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  • 創造主の下にすべての人類をひとつとなす
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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1956
塔56 5/1 163–174ページ

創造主の下にすべての人類をひとつとなす

こゝに記されている研究の記事は,特別に重要なものです。これは,ペンシルバニヤのものみの塔聖書冊子協会の会長,エヌ・エッチ・ノアが,今年2月29日から南太平洋と極東に訪問する10週間の旅行中,各地の大都市で行う公開講演です。その訪問をうける国々は,ハワイ,オーストラリア,ニュージーランド,インドネシヤ,タイ,インド支那,フィリッピン群島,台湾,南韓国,日本,そしてアラスカです。この記事を読むことにより,私たちすべてのものに対するその音信の適切さを悟つて下さい。

1 人間家族として,すべての人類はどのような状態になるべきですか? しかし,実際の状態はどうですか?

すべての人類は,必ず一つになるべきであります! 将来すべての人類は一つになるでしよう。その時は全く幸福な時であります! それは,交通,通信,国際同盟の手段によつて人類を一致結合させる事以上を意味します。そのような手段を用いることによつて,人類が,かくも密接に結ばれたことは,人類史上かつてないことがらです。しかし,人類がかくも深刻に分裂したことも,未だかつて無い事柄です。よく『人間家族』という言葉を言いますが,その言葉にふさわしい行はしていません。人間社会のあらゆる面を見ても,またすべての行や考えを見ても,人種の差別,国家の差別,宗教の相違,言語,金銭,社会,伝統,その他の差別が存在しています。それらの差別は,悲惨で有害な結果を生じたため,すべての人類を真実な方法の中に,早く一つとなすことは是非とも必要であります。

2 キリスト教指導者であるイエスの述べた真実の規則によると,人類の分裂した状態が続くなら何が起りますか?

2 分裂をもたらす多くの影響をうけて,人類は,支離滅裂に分裂しています。世界の指導者たちが,この分裂の状態に深く心配し,そして原子爆弾や水素爆弾で人類が滅亡するのを防ぐために,人類を一致結合させようと努めているのも全く当然であります。人間社会の大きな罪は,『分裂』であると,ある宗教的な牧師は最近語つていました。なんらかの力が人類の上に働きかけており,あらゆる面で人類の分裂を図つているように見えます。そして,キリスト教聖書の中で,『彼らおのおのその隣をせめ』と予言されている状態が生じているのです。(ゼカリヤ 14:13。イザヤ 19:2)今日の人類は,悪い利己主義を我まま勝手に行つており,いまや人間の力で事態を抑制することは不可能になりました。全地に分裂がひろがつて存続していることは,後日必らず終結します。キリスト教の大指導者であるイエスは,次のように語りました。内部で分れ争う国は自滅し,内わで分れ争う町や家は立ち行かない。もしサタンが内わで分れ争うことになれば,その国はどうして立ち行けようか?(マタイ 12:25,26)イエスの語つたこの原則または規則は,分り易い手近かな原則です。しかし,その原則の真実なることは,歴史によつて証明されています。それで,分裂している人類は,存続して行くことができません。

3 人類を一つにしようとする人間の企ては,実際にはどんな結果をもたらしていますか?

3 人間はいろいろの企てをつくつて,この大きな分裂をとり除こうと努めています。だが,人間の企てを見てごらんなさい! 全くのところ,その企て自体にも大きな食い違いがあり,人類を一つにしようとする人間の企ては,かえつて分裂をもたらしています。1918年以来,全体主義的な制度は大発展をなすと共に,人間のあいだに深い分裂を生ぜしめています。

4 一番古い全体主義的な宗教制度のひとつは何ですか? それは最終の目的を変えましたか?

4 全体主義的な政治支配はごく最近のものです。しかし,全体主義的な宗教支配は昔から存在していました。全体主義的な支配をする宗教制度があり,歴史から見て,その一番古い宗教制度はローマ・カトリックの宗教制度であることが分ります。バチカン市にいるローマ法王に各人が,従属するなら,すべての人類は救われると,カトリックの代表者は主張しています。ローマ・カトリックの宗教制度だけが人間を救い得るものであると考えられたため,その宗教制度は世界征覇を目ざして努力しました。その努力がことごとく失敗した今日でも,世界をカトリック教にしようとするその最終の目的はすこしも変つていません。丁度,世界を共産主義にしようとするソビエット・ロシアの最終の目的が変らないのと同じです。

5 全体主義的な宗教制度は,宗教的な一致を得るためにどのような行をしましたか? しかし,成功が得られましたか?

5 全体主義的な宗教制度は,宗教的な手段に頼るだけでは,世界支配をなし得ません。それで,政治国家の武力に頼り,表向きだけでも,人々をしてその宗教の教え,教理,そして要求と一致調和せしめようとします。このような全体主義的な宗教家たちが多数の場合には,武力を用いて他の宗教を排斥します。しかし,少数の場合には,自分たちの宗教に対する許可を願い求め,要求します。ところが,その勢力が増すにつれ,自分の権力と地位を悪用し,あらゆる手段を講じて他の宗教を排斥すると共に,他の人の宗教的な自由を奪い取ろうとします。このようなことをしても,一致は得られません。

6 民主主義に関して,東および西,そして宗教は,どのような態度をとつていますか?

6 全体主義的な支配に反対する制度は,いわゆる『民主主義』です。民主主義とは何ですか? それについては,いろいろな定義が下されています。アメリカや西欧諸国は,自己流の定義を下し,他方ロシヤその衛星国は,『人民の支配』という真実の民主主義がいつたい何であるかについて,彼ら自身の定義を下しています。例えば,ベルリンの東と西を分割する国境のロシヤ地区のところに,『大ベルリンの民主主義地区の初まり』と書かれた標識が立てられています。それで同じ一つの言葉でありながら,その定義は全くまちまちのものです。一方の群が『民主主義』という言葉を口にし,他方の群も『民主主義』という言葉を口にしながら,その意味するところは全然正反対な場合もあります。民主主義については政治的な定義を下せますが,またローマ・カトリックの宗教的な定義をも下し得ます。「カトリック百科辞典」を開いて,民主主義に関する記事を読んでみると,次のことを知ります。すなわち,1901年,ローマ法王レオ13世は,全世界にいるローマ・カトリックの司祭たちに手紙を送り,その中で民主主義をカトリック教に従つて定義しました。民主主義は,『カトリック行動』である,と結論づけられ,カトリック行動に参加する者たちは『クリスチャン民主主義者』と呼ばれていました。最新の新聞の伝えるところによると,クリスチャン民主主義は,今日欧州で活潑に運動しています。だが,それにも拘らず民主主義的な一致は得られていません。

7 いま論争の中心になつている大問題は何ですか? 現在どんな世界制度が,どのようにその問題を解決しようと努めていますか?

