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目ざめよ! 1978
目78 8/22 25–27ページ

岩塊の中から採り出される金

ザイール共和国の「目ざめよ!」通信員

“貴金属”の一つとして知られている金は,古くから価値ある貴重な金属とみなされてきました。その優れた可鍛性や時の経過に対する耐食性,美しい黄金色の光沢などから,金は高級装身具や装飾品の材料として好まれています。往年の国際金本位制は今では存在していませんが,金には希少価値があるため,現在でも世界中で珍重されています。

この金属の粒状の小さな塊が一定の川床の砂の中で発見されることがあります。これは砂金として知られています。銀が2,3%含まれているとはいえ,砂金は独特の黄金色をしています。砂金は,周囲の砂粒と物理的に結合していませんから,重力を利用して,この貴重な金属を容易に選別することができます。どのようにしてそれを行ないますか。金の重さは水の19倍以上,砂の約7倍もあります。ですから,金の混じった砂を流水にさらすと,砂は運び去られますが,重い金は底に沈むのです。

また,金は薄い岩層の中に,そして多くの場合地中の深い所に閉じ込められています。今日,人間は,石英の細長い鉱床を発見するため,アフリカの奥地で地中深く掘らねばなりません。その石英には,少量の銀の混じった,または硫化物の混じった微小な粒状の金が含まれています。5㌧の原鉱石中に,金はわずか30㌘しか含まれていないのです! では,どのようにして,この微量の金を取り出すのでしょうか。

抽出

採鉱の最初の段階は,鉱脈の岩塊を運搬可能な大きさの岩石に砕くことです。これは,特殊な空気ドリルやダイナマイトを使って行なわれます。石英の鉱脈はわずか30㌢から60㌢の厚さしかないことがありますから,金を含む石英を取り出すには,鉱脈を取り巻く膨大な量の岩石を取り除かねばなりません。こうして採取された原鉱石は,狭い軌道上を走る貨車に載せられ,金を石英や硫化物から分離する工場へ運ばれます。

貨車で運ばれた原鉱石は巨大なホッパ(漏斗状の装置)に移されます。ここには,一度に400㌧以上の岩石を投入することができます。コンクリート製のこの大きな穴の底には開口部があり,そこから原石が破砕機の中に落ちていきます。岩石はこの中で小さく砕かれます。多くの場合,2台以上の破砕機が連動していて,岩石はその中でしだいに小さくされていきます。

砕かれた原石は次にボールミルに入れられます。ボールミルというのは何でしょうか。外側からは,巨大な回転胴<シリンダー>が耳をろうせんばかりの激しい音を立てて水平に回転しているのが見えるだけですが,その内部には,三分の一ほどの高さまで,重さ数㌧の幾つかの鋼球が詰まっています。粉砕機が作動すると,中の鋼球が岩石の上で回転し,原鉱石は鋼球につぶされてしだいに粉々になります。ボールミルの中で,何時間もすりつぶすと,原鉱石の粒子は砂粒ほどの大きさになります。

岩石の中に含有されていた金の比較的大きな粒子は,この時までに母岩から分離しています。ここまでくると,これらの粒子を比重選別法などによって選り分けることが可能です。ジグと呼ばれる比重選別機があります。この機械は上下に脈動する水流を作り出します。金の混じった砂は,ジグの床台の上をこの水流によって運ばれてゆきます。ジグの中で水が吹き上げると,小さな鋼玉もしくは玉石でできたジグの“床台”が水流の勢いで持ち上がり,床が開きます。金の粒子は,水やジグの“床台”より密度が大きいため,これによって,“ハッチ”と呼ばれる下の収集箱に落ちていきます。金を含まない砂の粒子は,水中を浮遊してジグの上を漂い,やがて流水に運び去られます。しかし,ジグによって集められる粒子の中には硫化物も混じっています。硫化物の密度は砂(石英)と金の中間であり,硫化物そのものの中にも,金の微小な粒子の含まれていることがあります。分離された金や硫化物,それに少量の砂から成る,ジグによって選別された原鉱石の一部は“ジグ選鉱物”と呼ばれます。この選鉱物にはまだ市場価値がなく,“アマルガム法”という名で知られる処理を受けねばなりません。

