あなたは正しい宗教を持つていますか
自分の宗教だけが正しいと多くの人は信じています。どうして分りますか。確かめる方法がありますか。
自分の宗教だけが正しいことを,あなたはどれほど強く確信していますか。殆んどすべてのカトリック教徒,新教徒,ユダヤ教徒が,自分の宗教は正しいと信じています。異教徒もまた自分の宗教が正しいことを信じているのです。このことから直ぐ分るように,信じてさえいれば良いというものではありません。全く必要なことは,自分の宗教が正しいと証明できることです。ペテロはクリスチャンにこう告げています,『あなたがたのうちにある望みについて説明を求める人には,いつでも弁明のできる用意をしていなさい。』パウロも助言しました,『すべてのものを識別して,良いものを守り……なさい。』これは自分の宗教を知り,何を信じているか,また信ずるわけを理解することを意味しています。―ペテロ前 3:15。テサロニケ前 5:21,新口。
あなたの宗教は,宗教指導者ではなく,宗教組織でもなくて,神の言葉,聖書に基づいた確かな基礎を持たねばなりません。それを信奉する前に,その宗教が神の言葉通りに教えているかどうかを確かめるべきです。あなたの宗教が正しくない事を教えていると分つたならば,その宗教から離れなければなりません。パウロもユダヤ教にいたとき,そうすることが必要でした。人は喜んで真理を認め,真理を受け入れねばなりません。そうするとき,正しい方法で神を崇拝するようになり,神の是認を得ます。―ガラテヤ 1:13-24。
自分の宗教が正しいか正しくないかはどうして分りますか。簡単に知る方法は,神の言葉に照らしそれを調べることです。あなたの宗教が聖書の教えと一致していないならば,それは真理と調和していないのです。それは正しくありません。『彼らのいうところ此言にかなわずば晨光あらじ』と神は言われました。それゆえに,パウロも述べた如く『はたして信仰があるかどうか,自分を反省し,自分を吟味する』ことが大切です。あなたの信じてることが神の言葉と一致しているかどうか,何時も調べて下さい。しかし,あなたは喜んで自分の宗教をこのように試みますか。この事が問題なのです。何も恐れることはありません。あなたが正しい宗教を持つているなら,この試験によつていつそうの確信を得るからです。あるいは,信じていることが聖書と一致していなければ,あなたは真理を歓迎しなければなれません。真理は光と生命に導くからです。―イザヤ 8:20。コリント後 13:5,新口。
次に挙げる二,三の質問は,あなたの宗教が聖書に固く従つているかを調べる助けになります。読みながら質問に答えて下さい。次に,聖書が述べていることを深く考えて下さい。正しい宗教であれば,聖書と一致するでしよう。それでは質問を挙げます。
あなたの宗教は,魂が不滅である,すなわち死ぬことができないと教えますか。聖書が述べていることに注意して下さい。『願わくは正しき人の如くに我が魂死なん。』『我らの魂汝らに代り死なん。』『わが魂はペリシテ人と共に死なん。』『生ける魂ことごとく死にたり。』『罪を犯せる魂は死ぬべし。』聖書の答えは明らかです。聖書は,魂が死ぬこと,魂は死ぬことができ,また死ぬことを教えています。あなたの宗教はこれを教えていますか。正しい宗教であれば,教えているはずです。民数 23:10。ヨシユア 2:13,14。シシ 16:30。黙示 16:3,ア標。エゼキエル 18:4,20。
別の質問を試みて下さい。『あなたの宗教は悪いものだけが地獄に行き,地獄は火の場所であつて,地獄からは誰も救われない。』と教えていますか。イエス・キリストについて,彼は3日のあいだ,地獄におり,ついでそこから救われたと聖書は述べています。ペテロはキリストについてこう述べました,『彼は黄泉(地獄,英文欽定訳)に捨ておかれることがなく,またその肉体が朽ち果てることもない。』地獄にいた別の人はヨナで,彼は生きて地獄から出てきました。大きな魚にのまれたとき,ヨナは言いました,『われ陰府(地獄,英文欽定訳)の腹の中より呼ばわりしに。』ヨナはどこにいましたか。魚の腹の中です。そこに火はありません。では,地獄とは何ですか。聖書は,地獄が人類共通の墓であると答えています。『誰か生きて死をみず,又おのが魂を陰間(地獄,英文ドウエイ訳)より救いたるものあらんや。』あなたの宗教は,地獄が墓であることを教えていますか。聖書はそのことを教えており,正しい宗教もそのように教えるでしよう。―使行 2:31,新口。ヨナ 2:2。詩 89:48。ガラテヤ 1:8,9。
さて,もう一つの質問があります。あなたの宗教は,死んだ人に意識があると教えていますか。霊感を受けてしるされた聖書は,こう述べています,『生ける者はその死なんことを知る。されど死ぬる者は何事をも知らず。』『死ねる人も,幽寂ところに下れるものもヤハを讃めたたうることなし。』聖書によれば,死人には意識がありません。―伝道之書 9:5。詩 115:17。
これらの点に関して,あなたの宗教をしらべなさい
