早すぎるのか,遅すぎるのか
現在,イエス・キリスト誕生後の第21世紀と第3千年紀<ミレニアム>の始まりについて多くのことが言われています。ニューズウィーク誌は,「『世界大戦の世紀』として幕を開けた20世紀は,『原子力時代』へと発展し,ついには『エンターテインメントの時代』として終わろうとしている」と述べました。同誌の1997年1月29日号は,「世界中のホテルで,1999年の大みそか[12月31日]の予約はすでに満杯になっている」と報じています。
しかし,そのような祝いをするには時期が早すぎると主張する人もいます。彼らは,多くの人が考えているのとは違うことを指摘し,21世紀と新しい千年紀<ミレニアム>は2000年の1月1日ではなく,2001年の1月1日に始まると言います。0年が存在しないため,1世紀は西暦1年から西暦100年の期間,また2世紀は西暦101年から西暦200年の期間となっています。そうすると,1901年1月1日に始まった20世紀と,1001年1月1日に始まった第2千年紀は,2000年の12月31日まで終わらないことになります。
さらに考慮すべき点があります。わたしたちの暦は,キリスト誕生の前か後かに基づいて年代を分けています。学者たちは現在,イエスの誕生が以前に考えられていたよりも早かったことを認めており,暦の上での要となる時が不正確であることを示しています。イエスが誕生した年について意見は分かれていますが,聖書に基づく年代計算によると西暦前2年です。その点を認めるならば,イエス誕生後の第3千年紀は実は今年の秋にすでに始まっていることになります。詳しくは,「目ざめよ!」誌,1997年5月22日号,28ページ,および1976年12月22日,27ページをご覧ください。a
いずれにせよ,21世紀と新しい千年紀はほんの数週間後に始まると断定するのは避けたほうが賢明でしょう。しかし「目ざめよ!」誌は,一般社会の傾向を考慮して,「20世紀 ― 重大な変化の時代」という主題をこの時期に取り上げるのは適切なことと考えました。
[脚注]
a 「ものみの塔」誌,1999年11月1日号もご覧ください。