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  • 『倒壊する運命にある』わが家を救う
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目ざめよ! 1977
目77 5/22 24–26ページ

『倒壊する運命にある』わが家を救う

『だれが見ても倒壊する運命にある家をなぜ買うのか』。近所の人はこう考えていたようです。その家はミシガン湖畔の絶壁の縁に立っているのですから,人々が奇妙に思ったのも無理のないことでしょう。

実は,ミシガン湖の水位は,五大湖の他の“姉妹”湖と同様,ここ数年上昇を続けているのです。その結果,数多くの家屋が水の浸食によって土台を“覆され”,岸をずり落ちて倒壊するという事態が生じています。わたしの新居は,湖に落ち込む危険のある家屋の中でも,筆頭に挙げられていました。

この地方の家屋所有者は水の浸食を食い止めるためにどんな対策を講じているでしょうか。彼らは,『波との戦い』を始めましたが,これは徒労に終わることが多いうえに多額の費用を要することが少なくない戦いです。波を防ぐための常とう手段は,水際もしくは水際から1㍍ほど湖寄りに防波壁を築きます。隣人の中には,幾十万円もかけてそうした防波壁を築いたものの,波浪にそれを破壊されてしまった人たちもいます。

防波壁の型

わたしはさまざまな型の防波壁について調べてみました。通常,防波壁は木材,鋼板,鉄筋コンクリートなどで作られます。しかし,調べていくうちに,それぞれに欠点のあることが分かりました。木製の防波壁は安価で,設置するのも容易なのですが,五大湖でよく発生する激しいあらしに耐えることができないため,ついには取り換えなければなりません。

鋼板の防波壁を作るには,鋼材が砂の中に打ち込まれる間それを所定の位置に保っているクレーンが必要です。用具を岸から現場に降ろせない時もあり,その場合にははしけを利用しなければなりません。これに要する経費のほどは想像に難くないでしょう。

三種の防波壁の中で最も望ましくないのは鉄筋コンクリート製の固定壁のようです。コンクリートには“弾力性”がないため,木製や鋼製の防波壁に比べてずっと早く波に破壊されてしまいます。“ただの”波がいかに強大な力を発揮するか,わたしはすぐに分かるようになりました。

特異な設計

なぜ波は,ある海岸には砂を運んできて砂浜を作り,別の海岸からは砂を削り取っていくのでしょうか。明らかにこれには数多くの要素が関係しています。わたしは,波について調べながら,どんな設計の防波壁を作れば良いかを考え始め,最後にその方法を用いました。

なだらかな砂浜にしぶきを上げながら打ち寄せる波を見ていると,水の一部が砂の中に浸み込んで,浜の表面を引き返す水の量が初めより減っていることに気づきます。このように,一波ごとに砂が運ばれて砂浜が作られるのです。自然の砂浜という神の創造物を模倣して,何かの防御壁を作ることができないでしょうか。そこでわたしはこう考えました。打ち寄せる波の一部を吸収して,引き返す水の力を弱めるような壁を作れば,浸食は止まり,砂が堆積していくはずです。

また,ミシガン湖のほとりに立つと,地面が“振動”するのを感じます。波が非常な力で打ち寄せるからです。こうした力を無理に押しとどめることは不可能に違いない,とわたしは考えました。そして最後に,ほとんどの防波壁の設計上の欠点は,打ち寄せる波に対する防波壁の角度にあると結論しました。一般に,防波壁は垂直に立てられています。そのため,打ち寄せる波は『急におしとどめられる』ことになります。抗し難い強大な力があまり固定していない物をすぐに損なうことは昔から知られているところです。

弱い個所の全くない,がんじょうな壁を作れば問題は解決すると考える人もいるかもしれません。しかし,垂直に立てられた壁には,根本的なもう一つの問題があります。

まず砂を含む波が壁を乗り超えて入ってくるので,壁の裏側に砂が自然に積っていきます。波がこの壁の表面に激しくぶち当たると,壁の背後にある土は振動して,固まっていきます。背後の土が固くなるにつれて,壁は湖の側に向かって傾いていきます。