7 今日論争の中心になっている大問題はこうです。民主主義的な制度と全体主義的な制度という二つの制度の下で,果して人類は一つになり得るか? この二つの制度は,共存し続けて,同時に地上を支配し得るか? という問題です。両方の制度を共存せしめようとする政治的な企ては,国際連合の制度です。今日の国際連合は,以前に失敗して今は無い国際連盟の後を継いで,できたものです。国際連盟は,アメリカの大統領ウードロウ・ウイルソンの提唱で成立しましたが,アメリカはその連盟に加わつていません。1955年,国際連合の加盟国は76ヵ国に達しており,更に多くの国は加盟を望みながらも,いろいろの事情に阻げられています。加盟国はみな自分たちの国家主権をかたく守つているため,強力な一致は得られていません。

8 一致を図る他のどんな企てを人間は提唱し,行つていますか?

8 ある人々は,国際連合に不満を感じており,世界政府を提唱しています。それは,一つの世界首都を有するとともに,全地を国家主権のない州に分ける政府です。防衛上の理由か,または他の理由のために,ある人々は連合ヨーロッパを提唱しています。同じく,他の人々は,マホメット教の国々を全部連合して一つの政治体にする汎マホメット主義を提唱しています。この間,世界支配を得ようとする野心のために,戦後の平和時代にも冷い戦争は行われています。それと共に,人々の心を抑制しようとする戦いは続けられており,人々の心に影響を及ぼすための大々的な宣伝は他国内に行われています。国際連合により任ぜられた言語学者の委員会は,言語の障害を取り除こうとして,最近『国際言語』という新しい言語を発明しました。

時は証明する

9,10 (イ)共産主義者の支配について,時は何を証明しましたか?(ロ)今日,全体主義的な制度はなぜ恐れられていますか?

9 まつたく効果的でなかつたかは,時が明白に示しています。38年に亙る共産主義者の支配は,素晴らしいものであるため,いまや全人類は全体主義的な支配の下に一つになりたいと思いますか? 共産主義支配の実体を知つている人々は,否と答えます。全体主義的な支配が行われる国は警察の国です。そして,恐怖が支配しており,高位の人も位の低い人も恐怖に襲われています。権力を握つている高位の人々は,人民の人気を集める新しい人物が現われて自分の地位が奪われるのではないかと恐れています。彼らはお互いに疑いの目を向け合つています。彼らは,思わぬ失策を行つて,共産党から追い出されるのではないかと,恐ろしい追放を恐れています。下層の人民も,権力者たちの言う通りしないなら罰を受けるのではないかと,絶えず恐れています。誇らしげに吹聴されている自由とは,共産党に参加する自由か,あるいは共産党の候補者に投票する自由だけです。それで下層の人民は,みな一つの型に強制的にはめこまれてしまいます。宗教,政治,文学,教育,新聞,業務,農業,科学,医学,社会,劇,まつたくありとあらゆる人間の行動は,統制されておりすべてのものは少数者の支配下に制御されています。支配を受けている人々は,みな国家を崇拝しなければなりません。しかし,すべての人が心から進んで国家を崇拝しているわけではないのです。

10 それで,全体主義的な制度は,強制の手段に訴えねばならず,かつ民主主義的な個性や自由企業や,そして資産の個人所有と相争つています。今日,全体主義的な制度は『自由世界』への脅威と見なされています。その制度が侵略的な性質を持つていて,残酷な手段を用い,そして国家自体が法律であつて,善と悪を独自の判断で決定するために,『自由世界』は全体主義的な制度を恐れています。それで,今日の全体主義的な支配のために,東と西は真二つに分裂してしまいました。

11 アメリカの民主主義については,どんな事実がありますか? アメリカの民主主義になぜ真実の一致はないのですか?

11 それでは,一般の人々は民主主義を欲しますか? 答は,否であります。民主主義の全部が良いわけではないからです。アメリカでは,自分の利己的な利害を求める人々が民主主義を悪用しています。奸智に長けた政治家や自己の利益を追い求める人々は,民主主義を悪用して,国民を正しく指導していません。不正直で利己的な利害によつて支配が行われています。自由企業はたしかに許されていますが,しかしそのために他を打ち倒す猛烈な競争や,独占が行われ,また国際的な商業連合が形成されます。ある場所では,地元の有力者によつて自由は消滅しています。1952年,アメリカ大統領選挙に立候補したアイゼンハゥアー元帥は,ミゾリー州のセント・ルイスで,次のように語りました。『腐敗のない政府を得る只一つの方法は,現在の政府を根こそぎに伐り倒してしまい,その代りに「腐敗しない人々」をその後に入れることである。』(1952年9月21日,ニューヨーク・タイムズ紙)アイゼンハゥアーがアメリカの大統領になつた後,共和党はそのような腐敗のない政府をつくつたでしようか? 社会党に尋ねてごらんなさい! 民主党に尋ねてごらんなさい! 私たちに尋ねずに,政治に関係する人々に尋ねてごらんなさい。そのとき,共和党の意見とは反対であることを知るでしよう。民主主義政治は,全体主義国にあるような一党主義を避けます。民主主義では各政党が敵対し合いますが,かえつてこの敵対のために,共通の善を図るための一致した無私の協力は得られず,真実の一致はありません。

12,13 (イ)『民主主義のために安全な世界をつくる』という標語を,ある人々はどのように解釈していますか? しかし,アジアやアフリカは民主主義に対してどのような態度をとりますか?(ロ)民主主義は,世界に対するどんな神命を持つていませんか?

12 すべての民主主義政治が同じではありません。すべての人がアメリカの民主主義を好むわけではありません。今日では,『民主主義』という言葉は流行言葉です。第一次世界大戦中,アメリカの大統領ウードロウ・ウイルソンは『民主主義のために安全な世界をつくる』という標語をつくりました。その時以来,世界の各地で民主主義的な努力がなされ,多くの人々は『民主主義のために安全な世界をつくる』という標語の意味を『世界を民主主義的なものにする』という風に解釈して来ました。しかし,世界の全部が民主主義的になりたいとは欲してはおらず,また民主主義的になろうと欲している国のすべてが,アメリカの民主主義を模範のものとは見なしていません。インドから来た牧師エム・エイ・トマスは,アメリカ,キリスト教会の国家会議,外国宣教に関するオハイオ州ディトン市の大会で,1955年12月5日にこう語りました,『アメリカ各地で人種差別が行われているかぎり,アメリカの民主主義やアメリカのキリスト教は,真剣に考慮されないであろう。』(ニューヨーク・タイムズ紙,1955年12月6日)オハイオ州クリーブランドで行われた連合教会婦人の第7回国家大会で多数の牧師は講演をしました。1955年11月9日のニューヨーク・タイムズ紙によると,『アメリカは,自分たちの運命を抑制したいというアジア人やアフリカ人の願望を理解しないため,共産主義者の術策に陥つている,と牧師ジェームス・エッチ,ロビンソン博士は,3000人の代表者たちに語つた。……牧師エム,エイ,トマス博士は,こう警告した。すなわち,急激な社会変化か経済変化がすぐに行われないならば,アジアにおける民主主義の見込みは,全く駄目なものである。』

