ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目90 1/22 18–21ページ
  • あなたの耳 ― すばらしい伝達器官

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • あなたの耳 ― すばらしい伝達器官
  • 目ざめよ! 1990
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 外耳 ― 整調された受信機
  • 中耳 ― 機械工学の夢
  • 内耳 ― 耳の重要な部分
  • 謎は解かれた
  • 創造物の傑作
  • あなたの聴力 ― 大切にすべき賜物
    目ざめよ! 1997
  • 聴力という賜物を保護しましょう
    目ざめよ! 1983
  • 驚くべき聴力
    目ざめよ! 1975
  • 耳
    聖書に対する洞察,第2巻
もっと見る
目ざめよ! 1990
目90 1/22 18–21ページ

あなたの耳 ― すばらしい伝達器官

見たくなければ目を閉じることができます。臭いを嗅ぎたくなければ息を止めることができます。しかし,聞きたくないと思っても,耳を閉じることは実際にはできません。「耳をふさぐ」という言葉は,比喩的な表現に過ぎません。聞くという作用は,心拍と同じように,人間が眠っていても途切れることなく続きます。

実際,人間の耳は,わたしたちが外界と接触を保てるよう四六時中働いています。耳はわたしたちが聞いた事柄を選択し,分析し,判読してからそれを脳に伝えるのです。人間の耳は,およそ16立方㌢の限界内で,音響学,力学,水理学,電子工学,高等数学などの原理を駆使しながら自らの役目を果たします。聴力が損なわれていないとしたら,耳にどれほどのことができるか,少しだけ例を考えてみましょう。

◻ 人間の耳は,非常にかすかなささやきから,ジェット機が離陸する時の轟音に至るまで,音量の差が10兆倍になっても対応できます。科学用語で言えば,これは約130デシベルの範囲です。

◻ 人間の耳は,人でごった返している部屋の反対側で行なわれている会話を聞き取ることも,それに神経を集中させることもできます。また,100人から成るオーケストラの一つの楽器から出た間違った音も感知できます。

◻ 人間の耳は,音源の方向の角度がわずか2度変わっても,それを感知できます。二つの耳に音が届くまでの時間とその時の音の強さのわずかな違いを感じ取るからです。その時間の違いは1,000万分の1秒といったわずかなものかもしれませんが,耳はそれを感知し,脳に伝えることができます。

◻ 人間の耳は,およそ40万種類の音を認め,聞き分けることができます。耳の仕組みによって音波は自動的に分析され,記憶の中に蓄えられている情報と照合されます。ですから,ある楽音がバイオリンの音かフルートの音か,電話をかけてきた人がだれなのかが分かります。

人間の頭の横についている“耳”は,実際には人間の耳のほんの一部で,最もよく見える部分です。ほとんどの人は,耳が外耳,中耳,内耳と呼ばれる三つの部分から成っていることを学校で習い,それを今でも覚えているに違いありません。外耳というのは,皮膚と軟骨,それに奥の鼓膜に通じる外耳道から成る,なじみ深い“耳”のことです。中耳には人体で最も小さな三つの骨,つまり一般につち骨,きぬた骨,あぶみ骨と呼ばれる,槌骨,砧骨,鐙骨があって,鼓膜と,内耳の入口に相当する前庭窓とをつなぐ橋を形作っています。内耳は奇妙な形をした二つの部分,つまり,房状になった三つの半規官と,カタツムリの形の蝸牛で構成されています。

外耳 ― 整調された受信機

言うまでもなく,耳介は空気中の音波を集め,それを耳の奥の部分に送り込む働きをしていますが,ただそれだけではなくもっと多くの事柄を行なっています。

耳介が渦巻き状になっているのは何か特別な目的があるからなのだろうか,と考えたことがありますか。科学者たちは,耳介の中央にあるくぼみと外耳道がそういう形をしているので,特定の周波数の範囲内にある音が増幅される,つまり共鳴することを発見しました。それは人間にとってどんな益があるでしょうか。人間の音声の重要な特色の大部分は,ちょうどそれとほぼ同じ周波数の範囲内に収まるのです。a それらの音が耳介と外耳道を通過する時,元の強度は約2倍に増幅されます。ここには音響工学の技術の粋が見られます。

外耳はまた,音源を突き止める人間の能力の中の重要な役割を果たしています。先に述べたように,頭の右ないしは左から来た音は,二つの耳に届く時の強さと時間の差によって確認されます。しかし,後ろから来る音はどうでしょうか。その場合も耳の形がものをいいます。耳の端は背後から来る音と互いに影響し合い,周波数を3,000ないし6,000ヘルツ減少させ得る形になっているので,これによって音の性質が変わり,脳はそれを,後ろから来たものと解釈するわけです。頭上からの音も変わりますが,周波数帯は背後からの場合とは違います。

中耳 ― 機械工学の夢

中耳の仕事は,音波の音響的振動を機械的振動に変え,それを内耳に伝えることです。豆粒大のこの部屋で生じる事柄は,まさしく機械工学の夢です。

鼓膜は,大きな音の場合には非常に大きく動くと考えられているのに反して,実際には,ごくわずかしか動きません。そうしたわずかな動きでは,液体の充満した内耳の反応を引き起こすことはできませんが,その問題を克服する方法にも,耳の造りの精巧さがうかがえます。

中耳の三つの小骨の連動は微妙であるだけでなく,効果的でもあります。てこの原理で機能し,入ってくる力をすべて約30%増幅させます。さらに,鼓膜の面積は,あぶみ骨底の面積の約20倍にもなるので,鼓膜に加えられた力は前庭窓にあるずっと狭い場所に集中します。これら二つの要素が相まって,振動する鼓膜に加えられる圧力は増幅され,前庭窓で25ないし30倍にもなります。それだけあれば,蝸牛内の液体を動かし始めることができます。

あなたは,かぜが聴覚に影響を与える場合があることに気づいていますか。鼓膜が正しく機能するためには,鼓膜の両側の気圧が等しくなければならないからです。普通は,中耳と咽頭とを結ぶ耳管と呼ばれる細い管によってその状態が保たれています。この管は人が何かを飲み込む度に開き,高くなった中耳内の圧力を軽減します。

内耳 ― 耳の重要な部分

前庭窓の次には内耳があります。半規官と呼ばれ,互いに直角の位置関係を占める三つの輪のおかげで,わたしたちはバランスおよび共同作用を保つことができます。しかし,音を聞くという仕事が本格的に始まるのは,蝸牛の内部においてです。

蝸牛(ギリシャ語のコクリアス,つまりカタツムリから来ている)は基本的に,液体の充満した三つの導管,つまり管の束で,カタツムリの殻のようにとぐろを巻いています。導管のうちの2本は,その螺旋の先端でつながっています。その螺旋状器官の基部にある前庭窓は,あぶみ骨の働きで始動すると,ピストンのようにわずかに内側に動いたり外側に動いたりし,液体の中で水圧による圧力波を引き起こします。その波が先端まで行って戻ってくる時に,2本の導管を分けている壁を振動させます。

基底膜として知られるそれらの壁の一つに沿って,極めて繊細なコルチ器があります。その名は,1851年に聴覚のこの真の中枢を発見したアルフォンソ・コルチにちなんで付けられました。その重要な部分を成しているのは,およそ1万5,000本以上もある,幾列にも並んだ感覚有毛細胞です。幾千もの神経繊維が,それらの有毛細胞から,音の周波数,強度,音色などに関する情報を脳に伝えます。聴覚が生じるのはこの脳です。

謎は解かれた

コルチ器がどのようにこの複雑な情報を脳に伝えるのかということは,長い間の謎でした。科学者が解明できた一つの点は,脳は機械的な振動には反応せず,電気化学的な変化にのみ反応するということです。コルチ器は何らかの方法で,基底膜の振動運動を,それに匹敵する電気的インパルスに変換し,脳に送っているに違いありません。

ハンガリーの科学者,ゲオルク・フォン・ベケシーはおよそ25年をかけて,この小さな器官の謎を解明しました。彼が発見した一つの事柄は,水圧による圧力波が蝸牛内部の導管を伝わって行く時,その途中のどこかで頂点に達し,基底膜を押すということでした。高周波の音から発せられた波は蝸牛の基部に近い膜を押し,低周波の音から発せられた波は先端に近い膜を押すというわけです。このようにベケシーは,特定の周波数の音が波を生じさせ,特定の点の基底膜を動かし,そこにある有毛細胞の反応を促し,信号を脳に送らせるのだと結論しました。有毛細胞の位置は周波数に対応し,刺激される有毛細胞の数は強度に対応することになります。

純音にはこの説明が当てはまりますが,自然界に純音はまれにしかありません。ウシガエルの鳴き声とドラムの音は,周波数は同じでも,全く異質のものです。音はそれぞれ,一つの基本音と多くの上音で構成されているからです。上音の数とその相対的な強さが一つ一つの音に独特な音色,つまり特色を付与しているのです。それによってわたしたちは,耳に入ってくる種々の音を識別するのです。

基底膜は一つの音のすべての上音に同時に反応することも,どんな上音が幾つあるかを探知することもできるので,そのようにして音を確認します。数学者はこれをフーリエ解析と呼んでいますが,この名は,19世紀フランスの優れた数学者,ジャン・バプティステ・ジョセフ・フーリエにちなんで付けられました。しかし耳は,入って来る種々の音を分析し,脳に伝えるため,数学上のこの進んだ技術をずっと用いてきたのです。

内耳が脳にどんな信号を送るのかということは,科学者たちにもまだ確認できません。様々な調査は,すべての有毛細胞から送られる信号の持続時間と強さが,どれもほぼ同じであることを明らかにしています。そのため科学者は,メッセージを脳に伝えるのは,信号の内容ではなく,単純な信号そのものであると考えています。

その意味を理解するため,ある話を一人の子から別の子に順次伝えてゆく子供のゲームを思い起こしてください。一番最後の子が聞いた事柄が,最初の話と全く似ていないことがよくあります。複雑な話の代わりに,何かの数字のような符号を伝えてゆくとしたら,誤り伝えられることは恐らくないでしょう。どうやらそれが,内耳の行なっていることらしいのです。

興味深いことに,今日の進んだ通信システムに利用されているパルス符号変調と呼ばれる技術も,それと同じ原理によります。何かの出来事の詳細な点を伝えるのではなく,その出来事を表わす符号が送られるのです。火星の写真はそのように二進法の符号によって地球に送られて来ました。また,録音や再生に際しても,そのようにして様々な音を符号に変換することができます。しかし,やはり,耳がそれを最初に行なっていたのです。

創造物の傑作

人間の耳は,生物の耳の中で最も鋭く敏感なものではないかもしれませんが,人間が最も必要とする事柄の一つ,つまり意思を通わせる必要を満たすことによく適合した器官です。人間の耳は,人間の音声の特色にとりわけよく反応するように設計されています。幼児は健全な成長を遂げるために,母親の音声を聞く必要があります。また,言語能力を伸ばしたいなら,成長するにつれて,他の人たちの音声も聞く必要があります。人間の耳は,どの言語の微妙な声の抑揚をも正確に識別できるので,長ずるにつれ,その土地の人にしか話せないような話し方をすることができるようになります。

このすべては,盲目的な進化の結果ではありません。むしろ,聞くためのすばらしい器官があるのは,わたしたちの愛ある創造者エホバのおかげなのです。(箴言 20:12)わたしたちの耳は,まさに創造物の傑作であり,造り主の知恵と愛の表われです。耳があるおかげで,わたしたちは仲間の人間と意思を通わせることができるのです。しかし耳は,何よりも神の言葉の知恵に聞き従うために用いるようにしましょう。それは,わたしたちの天の父エホバ神から学べるようにするためです。

[脚注]

a 人間の音声の識別可能な特色の大半は,2,000ヘルツから5,000ヘルツ(ヘルツはサイクル毎秒)の間にあり,その数字は,外耳道と,耳介の中央のくぼみが共鳴を生じさせる周波数に近い値です。

[19ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

外耳

耳

外耳道

鼓膜

中耳

つち骨

きぬた骨

あぶみ骨

耳管

内耳

半規管

前庭窓

蝸牛

[20ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

3本の管を引き伸ばした図

蝸牛

前庭階

蝸牛管

鼓室階

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする