ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目91 9/8 8–10ページ
  • 国際連合 ― より良い手段?

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 国際連合 ― より良い手段?
  • 目ざめよ! 1991
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • まだより良い手段にはなっていない
  • 国連が達成できたのはどんな種類の平和か
  • 諸国は国連をより良い手段にすることができるか
  • 国連 ― 国々を一つに連合させてきたか
    目ざめよ! 1985
  • 国連 ― 平和をもたらす神の手段か
    目ざめよ! 1985
  • 国際連合で何が起きているか
    目ざめよ! 1991
  • 畏敬の念を起こさせる秘義が解かれる
    啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
もっと見る
目ざめよ! 1991
目91 9/8 8–10ページ

国際連合 ― より良い手段?

国際連合憲章の序文には次のような高潔な目的が掲げられています。「われら連合国の人民は,われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い,……国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ……ることを決意して,これらの目的を達成するために,われらの努力を結集することに決定した」。

国連は「これらの目的を達成」したでしょうか。諸国が力を合わせて平和と安全を維持するように仕向けたでしょうか。今のところそうしてはいません。もっとも,国際連合は国際連盟よりもずっと優れた手段になろうと力を尽くしてきました。しかし,1945年に国連の設立を見た世代はそれ以来,世界各地で生じる戦争,革命,侵略,クーデター,攻撃などによる惨害を被ってきました。「国際の平和及び安全を維持する」ことを決意した国々の中にも,このような暴力行為にかかわった国が少なくありません。

まだより良い手段にはなっていない

しかし,国際連合がこうした災いを回避できなかったことを非難する評論家たちは,一つの大切な要素を見落としているのかもしれません。それはつまり,組織の強さは,憲章がその組織に与える権限や,その憲章のもとに責務を遂行する各構成員の取り組み方にかかっているという点です。そもそも国際連合憲章は,全加盟国に対する至上権を持った世界政府として国連を規定してはいません。

憲章第2条(7)はこのように定めています。「この憲章のいかなる規定も,本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではな(い)」。1945年4月25日から6月26日まで,憲章を最終的にまとめるためにサンフランシスコで開かれたUNCIO(国際機構に関する連合国会議)は,「目下の世界情勢のもとにある国際連合が,許容範囲を逸脱したり,しかるべき限界を超えたりすることがないように手を打つ」必要性を感じました。

「目下の世界情勢のもとにある」という限定的な表現にお気づきでしょうか。仮にその情勢が変化するとしても,その支配を展開することができるのは,「世界の情勢,世界の世論,世界の相互依存の状態からして必要かつ妥当であるとみなされるとき」である,とUNCIOは主張しました。

「国際の平和及び安全」を維持するという,憲章にうたわれた国際連合の目的は,人類にとって望ましい目標を表現したものです。諸国が国連憲章の第2条(4)に従っていたならば,世界ははるかに安全なところになっていたことでしょう。「すべての加盟国は,……武力による威嚇又は武力の行使を,いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも……慎まなければならない」とあります。しかし加盟国の私利私欲は,この目的を達成しようとする国連の努力を幾度も妨げてきました。各国あるいは各国家ブロックは,「国際紛争を平和的手段によって……解決」するという国連の誓約に従って行動するよりも,これは『本質上自国の国内管轄権内にある事項』だと唱え,しばしば戦争に訴えてきました。―憲章第2条(3,7)。

諸国は国連の平和努力を無視するばかりか,紛争の解決を図る決定を侮り,その決定に公然と反対してきました。その政治家たちはしばしば国連の壇上に上がって長々しい演説を行ない,自国の侵略行為を正当化しようとしました。こうして平和維持のために行なわれた決定から逃れようとすることが原因で,危急の際にも国連が機能しない場合が多く,その信頼性が著しく低下しました。そうした会議に出席する国連の関係者たちが失意を味わうことも少なくありません。結局のところ,そうした話は大抵,現に発生している暴力や流血行為を軽く見たり正当化したりするための詭弁に終始します。国連のハビエル・ペレス・デクエヤル事務総長は,国連を「バベルの塔,あるいはせいぜい,不発に終わることの多い外交交渉の場ぐらいにしかみなさない向きがある」と言いましたが,それも当然です。

国連がなかなかより良い手段になれない理由がもう一つあります。国連が1945年10月24日に機能を開始した時,「一貫した平和戦略は何も定まっていなかった」と,ペレス・デクエヤルは述べています。では,その戦略なしに,国際連合が当初の目的どおりに,世界平和を確保するための実行力のある機構になり得たのはどうしてでしょうか。

国連が達成できたのはどんな種類の平和か

ペレス・デクエヤルはこう答えます。「平和はあらゆる紛争の停止をもたらすものではない。ただ,武力や威嚇以外の手段によって紛争を処理できるようにするものである。……国際連合は我々の目をこの目標に向けようとしている」。ですから,国連が達成できる平和は,暴力を制御するということにすぎません。

これは本当に安全を伴う平和でしょうか。「国際連合における加盟国の地位は,……すべての平和愛好国に開放されている」のは確かです。(憲章第4条(1))しかし,国連に加盟する時点で平和愛好国だった国はいつまでも平和愛好国なのでしょうか。政権が交替すると,新しい支配者が新しい政策を実施します。ある加盟国が急進的国家に変わり,極端な国家主義の目的を掲げて飽くなき領土拡大の野心に燃えるとしたら,どうでしょうか。その国が核兵器や化学兵器で武装するようになるとしたら,どうですか。そうなれば,国際連合は時を刻む時限爆弾を手にしているかのような存在になってしまいます。しかし最近の中東での出来事が示すように,そのような事態の展開を契機に,諸国は自らの安全を脅かす脅威を除去する権限を国連に与えるかもしれません。

諸国は国連をより良い手段にすることができるか

諸国は,UNCIOが言う「世界の相互依存の状態」をかつてなく強く意識するようになっています。自国だけでやってゆける国はもうありません。すべての国は,一つの国際的共同体の構成員なのです。すべての国が共通の諸問題と闘っています。それは,環境汚染の破壊的影響,貧困,人を衰弱させる病気,すべての大陸で横行する麻薬の不法取り引き,テロ,最新鋭の核兵器を備蓄する国の増加といった問題です。こうした要素のために,諸国は国際連合の指導のもとに平和と安全を追求するか,全世界の自滅に至る道を進むかのいずれかを選ばなければならない状況に追い込まれています。

ソ連のシェワルナゼ前外相はこう言いました。「国際連合が効果的に機能できるのは,加盟国からの委任を受けている場合であり,諸国が自発的かつ一時的に主権の一部を国連に委託し,大多数の国の利益のために特定の責務の遂行を国連にゆだねることに同意する場合である」。さらに前外相は,「このようにしてのみ,我々は平和の時代を長くし,逆行を阻止することができる」と述べました。

もしそれができるとすれば,権限を委託された国連は,世界の平和を脅かす国を声高に非難できるようになるでしょう。実際の権力を手にすることができれば,そのような侵略国を即刻うむを言わさず制圧できるはずです。しかし国連加盟国は,そのようなことを委任し,平和確保のために『自国の兵力,援助及び便益を利用させる』でしょうか。(憲章第43条(1))もし各国の国家主権の基盤そのものが脅かされるような危機的事態が生じたならば,そのようにするかもしれません。もし諸国が,国連の指導のもとに,『国際の平和及び安全を維持するために力を合わせる』ことによりその脅威を除去できると考えるならば,国連重視の気運は高まるかもしれません。

『ペルシャ湾岸危機の際に国連が果たした役割は,この方向へ進む第一歩だったのか』と考えている人もいるでしょう。そうだったという可能性はあります。悲惨な経済破綻の恐れに直面した国は少なくありませんでした。万一,緊密な関係にあるそれらの国の経済が崩壊するようなことがあれば,全世界の経済も崩壊するに違いありません。それで諸国は国際連合のもとに団結しました。安全保障理事会は湾岸危機を平和的に終結させるために一連の国連決議を採択し,これが効を奏さないと見るや,湾岸地域での武力行使に関する国連決議を支持しました。

米国務長官ジェームズ・ベーカーはこの決議の採択を求め,こう言いました。「歴史は我々にもう一度チャンスを与えてくれた。冷戦が過去のものとなった今,我々には国際連合……の創設者たちが思い描いた世界を作り上げるチャンスがある。この安全保障理事会を,この国際連合を,全世界の平和と正義のための機構とするチャンスがある。……我々は,平和と正義の宿る冷戦後の世界に関する我々共通の構想を実現しなければならない」。またベーカー長官は,湾岸地域での武力行使に関する討論についてこう述べました。「[それは,]国際連合史上最も重要な事柄の一つとして位置づけられると私は思う。これがこの機構の将来を大きく左右することは間違いない」。

エホバの証人は,国際連合が非常に近い将来に,世界情勢の中で大きな役割を演じるようになることを確信しています。そうした事態の進展は,非常に興奮を誘うものであるに違いありません。その結末は,あなたの生活に広範な影響を及ぼします。この点に関する詳細をご近所のエホバの証人にぜひお尋ねください。聖書は,しばらくすると国際連合が権力と権威を与えられることをはっきり示しています。そのとき国連は,あなたも仰天するような非常に驚くべきある事柄を行ないます。とこしえの平和と安全を確実にもたらす一層すぐれた手段がすぐ近くにあることを知れば,あなたは胸を躍らせることでしょう。

[9ページの図版]

グイド・デマルコ国連総会議長(右)とペレス・デクエヤル事務総長,第45回総会にて

[クレジット]

UN photo 176104/Milton Grant

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする