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目ざめよ! 1977
目77 1/8 24–27ページ

野と森にすむこうかつなハンター

猟犬が,猛烈な勢いで追って行きます。逃れるのは不可能のようです。しかし,次の瞬間,追われていた動物は,小川の上に倒れかかった丸太の上を駆けて行き,途中で小さな島に気付くと,そこへ跳び移ります。次は小川の向こう岸まで跳び越えるのでしょうか。いいえ,驚いたことに,今離れたばかりの岸へ跳んで戻り,それから別の方向へと駆けて行きます。やがて猟犬が現われます。猟犬は,獲物にする動物のにおいをかぎながら,丸太のちょうど真ん中まで追って行きます。そこでにおいは消えているのですが,猟犬は小川の向こう岸へと行ってしまいます。そうです,追跡した猟犬は完全にだまされてしまったのです。

実際にあったこの話の中で,巧みに逃げ回ったのはキツネでした。しかし,キツネは一体どれほどこうかつなのですか。キツネとは,実際にどんな動物ですか。

キツネに関する幾つかの事実

“犬のような”とは,キツネにぴったりの言葉です。キツネは犬と同様に,イヌ科に属する肉食の哺乳動物です。先のとがった耳と長い鼻口部があるので,大抵のキツネは小さな犬を思わせます。

色についてはどうですか。キツネには,様々な色があります。ヨーロッパ大半の地域,アジア,そして北アメリカ北部には,赤ギツネが数多くいます。大抵の場合,赤ギツネは赤みがかったオレンジ色か赤茶色をしており,腹部は白っぽく,足の毛は黒っぽく,そして毛のふさふさした尾の先は白くなっています。しかし,毛先が白っぽい黒い毛の赤ギツネもおり,それは銀ギツネと呼ばれています。毛の真っ黒なキツネは黒ギツネとして知られています。それ以外にも十字ギツネと呼ばれる赤ギツネがいます。そう呼ばれるのは,色は赤茶色でも,両肩と,背筋沿いの黒い模様が十字形になっているからです。

灰色ギツネはカナダ南部から南米北部にかけて生息しています。腹部は白っぽく,肩の両側や首や足は尾の下側と同じく,赤茶色ですが,背中の毛は霜降りになっています。ついでながら,このキツネだけが木に登ります。それは猟犬の群れから逃れる好都合な方法です。

さらに別の種類として北極ギツネがいます。その名が示すように,このキツネは北極地方に住んでいます。夏の間灰色がかった茶色をしていた毛皮は,冬になると雪のように白くなります。それは,氷と雪の中での見事なカムフラージュと言えます。この機知に富んだ小さなキツネは,九月までには,白色の暖かい毛皮を身にまといます。温度が摂氏零下約60度にまで下がったとしましょう。雪の中で丸くなり,尾の毛の中へ鼻を突っ込んでいる様子のこの動物にとって,それはさほど問題ではありません。この尾は,“いわば体温による自家発電の放熱体”の役目を果たすと言われています。

北米の西部に住む,黄色がかった灰色の子ネコギツネは,大きさが子ネコほどなのでその名が付けられています。この素早い動物は,体が小さいという不利な点を機動性と速さで補っています。必要なときには,突然猛スピードで駆け出し,スピードを落とさず一瞬にして方向転換を行なうこともでき,裏をかかれた追跡者を砂ぼこりの中に残して行きます。

しかし,キツネの中で一番小さいのは,アラビアや北アフリカに住んでいるフェネックです。このキツネは,動物の“かわいい”赤子に似ているだけではありません。驚いたときにくんくん鳴く様は,この動物を一層赤子らしく感じさせます。フェネックは,太陽の熱と夜の寒気を避けるため,かなりの期間を地下の穴で過ごします。長さ10㌢もある比較的大きな耳は,体温を下げる働きをし,さばくに生息するフェネックの体温が上がり過ぎないようにします。

耳と言えば,コウモリミミギツネを忘れてはなりません。これは,アフリカの南部と東部の乾燥地帯に生息するキツネです。興味深いことに,このキツネには大きくて鋭敏な耳のほかに,イヌ科の他の動物よりも多い46本から48本の歯があります。

すみかと食物

赤ギツネのすみかは,うつろになった丸太の中の穴か,岩の間です。それに,マーモットやアナグマの穴もうってつけです。それ以外にも,キツネは地下に自分の家を掘る場合があります。生涯伴侶となりそうな雄と雌のキツネは,交尾の後,家族を養うために定住します。雌ギツネは毎年四匹から九匹の子ギツネを産みます。

そうした幼い子ギツネは母親を“だます”ことができません。アラン・ドボーはこう書いています。「三匹の子ギツネが遊んでおり,その間母親は穴の入口からその様子を満足気に眺めていた。突然,子ギツネのうちの一匹が牧場を横切って走って行った。雌ギツネは立ち上がり,子ギツネが走って行った方向にとがった鼻を向け,じっとして動かず,静かに立っていた。雌ギツネは,わたしが隠れていたところから聞こえるような音を全くたてなかったが,二,三秒後にその子ギツネは速力を落しだした。子ギツネは振り返って母親の方をまっすぐに見た。母親は子ギツネをじっと見つめた。目に見えない糸でたぐられるかのように,子ギツネは急いで家に戻った」。―「動物界の驚異と神秘」

多くの種類のキツネについて言えることですが,父親と母親,そして子供たちは,子ギツネが獲物をとれるまでに成長すると,たいてい戸外で眠るようになります。キツネは単独性で,夜間に獲物をねらいます。また,キツネはこうかつな動物です。例えば,赤ギツネは,鳥に襲いかかる前に,獲物から一㍍足らずの場所まで音をたてずに忍び寄る方法を十分わきまえています。

キツネの食物には,ネズミやその他のげっ歯類動物,鳥,こん虫,カエル,トカゲなどが含まれます。また,果実も食べます。キツネは,死んでいる動物を見付けたときでも,食べるのをいといません。実際に,キツネがある獲物をたらふく食べて,まだその残りがあれば,ほとんどのキツネはその残りを土中に埋めます。そして空腹を感じると,もっと食べるために,時折その獲物のところへ戻ってきます。

キツネはたいてい夜間に食物を捜すため,養鶏場の持ち主が朝起きて,鶏が一羽赤ギツネにとられているのに気付くことも少なくありません。しかし,十分に修理された囲いは,この夜の略奪者を思いとどまらせます。このこうかつな動物の弁護をするとしたら,キツネは優れた“ネズミ取り”と言うことができます。そしてまた,夏の間赤ギツネは,多くのこん虫,そして腐肉も食べてくれます。それでは,農場主たちがキツネを,単に舌なめずりをする悪漢とみなすのは公平なことでしょうか。

食物と言えば,北極ギツネは専用の“冷蔵庫”を持っています。秋の間に,このキツネは,リス,ネズミ,またレミングなどを集めて殺し,地面のすぐ下にある正真正銘の“冷蔵庫”にその食糧をしまい込みます。

キツネと人間

北極ギツネについて18世紀の動物学者,G.W.シュテラーは次のように書きました。「キツネは,昼も夜も我々の住居に押し入ってきて,ナイフ,つえ,かばん,くつ,袋,帽子などキツネには何の役にも立たない物まで,運べるものはすべて盗んでいった。彼らは,貯蔵品の隠し場所から取った数プード[1プードは約16キログラム]もある物を転がしていく方法,またキツネの仕業とは思えないようなことだったが,その隠し場所から肉を盗んでいくという信じ難いほどのこうかつな手口を知っていた。[海]獣の皮をはいでいる際中,二,三匹のキツネをナイフで刺したことが幾度もあった。キツネが我々の手から肉をもぎ取ろうとしたからである。……彼らは我々のすることをすべて観察しており,何を行なうときでも我々について来た」。―「動物の王国」

この動物はやっかい者とされていますが,ある種のキツネが周辺にいるのを喜ぶ人もいます。キツネの飼育はかなり有利な事業なのです。毛皮を目的に,銀ギツネが1894年に初めてカナダのプリンス・エドワード島で飼育されました。それ以来キツネの飼育は重要な産業にまで発展しました。品質の良い毛皮は,涼しく湿気の多い地方で生産されます。

