世界展望

引き続いて各地で行なわれた喜ばしい大会

◆ 去る7月中旬までに，北アメリカでは23か所で開かれたエホバの証人の「神のお名前」地域大会に46万4,648名が出席した。それら夏のプログラムのおもなものは，今日のさまざまな問題を扱った，聖書に基づく実際的な話や聖書劇だった。出席者たちは特に閉会のことばに感激した。その中で，ガーナ，南アフリカ，コンゴ･キンシャサ，ナイジェリア，ローデシア，ブラジル，フランス，イタリア，スペイン，西ドイツにあるものみの塔協会の事務所と印刷施設，およびニューヨーク市から1,600キロほど離れたところにあるものみの塔農場の協会の施設の拡張計画が発表された。

西ドイツにおける河川の汚染

◆ ライン川のふたつの支流，ニッカー川とセージ川ははなはだしく汚染されたため，その幾つかの区間が生物学的に死んでいると宣言された。さる5月，ニッカー川のある区間は1週間にわたって死んだ魚やネズミでいっぱいになった。2年前にはビンゲンからオランダ国境までの区間の魚が汚染のためにほとんど全滅したが，ライン川そのものの汚染状態は当時のそれに近づきつつある。

メキシコを襲ったきびしい干ばつ

◆ メキシコ北部の，九つの州に及ぶ広大な地域が30年来最悪の干ばつに襲われた。干ばつに見舞われた地域では飲料水の配給が行なわれたが，何百世帯もの人々が水を求めて家を離れた。メキシコ政府は日に数百万㍑の水を配給するとともに，水を求めて新しい井戸を掘ったりして救援に努めている。

果実酒による鉛中毒

◆ フランス，オレゴン州のある農場で共同生活をしているひとりの男の人は吐き気や筋肉のけいれん，また極度の疲労を訴えた。血液検査の結果，鉛中毒と判明した。毒物学者たちが農場を注意深く調査したところ，原因は相当量の鉛を含むプラム酒であることがわかった。前述の男の人は4か月間にわたりプラム酒を19㍑も飲んでいた。そのプラム酒は三つの湯槽に入れられ，発酵させて作られたものである。湯槽のうわ薬をけずり取って調べたところ，10％の鉛を含んでいることがわかった。プラム酒はそのうわ薬から鉛をこし取ったので，そのプラム酒を飲んだ人が中毒を起こしたのである。

管理職による犯罪

◆ アメリカ，ニューヨーク市のかつての警察部長ハワード･R･リーリーは管理職のほうが最下級の不正直な従業員よりも業務上の不正の点で会社にとっては危険であるとして，次のように述べた。「たいていの人は二，三千ドルの盗みを働く不正直な従業員のことを心配するが，それは考え違いだ。むしろ，もっと多額の金を着服しているのはたぶん社長や副社長をさえ含め会計係あるいは会計監査官など管理職のトップにいる人たちである」。

盗まれる教会の美術品

◆ カトリック教会の貴重な美術品の紛失がふえている事態を憂慮したバチカン当局は美術品の財産目録の作成を命じた。これはその種のものとしては初めての試みである。そうした貴重品を許可なしに売却するのを見つけられる司祭は破門されるとの警告を受けた。ワシントンのザ･イブニング･スター紙は，「特にイタリアではもっと近代的な家具を買う資金を調達するため教会の古い絵画，大理石の彫刻彫像を売る司祭のことが報道されている」と報じた。ライト枢機卿はこう述べた。「今日では昔以上に，教会の歴史的かつ芸術的遺産の不法売買や盗み，強奪や破壊をあまりにも多く目にするため，忠実な信徒は心を痛めている」。

イタリアで行なわれている魔術

◆ カトリックの国イタリアでは魔術が人気の絶頂にある。占い者，千里眼者，占星家など1万人もの易者が，1,000万円ドルの収益を上げている。ミラノのある魔術者は，「顧客は毎年ふえている」と語った。ローマのある魔術者は次のように語った。「共同墓地から頭蓋骨を盗む泥棒がふえている。そうした場所では無気味な黒魔術をひそかに行なっている者たちの開くやみ市が繁じょうしている」。

革命を支持する教会

◆ アフリカ南部で行なわれている，アメリカの事業に関する米下院小委員会の会議中，連合長老教会のことが議題にのぼった。長老教会は政治的独立を目ざす積極的な革命や暴力行為を支持するかどうかとの問いに対して，同教会の一スポークスマンは，アメリカ独立宣言書の署名者のひとりであった長老派の牧師，ジョン･ウィザースプーンのことを指摘し，その独立宣言は，「暴力による政府の転覆を認めており，われわれはその意味においてそうした革命を支持するが，革命が起こるとすれば，暴力行為を伴わずに起こることを望んでいる」と語った。議員のひとりは同教会に対して率直に次のように述べた。「われわれは，教会がある時点で教会自体の仕事に注意を払い，暴力革命を起こさないまでも，少なくともそれを支持する立場にわれわれを置かないで，われわれ全員を天国に連れて行くようになってほしい」。

有罪判決を受けたバプテスト教会の牧師

◆ 任命されたバプテスト教会の牧師として17年間勤めた男が，卑わいな文書や書籍また写真類を領布したかどで，アメリカのオクラホマ裁判所で懲役10年の刑を言い渡された。彼はそれら文書類は文化的，科学的かつ教育的な内容のものであると主張したが，裁判官はじめ陪審員の見解はそれとは異なっていた。

米バプテスト協議会に女性会長

◆ 会員150万人からなるバプテスト協議会は，最近，女性の会長を選出した。60年にわたる同協議会の歴史上，会長に選出された女性はこれで5人目である。同協議会開催初日の夜，同教会の代表者たちはグレープ･ジュースを用いて聖ざん式を行なった。彼らはこの二つの点のいずれにおいても聖書に反している。聖書は女性が男性の上に宗教的権威を振うことを禁じており，またキリストの死の記念式を行なう際にはグレープ･ジュースではなくてブドウ酒を用いるよう規定しているからである。

水を浄化する驚くべき膜

◆ セロハンのようなある透明な膜が水の浄化作用の点ですぐれた効果を発揮している。不純物を含む水をタンクに入れて，その膜できれいな水とそうでない水とを二分させ，圧力を加えると，きたない水は不純物をすべてあとに残したまま，膜を通ってきれいな水の側に移る。その膜には小さな穴があるわけではないから，溶解した塩やバクテリアでさえ通過できない。水の分子は分解して膜の一部となり，ついで反対側に通り抜けて行くようである。この膜を使用する汚水処理装置が開発されつつある。膜は，下水などの汚水から固形物質や不純物質をすべて取り除くので膜を通過した水はたいていの市営上水道の水よりも純粋であり，ただちに再使用できる。この膜を用いれば，家庭の下水を再循環させることが可能である。