いったん防波壁が前方に傾くと,大きな問題が生じます。その新たな角度が原因になって,打ちつける波が下方に向かい一層激しい乱流が生じます。この乱流が壁の湖側の砂を急速に運び去ってしまうのです。こうして,壁の背後からの圧力が増すのに対して,それを支える前面の力はしだいに弱くなっていきます。やがて,壁は波の削り取った前方のくぼみに落ち込んでしまいます。

垂直に立った壁の持つこうした欠点すべてと,天然の砂浜を観察して学んだ点とを考え合わせて,わたしは,どんな壁を作るにせよ“うしろ”の方,つまり岸の側に傾いた壁でなければだめだ,と結論しました。その場合は,波を徐々に止めることになります。氷やごみなども,壁に打ち当たる代わりに,壁を駆け上がることができます。

しかし,岸の側に傾き,かつ打ち寄せる波の一部を吸収する経済的な防御壁を築くには,どうしたらよいでしょうか。

わが家の“保護壁”を作る

最終的にわたしは一枚ずつ別になったコンクリート板の防波壁を作ることにしました。個々の板を連結しないでおけば,それぞれが他の部分をたわませずにある程度まで自由に動くことができます。もちろん,板の大きさは必要に応じて決めるのですが,わたしの場合は厚さ25㌢,幅45㌢,長さ2.5㍍のコンクリート板を作ることにしてそのための木枠を用意しました。各板には鉄筋を3本縦に通して補強しました。

次に,大量の水を噴出する(毎分380㍑)遠心ポンプを用いて,砂地にコンクリート板を立てる穴を掘りました。コンクリート板は,45㌢ほどを残して,砂地に深く埋め込みました。また,各板は垂直から岸の側に約35度傾斜させました。

さて,これらの板の岸側にすぐに何かを入れなければなりません。それは,絶えまなく打ち寄せる波に耐えるだけの重さを持ち,かつ水を浸み込ませるものでなければなりません。大きさの割にかなりの重量のある花崗岩がこれに最適であることを知りました。そこで,コンクリート板の上部から1㍍ほど砂を取り除いて穴を掘り,小さな石を投げ込みました。

図からもお分かりのように,下層部には小さな石を入れ,上層部にいくにつれて石を大きくして変化をつけることが大切です。上層部の重い石はあらしの時に波をかぶっても動くことがありませんし,その下の小さな石は波しぶきや豪雨によって土が流されるのを防ぎます。砂浜の上に砂利をまいて,今ある岸の砂の上に砂礫層を作っておくのも賢明なことでしょう。

厳しい試験

防波壁が完成してまもなく,激しいあらしが五大湖を襲いました。事実,五大湖では,このあらしでエドムンド・フィッツジェラルド号という長さ222㍍の一隻の大きな船が沈没しました。あらしがたけり狂っている間じゅう,わたしは自分の作った防御壁が持ちこたえるかどうか心配でたまりませんでした。あらしが去ったあと調べてみると,うれしいことに,大きな被害を受けた箇所は一つもありませんでした。

これまでに,わたしは長さ約45㍍の防波壁を作りました。今までのところそれは効力を見せています。わたしは,この方法で砂浜が望み通りにできるのを知りました。波が岸に『まっすぐ』に打ち寄せるところでは,この方法は特に有効です。

この防波壁は構築後2年しか経過していませんから,長期的な問題があるかどうかを論じるのは時期が早すぎます。しかし,わたしたちの作った“防壁”は耐久性に富むことが証明され,わたしの家族は今安全に生活しています。わたしたちは,もはや倒壊の運命にある家に住んではいないのです。―寄稿。

[25ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

プレキャスト鉄筋コンクリート板

湖底

18度

砂利

花崗岩 大きさをしだいに小さくする。最下層は0.6㌢

    日本語出版物(1954-2026)
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