ところで,キツネを飼い慣らすことは可能ですか。このことに関して次のように述べられています。「捕獲されてから幾世代も後のキツネでさえ,本当に飼い慣らされている訳ではない。捕らえられた野生のキツネは,程なくして飼い主に敬意を払うようになるが,飼い主は警戒を怠ることができない。キツネは,ちょっとしたことで,あるいはこちらが何もしないのにかみつくことがある」。

野生のキツネは,しばしば狩猟の対象とされてきました。スポーツとしてのキツネ狩りは,18世紀に英国で始まったものと思われます。馬に乗った人々は,においをかいで,キツネを追跡する訓練された猟犬の後を追って野山を駆けめぐります。追いつめられたキツネは,自由にされる場合もあります。しかし,この狩猟は,キツネが悪賢いことで知られているため,英国では人気のあるものとなりました。そうした評判があるため,今度は次のような質問が生じます。

キツネは一体どれほどこうかつですか

すべてのキツネが,伝説に書かれているほどこうかつかどうかは分かりません。それでも,キツネがこうかつさの点で有名になったことに疑問の余地はありません。事実,イエス・キリストは,ヘロデ王のことを「あのきつね」と言われたとき,キツネの持つそうした特徴を心に留めておられたのかもしれません。―ルカ 13:32。

キツネは確かにこうかつなことで知られています。例えば,あるキツネは時速約10㌔の速さで進みます。ところが,かなり離れたところで数匹の猟犬がほえ始めるとしましょう。そのキツネは時速70㌔以上のスピードで走り出します。しかし,そのスピードでは1.5㌔ほどしか走れません。では,キツネはどのようにして追跡してくる猟犬から逃れることができるでしょうか。自分の足跡をたどって,来た道を引き返し,それから道の傍らへ跳び,安全な方向へ走って行くのはどうでしょうか。キツネはまさにそのように行動することで知られています。

もちろん,安全な所に逃れるための方法はほかにもあります。地面から古いさくの上に跳び乗ってその上をしばらく歩けば,キツネのにおいが消えているのを知って猟犬はあきらめることでしょう。では,小川の中を走るのはどうですか。それとも,肥料を施したばかりの畑を走り抜けるのはいかがですか。そうすれば自分のにおいは消えてしまうでしょう。また,冬の間はどうですか。キツネを支えるには十分でも,何頭もの猟犬が乗れば割れてしまうほどの薄い氷の上を走るのは,敵を出し抜くには実にうまい方法です。なんと,キツネ君は向こう岸に座って,氷水の“行水”をしている不運な猟犬を眺めているではありませんか!

しかしキツネは,そのこうかつな手段すべてをもってしても,ノミから逃れることはできないでしょう。ところが,いつでも確実にノミを追い払える方法があるのです。英国でのことですが,キツネはある時,サンザシの生け垣から羊毛を集めていました。数年前に英国ケンダル市のR・アトキンソンは,キツネは「口の両端から2,3インチ(約5,6㌢)突き出るようにして羊毛を口にくわえた」と書き,さらにこう続けています。「それから野原に流れている小川へ行くと,後ろ向きになって小川の中へ入り,犬のようにしりをついて座った。そして最後に,前足を出して,鼻孔,および口にくわえた羊毛を除いて体全体が水中に没するまで,体を低くした。キツネはそのままの状態で2,3分静止していた。それから,羊毛をそっと口から離し,水から出てくると,体を勢いよく震わせ,姿を消した。キツネの放した羊毛は川下にまで流されていったので,我々は捜しに行き,ようやくその羊毛が小川の岸近くにあるのを見付けた。驚いたことに,その羊毛には,雌のノミ,それも幾百匹ものノミがついていた。明らかに,ノミは水を嫌い,最も高い乾燥した場所,つまり羊毛の方向へと進んだのであった」。

そうです,確かに,キツネは池や川に後ろ向きに入ることにより,ノミを巧みに追い払うことができます。こうかつな手段を用いて,この動物はノミや猟犬を惑わすのです。では,キツネが非常に賢いとは思わない人でも,恐らく,キツネが野と森にすむこうかつなハンターであることは認めるでしょう。

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