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  • ラピスラズリ ― アンデス山脈の青い宝石
  • 目ざめよ! 1992
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目ざめよ! 1992
目92 8/8 26–27ページ

ラピスラズリ ― アンデス山脈の青い宝石

チリの「目ざめよ!」通信員

ダイヤモンド,エメラルド,ルビー,サファイア ― 息をのむほど美しいこれらの宝石のことならだれでもよく知っています。しかし,ラピスラズリのことは聞いたことがおありでしょうか。ちょっと変わった名に思えるかもしれませんが,これは青い(ラズリ,アラビア語)石(ラピス,ラテン語)という意味にすぎません。非常に濃い青色の石で,きらきらした金色の黄鉄鉱の斑が点在するものが多いため,きらめく星をちりばめた夜空にたとえられてきました。

長い歴史

ラピスラズリの美しさを初めて西洋世界に伝えたのはマルコ・ポーロで,それは1271年のことでした。しかし,この宝石は,古代メソポタミアやエジプトではそれよりもずっと昔から使われていました。そのことを示す一例として,この石で作られたシュメールの首飾りがウルの遺跡で発掘されています。エジプトの王ツタンカーメンの黄金のマスクの目とまゆは,ラピスラズリで作られています。古代エジプト人はこの青い石を粉末にして,絵の具やアイシャドーに使いました。中国では,王の印章や様々な種類の彫刻がこの石で作られました。

昔は,ラピスラズリは主にアフガニスタンやシベリアのバイカル湖付近で採掘されていましたが,近年はチリがこの美しい石の主産地となっています。チリを訪れると,多くのみやげ物屋や上品な宝石店でこの名を見かけます。しかしそれより,この石の大部分が採掘される場所を見に行ってみませんか。

アンデスの鉱山へ

主要な鉱山の中には,ラバで狭い危険な小道をたどる以外に行く方法のない鉱山が一つあります。その小道は曲がりくねった登り坂になっていて,コンドルの隠れがである不毛で荒涼とした,海抜3,600㍍の場所に達します。

そのような高所では,着いたばかりの人は頭痛やめまいに悩まされるかもしれません。地面は1年のうち7か月ほど雪に覆われています。そのため,短い夏の間に,露天掘りの鉱山からできるだけ多くの原石を採掘しようと気がせきます。一日の就労時間は長く,労働条件は苛酷です。道具は,つるはし,シャベル,一輪車,ダイナマイトを仕掛けるためのドリルといった,今日の標準からすれば旧式なものです。骨の折れる仕事なので,体力と忍耐力が必要です。

一日が終わると,発破の音,つるはしやシャベルの音がやみます。夜は深閑としていて,風が峡谷を吹き抜ける音や,遠くで岩が転がり落ちる音が聞こえるだけです。しかし,疲れ切った労働者たちにとって,そんなことはどうでもよいことです。星空の下でたちまちのうちに寝入ってしまうのです。

近代的な輸送手段が使えないので,ラバ追いたちが重要な役割を果たします。ラバ追いたちはこのような岩だらけの山々や曲がりくねった道をよく知っており,上質の石の入った袋を背負った,足のしっかりした動物たちを連れて,眼下の谷に下って行きます。石はそこからサンチアゴへ輸送されたり,他へ輸出されたりします。このようにして,年間約20㌧の石が採掘され,世界中の職人や宝石細工人の手に渡ることになります。

職人を訪ねて

チリの職人たちは鉱山から受け取る石の30%ないし40%を加工して美しいイヤリングやネックレス,ブレスレット,指輪などを作ります。極上の石は金の台にはめ込んで輸出します。次に上質のものは銀の台にはめ込む宝石として用いられます。さらに品質の落ちる石は,想像に任せて象やライオンや亀などを彫るのに使ったり,ペーパーナイフの柄にしたり,小さなテーブルの甲板にすることもあります。

ドン・ホセは腕利きの職人です。不意に訪ねて昼寝の邪魔をしてしまったのに,温かく迎えて,中庭にある自分のタイェル(仕事場)を見せてくれました。

「ドン・ホセ,実際にやって見せていただけませんか」と頼みました。

「ペルフェクト(いいですとも)!」

まず二,三キロほどある大きな石をダイヤモンドの回転鋸で切断しなければなりません。ドン・ホセの説明によると,エル・アルテサーノ(職人)は,自分の扱う石をよく知っていなければならないし,目も利かなければなりません。上質の石をできるだけ多く残すようにしながら,正確に切断して白い筋を取り除かなければならないからです。

「どうして石をぬらすのですか」と,だれかが尋ねました。

「白い筋と,残しておきたいラピスとの区別がより明確になるようにするためなんです」。この友好的なアルテサーノは,その石を幾つもの小さな石に切断しながらそう答えました。

それから次の工程を見せてくれました。彼はさらに小さな回転工具を使って,小さくした石を思い通りの形にしていきます。鮮やかな手並みでそれらの石を穴あき玉に,イヤリング用の半月形に,またカボション形(丸みや膨らみのあるもの)にカットしていくのです。

次に,それぞれの石を合成繊維でできた円形のブラシできれいにし,磨きます。それから,少量のペーストで磨いて光沢を出します。これで,石を指輪にはめこんだり,ネックレスの鎖にあしらったりする準備ができました。最後の仕上げに,歯ブラシを使ってシャンプーし,ぬるま湯ですすぎます。ラピスラズリのアクセサリーを美しく保つにはこの最後の工程と同じことをすれば良いとドン・ホセは勧めてくれました。

そうです,ドン・ホセのような熟練した腕利きの職人たちの手にかかると,地球の富は美術品に姿を変え,それを見る人や使う人を楽しませたり,喜ばせたりします。ラピスラズリ,アンデス山脈の高地にあるこの美しい青い石は,わたしたちの愛ある創造者がわたしたちの楽しみと喜びのために備えてくださった数多くの富の一つにすぎないのです。

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