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目ざめよ! 1986
目86 8/8 25–27ページ

チーズ ― あなたはその道の通ですか

フランスの「目ざめよ!」通信員

「デザートの前にチーズを少しいかがですか?」主人役の女性が,おいしそうなチーズをたくさん載せたチーズボードを差し出しました。ここフランスでは,「作法にのっとった」食事にはチーズが付き物なのです。

フランスでは,チーズの一人当たりの年間平均消費量は18㌔で,世界一です。種類も多種多様です。実際,フランスに住んでいる人は,理屈から言えば,1年間毎日違ったチーズが食べられると言う人もいます。

牛乳のような比較的味のないものから,どのようにして様々な色や香りや風味が生まれるのか不思議に思ったことがありますか。それには主に凝固・水抜き・貯蔵の三つの段階が関係しています。最初に,凝固についてお話ししましょう。

牛乳から白チーズへ

冷蔵庫から出しておいた水差しの牛乳が,少したって戻ってみると凝乳<カード>と乳清<ホエー>に分離していたという経験をされたことはありませんか。何が起こったのでしょうか。未処理の牛乳には,微生物が多く含まれています。その中には,ラクトース(乳糖)を分解して乳酸に変える乳酸菌もあります。酸化がある程度まで進むと,牛乳に含まれる主要な蛋白質(カゼインと呼ばれる)が凝固し,不溶性の凝乳を形成します。その実際の様子を見たければ,小さじ数杯の酢をコップ半分の牛乳に加えるだけで見られます。もちろん,それでチーズができるわけではありませんが,牛乳が凝固する過程を観察することはできます。

しかし,ひとりでに凝固した牛乳を用いてチーズを造るのは,危険なことがあります。不衛生な状態で,あるいは病気の牛から搾乳されたために,病気を媒介する細菌が含まれているかもしれません。不要な細菌を殺すために,チーズ製造業者は牛乳に低温殺菌を施します。それから,凝固を促進させるためにある種のバクテリアを添加することもあります。

レンネットと呼ばれる物質を凝固に用いることもよくあります。これには,乳離れ前の幼牛の胃の中にある酵素レンニンが含まれています。摂氏約40度の牛乳にレンネットを混ぜると凝固が生じます。どうしてそうなるのでしょうか。乳離れ前の子牛の胃の中にあるレンニンは,子牛の唯一の食物である母乳を凝固させる働きがあるからです。この作用は若い動物の消化作用の第1段階に当たります。それで,ある意味では,チーズは消化される前の状態の牛乳と言えるかもしれません。しかし,レンネットや乳酸菌,あるいはその両方で造られた凝乳は,次にどうなるのでしょう。

さて,今度は第2段階である水抜きに移ります。凝固した後,凝乳は普通水抜きされます。液状の乳清(ラクトースや蛋白質や塩分を含む)は分離され,様々な食品や家畜飼料に利用されます。凝乳は熟成前でやや酸味のある軟らかい白チーズを形成し,そのままでも,また塩や砂糖,あるいは様々な香草<ハーブ>をミックスしたものを加えて食べることができます。きめを細かくするために乳脂が加えられることもありますが,さらに手を加えて様々な種類のチーズを造ることができます。

硬質化と味つけ

熟成チーズ,つまり貯蔵チーズは,さらに熟成の過程を経なければなりません。凝乳からの乳清の除去はどんな種類のチーズを造るかに従って行なわれ,それからカゼインや脂肪やラクトースを分解させる細菌が添加されます。こうしたことによって,それぞれのチーズに独特の風味と味を添える様々な物質が生み出されます。細菌の種類や適切な貯蔵期間,また貯蔵室の温度や湿度などはいずれも,こうした変わった種類のものを造り出すのに非常に重要です。

チーズが発酵するように凝乳の酸味を中和させなければならないこともあります。それには様々な方法がありますが,東フランスの小さな町ミュンスターで生まれたミュンスターチーズの場合,アンモニアを貯蔵室に充満させるだけで足ります。フランスのオルレアン近郊で生産されるサンドレ(「灰をかぶった」の意)チーズの酸味はカリで中和させます。

