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目ざめよ! 1980
目80 1/22 3–4ページ

増えつづける犯罪と暴力

ご自分を,仕事を終えて帰路についたイタリアの男の人の立場に置いてみてください。その人は,不注意にも車の中にキーを残したまま車を降りて,ある品物を取りに近所の店へ入りました。車を離れていたのはほんの数分のことでしたが,戻ってみると,お察しのとおり,車はなくなっていました。

眠れぬ夜を過ごし,翌朝,自分の車がアパートの前のいつもの場所に駐車してあるのを見て,この人は躍り上がらんばかりに喜びました。ワイパーの所に一枚のメモがはさんであり,そこにはこう書かれていました。「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。場合が場合だったものですから。私のささやかな感謝の気持ちをお受けください。当方の負担で,一晩を楽しくお過ごしください」。そのメモには,その晩上演される劇の切符が二枚,それも特等席の切符が添えられていました。人間に対するその人の信頼感はよみがえりました。

劇場で実に楽しい一晩を週ごした後,この人は夫婦そろって帰宅しました。家の鍵を捜すのに少し手間取りましたが,ドアを開けて中に入ったところ,部屋は空でした。何から何まで持ち去られていたのです。人間に対する,よみがえったばかりの信頼感はあえなく消え去りました。

極めてまれな事例とはいえ,この実話は,犯罪の厚かましい手口を示す数多くの事件の一つに過ぎません。もちろん,この犯罪は他の犯罪と比べれば,比較的おとなしい方です。他の犯罪には残忍さやサディズムが色濃く表われているため,とても信じられない,と頭を横に振る人がいるほどです。多くの人が人間不信に陥り,恐れのうちに生活しているのも,不思議なことではありません。

犯罪の犠牲になっていない人はいません。組織的な犯罪は,すべての人の財布からお金をかすめ取ります。シカゴ市の当局者の推定によると,マフィアの直接のゆすりのため,あるいは余分の盗難保険やマフィアの活動に対処するための保安要員の増加などのために,普通の米国市民は1㌦使うごとに2㌣ずつ余分の支払いをしています。

従業員の不正や万引などが原因で,企業は損失を埋め合わせるために値上げを余儀なくされます。他の人の不正のつけがあなたに回ってくるのです。例えば,ドイツ連邦共和国では,職員の不正のため,納税者には年間10億マルク(約1,000億円以上)もの負担がかかってきます。犯罪は実に高くつきます。たとえ犯罪者には高くつかないとしても,少なくとも被害者には高くつきます。被害者はいつも支払う側だからです。

憂慮すべき新たな傾向

犯罪は今に始まったものではありません。しかし,最近になって,犯罪は新たな様相を呈するようになりました。犯罪と暴力の波がじわじわと高まってきており,一つの国や一部の地域に限られたものではなくなってきたので,警察や一般の人々も一様に,犯罪やそれに首尾よく打ち勝つ対策をより真剣に考えるようになりました。

“理由なき犯罪”,つまり本当の動機の見当たらない犯罪が増加しています。そうした犯罪が,公共の建物に落書きをするとか,公衆電話の電話帳のページを破ったりするようなものにすぎない場合もあります。

しかし,そうした犯罪がもっとゆゆしい形を取り,いわれのない残虐行為を特徴とするものになる場合が余りにも多くなっています。一例として,最近,17歳になる二人の少年がドイツのある都市の郊外で33歳の男の人を襲い,その人を代わる代わる刺しました。警察は後ほど,80か所に刺し傷があったことを発表しました。「どうしてそんなことをしたのか」と尋ねられて,二人の若者は,「ただだれかをむしょうに殺したくなっただけさ」と答えました。別の事件では,それより少し年上の若者のグループがフランスのシェルブールで公証人を襲い,残酷な仕方で打ちのめしたため,その人は意識を失い,三日後に息を引き取りました。その少年たちの動機は何だったのでしょうか。「面白いからやっただけ」なのです。

憂慮すべき別の傾向は,女性の犯罪者の増加です。例えば,ドイツのテロリストの事情は他に類のないものです。そのメンバーのうち名の知れた者の大半は女性だからです。1979年の2月を取ってみると,テロリストと目され,警察の緊急指名手配を受けた16人のうち,12人までが女性でした。

しかし,司法および立法府の首脳部が特に憂慮しているのは,恐らく若い人々による犯罪の著しい増加でしょう。タイム誌は米国の状況についてこう述べています。「人々は,子供が殺人をやりおおせているとして,常々非難してきた。今やまさにその言葉が真実になっている。米国全土に,複雑で,ぞっとするような犯罪の傾向が生じてきている。多くの若者たちは,映画へ行ったり草野球に加わったりするのと同じほど平然と,盗み,強姦,傷害,殺人などに携わっているようだ」。

若い人々の間に見られるこうした傾向のために,将来には暗雲が垂れ込めています。ハンブルガー・アーベントブラットは,ドイツの情勢について論評し,次のように述べています。「犯罪に関する最新の統計によると,1975年以降に逮捕された14歳から18歳までの容疑者の数は25.1%増加した。14歳未満の子供の場合,その増加率は30.8%であった。……この傾向に終止符が打たれる見込みはない。我々は,非行に走るティーンエージャーや子供がさらに増加することを考慮に入れなければならない」。

疑問の余地はありません。犯罪は問題,それも真剣に考えてみるべき問題となっています。フランス政府はこれを重視し,事態を調査するための11名から成る委員会を設置する認可を出しました。これらの委員たちは16か月間にわたって審議を重ねた末,問題を緩和するための103か条の提案を載せた700ページの報告を提出しました。

国際連合組織は事態を重く見て,15人のメンバーから成る犯罪防止・抑制委員会を設立しました。この委員会は,世界的な規模で犯罪に首尾よく対処する方法を検討するための世界会議を五年おきに開催します。1975年の会議の一般テーマは,「犯罪防止と抑制 ― 過去四半世紀の挑戦」というものでした。第六回の会議は,1980年にオーストラリアのシドニーで開かれることになっています。

今日,犯罪と暴力が絶え間なく増加していることにはどんな意味があるのでしょうか。犯罪は,回復の見込みがなくなるほどに増加してゆくのでしょうか。それともこの問題は誇張されているのですか。事態は本当にそれほど深刻ですか。あなたはどう思われますか。

[4ページの拡大文]

「人々は,子供が殺人をやりおおせているとして,常々非難してきた。今やまさにその言葉が真実になっている」

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