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目ざめよ! 1981
目81 5/8 21–23ページ

羽毛 ― 驚嘆すべきその設計

カナダの「目ざめよ!」通信員

庭では,胸元を深紅に染めたハチドリが虹色の輝きを発しながら空中を舞い,美しい花から蜜を吸っています。動物園では,クジャクが色鮮やかでまばゆいばかりの尾羽の扇をいっぱいに広げ,きどって歩いています。言うまでもなく,これらの鳥のすばらしいその美しさは身にまとっている羽毛からきています。

人間の衣裳を作るために,洋服屋,裁縫師,婦人帽子屋などは様々な色彩や種類の織物の中から材料を選びます。ウール,木綿,絹,化学繊維の織物から様々な興味深い服が作られます。しかし,鳥の衣装はたった一つの材料,つまりケラチンから造られています。この堅い角質の蛋白質は,人間のつめ,あるいは動物のひづめやかぎづめの成分です。鳥の衣装の偉大な設計者は,これを用いて,美しさ,変化,実用性の面で人間のファッションデザイナーの想像力をはるかにしのぐ能力を発揮されました。

繊細でも強じん

棒と比べて管には数々の利点のあることが知られていますが,羽軸の基部にある中空の羽柄は骨のような強さを持ちながらも,骨よりずっと軽くなっています。羽柄は羽毛の中でも最も太い部分で,羽毛を鳥の皮膚の羽嚢に固定する働きをしています。

羽柄は羽軸につながっており,そこから両側に羽枝が平行に付いています。それぞれの羽枝からは直角に小羽枝と呼ばれる小さな突起が出ており,この小羽枝についている小さなかぎがジッパーによく似た働きをして,隣接する羽枝をつなぎ合わせます。こうして,強じんでありながらも,傷付くことなく幾度も自由に曲がるしなやかさを備えた織物が造り出されるのです。

つなぎ合わされた羽枝が離れるようなことがあっても,鳥は口ばしでそれをつついて簡単に元通りにしてゆきます。また,すべての羽毛を適当に逆立てると,防水ずきんやレインコートに加えて,完全な防寒具を身に着けることができます。カモなどのミズドリの場合,その羽毛で散弾をそらすことさえあるのが観察されています。

発生

羽芽は,鳥の皮膚の羽嚢の中で形造られます。その成長とともに,複雑かつ驚嘆すべき変化が生じていきます。羽鞘の中に,羽軸の周りにきちんと巻かれた羽毛の特珠な組織が成長してきます。実に見事にしまわれているので,完全に成長した羽毛を見る時,あのような小さな場所に羽毛全体がどうして入っていたのだろう,と思わず尋ねることでしょう。

成長が止まると,成長細胞に養分を供給していた血管には血液が流れなくなり,羽鞘が壊れて粉々になります。鳥は素早く老廃物を取り除き,生えたばかりの羽毛を口ばしで整えて完全な形にします。この段階の羽毛は本質的に死んだ組織から成っており,鳥の体を巡る血液からもはや栄養分を補給してもらう必要がありません。鳥の循環系にとっては,実に安上がりであると言えます。

羽毛の種類

羽毛は,形状,大きさ,色彩の変化に富んでおり,種類も様々です。その多くは特定の目的を果たしていますが,中にはただ見せるだけのものもあるようです。鳥はそれぞれ必要に応じた量の羽毛を備えており,大型の鳥だからと言って羽毛が多過ぎることも,小鳥だからと言ってそれが少な過ぎることもありません。実際に数えたところ,最も大きな鳥の一つであるハクチョウは2万5,216本の羽毛を着けていました。一方,派手な装いの限りを尽くした,胸元が深紅の小さなハチドリは,940本の羽毛を身に着けていました。

特別の機能を担う羽毛の一つに,“保温効果の優れた”下着の役を果たすように精巧に設計された,綿毛状の下羽があります。虫眼鏡でのぞくと,繊細で長く,非常に柔軟性に富む羽枝や小羽枝が見えます。しかし,これにはかぎが付いていません。一定の形をしていない非常に軽くてしなやかな羽枝は,鳥の体を外気からしゃ断します。そのおかげで寒い気候の時には暖かく,夏には涼しく過ごすことができるのです。

鳥の中には他の鳥よりも多くの下羽を付けているものがあります。ケワタガモもその一つです。事実このカモは,絹のように軟らかいその羽毛の余ったものを巣の中に詰め,過保護の子ガモたちを外気から守る,取って置きの“ベビー毛布”にしています。南極のコウテイペンギンも水と風を防ぐ正羽の下に綿毛状の下羽の服を着込んでいます。これがあるので,足の上で卵を抱え,同時に秒速20㍍を超す風や摂氏零下50度の寒気と闘いながら,何も食べずに約3か月間じっと立っていられるのです。

正羽は,鳥の種類に応じて特定の形に生えそろい,その体形が飛しょうに適した流線形になるよう設計されています。羽毛の中央にある羽軸は体の表面にうまく合うようわずかに湾曲していて,いずれも後ろ向き,つまり口ばしに近い方から尾に向かって生えています。根元の綿毛状の部分は,鳥の膚を覆う“膚着”の役目を果たしており,次の列の羽毛によって適度に覆われています。

メンドリが羽毛をふくらませて卵やひなを覆っているのを目にしたことがあるでしょうか。正羽は皮膚の中の筋肉や線維につながっていますが,その筋肉や線維には羽毛をこのように持ち上げる力があります。これによって,必要な時に羽衣を“ドライクリーニング”したり整えたりできますし,断熱効果を高めたり空調効果を図るために普通よりも多くの空気を含むことができます。

恐らく,人々の関心をさらに引き付けるのは“プロペラ”の役を果たす風切羽でしょう。これは空中を飛ぶ鳥に揚力や推進力を与えます。これらの羽毛の一つだけを取っても,精巧に設計され,目的にぴったりかなう部品のようなものが無数に備わっています。翼の先端には10枚以上の初列風切羽がありますが,実際にはこれが翼全体の主要な推進力発生装置となっています。この手前に17枚の次列風切羽がありますが,初列風切羽と同様これにも,骨につながる非常に丈夫な羽柄や羽軸が備わっています。これらはいずれも軸を中心に回転できる構造になっていて,振り降ろす時はしっかり重なり,振り上げる時はブラインドのように開く仕組みになっています。驚くほど軽い後列風切羽が翼の残りの部分を滑らかに覆い,格好の翼型を成しています。

尾羽にも別の風切羽があります。ここには強い筋肉があって,風切羽を下げたり,扇型に広げたり,たたんだり,傾けたり,自由自在に動かすことができます。このように,10枚以上あるこれらの風切羽は,飛び立つ時と飛しょう中には飛行機の方向舵や安定板,フラップ,補助翼の働きをし,着地の態勢に入った時にはエアブレーキの働きをします。

色

鳥をひときわ美しいものにしているのはその色彩です。目を奪われるという表現を使っても言い過ぎではないでしょう。ゴシキノジコは青,緑,黄,赤などの色彩がよく合って美しく身を飾っています。それに対し,ショウジョウコウカンチョウの雄は羽冠のてっぺんから尾の先端に至るまで鮮紅のコートをまとって姿を現わします。その黒い顔だけが鮮紅のコートと対照をなしています。

生息環境に応じて羽毛の色の変化する鳥も少なくありません。美しく装ったライチョウは,夏に褐色の斑点をつけていたのが,冬になるとほぼ純白になります。こうして北方の厳寒地帯には打って付けのカムフラージュを施します。緑の植物がうっそうと繁るジャングルでは鮮やかな緑色の羽毛をまとった鳥が多く,砂漠地帯に住む鳥は砂のような色の羽毛をまとって敵の目をかわしています。

羽毛の色は,構造上の要素や色素,それに反射光線の組み合わせから生まれます。顕微鏡で見ると,白い羽毛は白色光だけを反射する構造を備えています。小羽枝を造り上げている微小な粒子が青い光線だけを曲げたり散乱させたり反射させたりして青の色合いが生じます。緑の色合いは青を生み出す構造と黄色の色素の組み合わせから得られます。一方,赤い色彩の羽毛は白色光のうち青と緑の色を吸収し,赤の波長の光だけを反射するようになっています。鳥の羽毛がこうした様々な変化を見せ,わたしたちの目を楽しませてくれるのは,羽毛の構造にこのような驚くべき設計が施されているからなのです。

玉虫色

「一瞬ルビーに似ていたかと思うと,次の瞬間にはトパーズに,次いでエメラルド,それから輝きを発する金のようになる」。英国のある動物学者はハチドリを描写してこう語りました。米国の著名な動物学者また画家であるオーデュボンは羽毛をまとったこれらの美しい鳥たちに「虹の愛らしいかけら」という言葉を用いました。そのような言葉が聞かれるのは,羽毛が玉虫色をしているからです。

どうして玉虫色になるのでしょうか。微小で精巧な鏡に似た構造が干渉と呼ばれる複雑な光学効果を生み出すのです。こうした構造の働きで,光線のある波長の部分が消し去られ,他の波長の部分が反射によって強められます。その結果,羽毛の表面に単一色が一瞬きらめいたかと思うと,羽毛に当たる光線の角度が変わってその色も変わってしまいます。そして見る間に輝きが消え去ってゆくこともあります。

玉虫色をしているものの代表例に,クジャクの尾の羽毛に付いている“目”があります。様々な色になるよう設計されているため,“目”の部分を通っている羽枝には3色から4色のカラー・ゾーンの見られることがあります。そのためには,幾千もの反射構造が羽枝の長さわずか3㍉ほどの所に正確に配列されていなければなりません。しかも,年ごとの換羽の際,これら幾十億もの分子が少しも位置をたがえずに元の場所にくることが必要です。わずか0.001㍉ずれるだけで,色は消えてしまうのです。

特珠な羽毛

羽毛の中には変わったものも数多くあります。キツツキの堅い尾羽は,電線の敷設や保守に当たる作業員のスパイクシューズのように,木に登るキツツキを支えます。ライチョウの足にはかなり長い羽毛が生え出て,冬の間“カンジキ”の働きをします。アフリカサケイのひなは,水を含んだ雄鳥の胸の羽毛から毎日水を飲みます。タシギやライチョウの中には,翼に生えている特別な“演奏用”の羽毛の中を空気が抜けるようにして歌を奏でるものがいます。ガチョウは強力な翼の羽毛を闘いの時の武器にします。鳥の世界では,求愛中の雄が雌の関心を引き付ける時に特別な羽毛を使うのも忘れることができません。そうした鳥に,カンムリヅル,羽飾りを付けたサギ,忘れがたいゴクラクチョウ,オーストラリアコトドリなどがいます。

まさしく羽毛は設計の極致と言えます。こうした工学技術の傑作の数々には確かに大きな興味をそそられ,驚異の念に打たれます。美しさと実用性を備えたこうしたものの偉大な創造者また設計者にこそ,すべての誉れが帰されてしかるべきです。

[22ページの図版]

羽軸

羽枝

小羽枝

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