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目ざめよ! 1997
目97 12/8 20–23ページ

ピグミー ― 深い森の住民

中央アフリカ共和国の「目ざめよ!」通信員

どうぞ,私たちの住む中央アフリカ共和国に来て,バビンガつまりピグミーにお会いください。ピグミーについては多分,聞いたり読んだりしたことがあるでしょう。でも,実際に会ったことは一度もないかもしれません。首都のバンギを訪れる場合は,そこから2時間足らずで彼らの生活域に入ることができます。

エホバの証人は,あらゆる国民と部族と人種と民族にとって重要な音信を携えています。私たちはクリスチャンの活動を行なう際,あらゆる種類の人々に伝道します。その中には,ピグミーも含まれます。―啓示 14:6。

ですから,ピグミーがどのように生活しているか,また地球に楽園をもたらす神の王国の良いたよりに対してどのような反応を示すか,是非,私たちと一緒に来て,ご覧になってください。とても楽しい,興味深い一日になるに違いありません。

研究の対象

出発する前に,これから訪ねるピグミーについて下調べしておくことにしましょう。ピグミーと何か月も一緒に暮らし,その文化や宗教や習慣などについて研究した人たちの書いた本が幾冊かあります。

これら平和を好む友好的な人々について読み,実際に会ってみれば,幾つかの質問に対する答えが得られるでしょう。例えば,ピグミーはどこから来たのでしょうか。彼らから何が学べるでしょうか。どこに住んでいるのでしょうか。他のアフリカ人グループとどこが違うのでしょうか。どのようにして周辺の住民に溶け込んでいるのでしょうか。

ウェブスター新国際辞典第3版は,ピグミーについて次のように説明しています。「アフリカの赤道付近に住む小柄な人々。身長は5フィート[約1.5㍍]にも満たず……隣接する部族の言語を用いる」。アフリカのピグミーは,オセアニアや東南アジアのニグリト(“小さな黒人”を意味する)とは起源を異にすると考えられています。

“ピグミー”という語は,“肘からこぶしの先までの長さ”を意味するギリシャ語に由来します。ピグミーは狩猟採集民として知られており,世界のピグミーの総人口は20万人を少し上回る程度とされています。

セルジュ・バユシェとギ・フィリパール・ド・フアはその著書,「ピグミー ― 森の住民」の中でさらに興味深い情報を提供しています。それによると,ピグミーはコンゴ共和国,コンゴ民主共和国,ガボン,カメルーン,中央アフリカ共和国の密林に分布しており,遠くは東方のルワンダやブルンジにも見られます。

ピグミーが,いつどこから来たのか正確に知っている人はだれもいません。彼らは自分たちのことを言うときに,“ピグミー”という語は決して使いません。中央アフリカ共和国では,彼らは普通バビンガと呼ばれていますが,他の国では,バコラ,バボンゴ,バアカ,バンベンゼレ,バトワ,バンブティなどの名で知られています。

初めての出会い

私たちは朝早く7時ごろに,4輪駆動車でバンギを出発し,南のムバイキ/モングンバに向かいます。道路は最初の約100㌔は舗装されています。昨夜の雨で路面が滑りやすくなっているので,4輪駆動車で来たのは正解でした。

私たちは緑の生い茂った田舎や広大な森を通り過ぎ,人々が道路際に小さなテーブルを置いてバナナ,料理用バナナ,パイナップル,キャッサバ,トウモロコシ,カボチャ,ピーナッツなどを売っている村々を通過します。この地域は飢餓とは縁がありません。良い土壌と多湿な気候のため,様々な種類の食物を産み出すからです。そうこうしているうちに,バビンガの最初の“村”,というよりは最初のキャンプに突如,到着します。

彼らは,やっとはい込めるぐらいの大きさの入口のある,ドーム型をした,驚くほど小さな小屋に住んでいます。近くの森から取ってきた枝や葉で,女性たちがこの小屋を造るのです。10から15ほどの小屋が円形に配置されています。これらの小屋は寝る場所,豪雨の時に雨宿りする場所の役目しか果たしません。日常生活は屋外で営まれます。

幾人かの女性にあいさつするため,私たちは車を降ります。女性たちはそれぞれ子供を腰に乗せるようにして抱いています。車の音を聞きつけた男たちが何人か,私たちの正体と用件を知ろうとして駆けつけました。彼らは何匹もの犬を引き連れています。どの犬の首にも小さな鈴がくくり付けられていました。

下調べをした時に,ピグミーは犬しか飼わないとあったのを思い出しました。犬は狩猟をする時の友なのです。それにしても,地面から木のこずえに至るまで獲物の数の何と多いこと。「ピグミー ― 森の住民」という本に説明されているように,獲物の中には,鳥,サル,ゾウ,アフリカスイギュウ,ネズミ,アンテロープ,イノシシ,リスその他の様々な動物がいます。忠実な猟犬はどの狩人にとっても欠かせない存在です。

ピグミーに話しかけるとき,私たちは,「わたしの聖書物語の本」という書籍や「地上での生活を永遠に楽しんでください」という冊子を用います。a これらの出版物は,まもなく地球が,病気も死もない,そして美しい森のある楽園になることを描写しています。(啓示 21:4,5)この二つの出版物は両方ともサンゴ語です。サンゴ語は,ピグミーも含めてこの国の90%余りの人々が話す言語です。平和を好むこれらの人たちは,どこに住もうと,近隣のアフリカ人の言語を採り入れます。それらの隣人は物々交換を行なう相手なのでそれが必要なのです。

