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  • 世界教会協議会 ― 世界を一致させることができるか
  • 目ざめよ! 1984
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目ざめよ! 1984
目84 8/8 4–6ページ

世界教会協議会 ― 世界を一致させることができるか

昨1983年7月のこと,1,000人近くの代表者たちがカナダのバンクーバー市にあるブリティッシュ・コロンビア大学を訪れました。それらの出席者は世界の至る所からやって来た人々で,プロテスタント,正教会およびコプト派の300ほどの教派の代表者たちでした。これらの諸教派に所属する人々は,4億人という驚くべき数に上ります。また,世界教会協議会の構成員ではないものの,ローマ・カトリック,イスラム教,ユダヤ教および北米インディアンの代表も出席しました。

18日にわたって,色とりどりの服装をした代表者たちが会合を開き,核軍縮から乳児用調乳に至るまで,あらゆる事柄について論じ合い,方針を明らかにする声明の草稿作りや改訂作業を行ない,講演をしたり講演に耳を傾けたりし,さらにその合間に,劇や踊りや音楽の演奏を見聞きしました。これらさまざまな行事を結び合わせているとされたのは,「イエス・キリスト ― 世の命」というこの大会の高遠な主題でした。

この集会への期待は高まりました。バンクーバー・サン紙の社説は,この総会を「宗教史上危機的な時期に」開かれたものと指摘し,こう説明を加えました。「人類の全滅する可能性がこれほどまでに高まったことはかつてなく,人類の中のこれほど多くの人々がそうなりはしまいかとこれほど恐れたことはかつてなかった」。明らかに,諸教会はそのような破局を避けるのに助けになるかもしれないと考えられました。事実,世界教会協議会のスポークスマンはこの大会以前に,「核軍縮と世界的な平和をもたらすための教会の戦略に関する論議」が「大会の主要な話題」になるだろう,と記者たちに語っていました。―下線は本誌。

意見の一致と不一致

しかし,世界教会協議会が平和の推進者としては無力であることが,ほどなくして痛ましいほど明らかになりました。代表者たちは,大会で何に焦点を合わせるかという問題をめぐって争いました。「イエス・キリスト ― 世の命」というその主題は,激しい政治的な論争の熱気の中に消えうせてしまいました。いわゆる第三世界の国々の代表は,大会の注意を核軍縮にばかり向けないで,専ら人権問題に向けるべきだと考えていました。ですから総会の最終的な決議の起草者には,双方の立場を等しく重要なものと認めるという,慎重を要する仕事が課せられていました。

さらに分裂を引き起こしていたのは,「西側諸国の行動を非としながら……東側陣営の国々をほとんど非難しようとしない強い傾向」と,グローブ・アンド・メール紙の評した世界教会協議会の態度です。中南米への米国の介入に際して世界教会協議会の行なった非難は,一部の人から,仮借のない非難と評されました。一方,世界教会協議会はアフガニスタンへのソ連の介入に対しては妙に“当たりが柔らか”だったと批評する人もいました。しかし,世界教会協議会のフィリップ・ポッター事務総長の話では,反ソ的な談話は世界教会協議会のソ連との関係を危うくしかねません。その関係があったおかげで,ロシア正教会が今まで世界教会協議会の会員であり得たのです。バンクーバー市のプロビンス紙の社説は,この方針を「分裂した理念」と呼びました。

「由々しい障害」

政治以外の事柄でも代表者たちの意見は分裂していました。『女性は公正な扱いを受けるまであと100年も待ってはいないだろう』と,同協議会中央委員会の副委員長であるジーン・スキューズは警告しました。同女史は女性の叙任に関する激しい論争に言及し,これが早いうちに認められないなら女性は大挙して教会を去るであろうと論じました。しかし,それが世界教会協議会にとってこれほど厄介な問題となっているのは,正教会,ローマ・カトリックおよび聖公会の諸教会および幾つかの根本主義を信奉するグループが女性の叙任という考えにはっきりと ― 中には変更し得ないという態度で ― 反対しているためです。カンタベリー大主教のロバート・ランシーによると,この論争は「教会の一致にとって由々しい障害」となっています。

一方,「一致」を推進することは教理面での妥協をもたらすのではないかと懸念する向きもあります。幾つかの話し合いの中で“普遍救済説”へ片寄る傾向に注目した幾人かの代表たちは,イエス・キリストが「唯一の救い主」であるという点を除外することがないようにとの懸念を公に表明しました。事実,一ジャーナリストは,「討論に参加した人たちは,信仰合同に関する話を,イエスは道であり,真理であり,命であるというイエスの陳述とどのように調和させることができるのか」と尋ねています。

教会は戦争に反対か

とはいえ,代表者たちは,検証可能な相互の核凍結を唱道するという点ではどうにか意見の一致を見ました。同協議会は,「戦争に参加すること,あるいは戦争の準備に参加することに良心的に反対する立場を取る人々を支援し,『市民的不服従』を含む『非暴力的な抗議行動の可能性を探る』よう,会員である諸教会に」勧めることさえしました。これは立場の驚くべき逆転のように思えます。同協議会の役員であるダーク・マルダーの言葉によると,諸教会自体に,「戦争と集団大虐殺の歴史」があるからです。実際,マルダーは,「宗教は依然として世界のあらゆる紛争の火に油を注ぐものとなっている」と言葉を加えています。ですから,諸教会が同協議会の宣言にどの程度従うか,特に戦時下でどの程度従うか疑問に思えます。

興味深いことに,戦争に対する立場のこのような変化により,宗教がこの世の政府との間で享受してきた伝統的な気持ちのよい関係は脅かされ,同協議会は実際には不利な影響を受けるかもしれません。バンクーバー・サン紙の社説はこう述べています。「教会の新たな積極的行動主義は,現代社会が必死になって回避しようとしてきた対決を引き起こしている。それは教会と国家との[対決]である」。

宗教的に一致しているか

ですから,政治的および世俗的な問題が世界教会協議会で主要な事柄となり,同協議会を分裂させているのは明白です。しかし,冒頭で述べた世界教会運動に基づく聖餐式を可能にするものとなったリマ協定についてはどうでしょうか。CP通信によると,あるカトリックの歴史家はこの協定を「クリスチャンの再統一を目指す進歩において“極めて有用な意義”のあるもの」と呼んだと言われています。信仰合同の聖餐式を司式した,ランシー・カンタベリー大主教も同様に,それが「全面的なクリスチャンの一致」を目指すものであると語りました。

では,本当にそういうものなのでしょうか。なるほど,リマ典礼は,プロテスタント,正教会,聖公会およびローマ・カトリックなどの神学者が一様に手を加えてできたものです。ところが,バンクーバーでこの新しい典礼が初めて行なわれた時,ローマ・カトリックおよび東方正教会の代表者たちは参加を辞退しなければなりませんでした。なぜなら,それらの教会の教理によれば,自分たちの教会の司祭以外の人から聖体拝領を受けることが禁じられていたからです。リマ協定はまた,使徒継承や法王の不謬性に対する信仰といった,諸教会を分裂させている他のさまざまな問題を解決する点でも全く期待に添えるものではありません。

それで,代表者たちが共に祈ったり歌ったりした光景は壮観で,しばしの間,人の感情をある程度動かしたかもしれませんが,実際には,宗教改革以来キリスト教世界を分裂させてきた深い亀裂は,これまでと同じほど大きく口を開けています。そして,一コラムニストが論評したとおりのことが言えます。「諸教会が自らの間で争い合う理由をこれほど沢山見いだせるのなら,神と人間との真の関係を説明することはおろか,その関係を見いだすものとして教会を信頼できるだろうか」。

ですから,このバンクーバー総会を人間の行なった失敗の一覧表に加えることができるでしょう。諸教会は政治体制を通して働きかけようとすることにより,世界を滅亡の瀬戸際に追いやってきた同じ腐敗や分裂の弊害を自らも被っています。聖書の示すところによると,諸政府はやがて宗教の介入に嫌気がさして,その影響力を永久に封じるため劇的な措置を講じるでしょう。―啓示 17章。

一致を達成しようとする点での教会の無力さは,福音伝道を世界中に広げ業に拍車をかけるその努力にも反映されています。続く記事はこの点について伝えています。

[6ページの拡大文]

「諸教会が自らの間で争い合う理由をこれほど沢山見いだせるのなら,神と人間との真の関係を説明することはおろか,その関係を見いだすものとして教会を信頼できるだろうか」― 1983年7月28日付,カナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市のプロビンス紙

[5ページの図版]

女性の叙任 ― 分裂の原因になっている問題の一つ

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