13 この世界を民主化せよ,などという神命は,民主主義に与えられていません。民主主義によれば,地上の他の国民も,自分たちの地方的な政府や国家的な政府を自由に選べる当然の権利を持つています。民主主義はその自由を認めるべきです。しかし,不幸なことに,これは人類を一つにしていません。

14 1950年の宗教的な一致について,ローマ法王ピオ12世は,どのように失望しましたか?(ロ)1952年スエーデンのラントで行われた宗教会議は,宗教的な一致について何と述べましたか?

14 宗教的な牧師は,いろいろな批判を下していますが,しかし世界の宗教は人類の問題に,なんの解決をも与えることができません。1950年,ローマ・カトリック信徒は,『聖年』を祝いました。ローマ法王ピオ12世は,この年を『大再帰の年』と呼び,新教徒の各派が『母親教会』の宗教制度に再帰するよう希望して祈りを捧げました。1950年は過ぎましたが,しかし新教徒の各派は『再帰』せず,バチカン市と一致するに至らなかつたのです。新教徒はバチカン市から分裂しているだけでなく,新教徒内でも分裂しています。1952年8月,信仰と規律第三次世界会議が,スエーデンのラントで開催されました。そのとき,『教理,崇拝,そして交りに関して,どのようにキリスト教会内で一致を得るか?』という事柄について5つの分担委員会が報告をつくりました。しかし,これらの報告によると意見と解釈は,あまりに食い違つているため,1952年8月26日のニューヨーク・タイムズ紙は次のように報じています。『サイプラスの正統派教会に属するアセナゴラス大司教は,「今より2世紀たつて後に教会の一致は得られるだろうが,それ以前ではない」と語つた。』2週間にわたる会議が終了して後,8月29日附のニューヨーク・タイムズ紙は,こう報じていました,『世界の分裂している教会は,一致したキリスト教国をつくりあげる計画案作製に失敗した,とその代表者たちは2週間にわたる会議の終了後に語つた。「我々は我々の相違を解決することもできなければ,一致を得るための簡単な方法をもつくり得なかつた」と信仰と規律第三次世界会議の報告は述べている。』さて,大問題はこうです,キリスト教国の人々とその他の人々は,人類の一致を得るために2世紀も待つことができますか? 危機の差し迫つている将来から判断すると,答は『否!』であります。

15 それで,一致を図る人間の企てや計画については,どういう事実がありますか?

15 それで,人間の最も重立つた計画や企てを調べて分る通り,その一つとして全世界を統一することはできませんでした。どの計画も不成功に終りましたが,たとえ全部の計画を合わせたところで,そうすることはできませんでした。そのいろいろの計画は,人間の努力を分裂しただけです。首尾よく一致をもたらすような人間は一人もいないのです。

単なる夢ではない

16 人類を兄弟愛の中に一致させることは,なぜ愚かな夢ではありませんか? 人間は何をしていないために,その企ては失敗しましたか?

16 それでは,兄弟愛のうちに人類を一致させることは,愚かな夢ですか? いいえ,そんなことはありません! なぜ? 人間の企てや努力は,ことごとく失敗してしまい,『人間を兄弟愛のうちに一致さす』という考えは,全く実現できなかつたではありませんか? たしかに,その通りです。しかしながら,それは決して夢ではないのです。それは,宇宙で一番重要な支配者の御意だからです。人間はこの支配者を考えに入れていませんが,この御方は人類の創造主であられます。不完全で,死に行く利己的な人間にできない事柄も,創造主である神には可能なことです。神の御意は,天で行われているように,地上でも必らず行われます。神の取極めにより,全人類の始まりは唯一人の人間でありました。いまから1900年むかし,ギリシャ,アテネにいた欧州人哲学者たちに,語つたアジア生まれのクリスチャン使徒,パウロの言葉を聞いてごらんなさい,『この世界と,その中にある万物とをつくつた神は,天地の主であるのだから,手でつくつた宮などにはお住みにならない。また何か不足でもしておるかのように,人の手によつて仕えられる必要もない。神はすべての人々に生命と息と万物とを与え,また,ひとりの人から,あらゆる民族を造り出して,地の全面に住まわせ,それぞれに季節を区分し,人の住地の境を定めて下さつたのである。こうして,人々が熱心に追い求めて探しさえすれば,神を見いだせるようにして下さつた。私たちは神のうちに生き,動き,存在しているからである。あなたがたのある詩人たちも言つたように,「われわれも,確かにその子孫である。」』(使行 17:24-28,新世)人間は,この神を探し求めようとはせず,また神の道に従つていません。それで,人間の計画は失敗しているのです。

17 私たちの体,肉,死,結婚,そして血ということについて,私たちは,なぜみな一つですか?

17 私たちは本質的には,みな一つです。地上の何処に住んでいても,たとえ私たちの皮膚の色は違うにせよ,私たちの体はみな同じようなものです。なぜですか? なぜなら,創造者である神は,『ひとりの人』アダムから人類を生ぜしめたからです。この最初の妻は,エバです。神はアダムの体より肋骨を取られ,それによつて彼女をつくられました。それは,子供じみた考えですか? 全くちがいます。イエス・キリスト自身も次のように言われています。『あなたがたは(聖書で)まだ読んだことがないのか。「創造者は初めから人を男と女とに造られ,そして言われた,それゆえに,人は父母を離れ,その妻と結ばれ,ふたりの者は一体となるべきである。」彼らはもはや,ふたりではなく一体である。』(マタイ 19:4-6,新口。創世 2:21-24)それで,私たちはみな一つの肉の人間であつて,この地上の塵よりつくられているものです。私たちは,死ぬとみなこの塵に戻つて行きます。皮膚の色が濃い淡いに関係なく,どの人種の人も塵に戻ります。そして,真白な皮膚を持つ人種は存在していません。すべての人はひとしく死の呪をうけているため,みなことごとく死んで行きます。このことについて,ある人種は別の人種よりも勝つていることはありません。(伝道之書 3:18-21)人類は,他の人種の者と結婚することができます。他の人種の者と結婚して産まれる子供は,両親の家系はちがつていても,混合の血ではなく一つの血であります。特定の親族間で結婚をすると,産まれる子供たちの特徴,特質などは,一層,目立つてきます。しかし,その血はやはり人間の血です。

18 人間の発生地を考えるとき,西洋はなぜ東洋を支配すべきではありませんか? どの支配が間もなく終る,と予告されていますか?

18 まつたく,私たちは,みな,一つではありませんか? 人間は,東洋であるアジアから発生したのであつて,西洋である欧州やアフリカから発生したのでないことは全く明白です。いつたい,西洋が東洋を支配する理由はあるのでしようか?『白人の支配』は終りに近づいている,とドイツの有名なニーモエラー牧師は,ニューヨーク市で最近語りました。(1955年11月12日のニューヨーク・タイムズ紙8頁)特定な人間の群が支配を振う理由がありますか? なぜ,すべての人は一つになつて生活しないのですか?

19 (イ)最初,人類は誰と一致していましたか?(ロ)創造主の御名は何ですか? エジプトのうけた経験から私たちがその御名を取り去つてはならないということは,どのように分りますか?

19 どうして現在の不一致が始まつたのですか? 地上の人類は,最初天にいる創造主なる神および目に見えない霊者たちと一致していました。人間も霊者たちも,みなひとりの創造主によつて造られたものです。さて,創造主の御名は何ですか? もしその御名を知るなら,どなたについて私たちが述べているかが分ります。今から約35世紀のむかし,イスラエル人はエジプトの南で神の予言者モーセにむかい,『彼の名前は何であるか?』と聞きました。神は,次のように答えよ,とモーセに告げられました,『なんじらの先祖たちの神アブラハムの神イサクの神ヤコブの神ヱホバ,われを汝らにつかわしたもう。是はとこしなえに我が名となり,世々にわが誌となるべし。』それで,この御名を軽んじて消し去つてはなりません。エジプトの支配者パロは,モーセにむかい次の言葉を吐き棄てました。『我ヱホバを知らずまたイスラエルを去しめじ。』このため,パロとエジプトは,ヱホバ神からの大きな罰をうけ,パロのたくさんな戦車や軍勢は,罠にかかつたネズミのように,遂に紅海で溺死してしまいました。―出エジプト 3:13-15; 5:1,2; 14:23–15:19。

20 誰が神の大家族内に不一致を起しましたか? 神はその者を何と呼びましたか? なぜ?

20 ヱホバのつくられた天的で霊的な子のひとりは,天と地にある神の大家族の中に不一致を起しました。この霊者はヱホバ神に敵対して,人類を支配しようとしました。丁度,パロがヱホバに反対して,イスラエル人の支配権を握り,自分の奴隷にしようとしたことと同じです。ヱホバ神は,この不忠実な霊者の名をヘブル語でサタンと呼びました。サタンとは『反対者,敵対者』という意味です。神に反対したこの霊者は,神に対する,そしりの言葉で最初の嘘を語り,全人類の母親を欺いて神に対する罪を犯せしめたため,ヱホバ神はこの霊者をマルシン,すなわち悪魔と呼びました。この名前は,『そしる者』という意味です。(ヨブ 1:6,7。黙示 12:9; 20:2)悪魔サタンとそれに従う者たちが亡ぼされた後に,初めて宇宙的な全き一致が実現します。

21 いまの人類は,誰の家族から新しい正義の出発を始めましたか? 何時そして何処で?

21 最初の人間アダムから10代目の人は,神と一致して歩んだノアでした。全地球を覆う大洪水が襲つたとき,神と一致していなかつたすべての人は溺死しました。その大洪水後に,ただ一つのノアの家族が残り,かくして,今の人類はこの正義の家族から新しく生じて来たのです。ノアの3人の息子であるセム,ハム,ヤペテより,人間家族の三つの支族が派生しました。ノアの家族は,大きな箱舟に乗り込んで,洪水を無事に生き残りましたが,その箱舟の着いた地,すなわちアジアのアララテ山から,その三つの支族はひろがつて行きました。―創世 8:4,15-18; 9:18,19。

22 人類の不一致は,再びどのように始められましたか? 現在のたくさんの言語と世界支配ということは,バビロンとどういう結びつきがありますか?

22 しばらくのあいだ,神と人類のあいだには,一致の状態が続きました。しかし,悪魔サタンは人間の持つている自由の意志と,アダムより受けついで来た人間の罪を巧みに利用することにより,ノアの子孫と神とのあいだの一致を破り始めたのです。後日,南西アジアのバビロンで,神と不一致な状態であつた人々は互に一致して,人類に対する神の良い御目的に敵対する共同の企てをつくりました。悪い企てによる彼らの一致した状態を破るため,神は奇蹟の力を用いて,一つだけであつた彼らの言語を乱されました。それで,人々はノアの用いていた言語とは違う多くの言語を突然に語るようになり,しかも通訳をする者はいなかつたのです。互いの言葉が理解できないため,彼らはバビロンから散らされて行きました。フランス学会の学者によると,今日2796の言語が存在しています。後になつて,バビロンは強力となり世界支配を行つたバビロン帝国を設立しました。しかし,1世紀たたぬ中に,ヱホバ神はバビロンの世界勢力を亡ぼされました。ヱホバはバビロンに捕われていたヱホバの証者たちを,自由に解き放ち,清い崇拝をエルサレムに再興せしめたのです。(イザヤ 43:8-21)ノアの時以来,大洪水後に存在したヱホバ神の忠実な証者たちは,神と一致の状態を保ちつづけました。

23 悪魔サタンは,自分の世界を一致させるために,どのように努力しましたか? しかし,成功しましたか?

23 クリスチャン使徒であるヨハネは,友であるクリスチャンたちにむかい,こう書いています。『私たちは神から出た者であり,全世界は悪しき者の配下にあることを知つている。』(ヨハネ第一書 5:19,新口)この言葉は,全く真実であつて,今さら論議する必要はありません。悪しき者である悪魔サタンは,ヱホバの証者を亡ぼすことにより,自分の世界に一致をもたらそうとしています。ヱホバの証者は,悪魔の世界に一致しないからです。悪魔サタンは,ヱホバの最大な証者,すなわち天から降られた神の子イエス・キリストを殺しました。しかし,全能の神は『忠実にして真の証者』を3日目に死から復活させ,後には,天に戻らしめました。(黙示 1:5; 3:14。ヨハネ 18:37)悪魔サタンは,ヱホバの証者たちを亡ぼすこともできなければ,自分に従う者たちをも一致結合させることもできなかつたのです。ヱホバの証者は,悪魔に従う者たちと交らず,また悪魔の政治,宗教,社会制度,そして商業に係り合いを持ちません。

24 (イ)サタンはなぜ自分の地的な制度を一致させることができませんか?(ロ)その制度の直面している大問題は何ですか?

