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目ざめよ! 1986
目86 1/8 9ページ

「継父母家庭で生活する」

― 継父母家庭財団の理事長とのインタビュー

継父母家庭財団の理事長で,「継父母家庭で生活する」の共著者であるジネット・ローファス夫人は,継父母家庭の内部での,独特の圧力について研究してきました。ここに掲げる,「目ざめよ!」誌の編集部員の行なった同夫人との会見は,どうしたらそのような圧力に首尾よく対処できるかを示しています。

問. ローファスさん,継親になるのがたいへん難しいのはなぜですか。

答. 大抵の場合,継親は初めから想像上の敗北を喫しており,時たつうちにその敗北は本物になってゆきます。ほとんどの継親は,血を分けた親と同じように認められたいと思うものです。継親は概して,そのような者として認められることはありません。意識的かどうかは別として,必ずといっていいほど自分がそのような者であることを実証しようとします。継子は大抵,親のように振る舞うこの行動すべてを退けます。受け入れれば,離れて住んでいる産みの親に不忠節になると感じるからです。血を分けた親の占めている聖域と言えるようなものがあるのです。当初,継親は打ちのめされます。『わたしを愛しているなら,わたしの子供たちをも愛せるはずだ』ということには必ずしもならないのです。

問. 継子が,大抵の場合に敵意を示すのはなぜでしょうか。

答. 親の離婚を経験するのは,子供にとって本当につらいことです。お母さんが家を出てしまって,あるいはお父さんが身近にいなくて十分な注意を払ってくれないという理由で,子供は悪感情を抱いています。子供たちは大抵,その悪感情を継親にぶつけます。これは置き換えと呼ばれています。ですから,継親は容易にこれらの悪感情のもろもろを身代わりとして背負わされるのです。突如として,その子は何の理由もなくひどい態度を取るのです。

問. このような“悪”感情を解消するよう,子供をどのように助けたらよいのでしょうか。

答. まず,親子双方が,そのような感情は継父母家庭の適応様式,つまり行動の型の正常な一段階であることを認めることが必要です。適応過程ではなく,子供や継親が悪いのだと決めつけるなら,大きな問題に陥ることになりかねません。子供たちは,初めのうち,動揺して,怒りや欲求不満を感じるのは正常なことであるという点を理解しなければなりません。どうしてそのように感じるのか,その理由を悟るよう子供を助け,子供に感情移入をするだけで大きな助けになります。血を分けた親は,その子が親の心の中でいつも特別な立場を占めていることを得心させ,それゆえ継親を,“なわ張り”を荒らす者と考えて恐れる理由がないことを感じられるようにする必要があります。

問. 継親は本当の意味で継子を懲らしめることができますか。

答. できます。初めから,“家の決まり”を定めることによってです。愛とは,子供たちに境界線を示してやることであり,したい放題にさせることではありません。継父母家庭であってもなくても,懲らしめと愛は平衡の取れたものでなければなりません。しかし,継父母家庭で生活している場合,愛を感じるのは大抵の場合困難です。血のつながりと長年にわたる積み重ねがないので,継親が激しい反応を示したり,継子が“他人”から与えられる懲らしめに恨みつらみを抱いたりすることがあります。継父は,命令することによってではなく,導きを与えることによって自分の権威を確立しなければなりません。

問. 罰を与えることに関して,重大な問題を引き起こすのは何ですか。

答. 父親と母親が子供の前で意見の対立を見せる場合です。子供にとって,自分の生活の中で二人の大人が意見を異にしているというのは最悪のことです。そうなると,子供はどこにも頼れません。継父母家庭に“統一見解”がなければ,それは破たんをきたします。両親が二人だけで話し合って,何をその家庭の基準とし,それを犯した場合どうするかについて意見の一致を見ているのは非常に重要なことです。それから,両親はその点を子供に明らかにしなければなりません。一人の継父はこう述べています。「産みの母親が,『この人はわたしの夫で,あなたの継父です。わたしたちは二人であなたを育てているのです』と言うのはすばらしいことです」。

問. 夫婦の関係はどれほど重要ですか。

答. それは主要な関係で,その関係は強いものでなければなりません。さもなければほかの関係はうまくいきません。わたしたちが,夫婦の力と呼んでいるものを築き上げなければなりません。これは結合力のある家族を作り出します。それがなければ,子供たちに入り混じったことを告げるだけでなく,子供たちが二人の間にくさびを打ち込むことになります。夫婦が一体になって事に当たるようにします。夫婦が一体になって子供と楽しく時を過ごし,片親だけに重荷を負わせるようなことを避けます。

問. 宗教的な価値基準は助けになりますか。

答. たいへん助けになります。それがあれば,互いに対して犯したささいな誤りなど,超越することができます。例えば,ある時夫が,自分と血のつながりのある子供をふさわしくない仕方で偏愛することがあるかもしれません。妻は腹を立てます。では,妻はささいなことに関する言い争いを超越し,起きてしまったことをいつまでもうじうじ言わないようにしますか。なるほど,夫のほうが間違っていました。だからどうしたと言うのでしょう。もう起きてしまったのです。そこからどうしたらよいのでしょうか。妻の宗教的な価値基準が助けになります。妻はこう考えるからです。『神のご意志は何だろうか。家庭がうまくゆくように努力することだ。では,そのために今どんなことをしなければならないだろうか。神のご意志に誠実に従うよう努めることにより,この家族の制度をうまくゆくようにすることができる』。

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