麻薬常用者が問題の解決策を見いだす

人生に真の目標を持たない若者は今日少なくありません。それらの若者にとって，現在の体制における生活はむなしく無意味に思えます。おとなの偽善や不正，地球の資源の乱用などに，多数の若者は怒りをいだいています。そうした若者の中には，麻薬に手を出して事態をさらに悪くする者もいます。しかし喜ばしいことに，エホバのクリスチャン証人たちが宣明する聖書の真理は多数の若い人々が麻薬の束縛から抜け出すのを助けてきました。

デンマークに住むある若い麻薬常用者は麻薬を断つために国立病院に入院しましたが，うまくゆきませんでした。のちほどその青年は，エホバの証人のすることに関心を持っていたおばさんといっしょに住むようになりました。そして，エホバの証人の集会へおばさんについて数回出席し，それがきっかけとなって，彼は聖書の個人的な勉強を始めました。学んだ事柄が生活を変えるのに必要な助けとなり，その青年はわずか2か月のあいだに麻薬を完全にやめ，就職し，おまけに背中の方まで伸びていた髪の毛を切り落としました。そして今では，生きる真の目的を与えてくれた聖書の真理を他の人々とわかちあって喜んでいます。

ノルウェーの一青年も似たような経験をしました。彼は2年半のあいだ麻薬を使ったすえ，病院に入院しました。病院では麻薬の習慣を断つことはできませんでしたが，エホバの証人のことを知りました。退院した青年は，本を入れたカバンを持つ一団の人々が毎日同じ時間にきまった場所で集まっているのに気づきました。その人たちはエホバの証人にちがいないと思った彼は，ある日勇気を振い起こしてその人々に近づき，いくつかの聖書文書を求め，また家庭聖書研究を申し込みました。その研究は3，4回行なわれましたが，彼の麻薬の習慣はやめることができないほど強かったので，研究は続きませんでした。

エホバの証人との聖書研究をやめてから数か月後，その青年は自殺を企てました。彼は病院に運ばれて胃を洗浄され，それから精神病院に送られました。精神病院にいる間に，彼はエホバの証人の王国会館に行くべきだと感じました。しかし，入院してわずか5日しかたっていない時でしたから，規則上それは不可能でした。

青年は王国会館で開かれている集会に出席できるようエホバに助けを祈り求めました。次の日，規則には全く反することでしたが，外出を許されたのです。青年との聖書研究が再開され2回研究しただけで彼は長髪を切りました。

医師たちはこれにどう反応しましたか。聖書の真理が良い影響をもたらしたことを喜びましたか。そうではなかったようです。彼らは青年と話し合ってもらうためにルーテル派の牧師を呼びました。明らかに良い方向へ変化したにもかかわらず，青年はエホバの証人に気をつけるようにと警告されたのです。

数週間後に青年は退院を許されました。彼は古くからの友人たちに髪の毛を切った理由を話し，麻薬をやめたことも告げました。麻薬を無料であげようと言われたことも数回ありましたが，彼は決心をまげませんでした。それで，古い知人たちは，彼がほんとうのことを言っているのだということを知りました。

青年の両親は彼が変化したのでたいへん喜び，母親と姉妹が後ほど聖書研究をするようになりました。この青年は，聖書の真理によって麻薬の習慣から抜け出せたことをエホバに深く感謝しています。

エホバの証人との聖書研究は，アラスカでも，ふたりの若者の生活を正すのを助けました。ふたりはポスターや花で飾り立てたパネルトラックでアラスカに行きました。非常に長い髪，古い服，平和のしるしや首飾りは，既成体制に対する彼らの不満を物語るものでした。ふたりは5年ほどのあいだ，不道徳な共同生活をし，マリファナとかヘロイン，LSD，コカインといった麻薬の売買をしていました。しかし，聖書研究をした結果，今では神のみことば聖書の高い原則を守っており，また，神の正義の法に従うことこそ最高の生き方であることを他の人々に勧めています。

ところで聖書の研究はそれらかつての麻薬常用者たちをどのように助けたのでしょうか。聖書の研究を通して彼らは，長い間悩んできた問題に満足のゆく答えを見いだし，世界が今ある悲しむべき窮状は確かに聖書預言の成就であることを知ったのです。悪化しつつある状態は，まもなく神ご自身がすべての不正を終わらせることの証拠です。彼らはまた，聖書から学んだ事柄を適用することによって，現在満足を得，かつ有意義な生活が送れることをも認識するようになったのです。