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  • わたしたちの住む大気の“海”
  • 目ざめよ! 1976
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目ざめよ! 1976
目76 11/8 16–19ページ

わたしたちの住む大気の“海”

海岸に立って海をながめると,絶えず揺れ動く海洋の力,またその広大さや深さに,だれもが驚嘆を覚えます。海洋の生物は水の中でどのように感じているのだろうか,と思われたことがあるかもしれません。水深数百㍍の海底をカニその他の海生動物が動き回っています。人間なら水圧で押しつぶされてしまうところですが,それらの動物の体はその大きな圧力に耐えられるようにできています。

が,実際のところ,わたしたち人間もまた空気の“海”の中で生活しています。この事についてお考えになったことがありますか。わたしたちはまさに空気の“海”の底で生活しているのです。その深さは実際の海洋の一番深いところの50倍以上にも達します。空気の“海”は,水をたたえた海洋より,急変する温度の影響を受けやすく,また水以上に絶えず流動しています。地表から10ないし12㌔のところには,幅数百㌔厚さ数㌔の巨大な空気の流れがあります。“ジェット気流”として知られるこの噴流の速さは時速500㌔にも達します。また,空気の“海”の各層には,常に激しい嵐が発生しています。台風やたつ巻の強大な力はわたしたちのよく知るところです。さらに,わたしたちを取り巻く,この広大で休むことを知らない“海”では,毎日約4万4,000もの雷雨が発生し,恐れの念を抱かせる光景をかもし出しています。

空気には実質と重みがある

空気は人間の目に見えませんが,実質を有しています。そのために地表面はこの大気からかなりの圧力を受けています。といっても,空気は水のように重くないので,その圧力も海洋の場合ほど大きくありません。それでも,ヘリウムを詰めた気球が上方に昇っていく事にも示されるとおり,空気にも重さがあります。ヘリウムは空気より軽いため,空気がその気球を押し上げるのです。これは,水を満たしたコップの中の気泡が上昇するのと同じ原理です。海水面における平均大気圧は1平方㌢につき1.1㌔ほどです。高い所では,空気の密度が薄くなるため,気圧も低くなります。しかし,わたしたちの住む空気の“海”は非常に広大であるため,その全重量は5,000,000,000,000,000㌧(5,000兆㌧)にも達します。

これは,平均海面の高さであなたの両肩に約1㌧の目方が掛かっていることを意味します。しかし,体の全面にそれと同じ圧力が加わっているため,自分ではそのように感じないのです。海生動物の場合,体の内側から外に向かって,外からの大きな水圧と等しい内圧が働いていますが,それは同様に人間の体の内側にも,その外圧を相殺する力が働いています。“ホーム・グラウンド”とも言えるこの地球の大気中で,人間の体の内側にはこの内圧が働いているため,そこを離れた宇宙空間では,人間は与圧服を着なければなりません。これを怠ると,肺や血管は真空に近い宇宙空間の中で破裂してしまうでしょう。

強い風にさらされるとき,わたしたちは空気に実質のあることを感じます。研究室に行って,空気が,摂氏零下190度で液体に,同260度で固体に変化するのを見れば,この点に関する疑問は一掃されるに違いありません。

温度の違いのために大気が“レンズ”の役割を果たすとき,わたしたちは気体状の空気を事実上目にすることができます。ある部分の空気密度が周囲に比べて高まると,光線が異状屈折を起こして,蜃気楼が生じます。時には,数㌔も離れた物体の影像が,光線の反射や屈折によって見えるのです。加熱したラジエーターの上方に揺れ動く空気の波の認められることがありますが,これも前述の現象の小規模な例です。

空気の持つ有用な特質はその拡散性です。液状の水は容器の一部を満たすにすぎませんが,空気の分子は一般には音よりも速い速度で自由に動き回るため,ごくわずかな量の空気でも,拡散して容器全体に満ち渡ります。地上の空気が空虚な宇宙空間に飛び散って行かないのは,地球の引力のためです。空気の収容空間を狭めると,分子の運動速度が速まって抵抗が増し,圧力が生じます。この特性は極めて有用です。液体はそれと分かるほど圧縮することはできませんが,コンプレッサーを使えば,大量の空気を小さな容器の中に“閉じ込める”ことができます。そして,その復元力を利用して,空気圧縮機,空気ドリル,空気揚水ポンプなどを作動させることができます。

いろいろな点で生命に不可欠

しかしながら,わたしたちが空気に大きな関心を抱くのは,主に,それがこの惑星上の生物にとって重要な役割を果たしている点にあります。生物にとって重要な空気の主成分は酸素です。この酸素は,比較的安定した混合比を保つ各種の気体から成るこの大気中に,21%(体積比)存在するにすぎません。

酸素は他の元素と化合もしくは結合しやすく,それによって燃焼作用を起こします。木切れが燃えている場合,実際にはそこで急激な酸化現象が起きているのです。わたしたちの体の体温は,栄養物の酸化に伴う代謝作用によって維持されています。脳や筋肉などの活動を維持するエネルギーも,この過程を通して得られます。酸素運搬の役を担う赤血球の働きが重視される理由の一つはここにあります。また,人体の摂取する酸素のほぼ四分の一を消費する脳細胞が絶えず酸素を必要とする理由もここにあります。酸素は極めて活性な気体であるため,大気中の他の気体によって薄められていないなら,ごく小さな火種でも火災が生じ,ほとんどすべてのものが燃え尽きてしまう危険があります。その上,純粋酸素の中では,人間は長時間生存することができません。

しかし,創造者は,わたしたちが安全に生存できるよう,大気を窒素によって薄めてくださいました。この窒素は,『比較的安定』した気体から成る大気の78%を占めています。そのため,地上の酸素は濃すぎることなく,わたしたちにとってちょうど良い濃度となっています。これら比較的安定した気体から成る,わたしたちの住む大気の“海”は,窒素と酸素が全体の99%を占めています。しかし,窒素は単に薄めるための気体ではありません。他の目的も果たしています。雷雨の際,稲妻の働きで,窒素は他の元素と結び付きます。この化合物が雨に運ばれて地上に達し,肥料の役を果たすのです。窒素は多くの植物の基本元素となっています。

他の気体は合わせても1%以下を占めているにすぎませんが,その中にも,生命にとって不可欠なものや,わたしたちの生活を快適にする上で大きく役立っている気体があります。そうしたものの中に,アルゴン,ネオン,ヘリウム,クリプトン,キセノンの,不活性に近い,5種類のいわゆる“貴ガス”があります。照明効果の優れたアルゴンやネオン,気球その他に用いられるヘリウムなどについては,わたしたちも良く知っています。メタン,水素,亜酸化窒素も,大気中にほぼ一定の濃度で存在しています。

水蒸気,オゾン,塵 ― 重要な成分

量のほとんど一定な気体の他に,大気中には,時間と場所によって濃度の異なる気体も認められます。そのうちの二つに,水蒸気と炭酸ガスがあります。水蒸気は0から7%(体積比),炭酸ガスは0.01から1%大気中に存在しています。植物は炭酸ガスを吸収して酸素を放出します。炭酸ガスがなければ植物は死滅してしまうでしょう。酸素の別の形態つまり“同素体”であるオゾンは,大気中にごく微量存在しています。その割合いは0.01%ほどにすぎません。オゾンは主に地表10㌔から50㌔の範囲に存在していて,生物に致命的な影響を与える種々の紫外線の侵入を防いでいます。全知全能の創造者以外のだれに,地上の生物すべての益となるこうした大気を作り出し,かつその成分の混合比を,すべての生物の安全と快適な生活と幸福に最も資するような適正な割合いにすることができたでしょうか。

大気中に気体として存在する水蒸気は,雨,霧,雪,あられ,ひょうなどの源となっています。水蒸気の濃度が増すと雲が発生します。太陽熱の働きで蒸発した海や湖の水,また草木の葉から出る水分によってこうした水蒸気が発生します。降雨と蒸発というこの循環がなければ,地上の生物はじきに死に絶えてしまうことでしょう。聖書は,この循環が神によって意図されたものであることを指摘しています。―イザヤ 55:10,11。

大気中には,気体状の二酸化イオウ(亜硫酸ガス)と二酸化窒素もごく微量存在しています。これに加えて,塵や煤煙,海水から遊離した塩分,花粉,微生物,大気に突入した隕石の燃えかすなどの微小な固体も浮遊しています。塵が存在していても,その量が多くなければ“汚染”とは呼ばれません。塵は雨滴の核を形成する上で重要な役割を果たしていますし,空を美しい青色にし,日没時には赤く燃え上がらせる働きを有しています。微風に運ばれる植物の花粉も,枯草熱の患者に与える不快感を別にすれば,有益な役割を担っていると言えるでしょう。

大気の“海”の温度

これまで論じてきた事柄の大半は,大気圏のうちわたしたちの住む気層つまり対流圏に関係したものです。広く知られるように,対流圏では,高度が増すにつれて温度が下がっていきます。しかし,対流圏の最上部で摂氏零下55度にまで下がった後,気温は成層圏(この気層内にジェット気流がある)内で上昇し始め,零下2度にまで達します。その後は,次の気層(中間圏)の最上部に近づくにつれてもう一度下がり始め,最上部では零下93度ほどになります。それに続く熱圏で温度は再び上昇し,高度450㌔で何と摂氏1,500度近くにもなります。

電離層は通常の“大気層”の一つではなく,太陽からの放射線によって空気の分子が荷電されている(幾つかの“気層”を含む)領域のことです。電離層は地上55㌔付近から始まり,大気の極めて希薄な高度数千㌔の所にまで及びます。オーロラつまり“極光”(北半球の北極光と南半球の南極光とがある)はこの電離層で生じます。

太陽や宇宙空間からの放射線によって“イオン化”した空気の帯電粒子は,電離層に電波の“反射層”を作ります。これによって,何千㌔も離れた地点との無線通信が可能になります。電波は直進する性質を有しているのに対して,地球の表面は湾曲しているため,電波が届くのは限られたわずかな地域にすぎません。直進する電波は宇宙空間に向かって飛び出して行きます。しかし,電波はこの反射層にぶつかって“はね返え”され,地上の遠く離れた地点に到達します。現在では,同様の目的で人工衛星が使用されています。

人工衛星やより精密な機械類の使用によって,わたしたちの住む空気の“海”に関する理解は大いに進歩しました。空気の流れや温度などについても,より詳細な事柄が知られるようになりました。結果として天気予報の精度も高まっています。しかし,上方で非常に希薄であるとはいえ,宇宙空間に向かって地球の半径の数倍(地球の半径は6,372㌔)もの範囲に広がる大気については,学ばねばならない事柄がまだ沢山あります。大気は,依然多くの神秘に包まれており,宇宙探査が進むにつれて,新たな疑問も生じさせています。

[17ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

電離層は,中間圏の下部に始まり熱圏のはるか上方にまで達しています。ここでは空気の粒子が荷電状態にあります

450㌔ 1,500℃

熱圏

80㌔ −93℃

中間圏

48㌔ −2℃

成層圏

16㌔ −55℃

対流圏

地球

[18ページの図版]

雷雨の働きによって植物に必要な窒素化合物が作り出される

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