24 サタンは,地上にある自分の見える制度をけつして一致結合することができません。完全な人間アダムが,その楽園の家であるエデンの園に生活していたとき,生ける宇宙には一致の状態が存在していました。しかし,その一致を破つた者が他ならぬサタン自身であるゆえに,サタンには自分の制度を一致させることができません。サタンは,真実の愛という完全な一致のきづなを供給することができません。サタンは愛を憎む故に,自分の見える制度に一致結合をもたらす愛を供給することはできません。サタンは,あらゆるものにもまして,愛である神を憎みます。『愛は神から出たものなのである。』(ヨハネ第一書 4:7,8,16,新口)今日,サタンの見える制度が直面している一つの大問題があります。全人類は民主主義に従うか,又は全人類は共産主義に従うか,という問題は,大問題ではありません。大問題はこうです。すべての人類は悪魔サタンに従つて,不一致になるか,またはその創造主である神に従つて一つになるか?という問題です。人間がその問題を解決するのではなく,全能の神がその問題を解決します。かくして,私たちは永遠の祝福を頂きます。

25 ひとりの贖い主によつて,従順な人類はどうして救われることができますか? どのように,神の独り子はその贖い主になりましたか?

25 最初の完全な人アダムは,妻エバに従つて神との一致を破りました。アダムの不従順という罪のために,アダム自身は言うまでもなく,その子孫や,今日の私たちにいたるまで,すべての人に,不完全と死がもたらされました。(ロマ 5:12)そもそも,人間家族は一つであり,また一人の人によりすべての罪と死が始まつた故に,一人の完全な贖い主,救主によつて,従順なすべての人類は救われることができます。その贖い主は,罪人アダムの子ではありません。その者は,罪の無い神の子でなければなりません。それで,ヱホバ神は独り子を天から遣わされました。どのように? 御子が完全な人間として生まれるために,ヱホバ神は天にある御子の生命をユダヤ人の処女マリヤの胎に移されたのです。そして,ヱホバ神御自身,『ヱホバは救い』という意味のイエスという名前を御子に与え給うたのです。(マタイ 1:18-25。ルカ 1:26-35)『キリスト』とは『油注がれた者』という意味です。イエスは,30歳になつたときに水によるバプテスマをうけてキリストになりました。そのとき,ヱホバ神は天から聖霊をイエスに注ぎ,正義の新しい世を支配する王なる大祭司に任じられたのです。―マタイ 3:13-17。ルカ 3:21-23。使行 10:37,38。

26 地上に来た神の御子の目的は,なぜ完全な人間として永遠に居ることではありませんか? それで,御子を通して与えられる神の賜物は,何ですか?

26 地に来られた神の御子の目的は,完全な人間としてこの地に永遠に居ることではありません。完全な人間になるために,彼は天的な体,力,そして地位を断念しなければならなかつたのです。同じように,再び霊者になつて天に戻るために,彼は完全な人間としての肉,骨,血を断念することが必要でした。『霊には肉や骨はない。』『肉と血とは神の国を継ぐことができない。』(ルカ 24:39とコリント前 15:50,新口)人類に対する神の愛の目的は,こうです,すなわち,神に捧げる完全な犠牲としてイエスが自分の人間の生命を断念し,そして従順な人類を罪,およびその罰である死から買い戻すことです。ひとりの完全な人(最初の人間)の罪のために死はすべての人に及びました。それで,一人の完全な人イエス・キリストの犠牲的な死により,その犠牲をうけ入れるすべての人は永遠の生命を頂くことができます。この故に,次の聖句の真実なることを強く悟ります。『罪の払う価は死であるが,しかし神の与える賜物は,私たちの主イエス・キリストによる永遠の生命である。』― ロマ 6:23,新世。

27 (イ)それで,神はどのような希望を私たちに差しのべていますか? その希望を実現させるどんな手段を,神は持つていられますか?(ロ)唯一つの政府は,なぜ存在しますか? 生命を愛する人は,みな誰に従いますか?

27 正義と愛の神,ヱホバは,創造主とキリストのもとにすべての人類は一つになり得る,という心暖まる希望をさし伸べておられます。ヱホバ神は,その目的を立てられて,聖書の中でそのことを予言しておられるだけでなく,すでに学んできたように,それを実現させる正義の手段をもお持ちになつています。御子イエス・キリストによつて,人類は,創造主であると共に父である神の下に必らず一致いたします。それについては,聖書にこう書かれています,『(イエスは)自らを卑くして,人の像をもつて現われ,死にいたるまで苦難の刑柱の死に至るまで従順であられた。それ故に神は彼を勝れた地位に高めてすべての名に優る名を彼に与えられたのである。これは,イエスの名にあつて,天にあるもの,地にあるもの,地下にあるものすべてが膝まずき,またすべての舌は「イエス・キリストは主である」と言い表わして,父なる神に栄光を帰するためである。』(ピリピ 2:8-11,新世)これ以外に,ロマ書 13章1節(新口)は,こう述べています,『すべての人は,上に立つ権威に従うべきである。なぜなら,神によらない権威はない。』まつたく,『力は神にあり。』(詩 62:11)それで,将来の何時の日か,この全宇宙は全創造物の全能の支配者,すなわち創造主であるヱホバ神の下に,たしかに一致結合します。ヱホバ神は一つの政府をつくられます。そして,天と地にいるすべての被造物はその政府に服し敬意を表し,そして従わねばなりません。ヱホバ神はすでにその政府の支配者を任命しています。その支配者は,かつて自分自身を犠牲に捧げた御子イエス・キリストであつて,彼はいまや天で栄光をうけられ,支配するのに必要な力と権威をことごとく備えておられます。御使であろうと人間であろうと,今天と地にいるすべての者は,イエスに従わねばなりません。永遠の生命を愛する賢明なる人は,みなイエスに従います。

28 神は,どのように,人類の中のあらゆる不一致を速かに取り除かれますか?

28 全能の神には,すべての被造物を一つになし得るこの天的な政府を設立する御力があります。また,このような政府の支配に敵対するあらゆる反対を,この地から取り除く御力があります。ヱホバ神は,人類のあいだに不一致を生ぜせしめるあらゆる原因を取り除くことができます。どのように? 一致していない各勢力にいちいち願い求めて一致を図るのですか? そのようなことはありません。神の書かれた御言葉によると,来るべきハルマゲドンの宇宙的な戦争のときに,神はそれらの勢力を打ち破り,不一致に充ちる現在のこの古い世を亡してしまいます。悪魔サタンは,あらゆる不一致の源です。それで,神は天と地にあるサタンの制度を亡します。天にあるサタンの見えない制度が,今日の地上の悪や不一致をもたらしているのです。そのわけで,神はその制度を亡します。サタンの見える制度は,政治,利己的な商業,そして偽りの宗教によつて支配され,人類を思うがままに制御しています。しかし,神はこの制度を根こそぎに引き抜かれ,地を清めるでありましよう。それから,神は人の目に見えない新しい支配と,新しい地的な社会で成り立つ完全な新しい世を創造されます。

29 (イ)神は人類を一つにする方法として,どんな性質を供給しますか?(ロ)それで,私たちはどんな二つの大きないましめを守らねばなりませんか?

