も飲むとかぜによる頭痛や他のカタルなどの炎病を予防できると勧めている。