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  • その人形が話せたら
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目ざめよ! 1993
目93 5/22 25–27ページ

その人形が話せたら

「気をつけてね! 絶対に壊したくないから」。ジェーンは私を友人に誇らしげに見せる時,特に友人が私に触ろうとする時,口癖のようにそう言います。私はジェーンの宝物です。ジョンもジェーンも私を大切にしてくれているのが分かります。二人とも私をとても丁寧に扱ってくれるんです。でも実を言うと私,そんなに簡単に壊れるほどきゃしゃではないんですよ。

丁寧に描かれた私の目から,私のことを褒めてくれる人を眺めると,私を作るのに必要ないろいろな工程のことを思い出しておかしくなってしまいます。こんな厳しい経験に耐えられる人間は一人もいないはずです。私の興味深い生い立ちを聞いてください。

初めはべたべた

私の体は,主な原料である陶土に白い花こう岩と骨灰を加えて粉にした後,水で練り合わせて作ります。ちょうどよい割合で混ぜ合わせなければならないんです。業界でスリップと呼ばれているこのクリーム状の液から電磁石で鉄分を完全に取り除いてから,水分を押し出して工作用粘土の塊のようにします。

次に,スリップを家庭用ミキサーを大きくしたようなパグミル(土練機)に押し込んで,突いたり練ったりします。真空ポンプで気泡をすべて取り除きます。気泡が残っていると,粘土を窯に入れて焼く時にひびが入ってしまうからです。

私は,出来上がりよりも13%ほど大きめにかたどってもらいます。どうしてかと言いますと,私は摂氏800度から1,200度の高温の窯に三,四回通される間に縮むからです。そうそう,私が独特の笑顔であなたを見つめるようになるまでは,まだ数か月分の仕事があります。もう少し説明しますね。

組み立て作業

私は一個の型に入れられてできると思いますか。ほとんどの人はそう思っていますが,実はそうではないのです。私はいろいろな形の石こう型に入れられ,水分が吸い取られて粘土がしっかりと固まります。やがて,型師が型を外すと,私の姿が見えるでしょう。でも,私はばらばらです。頭はこっちに,足はあっちに,スカートは別のところに丁寧に置いてあります。早く組み立ててほしいものです。

組み立て師は,丁寧に私を手に取ります。型の合わせ目のはみ出しに気づいてもらえてほっとしました。頭の周りに縫い目みたいに残った醜い跡も含め,丁寧にきれいにしてもらってだいぶ気分が良くなりました。両腕を体につなぎ,マフの位置もぴったり合わせるのは,まさに職人芸です。まるで外科医のように器用にくっつけるので,私が最初ばらばらだったことなどだれも気づかないでしょう。

それから立った姿で乾かしてもらいます。ひびが見当たらなければ,火による試練に向けて準備完了です。私は他の多くの人形に交じって,熱い窯の中にそっと入れられます。

装飾

検査係が「よし」と言います。合格です。晴れて装飾部門行きの列に並ぶことができます。私は一般にうわ薬と呼ばれるガラス質の被膜で覆われることになります。ということは,うわ薬の液につかるわけです。そして,また窯に入り,ぴかぴかに輝いて出てきます。こうしてうわ薬の上に絵付ができるようになります。

色は手で塗るので,外見が全く同じ人形は二つとないわけです。何年も修行を積む必要があります。私の絵付をする若い女性によりますと,むらなく,素早く塗らないと,顔料が乾いたときに線が残ってしまうそうです。

私の目は気に入っていただけましたか。これが一番難しいところです。ある日,私は絵付師が友人に打ち明けている事柄を耳にしましたが,その人は私を作業台にしっかりと載せ,大きく息を吸って止めたまま,目やひとみやまつげなどの細かい線をすべて仕上げるそうです。息をしたり,身動きしたりすると,一瞬にして書き損じてしまうと言っていました。

こうして私は着飾り,秋風<オータム・ブリーズ>と名づけられます。台座には私の名前と私を作ってくれた人の名前が注意深く押印されます。検査合格の印とも言えます。見ばえを良くするために本焼が行なわれ,これで世界中どこにでも行けます。

実のところ,私は国内市場向けの製品となって英国に残り,ジョンに見つけられたのです。見つけてもらえてとてもうれしかったわ。ジョンの奥さんのジェーンは,結婚25周年の記念に私を受け取って大喜びでした。ジェーンが,「気をつけて扱わないといけないわね。絶対に壊したくないから」と言うのを初めて聞いたのは,その時のことです。二人に守られて安心していられるのでよかったと思います。人に喜んでもらい,また感謝してもらえて,私はとても幸せです。

[26ページの図版]

組み立て師は人形の各部を付け合わせて窯に入れる準備をする

スリップをパグミル(土練機)から石こう型に流し込む

石こう型を外す

人形をガラス質のうわ薬につけた後,さまざまな色の顔料を使って手で絵付をする

顔の細部を描くには熟練を要する

[クレジット]

すべての写真: Royal Doultonの厚意により掲載

[25ページの図版のクレジット]

"Autumn Breeze." Royal Doultonの厚意により掲載

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