29 ヱホバ神は,すべての人類を一つにさせる一つの方法を持たれています。また,一致に必要な絆,すなわす愛の絆を供給されます。実際すべての人類は,愛を切実に求めています。その愛は,まず神の愛であり,次に隣人の愛であります。神は御自分の愛を人類に示されました。どのように? 神の子イエス・キリストは,次のように語つています,『神はそのひとり子を賜わつたほどに,この世を愛して下さつた。それは御子を信じる者がひとりも亡びないで,永遠の生命を得るためである。』(ヨハネ 3:16,新口)これに対し,すべての人類は,神と隣人を愛さねばなりません。そのとき,彼らはイエスの語られた宇宙の二つの大きないましめに従います。『すべての心,すべての魂,そしてすべての思いをこめてあなた方の神であるヱホバを愛さねばならない。これは一番大きな第一のいましめである。第二のいましめもこれと同じ様に「自分のごとくに隣人を愛さなければならない。」』そして,隣人は友なる人である,とイエスは示されました。そのとき,その人がユダヤ人であろうと,サマリヤ人であろうと,たとえ国籍が違つていても,それは問題になりません。(マタイ 22:37-39,新世。ルカ 10:29-37)人類の一致を求める人々は,大いなる創造者であると共に生命の与え主であるヱホバ神の共通の愛と,ヱホバ神の御子の愛に共に結ばれねばなりません。ヱホバ神は,御子を人類の犠牲と贖い主にならせ,そして新しい世の王に任命いたしました。人類の一致を求める人々は,また友なる人を愛さねばなりません。共にこの地上に生きて,目に見える友なる人を愛さないならば,目に見ることのできない神を愛する事は,とうていできないからです。神は私たちの隣人を愛します。故に私たちも隣人を愛すべきであります。

30 (イ)全人類はなぜ新しい父親を必要としますか?(ロ)神は誰をその新しい父親にいたしましたか? この方は,ユダヤ人と他の国民とのあいだの分けへだてをどのように取り除かれましたか?

30 さらに,すべての人類を一つにするため,ヱホバ神は正義の新しい世で一人の新しい父親を私たちに与えます。むかしのエデンの園では,神は最初の人間アダムを人類の父親にしました。しかし,この父親は不完全になつて生命の権利を失つたために,その子供たちである私たちすべての上に死をもたらしました。彼は創造主のいましめと律法を破りました。それで,アダムは私たちに生命を与える代りに,死を与え,そして自分の罪のゆえに死にました。アダムの子孫はみな次々に死んでおり,私たちも死に行きます。それでアダムは私たちの永遠の父親にならなかつたのです。創造主の与えられた方は,生ける御子イエス・キリストであります。イエスは,完全な人間として私たちのために死なれましたが,いまやかつて住まわれていた天に戻られ,不滅の霊者として生きておられます。『聖書にこう書かれている。「最初の人アダムは生ける魂になつた。」最後のアダムは生命を与える霊になつた。』(コリント前 15:45,新世)国籍上では,地上におられたイエス・キリストは,ユダヤ人で,そして,神の与え給うた律法を持つユダヤ人たちは他の国民からは分けられていました。しかし,イエスはその律法の目的を成就しました。イエスは,ユダヤ人のためだけではなく,すべての人類のための犠牲になつて死なれることにより,ユダヤ人と他の国民のあいだの分けへだてを取り除かれました。かくして,すべての國民はクリスチャンになり,そして唯一つの神ヱホバに共通の崇拝を捧げる一つの群になることができます。―エペソ 2:11-19。

31 救いをうける人類はひとりの父親を通してどのように一つになりますか?

31 来るべき新しい世で,イエスはすべての人類の不滅の父になり,そしてパラダイスの地上で楽しむ完全な人間としての生命を彼らに与えます。ヱホバ御自身の予言は,次のように述べています,『ひとりのみどりごがわれわれのために生れた,ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり,その名は「霊妙なる議士,大能の神,とこしえの父,平和の君」ととなえられる。そのまつりごとと平和とは,増し加わつて限りなし。』(イザヤ 9:6,7,新口)完全な人間として生まれ,そして大祭司として自分の人間としての生命を犠牲にされたイエスは,創造主と人類とのあいだに生じた間隙を直します。今日のすべての人類は,最初の人間アダムの子孫であるために,一つの肉であり,一つの家族であります。それと同じ様に救われる人類はみな,『永遠の父』,平和の君である支配者の子供たちになるため,新しい世で一つになります。その支配者の御父は,創造主である神です。その故に,救われるすべての人類は,イエスを通して一人の大いなる父,ヱホバを持つことになります。

32 家族の不和や憎しみは,なぜありませんか? 彼らは,なぜ一つの言語を持つ一つの人種になりますか?

32 すべての人類は,生命の根源者,すなわち,すべてのものの創造主と一致結合しなければなりません。すべての人が愛の中に創造主に一致結合するなら,人類のすべては一つの家族のごとくに愛の中に一致結合するでしよう。人間家族の不和とか憎しみは,なくなります。彼らは人間の父を通して永遠の生命を得るのではなく,唯一つの『生命を与える霊』,すなわち永遠の父から直接に頂くでしよう。これにより彼らはみな一つの国籍,一つの人種になり,そして彼らの永遠の父は一つの言語を彼らに教えます。

33 新しい世の政府は,何時永遠の父に委ねられましたか? そしてこの地上における不一致は,何時無くなりますか?

