ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目72 11/22 24–26ページ
  • 石版印刷 ― 今日広く用いられている印刷法

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 石版印刷 ― 今日広く用いられている印刷法
  • 目ざめよ! 1972
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 石版印刷の発達
  • 始まりと発達
  • なぜ石版印刷に変わるのか
  • 80年代をふうびする印刷革命
    目ざめよ! 1981
  • 宣教で用いる聖書文書を生産する
    エホバの証人 ― 神の王国をふれ告げる人々
  • 主人の持ち物を管理する
    わたしたちの王国宣教 1999
  • 王国の音信を広めるための拡大された施設
    目ざめよ! 1973
もっと見る
目ざめよ! 1972
目72 11/22 24–26ページ

石版印刷 ― 今日広く用いられている印刷法

人類史上,今日ほど大量の文字や絵画が印刷されたことはありません。家やオフィスには,おびただしい量の雑誌・新聞・書籍・パンフレット・小冊子などがみられます。アメリカにおける印刷業の年間売上げは,1967年に200億㌦であったものが,今では300億㌦に近づいています。

しかし,今日そうした印刷物の多くは,従来とは違った方法で印刷されています。つまり凸版印刷の代わりに石版印刷が行なわれているのです。とはいっても,この変化に気づいている人は少ないでしょう。

熟練した印刷業者でないかぎり,石版印刷と凸版印刷のどちらが行なわれているかを見分けるのは困難で,経験の少ない人なら,たとえ拡大鏡を使っても,どちらとも言いかねるでしょう。しかし,両者を見分ける手がかりはあるのです。

凸版印刷では,金属版の圧力のために,インクが印刷される表面にわずかに広がる傾向があり,各の文字の回りに濃いインクの輪ができます。また,金属版の圧力のせいで紙に突起あるいはくぼみの生ずることがあり,それは紙の表面に表われます。いっぽうの石版印刷では印刷がスムーズであるうえに,凸版から刷ったものではないので,押したあとがありません。

さらに,それほど広く用いられていないとはいえ,徐々に人気を得てきている他の主要な印刷法にグラビアがあります。グラビアは,版板の画線部が隆起せずにへこんでいる点,凸版印刷とは正反対です。

石版印刷の発達

石版印刷は今に始まったのではなく,何十年もの間用いられてきた方法です。しかし,それがほんとうの意味で一般に受け入れられるようになったのはつい最近のことです。

1925年には,印刷業者のうちわずか10%が石版印刷を行なっていましたが,1955年までにその市場占有率は25%にまで増加し,さらに1966年までには,凸版印刷を追い越し,今では商業印刷の大半が石版印刷で行なわれています。それに対して,グラビアは市場の10%弱を占めています。

アメリカには約1万9,000の印刷業者がおり,その年間売上げ高は80億㌦を優に越えています。書籍・新聞・雑誌その他のものを印刷している会社を含めると,印刷関係の会社は総計4万社ほどになります。産業の上では,印刷を商売にしている業者と分けられている,この後者の部類に属する印刷会社の多くも,印刷方法を石版印刷に変えました。

推計によると,すべての書籍の2分の1ないし4分の3が石版印刷によって作られています。ワールド・ブック・エンサイクロペディアのような百科事典は,30分に約9㌔の長さの紙1巻を印刷する印刷機を使い,この方法によって作られます。新聞や雑誌の印刷業者の中にも,石版印刷に転向した者が相当あります。

1960年代には,アメリカの新聞の約3%が石版印刷で作られていたものが,1970年までにその割合は61%に上がりました。しかし,大都市の新聞はたいてい凸版印刷ですから,今でも非常に多くの新聞が凸版印刷によって作られています。主要大都市の日刊新聞で石版印刷に変わる最初の例は,セントルイスのポスト-ディスパッチ紙で,最近,石版印刷用の長巻式オフセット式印刷機を注文しました。

今日,石版印刷による雑誌はいよいよふえています。アメリカでは,定期刊行物のうちこの方法によって印刷されるのは約3分の1と推測されています。

石版印刷への移行は,印刷機の製造にも表われています。石版印刷用オフセット印刷機の売上げは凸版印刷機の売上げを追い越し,さらに相当の伸びを示しています。1970年における,アメリカのオフセット印刷機の売上げ高は,凸版印刷機の約7,000万㌦に対し,2億4,100万㌦でした。日本では,1969年に5,200万㌦相当のオフセット印刷機が作られたのに対し,凸版印刷機の総額は1,900万㌦にすぎませんでした。ある分野では,石版印刷が凸版印刷に取って代わるほどの人気を得てきているのはなぜですか。それにはどんな利点があるのですか。石版印刷法の原理はなんですか。

始まりと発達

18世紀の終わりごろ,ドイツの実験者ゼネフェルダーが石版印刷を発明しました。この印刷法の名称は,当時としてはきわめて適切なものでした。リングラフィー(石版印刷)という語はギリシア語から来ており ―『石』を意味するリンスと『書く』を意味するグラフェイン ― したがって文字どおりには「石の上に書く」ことを意味します。

この印刷法を発明したゼネフェルダーは,まさにそのとおりのことをしたのです。ある種の多孔性の石の上に油性のクレヨンでものを書き,それから石を水で湿らせます。インクはクレヨンで書かれた部分に付着しますが,湿った場所には付きません。紙を石の上に押しつけると,インクの付いた部分が紙に移ります。

つまり,石版印刷は,油と水は混じり合わないという原理に基づいた印刷法で,平面からの印刷が可能です。印刷される像は,(凸版印刷の場合のように)隆起してもいないし,(グラビアの場合のように)くぼんでもいず,その周囲の面と同じ平面もしくはレベルにあります。

石版印刷は最初のころ,絵画を複製するために芸術家たちにおもに用いられ,今でも小規模ながら同じ目的に使用されています。しかし,石版印刷のおもな用途は商業印刷に見いだされることになり,1860年代には,石が版板の役を果たす,動力式平盤印刷機が紹介されました。使用された石の大きさは,だいたい縦110㌢横160㌢で,かなり重いものでした。

この石の平版印刷機は,絵の印刷には適しているのですが,印刷された文字を写す点では思わしくありませんでした。それに対し凸版印刷機は,文字の印刷にはすぐれていましたが,絵の複製となると思うようにならない所がたくさんありました。したがって,初期の本の多くは,文章の部分は凸版印刷,絵の部分は石版印刷することによって作られました。

19世紀後半には,印刷に写真術が取り入れられて,この分野に一種の革命が生じました。石版印刷に写真術を採用して,まず石に感光性溶液を塗り,それから,印刷される像または活字のネガチブに強い光を通過させて,その影像を感光性を帯びた石に投射させます。石に対する処理が終わると,光の当たった部分はインクに反応し,光の投射した影像の当たらなかった部分は水に反応し,その結果,インクに反応する影像だけが紙面に印刷されるのです。

20世紀の初めにはアルミニウムまたは亜鉛で作った金属版が,扱いの不便な石に取って代わりました。表面のなめらかな金属版は,水に反応する多孔性の石が持つ特性を得るようざらざらにされます。この薄い,柔軟性のある金属版の大きな利点は,輪転機に使用できることです。

石版印刷におけるもう一つの重要な進歩は,ニュージャージーの石版印刷業者,アイラ・ルーベルという人が偶然に発見したことです。彼は,最初ゴム・ブランケットに印刷し,それから,そのブランケットから紙に印刷したほうが,版板から直接に印刷した場合より像の写りが良いということに気づきました。ルーベルは1905年,像を印刷する前にそれをまず媒介物の円筒に移す,つまり「オフセット」するというこの原理を使った印刷機を作りました。

今日の石版印刷機は,ほとんどすべてオフセット印刷機です。オフセット印刷機が作動するときには,版銅がまず,給湿されたローラーと接触し,次いでインクローラーと接触します。給湿されたローラーは,金属版の印刷されない部分を湿らせます。そのためインクローラーインクはその部分に付きません。こうして,インクローラーは印刷される像だけにインクを付着させ,次いでその像は,版銅から媒介物のゴム胴へとオフセット印刷されます。それから像は,ゴム胴から,圧胴の運ぶ紙の面に移されるのです。

なぜ石版印刷に変わるのか

非常に多くの会社がオフセット印刷に切り替えたおもな理由は,生産速度の増大にあります。たとえば,枚葉オフセット印刷機には,それと比較される枚葉凸版印刷機より2倍も速く動き,1時間4,500部に対し約1万部刷るものがあります。さらに,凸版印刷では,印刷を均等にするための加圧を平均化するのに相当の時間を取られますが,石版印刷では「準備」作業はほとんど必要ありません。

オフセット印刷機の別の利点は,そまつな紙,すず,セルロイドなど多くの種類の材料に印刷が可能であるということです。それは,像を印刷材料に移すゴム・ブランケットに弾性があるためです。加えて,凸版印刷の解説者までが指摘するとおり,印刷の質は優秀です。もっとも,オフセット印刷の中にはおそまつなものもあると批評する人もいます。次のように言った人がいます。「長巻式オフセットで一貫した成果をあげるためには,第1級の印刷機械と,特別にすぐれた能力と技術を備えた機械工が必要である」。

多くの会社がオフセット印刷機に切り替えている主要な理由は,疑いなく,そのほうが安くつくからです。同じ仕事量をやるように設計された凸版印刷機の半分以下の値段のものもあります。「オフセット石版印刷が行なわれる大きな力となっているのは,その工程に伴う経済上の理由からであろう」とある人は述べています。

生産の増大,その経済性,良質の印刷 ― こうした要素が原因となって,石版印刷を非常に多くの会社が採用するようになりました。その将来性はというと,1972年2月号の「雑誌印刷」はこう述べています。「凸版印刷は負けいくさをしており,ロートグラビア,長巻式オフセットなどそして枚葉オフセットの機種に関して凸版印刷は引き続き後退すると言ってもよいであろう」。

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする