読者よりの質問
★ 1955年12月1日号のものみの塔,455頁38節と39節によると,サタンはエデンでエバに不滅を約束しなかつたと示されています。では誰がいつこの教をはじめましたか。この教理が最初はじまつたのは,ニムロでの時代ですか ― アメリカの一読者より
サタンはいつわりの父であり,あらゆる偽宗教の創始者ですから,人間の魂不滅の教理に対しても責任があると見做さなければなりません。しかしサタンがエバに云つた言葉を肉体を離れた別個の不滅の魂があると教えたとは解釈できないようです。むしろ,エバは肉体的にも決して死なないであろうと,サタンは彼女に信じこませたのです。
この教理つまり,死人は実際には死んだのでなくて生きつづけるという教えが始つた時代について奉仕者になる資格という本(英文)は,ノアの洪水以前にすでにこの教理は人々によつて信じられていたと示しています。このことは遺族が死人の墓の中に食物を入れたことによつて暗示されています。しかし現代に於ける人間の魂不滅の教理の起源を洪水以前にまでさかのぼつて求めることはできません。なぜかといいますと,洪水の時すべての偽宗教は全部滅ぼされてしまつて,ただ清い宗教だけが洪水のすぐあとに行われたからです。それで人間の肉体が死んでも不滅の魂が生存するという教理が,いつ,再び始つたかという正確な時に関してはまだ疑問の余地があります。しかしニムロデの妻が,ニムロデは死んで神になつたから崇拝されなくてはならないと教えたところを見ますと,少くとも彼の死ぬ頃までには一般に信じられていました。