軟質チーズはチーズボードの上で非常に特別な場所を占めています。例えば,世界的に有名なカマンベールはもともと同じ名前のノルマンディーの村で造られていました。その白い綿に似た表面,すなわち「花飾り」は有名なペニシリンの仲間のペニシリウムと呼ばれるカビが造り出すのです。よいカマンベールを選ぶのは簡単なことではありません。大きなスーパーマーケットでも,チーズ通がケースを開けて,包装してあるチーズの真ん中を親指で慎重に押しているのをよく見かけます。幾つか試してみてから決めるのです。

恐らく,チーズボードにはたくさんのチーズに混じってブルーチーズもあることでしょう。牛乳から造られるオーベルニュ・ブルーを好む人もいれば,羊の乳から造られるロックフォールの味を楽しむ人もいます。どちらも南フランス中部の起伏の多い中央山岳地帯で造られます。これらのチーズに見られる青や緑青色の脈は,熟成過程で生じた特殊なカビのせいです。

グリュエルやエメンタールなどの硬質チーズには根強い人気があります。この種のチーズを製造するためには,凝乳をおよそ摂氏55度にまで加熱する必要があります。これによってチーズは乾燥し,高温で生育する細菌だけが残ります。貯蔵過程で,ある種の細菌(プロピオン酸菌と呼ばれる)によって二酸化炭素が発生します。それは気泡を形成しておなじみの穴を作ります。グリュエルの穴は小さくてわずかしかありませんが,エメンタールには大きな穴が数多く開いています。

最後にカンタールをご紹介します。イギリスのチェダーに似た圧搾チーズで,その名はフランス中部の山岳地域に由来します。この場合,凝乳は乳清を除去した後8時間から10時間圧搾され,チーズに独特のピリッとした酸味を加えます。

高い栄養価

牛乳は人体が必要とする成分を多く含む食物です。しかし,チーズはどうでしょうか。それは優れた蛋白源です。例えば,35㌘のサン・ポーラン(オランダのエダムにいくらか似た圧搾チーズ)には50㌘の肉や,牛乳250cc,または卵1.3個と同量の蛋白質を含んでいます。乳清を除去したあとでも,チーズには塩分が残っており,とりわけカルシウムとリンを豊富に含んでいます。授乳中の母親が1日に失うカルシウムの大部分を,35㌘のサン・ポーランチーズで補うことができます。

チーズは,脂肪(または脂質)だけに限ってみれば,わたしたちの必要のほとんどを満たすこともできます。包装紙の表示を見る時,乳脂肪の含有量はチーズの中の乾燥した物質を指す場合が多いことに注意します。チーズには水分も含まれています。

チーズには炭水化物が含まれているでしょうか。牛乳の中のラクトース(乳糖)のような炭水化物の多くは,乳清を除去する際に失われてしまうか,または熟成作業に精を出す細菌に吸収されます。しかしこれは,ラクトースを含んでいるために牛乳の消化が難しいアフリカやアジアやヨーロッパの多くの人々にとって好都合かもしれません。それで,1本のフランスパンと一切れのカマンベールを手に持った,有名ですが少々古くさいフランス人の典型的な姿には,互いに補い合う栄養素が描かれているのです。パンはチーズにない炭水化物を備えているからです。

ですから,今度チーズが出されている食卓に座る時には,このおいしい食べ物を造るために,搾乳の日から完成品が目の前に出されるまでにつぎ込まれる多くの時間と努力を思い起こしてください。また,疲れを知らない小さな作業員である細菌のことも忘れないでください。彼らの努力なしでチーズを造ることは決してできないからです。あなたはチーズ通ではないかもしれませんが,この風味のあるごちそうにきっと感謝されるでしょう。また,この記事も,もう少しチーズを楽しまれるのに役立つかもしれません。

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