しばらくすると,幾人もの男性や女性が私たちを取り囲みます。彼らは,私たちの説明を聴きながら興奮して一つの絵から他の絵へと目を移します。長年彼らを訪ねているので,私たちがエホバの証人であることは知っています。彼らは喜んで出版物を受け取りますが,問題は,それが読めないということです。長年にわたって,政府や他の機関が読み書きを教えようと努力してきましたが,無駄に終わっています。子供たちのためには学校が設けられました。学校は少しのあいだ機能しましたが,遅かれ早かれほとんどの子供が中退してしまいます。ピグミーを教えていたある教師は,子供たちはクラスにいる間はすばらしい学習能力を発揮するのだが,何か月か出席するといつの間にか来なくなると述べています。それでも,地元の当局者や他の人たちは,ピグミーに正式な教育を施す努力を続けています。

エホバの証人は,神の言葉に関心を示す人たちを再び訪ねることで知られています。しかし私たちは,再訪問しても同じバビンガに会えるとは思っていません。彼らは年中,常に移動しているからです。彼らは何か月も,彼らの家とも言える深い森の中に消えてしまうのです。定住させる努力は成功していません。彼らはまさに,深い森の住民です。移動しながら狩猟するのが彼らの生き方なのです。だれもそれを変えさせることはできません。

日常生活,結婚,家族

基本的に,狩猟は男性が,採集は女性が行ないます。女性は,森が生み出すほとんどすべての物を採集します。キノコ,根茎類,ベリー,葉,木の実,昆虫,シロアリ,野蜜,そして忘れてならないのが,彼らの好物の芋虫です。これらはすべて食物として必要ですし,物々交換を行なうのにも必要です。ピグミーの周辺に住む,そしてよくレ・グラン・ノアール(背の高い黒人)と呼ばれる,アフリカ人の隣人たちは,これらの品物をおもにピグミーに依存しています。彼らはそれらと引き換えに,なべ,フライパン,マチェーテ,斧やナイフなどの道具,塩,ヤシ油,キャッサバ,料理用バナナなどを提供しますが,残念なことに,タバコ,地酒,大麻とも交換します。最後の3点は,これら素朴なピグミーにとって極めて大きな問題となっています。それらを手に入れるために,彼らは借金をする場合が多く,生活は少しずつむしばまれています。

男性は一般に一夫一婦主義ですが,簡単に離婚したり別れたりして別の人と住むようになります。最も尊敬される人は,父親かまたはキャンプの中の最年長者です。彼らは命令を下すことはしませんが,人々は普通その助言に聴き従います。ピグミーが子供をかわいがることは一目で分かるでしょう。父親も母親も,赤ちゃんをよく抱きます。親が仕事をしていようと,狩猟をしていようと,踊っていようと,つまりどこで何をしていようと,子供たちはいつもどちらかの親と接触を保っています。

夜になると,赤ちゃんは両親の間で眠ります。昼間は,親,兄弟,姉妹,おじ,そして祖父母が子供たちを見守り,それに加えて,キャンプ全体が彼らに注意を払っています。親とその親族との交流は非常に盛んです。こうした事柄はすべて,家族のきずなを強めます。西洋文明においては,家族のきずなは弱いか,または崩壊することが少なくありません。しかし,ここの状況は大きく異なっています。

ピグミーは近隣のアフリカ人とは別に暮らしますが,経済的にはつながりがあります。物々交換のため定期的に接触するほかに,しばしばコーヒーやココアのプランテーションで働くよう頼まれます。彼らは何週間か働くかもしれませんが,給料をもらうと,長いあいだ密林の中に消えてしまいます。もしかしたら,今朝あなたが味わったコーヒーは,中央アフリカのピグミーの手を経たものかもしれません。

宗教

バビンガは宗教的な人々ですが,彼らの宗教生活は迷信や伝統に支配されています。その儀式には音楽と歌(ヨーデル調)と踊りが伴います。「少数民族 ― 人権と原住民」という本には次のように述べられています。「深い森に住む人たちにとって,世界,すなわち森は神が創造したものなのだ。神は最初の人間夫婦を創造した後,……天に戻り,人間の事柄に関心を失った。今は,最も地位の高い霊者,つまり森の神がその代わりを務めている」。もちろん,これは聖書にある神とその目的についての説明とは大分違います。―創世記 1,2章。詩編 37:10,11,29。

頭のよい人々

ピグミーは下等で知能が劣っていると考え,彼らをばかにしたり見下げたりする人も中にはいます。しかし,イングランドにあるリーズ大学の精神物理学教授パトリック・メレディスは次のように述べています。「ピグミー族が自分たちの自然環境の中で,繊維を用いて橋を作り,首尾よく生活しているのを見ると,知能とは一体何なのかと自問したくなる」。

私たちは,人類が皆,最初の人間夫婦アダムとエバの子孫であることを知っています。使徒 17章26節には,「[神は]一人の人[アダム]からすべての国の人を造って地の全面に住まわせ(た)」とあります。また,使徒 10章34,35節には,「神が不公平な方ではなく,どの国民でも,神を恐れ,義を行なう人は神に受け入れられる」と書かれています。ですから,私たちはこれらの人々にも聖書の真理を伝えてゆきたいと思います。そうすれば彼らも,近い将来,地球全体が深い森の多い楽園に変わる時,そこに住む希望を持つことができるのです。

[脚注]

a ものみの塔聖書冊子協会発行。

[23ページの図版]

1.聖書の音信をピグミーに伝える; 2.ピグミーの木彫師; 3.ピグミーの典型的な家

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