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  • ダチョウ ― 地上最大の鳥
  • 目ざめよ! 1979
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目ざめよ! 1979
目79 9/22 20–23ページ

ダチョウ ― 地上最大の鳥

南アフリカの「目ざめよ!」通信員

「ほら聞こえるでしょう」。大きな音があたりの草原一帯に再び響き渡りました。

「ライオンかな」。

「いや,雄のダチョウが雌の注意を引こうとしているんだ」。

草原地帯の農夫とその友人は四輪駆動の小型車を後にして,腹ばいになって注意深く前進して行きました。やがて樹木のない開けた所に求愛中の一つがいのダチョウが見えました。何と大きな鳥なのでしょう。間違いなくダチョウは地上最大の鳥です。それでもダチョウの踊りは実に優雅です。

求愛ダンス

雄鳥の求愛タンスを見ていると魅了されてしまいます。この珍しい踊りのためにダチョウは鳥獣類の中で第一級の演技者に数えられています。普通,交尾期になると雄鳥の羽毛は最も鮮やかな色になります。体と翼は黒,翼の大きな羽は白,そして尾の部分の羽は白みがかった褐色になり,首の皮の周りには白い環ができます。雌鳥の羽毛は薄い灰色で,皮膚は暗灰色をしています。成熟した雄鳥の皮膚は青みがかった暗灰色で,交尾期には足やつま先の前の部分やくちばし,額,目の辺りが明るい緋色になります。

雄鳥はまず最初に翼を持ち上げて美しい羽毛を見せ,つま先で立っているようなかっこうで優美な円を描き,華麗な“ワルツ風”の動作を始めます。それから雌鳥に静かに近付き,その前にひざまずいたり腰を下ろしたりします。体を揺すぶり,翼を幾分持ち上げてそれを前後に動かしながら辛抱強く雌鳥に誘いをかけます。自分の背中の弓なりになった部分に左右交互に頭をぶつけてはドスンドスンという音を立てます。

雄の求愛行為を受け入れた雌鳥は翼を水平の位置にまで持ち上げて,翼の先端を静かに震るわせます。このとき,雌は頭を低く下げて恥ずかしそうな様子をしながら,まるで空気をかんでいるかのようにくちばしを開いたり閉じたりします。しばらくしてから雌は雄が交尾を行なえるようにうずくまります。

魅力的な鳥

ダチョウの魅力は踊りだけでなく,外見そのものにもあります。背丈が約2.5㍍もあり,あらゆる鳥の中で最も大きなこの鳥には,小さな頭と大きな目,そして長いまつげがあります。目玉は非常に大きく,その直径は約5㌢もあります。まつげは,乾ききった地域のほこりや砂漠の砂あらしからその傷付きやすい目を保護する役割を果たしています。

ダチョウには毛の生えていない1㍍ほどの細長い首があります。翼は小さいのに体重は平均109㌔もあって非常に重いため,飛ぶことはできません。しかし,筋肉の発達したももとがんじょうな足を観察すると,この鳥に対してもっと敬意を抱くようになるでしょう。そのももや足のおかげで,ダチョウは時速約72㌔という,馬よりも速い速度で走ることができるのです。それで,聖書がダチョウは「馬をも,その乗り手をもあざける」と述べているのは,理由のないことではありません。―ヨブ 39:18,口。

ダチョウの大きな魅力は羽毛にあります。翼や尾に生えているその華やかな羽は長さが76㌢,幅が38㌢もあります。ダチョウの羽は古代エジプト人に尊ばれ,また中世の騎士やヨーロッパの王族たちの身に着けられ,アフリカのしゅう長や戦士たちの身を飾り立てるのに幾世紀もの間使われてきました。今日でもこの優雅な羽毛は,舞台に出る踊り子だけでなく,香港<ホンコン>からリオデジャネイロに至るまで世界各地の女性からとても珍重されています。

本能によって交尾を促されると,雄鳥の気持ちはすぐに“巣”作りに向けられます。もっともそれを“巣”と呼べるならばの話ですが。それは幼稚な作りのものです。雄鳥は四方をはっきり見渡せる場所を選び,力強い足で狂ったように地面の土をほぐします。それから胸の部分で浅いくぼみを掘り,それが巣になるのです。

その特徴についてはどうか

ダチョウは,特にその生息地においてどう猛な性質を示します。とりわけ繁殖期になると,雄鳥はちょっとした事柄でけんかをします。そのける力はすさまじいものです。人間に刺激されると,機会さえあれば足でその人に一撃を加えて,胸や腹を引き裂いてしまうことがあります。

雄鳥は,闘争的な気分になっていると,ひどく向こう見ずになることがあります。その点についてはこのような話があります。全速力で斜面を下って来る列車を一羽の雄のダチョウが見付けました。ダチョウはこの敵と闘うために線路に上り,前へ進み始めたのです。機関車が近付いて来たときそのダチョウは機関車をけ飛ばしましたが,あわれなことにそれが最後の一けりとなりました。

この鳥は非常にけんか好きですが,突っ込んで来るダチョウをたじろがせるものが一つあります。それはとげのある枝です。その傷付きやすい大きな目が長くてとがったとげで引っ掛けられるのを恐れて,ダチョウはしりごみし近付こうとしなくなるのです。ダチョウの飼育を行なう農夫はしばしばとげのある枝を使ってこの鳥を扱います。

産卵が始まると,雄鳥と一羽あるいは数羽の雌鳥(特に野生のダチョウは多婚性のものが多い)は代わる代わる卵を暖めます。羽毛のくすんだ色が周囲の環境によく溶け込んでいる雌鳥は“昼勤”,羽毛の黒い雄鳥は“夜勤”を務めます。創造者はカムフラージュのために何と見事な羽毛をこれらの鳥に備えられたのでしょう。

成鳥には敵が現われたとき,死んだ振りをしたりけがをした振りをして巣から敵を追い払う習性があります。ダチョウは足にけがをしている振りをしたり,哀れっぽくよろよろ歩いて見せたりすることもあれば,敵がだまされるほど静かに死んだ振りをして横たわっていることもあります。巣にいるときに捕食動物が近寄って来ると,ダチョウは丸めた体をアリ塚のように見せかけるため頭を地面に付けて横たわります。ダチョウを飼育するある農夫は,「ダチョウが頭を砂の中にうずめる,という誤った考えがあるのはこの習性のためらしい」と書いています。

ダチョウの飼育

南アフリカでは,ウーツホールンという町を中心として主にリトル・カルー地方でダチョウの飼育が行なわれています。この産業は1880年ころから1914年にかけて栄えました。当時ダチョウの羽は女性たちの間でファッションの極致とされていました。多くの人々がこの産業で富を築き,今でもウーツホールンに見られる大邸宅はそうした時代をしのばせます。ところが第一次世界大戦とともにひどい不況が訪れ,それは第二次世界大戦が終わるまで続きました。しかし今日では,再び安定した産業となっています。

ダチョウは知能が比較的低いため,その飼育にはしばしば問題が生じます。例えば,雄は草原の一部を区切って四,五羽の雌を自分のものにすることがあります。ところがそのように雌が多いと,35個ないし40個くらいの卵が,あるものは巣の中に,あるものは巣の外にといった具合に巣の周りに散らばってしまいます。昼間は雌がそれぞれ数個の卵を選んでそれを“抱き”,夜になると雄が恐らく巣のちょうど真ん中辺りを選んで,そこにある卵を抱きます。このため,ふ化しない卵が多いのです。

こうした問題に加えて,最初のひながかえると,ふ化しない卵がどんなに多く残っていても,雄鳥と雌鳥は三,四日巣を離れてしまいます。聖書が,「神[はダチョウ]に知恵を授けず,悟りを与えなかった」と述べているのも不思議なことではありません。(ヨブ 39:17,口)こうした理由などから,成功をある程度確実なものにするため,無責任な親鳥に頼らずふ卵器を使って卵をふ化させるようになっています。

その場合でも注意は欠かせません。ダチョウは,成長過程にある卵黄に動きを与え,卵黄が卵のからの膜に沈着しくっついてしまわないようにしますが,それをまねて,朝晩一回ずつ卵を手でひっくり返してやらねばなりません。親鳥は巣の中で卵を定期的にひっくり返します。

卵を集める

卵をふ化させるには卵を野原から集めて来なければなりませんが,経験のない人にとってこれは危険な場合があります。卵は巣から取って来なければなりませんが,巣にはほとんどいつも幾羽かの鳥がいるのです。農場労働者は馬を連れて鳥の中へ入って行き,わらを詰め込んだ袋の中に卵を入れます。卵は重く,一つが約1.6㌔もあり,長さは約15㌢ほどです。卵の殻は白色で吸気性があります。卵と卵をぶつけると,簡単にひびが入るか割れるかしますが,不思議なことに人がそれらの卵の上に乗っても割れることはありません。