33 新しい世の政府を創造される御方は,天におられる永遠の父,イエス・キリストの肩に政府を置かれています。これは,弟子たちに教えられたイエスの祈り,すなわち,『あなたの御国が来ますように。天で行われるように,地にもあなたの御意が行われますように。』と全く一致しています。(マタイ 6:9,10,新世)1914年,ヱホバ神は御子にその政府をまかせられました。聖書に記されている神の定めの時から判断しても,また聖書の予言を成就している世界の出来事から判断しても,その事実の正しいことが分ります。故に創造主の下にすべての人類を一つにする時は,極く間近かです。それは単なる希望ではなくして,必らず実現するものです。天に設立されたその政府は,天における不一致をゆるしていません。その政府は,天にいる悪魔サタンと悪鬼たちの見えざる制度を追放して,この地の近くに追い落しました。サタンやサタンに従うこれらの悪しき霊や悪鬼たちのために,今日の世には災が充ちているのです。しかし,現在の世は,神とキリストにまかせられている政府に対しては一致して反対しています。この理由からも,新しい世の神がこの古い世を亡ぼすのは全く当然であります。この古い世は,悪魔サタンをその神とし,また支配者とする現在の組織制度のことです。(黙示 12:7-13,17。コリント後 4:4)サタンとその悪鬼たちを天から追い落してからは,神の聖なる天には不一致が存在していません。それで,間近い中に行われるハルマゲドンの宇宙的な戦争の後には,この地上にも不一致は存在しなくなるでしよう。―黙示 20:11より22:3。

今日,一致をよろこぶ人々

34 創造主の下の一致は今日,地上の誰のあいだに存在していますか?

34 現在の不一致の世界に人類の創造主の下に人間の一致というものは,果してあるでしょうか? 確かにあります! その一致は,ヱホバ神の神権的な群の中に存在しています。その群とは,ヱホバが御言葉の中で『なんぢらはわが証人なり,われは神なり。』と述べられている人々です。(イザヤ 43:12)これらの主なる証者は,イエス・キリストに従う油注がれた残れる者です。彼らは地の全家族を祝福するために天的な御座についてイエスと共に統治する,という天的な召を頂いています。これ以外にも大いなる羊飼の群の中には,いまや地の全家族から来る幾十万という人々が入つています。イエス・キリストは,これらの人々のことを『他の羊』と呼びました。イエスは,これらの『他の羊を集め』て,御国の共同相続者の残れる者とともに導き,『ひとりの羊飼』のもとに『ひとつの群』になる時が来ると語られました。その時は,今の私たちの時代に来ているのです。証者たちのあいだには,神の御意に従う調和が存続しています。

35 このことは,1953年のニューヨーク市で,どのように公やけに示されましたか?

35 ヱホバの民の一致を公やけに示すものがあります。1953年の7月,ニューヨーク市のヤンキー野球場で行われた8日間にわたるヱホバの証者の『新世社会の大会』を見てごらんなさい。その大会には,人種,言語の異る12万5000人の代表者が96の国々から参集したのです。大会の月曜日は,北アメリカの日と呼ばれ,火曜日は大西洋諸島の日,水曜日は南アメリカの日,木曜日はアジアの日,金曜日はアフリカの日,土曜日は欧洲の日,そして最終日である日曜日は太平洋諸島の日と呼ばれました。また,これらの各日に適した報告や経験談が発表されました。1953年7月26日の日曜日に,『ハルマゲドンの後 ― 神の新しい世』という公開講演を聞きに参集した人々の数は16万5829名にも達したのです。

36 1953年,このことを示すどんな事柄が大規模に行われましたか?

36 創造主の地上の群は一致を保つています。その事実を大規模に示す最近の事柄として,1955年6月22日より8月28日まで行われたヱホバの証者の『勝利の御国』大会の記録を見てごらんなさい。この大会は,北アメリカ,英国,そして欧洲の13の都市で連続10週間,9つの違つた言語で行われました。新しい世の社会に属しているヱホバの民は,60以上の国々からこの大会に参集し,その代表者数の合計は,30万人以上に達しました。その中1万3016人はイエス・キリストの模範に従つてバプテスマをうけ,全合計40万3628人は『神の御国による世界支配は近し』という公開講演を聞きました。

37 どんな事にもかかわらず,彼らの一致は,今にいたるまで破れませんでしたか?

37 新しい世の社会に属するヱホバの証者は,全世界的なこの一致を保とうと決意しています。現在にいたるまで彼らの一致は破れたことがありません。あらゆる迫害を受けようとも,またカトリック,新教徒,そしてユダヤ人を分裂せしめたあらゆる政治的な違いが存在していようと,そしてカトリックがカトリックと戦い,新教徒が新教徒と戦う世界戦争や小規模な戦争があるにもかかわらず,彼らは一致を保ちました。サタンの世の精神は,キリスト教国を分裂せしめました。しかし,ヱホバ神の唯一つの愛の精神は,全地にいるヱホバの証者を一つにしました。(エペソ 4:36)いまヱホバの証者は158の国々で活動しています。その住んでいる国がどんな国であろうとも,その皮膚の色がどんなものであろうとも,その国籍,言語がどんなものであろうとも,彼らは一致結合します。今日,彼らの一つであることは,試験済の事実と立証されています。

38 新しい世が間近であることを,どのように知りますか? 神からの全き亡びは,突如として何時古い世に来ますか?

38 その一致は,神の新しい世でも行われます。聖書からのすべての証拠や,またその証拠を支持する世界のあらゆる出来事や状態から判断して,新しい世は間近い,と分ります。この古い世を一つにして,古い世を存続せしめようとする人間の努力は,失敗するでしよう。神の御言葉は次のように述べています。すなわち人類種族の一致結合を図ろうとする人間の努力そのものこそ,現在が古い世の終りの時期であつて,サタンの世界制度を亡ぼすハルマゲドンの戦が近づいており,かつ神の新しい世が間近であることを,示す証拠の一部になつているのです。彼らは,あたかも世界一致という目的を得たかのごとくに,『平和安全!』と言う時が来る,とヱホバの御言葉は述べています。そして,使徒パウロの言葉によると,彼らがこのことを言う時に,産婦に産みの苦しみが臨むごとく,亡びが突如として彼らにのぞみ,彼らは神の御手からくる全き亡びを避けることができません。―テサロニケ前 5:1-3。

39 ハルマゲドンの時,どちらの世が勝ちますか? そのとき,神の側にいるすべての人々に,ハルマゲドンは何をもたらしますか?

39 ハルマゲドンの戦は宇宙的な戦です。神の制度は,みなサタンの制度に敵対するからです。その戦は,古い世と新しい世の二つの世界の衝突です。神の創造せられる新しい世は,この戦に勝ち,全世界に住む人類をひとつにいたします。しかも,それだけに止まらず宇宙的な一致をもたらすのです。神の王,イエス・キリストに従属するすべての御使のいる天には一致が行きわたります。御使は,イエスと共にハルマゲドンの戦をいたします。地上にいるヱホバの証者が,その戦に参加する必要はひとつもありません。『なんぢらの戦に非ずヱホバの戦なればなり。』という聖句は,ヱホバの証者のために書かれています。(歴代志略下 20:15)ヱホバ神がイエス・キリストによつてハルマゲドンの戦をなし,そして全宇宙を支配する御自分の至上権を立証するようヱホバの証者は待ち望んでいます。

40 神の御旨にかなう人々は,ハルマゲドンの時に何を経験しますか?