これは水銀を使って行なわれます。水銀は金属といっても液体で,金を吸収して“アマルガム”と呼ばれる物質を作ります。しかし,水銀は石英や硫化物と混じってアマルガムを形成することはありません。ですから,適正な条件下で,ジグ選鉱物を水銀と混ぜると,水銀は他の物質を残したまま金だけを抽出します。このアマルガム法で,原鉱石中の金の60%以上を抽出することができます。

硫化物の中に閉じ込められている残りの金についてはどうでしょうか。金の粒子が水銀に吸収されるには,粒子が十分大きくなければなりません。ところが,硫化物の中に見いだされる金の粒子は極めて小さく,その直径は数ミクロンにすぎないようです。1ミクロンは100万分の1㍍,つまり1,000分の1㍉にすぎません。そのことを考えてみてください! これらの金はアマルガム法でも抽出できませんから,貴重な硫化物を細かくひくことが必要です。こうすると,金を溶かすことができます。

劇毒物として知られるシアン化物の非常に薄い希薄溶液には,金を溶解させる驚くべき性質があります。そこで,よくすりつぶした硫化物を大きなタンクに入れ,シアン化物と少量の石灰を加えて1日か2日の間かき混ぜます。金が溶けると,かき混ぜるのをやめ,ここでは不要の硫化物を沈殿させます。高濃度の金を含む上澄み液は“プレグナント”溶液として知られていますが,これを傾しゃする,つまり吸い上げます。次に,金を固体状にするため,亜鉛粉が加えられ,こうして金は溶液から分離します。

アマルガム法とシアン化法によって,原鉱石中に含まれている金の90%以上が抽出されます。しかし,この段階では,抽出物の外観は金とはほど遠い感じです。金と水銀の合金,金アマルガムは銀色がかった灰色の粒状をしており,亜鉛と金の沈殿物は褐色がかった黒で軟泥状をしています。ですから,これらの両方の物質を濃縮工場から化学工場に送って,さらに処理しなければなりません。

最終的に微粒子を取り出す

金と水銀のアマルガムの変換はどのように行なわれるのでしょうか。水銀は摂氏357度で沸とうします。これに対し,金は摂氏1,063度になるまで融けません。ですから,アマルガム処理の最初の段階は,これを蒸留精製することです。アマルガムは,外に延びるパイプを取り付けた鉄製の円筒容器(レトルト)に入れられます。このパイプは流水で冷やされています。鉄製の容器を熱して,水銀を沸とうさせ,あとに金が残るようにします。蒸発した水銀は集められて,再び使用されます。

金と亜鉛の沈殿物は,これとは異なった方法で取り扱われます。これは酸で処理されます。この酸には亜鉛を溶かす力があるため,金が分離されます。こし取った金を洗浄して,乾燥させます。

ここまでくると,これら二つの濃縮物から得られた金は,ジグの“床台”の上に残っている他の金と混ぜて溶かすことができます。これらの金は黒鉛の大きなるつぼに入れられます。金の融解やスラグの生成を促すため,種々の化学薬品が加えられます。これらのるつぼは,石油を用いる耐火性の平炉の中で熱せられます。金が融解すると,これをかき混ぜ,鋳鉄製の鋳型に素早く流し込みます。不純物は貴金属より軽いため,かすとして表面に浮き上がり,凝固すると,スラグとして知られる表皮を形成します。数分間冷却した後,スラグをハンマーでたたき落とし,インゴットをきれいに洗います。インゴットは,純粋さの度合いつまり純度を分析された後,番号を付され,包装されて運び出されます。

幾㌧もの原鉱石からほんの数十㌘の金を得るべく,これだけ膨大な努力が払われているのですから,この黄金色の金属に高い価格が付けられているのも,少しも不思議ではありません。しかし,こうして得られた金の大半が銀行の金庫の中に隠されて,人間に直接用いられたり,役立ったりすることがないのは,なんという矛盾でしょう!

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