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目ざめよ! 1971
目71 11/8 19–20ページ

ピニヤタとその用途

メキシコの「目ざめよ!」通信員

「打て打て! 打て! 右! もっと下! 上!」

何事だろう! 子どもたちもおとなも何をさけんでいるんだろう。どうしてそんなに興奮しているのだろう。

人がきに近づいて見ると,隣り合った2軒の家の屋根の上に二人の男がいて,三角星のような物をぶら下げた1本のひもの両端を持っていた。

「あれ,なあに!」 わたしたちは尋ねた。

「ピニヤタだよ!」と子どもたちがさけんだ。

いく人かの目かくしをした子どもたちが,順番に棒でピニヤタをこわそうとしていた。しかし男たちはひもを引っぱってピニヤタを動かし,こわさせまいとした。ついにひとりの目かくしした少年がピニヤタに猛烈な一撃をくわせた。ピニヤタはこわれて中身が床の上にこぼれ出た。サトウキビを短く切ったもの,オレンジ,ピーナツ,(リンボクの実に似た)テホコテスなど,あらゆる種類のくだものである。

子どもたちはどのくらいたくさん拾えるか,競い合った。二,三分もすると床の上には何もなく,こわれたつぼとちぎれたクレープペーパーだけがころがっていた。ピニヤタを三角星のように見せていた円錐形のものは,子どもたちがトロフィーとして持って行った。

わたしたちは好奇心をそそられた。ピニヤタのことをもっと知りたいと思った。ピニヤタの起源は何だろう。なぜメキシコや他のラテン・アメリカ諸国で使われるのだろう。それを割ることには何か意味があるのだろうか。

宗教との関係

ピニヤタの起源は正確には知られていないが,ベニスの有名な旅行者マルコ・ポーロが,東洋からイタリアの彼の故郷に持ち帰ったと信じられている。のちほどスペインで,ピニヤタの使用は,宗教的祝いの一部となった。スペインの西半球征服についでピニヤタはメキシコに紹介された。ピニヤタに使われている材料は,す焼きのつぼ,クレープペーパー,のり少々,そしてかっこうをつけるための厚紙などである。

カトリックの教師たちは現住民のインディオに宗教教育を行なうときこのピニヤタを利用した。たとえば,聖灰水曜日から復活祭の日曜日まで守られる四旬節に関係して使われた。場所によっては今日でも用いられている。復活祭の前日,イスカリオテのユダの形をしたピニヤタがこわされ,散らされたキャンデーを子どもたちが飛び回って拾い集める。

ピニヤタはまたクリスマスにも用いられるようになった。現代の一著述家は,「インディオは儀式の発達において劇的な演出をたいへん好んだ。修道士たちはイエス・キリストの誕生を祝うときに劇を行なうようになった」と述べている。そして劇の最後の部分として,ピニヤタがこわされた。

アウグスチヌス修道会のディエゴ・デ・ドリアという名の修道士が,法王からクリスマス前の9日間ミサを行なう許可を得たのは1587年ごろのことであった。キリスト誕生前,ヨセフとマリアは9日間宿をさがしたという伝説を現住民は教えられた。しかし聖書はそんなことを言ってはいない。それは人間がつくった伝説にすぎない。

ポサダというのは,この伝説を教えるために紹介された祝いであった。このときにマリアとヨセフのいわゆる9日間の宿さがしの劇が行なわれた。ヨセフとマリアに扮する若い男女が選ばれ,彼らが宿をさがしあるくふりをするあいだ,歌ったり祈ったりする人々のグループを設けることも習慣になった。人々はこの劇を見に教会に集まった。

後日この祝いは人々の家庭にももちこまれ,人々は自分でポサダを組織した。時がたつにつれ,粒土や焼せっこうや木でつくられたヨセフとマリアの像が,彼らに扮する人間にとってかわり,二人の子どもがヨセフとマリアの像をかつぐ行列を先導するのが習慣になった。

メキシコの家庭の人々は,クリスマス前の九夜,毎晩ポサダを楽しみにして待つ。行列を導く子どもたちはへやからへやを尋ね歩き,断わられ断わられてナシミエント,つまりきれいに飾られた小さな馬小屋のある,キリスト誕生の場面がしつらえられた場所に来る。ここで彼らは入れてもらえ,ヨセフとマリアの像を馬小屋の中に置く。しかし赤ん坊のイエスの像を置くのはポサダの最後の晩である。

祝いはピニヤタをこわして終わりとなる。これらのピニヤタは,船,道化師,悪魔,三角星,ウサギ,大根,スイカなど,いろんな形をしているかもしれない。近ごろは,家の主人がみんなを中庭に招き,そこで,目かくしをした人たちが順番に,ポーチの屋根か木の枝からつり下げられたピニヤタをこわそうとする。

カトリックの教師たちはこの宗教的な儀式において,ピニヤタの使用に大きな意味を付している。ピニヤタは悪魔または悪霊を表わすと彼らは教えてきた。ピニヤタを割ろうとする人が目かくしをすることは,悪魔に打ち勝つ盲目の信仰をもつことを表わす。ピニヤタの中の品物は人間が一生のあいだにぶつかる誘惑を表わし,ピニヤタを割ることは永遠の命を得ることを意味する。

現代の傾向

メキシコのポサダは最近,無秩序,泥酔,犯罪活動などを特徴とするようになり,祝いは奔放で不道徳な生活の口実として使われている。殺人,強盗,傷害ざたも多くて,この祝いの間は警官が特別に忙しいときである。

ポサダは,12月の半ばに行なわれた昔のローマのサトゥルヌス祭を思い起こさせる。事実,百科事典によると,この異教の祭りはクリスマスの多くの陽気な習慣のモデルになっている。ポサダとピニヤタの使用はそれらの習慣と密接な関係をもっている。

しかし今日では,ポサダやピニヤタをこわすことの宗教的な面を考える人はほとんどいない。ある商人たちがこれについて知っていることと言えば,これを売れば金がもうかるということだけである。彼らはそれを1個6,000円くらいで売り,ポサダの祝いの間は値段はさらに高くなる。ピニヤタはまた,子どものパーティーとか誕生日の祝いなど,社交的な集まりに広く使われている。

しかし,ピニヤタがある場所で盛んに使われていても,それに関連した偽りの宗教的行事に疑惑をもつ人たちもいる。

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