40 それで,いま神と平和な関係を結び,そして神およびキリストの肩の上にのせられた神の政府と一つになる人々は,みな神の御意に適う者たちであり,ハルマゲドンの時には神の保護をうけます。大きな亡びがこの古い世に臨むとき,彼らは神の力の下に隠されます。いまヱホバを求め,ヱホバの御意を知つて行おうと努める人々は,神の保護をうけます。丁度ノアとその家族が,当時の悪しき世を亡ぼした大洪水を生残つたように,ヱホバの証者は一つの群になつて新しい世に生き残ります。一致した群であるヱホバ神の証者と僕たちで成立つ『新しい地』は始まります。そして『新しい地』は永遠に存続します。使徒ペテロは,現在の世の亡びを説明して後,次のように述べています,『私たちは,神の約束に従つて,義の住む新しい天と新しい地とを待ち望んでいる。』― ペテロ後 3:13,新口。

41 ハルマゲドンに生き残る人たちの一致に何が起りますか? 地上にいるそれらの人々と,他の人はどのようにひとつになりますか?

41 永遠の父である平和の君の政府は,『新しい天』になつて『新しい地』を支配します。ハルマゲドンを生き残る人々は,すでにヱホバの証者の『ひとつの群』であり,組織されている新しい世の社会です。創造主とその王のもとにあつて,生き残るすべての人は一つになつており,その一致は決して破れることはありません。平和の君は,生き残る者たちの平和な一致を保つだけでなく,他の者も彼らと一つにします。他の者とは誰ですか? 現在,死の力は,記憶の墓に眠つている人々と生きている人々とを分け隔てています。しかし,永遠の父は全能の神の力をいただき,神の記憶の墓にいるすべての死人を復活して地上の生命に呼び醒まし,かくして生きている者と一致させます。いまから1900年むかし,神はイエス・キリストを生命に復活せしめられました。それは,キリストの油注がれた弟子たちが天の不滅な生命に復活せられることを保証し,さらに,地上の墓にいる者たちが『新しい地』の生命に復活せられることを保証するものです。(ヨハネ 5:28,29。コリント前 15:12-20)イエス・キリストは,ハルマゲドン後の千年を支配します。そして,この統治期間中,復活された者はみな再創造者とその王の下に生きるすべての人々と一つになります。イエス・キリストを通して神と一つになることを拒絶する人々は,永遠の亡びをうけます。

42 ヱホバは,予言者イザヤを通して,王の下に人類の楽しむ一致と良い平和をどのように説明していますか?

42 創造主の王の下に人類の楽しむ一致と良い平和について,ヱホバの予言は次のように説明しています,『正義は(王の)腰の帯となり,忠信はその身の帯とならん。狼は小羊とともにやどり,豹は小山羊とともにふし,犢牡獅肥たる家畜ともに居りて小き童子にみちびかれ,牝牛と熊とはくいものを同にし,熊の子と牛の子とともにふし,獅は牛のごとく藁を食い,乳児は毒蛇のほらにたわむれ,乳ばなれの児は手をまむしの穴にいれん。かくてわが聖山の処何にても害うことなく傷ることなからん。そは水の海を覆えるごとくヱホバを知るの知識地にみつべければなり。』― イザヤ 11:5-9。

43 そのような一致の存在する新しい世に入るために,知識はなぜ必要ですか? 何処で私たちはその知識を得ることができますか?

43 創造主の下に人類の永遠の一致が存在するその新しい世に入るためには,ハルマゲドンの戦が行われる以前の今,その『ヱホバを知るの知識』を持つことは絶対に必要です。そして,神の民を悩ます者たちに対して神は,苦難をもたらす,と聖書は述べています。『それは,主イエスが炎の中で力ある天使たちを率いて天から現われる時に実現する。その時,主は神を認めない者たちや,私たちの主イエスの福音に聞き従わない者たちを報復し,そして彼らは主の御顔とその力の栄光から退けられて,永遠の亡びにいたる刑罰を受けるであろう。』(テサロニケ後 1:6-9,新口)また,『わが民は知識なきによりて亡ぼさる。』とも聖書に書かれています。(ホセア 4:6)知識が無いとハルマゲドンで亡ぼされます。しかしあなたは亡びずにすむでしよう。あなたは,生命にみちびく知識を今すぐ持つことができます。何処で? ヱホバの証者の中です。創造主はヱホバの証者にその知識を与えておられます。なぜなら,ヱホバは『なんぢらは,わが証人なり。』と言われておられるからです。

44 更に知識を得るため,なぜヱホバの証者と交りますか?

44 更に知識を得るため,今からヱホバの証者の新しい世の社会と交つて下さい。今日の地上で,ただその制度のみが唯一つの羊飼イエス・キリストの下にあつて神に従う調和と一致を行つているのです。今日のその見える制度のみが,必らず到来するハルマゲドンの世界的な亡びを生き抜けて神の新しい世に入れる,という希望と保証を人類に与えています。

45 ヱホバが『創造主の下にすべての従順な人類を一つにする』仕事を始めている時,私たちは今何をするようすすめられていますか?

45 この良いたよりをよろこんで受けいれなさい。それが,神の朽ちざる御言葉,聖書にもとずく神の真理であることを確めなさい。ヱホバの証者と交りなさい。ヱホバの証者と聖書を研究しなさい。ヱホバの証者のすすめる聖書の文書をうけ取りなさい。あなたの御宅に来て,個人的な聖書研究をしようというヱホバの証者の申し出でに従いなさい。そして,希望を与えるこれらのすばらしい聖書の真理を,学びなさい。その真理をあなた自身のものにしなさい。その真理によつてあなたの心を変えなさい。そして,新しい世の永遠の生命をうけるにふさわしくするため真理によつてあなたの今の生活を変えなさい。神の約束に希望を置き,その希望をしつかり持ちつづけなさい。創造主と一つになるよう献身しなさい。この世の人間に従わず,創造主に仕えて従いなさい。いまあなたがこの音信を読まれていることは,良い道です。それで,この良い道を続けて行きなさい。創造主の証者たちで成り立つ新しい世の社会といつも一つでありなさい。創造主は,イエス・キリストによつて,いま『創造主の下にすべての従順な人類をひとつにする』仕事を始めているのです。それで,今それらの証者たちと共に,創造主を愛して,創造主に仕えなさい。

[165ページの図版]

国連

西

東

[167ページの図版]

国際連合

民主主義

共産主義

宗教

宗教不一致 ― 異なった言語 ― 国家分裂 ― 人種分裂

[171ページの図版]

愛

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