ふ化の過程を一見する

ダチョウの固ゆで卵を作るには42分ほど時間がかかります。ついでながら,ダチョウの卵にはとても栄養があるのです。しかし,自然界の仕組みの中でも特に驚嘆すべき複雑な作品の一つが42日間で活動を開始する様を見たいと思われるなら,ふ卵器の準備を整える農夫の後について行くとよいでしょう。農夫は卵台の上にダチョウの卵を詰めて,温風を約37℃に調節します。発生初期の卵の生命にこうして熱を当てるだけで始まる一つの過程を見れば,どんなに知恵のある人も謙そんにならざるを得ないでしょう。

ふ卵期間も終わりに近づくと,まだ生まれていないひなが殻一杯に成長し,殻の外へ出て来る準備をしているのが分かります。それにしても,厚い殻はどのように割れるのでしょうか。ひなが自分で割るのです。くちばしを使ってですか。いいえ,二本の足指のうち大きいほうのかぎつめを使って割るのです。こうした創造の驚異が包み込まれているのを信じるには,まずそれを見てみなければなりません。何と,大きな足指のすぐそばにひなの頭とくちばしがあるのです! その足指で殻を割り,ひなは鼻孔で呼吸を始めます。長く呼吸をすればするほど殻をける力が強くなり,ついに殻が割れてひなが出て来ます。殻の内側を覆っているのは幾層ものビニール状の膜(つまり内側の殻)で,その内側にはへその緒があり,その緒にすべての複雑な連結部がつながっています。ひなが殻から出て来る間にこの膜とへその緒は干からびてしまいます。これは実に胸を躍らせる微妙な作用です。

姿を現わし始めたひなに手を貸そうとしてこのきわどい動きを速めて,殻を割り過ぎないよう農夫は細心の注意を払います。もしそうしないなら,膜が露出し過ぎて早く乾いてしまい,それが収縮するためにひなは窒息してしまうでしょう。

生まれたばかりのひなが食物や水を摂取するようになるまでには,さらに数日かかります。それまでの期間,ひなは卵からかえる少し前にへその緒から流れ出た卵黄で命を支えます。この小さな鳥が最初に食べるものは非常に変わっています。何とそれは母親のふんなのです。この段階のひなの胃は極めて敏感で,農夫の大きな心配の種ですが,母親のふんを食べるとある意味で胃が丈夫になるようです。誤って早い時期にえさを与えると,ひなが死んでしまう場合がよくあります。しかし後になれば,ダチョウは手当たりしだい何でものみ込むようになり,ほとんど飽くことを知らないその食欲を意地きたなく満たすようになります。ダチョウは何でも見境なく口に入れるため,モーセの律法の中では汚れた鳥の中に数えられています。(レビ 11:13,16)また,ダチョウには歯がないので,小さな石をのみ込み,その石と胃の上部の筋肉運動との協同作用によって食物をどろどろにすりつぶします。

ふ卵器の中でかえり生後三,四日たったひなは普通,育て親の所へ連れて行かれます。育て親はそのひなを喜んで受け入れ,自分たちのものとして育てます。ひなが囲いの中に入れられると,雌鳥はそれを見付け,ひなの所へやって来て,ひなに欠くことのできないふんをすぐに排出します。ひなは一度だけそれを食べます。生まれたばかりのひなを何羽も同じ育て親のもとへ連れて行くことができ,最後には同じつがいが100羽ものひなを世話することもあります。

皮と肉

ダチョウの皮からは,くつやハンドバック,手袋などの製造業者からの需要の多い,丈夫でしかも柔らかい革が取れます。それは薄茶色をしており,一定の間隔を置いて小さな節が並んでいるのですぐに見分けられます。

乾燥させたダチョウの生肉つまりビルトンは質が良く,多くの南アフリカ人はそれを珍味とみなします。以前はダチョウを殺すのに首を折っていましたが,そうして作られたビルトンは質の良いものではありませんでした。最近,と殺場ではダチョウの血を抜き取っており,その結果ビルトンは質の点でも日持ちの点でも著しく向上しています。地元の農夫たちはそのことを喜ぶと同時にまた驚いてもいます。しかしとりわけ「血……から身を避けている」よう神がクリスチャンに求めておられるので,こうした処置の仕方は望ましいものと言えます。―使徒 15:28,29。申命 12:23-25。

どう猛。愚か。飛べない。魅力的。こうした言葉はすべて,鳥の世界のこの一風変わった“マンモス”に当てはまる言葉です。外見が奇妙で行動の仕方も幾分変わっていますが,ダチョウはその造り主の業に見られる知恵や多様性を確かにたたえるものです。

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