たいていの『クリスチャンの』宗教は,人間が互に愛すべきことを教えます。あなたの宗教は,そのことを教えていますか。では,最近の戦争のときに,一つの国のカトリック教徒が相手の国のカトリック教徒を殺していたのはなぜですか。また,新教徒やユダヤ教徒もこれと同じことをしていたのはなぜですか。これは互に愛を示すことですか。決してそうではありません。イエスは言われました,『剣をとる者はみな,剣で滅びる。』『人がその友のために自分の命を捨てること,これよりも大きな愛はない。』隣人の生命を奪うことではなく,隣人のために生命を捨てることこそ,愛の道であり,真の宗教です。あなたの宗教はこれを行つていますか。―マタイ 26:52。ヨハネ 15:13。マタイ 22:39,新口。
あなたの信仰をもう少し深く調べてごらんなさい。あなたの宗教は,奉仕者が家から家に伝道すべきことを教えていますか。イエスは追随者に次のことを教えられました,『その家にはいつたなら,平安を祈つてあげなさい。もし平安を受けるにふさわしい家であれば,あなたがたの祈る平安はその家に来るであろう。』『そして,毎日,宮や家で,イエスがキリストであることを,ひきつづき教えたり宣べ伝えたりした。』『公衆の前でも,また家々でも,……教え。』あなたの宗教の奉仕者は家から家に伝道し,また教えていますか。イエスはそのことをされました。使徒たちもそうしました。今日でも,真の宗教の奉仕者は同じようにしています。―マタイ 10:12-14。使行 5:42; 20:20,新口。
あなたの宗教は,この世と世の政治から離し得ない一部となつていますか。また,世の一部になることをあなたにすすめますか。イエスは御自分の追随者についてこう言われました,『わたしが世のものでないように,彼らも世のものではありません。』イエスの弟子ヤコブも書きました,『世を友とするのは,神への敵対であることを,知らないか。おおよそ世の友となろうと思う者は,自らを神の敵とするのである。』『父なる神のみまえに清く汚れのない信心とは,……自らは世の汚れに染まずに,身を清く保つことにほかならない。』あなたの宗教は,世の汚れに染まず,身を清く保つていますか。正しい宗教はそうしています。―ヨハネ 17:16。ヤコブ 4:4; 1:27,新口。
神の言葉の光にてらしてあなたの信仰を更に試みて下さい。あなたの宗教は神の御名がヱホバであることを教えていますか。神の御名は詩篇 83篇18節に述べられています。『さらば彼らはヱホバという名をもち給う汝のみ全地をしろしめす至上者なることを知るべし。』『われはヱホバなり是わが名なり。』あなたの宗教はこの事を教えていますか。正しい宗教は教えています。―イザヤ 42:8。
あなたの宗教は,神が三位一体(一つの神の中に三つの神がある)であり,イエスは三位一体の第二の神であると教えていますか。聖書は次のように述べています,『神は唯一であり,神と人との間の仲保者もただひとりであつて,それは人なるキリスト・イエスである。』『からだは一つ……すべてのものの父なる神は一つである。』『イスラエルよ聴け我らの神ヱホバは唯一のヱホバなり。』ゆえに,三位一体ではなく,神は一人の神です。御自身についてイエスは言われました,『わたしは神の子である。』御使はマリヤに告げて,イエスは『いと高き者の子』と,となえられると言いました。あなたの宗教の教えはこれと一致していますか。正しい宗教であれば,一致するはずです。―テモテ前 2:5,6。エペソ 4:4-6,新口。申命 6:4。ヨハネ 10:36。ルカ 1:30-33,35,新口。
あなたの宗教は,イエスが神と同等であつたと教えますか。三位一体論者はこの事を信じています。しかし,イエスは言われました,『父がわたしより大きいかたであるからである。』同等ではなく,神はイエスよりも偉大です。人間となる以前のイエスについて,パウロは『神と等しくなるとの考えを少しも持たないで』と述べました。―ヨハネ 14:28,新口。ピリピ 2:6,新世。
もう一つの質問を考えて下さい。あなたの宗教は,天こそ,正義の人類すべての行く場所であると教えていますか。聖書の言葉に注意してごらんなさい。『ただしき者は国(地,新世訳)をつぎ,その中にすまいてとこしえに及ばん。』『そは義人は地にながらえおり。』イエスはこれと同じことを言われました,『柔和な人たちは,さいわいである,彼らは地を受けつぐであろう。』天ではなくて地こそ,大多数の人の住みかとなるでしよう。あなたの宗教はその事を教えていますか。聖書は教えています。―詩 37:29。シンゲン 2:21。マタイ 5:5,新口。
あなたの信じていることをこれと比べなさい
人間が神を見たと教える宗教があります。しかし,使徒は述べました,『神を見た者はまだひとりもいない。』神はモーゼに言われました,『我を見て生くる人あらざればなり。』― ヨハネ 1:18,新口。出エジプト 33:20。
他の宗教は,ダビデ,エノク,エリヤその他の如きキリスト以前の人々が天に昇つたと教えています。ペテロはこう述べました,『ダビデが天に上つたのではない。』イエスは言明されました,『天から下つてきた者,すなわち人の子のほかには,だれも天に上つた者はない。』― 使行 2:34。ヨハネ 3:13,新口。
他の人は,イエスが再び来られるとき,全世界の人がイエスを見ると教えます。しかし,イエスは言われました,『もうしばらくしたら,世はもはやわたしを見なくなるだろう。』― ヨハネ 14:19,新口。
また,私たちは未だにモーセの律法の下にあると教える人があります。しかし,パウロは述べました…『あなたがたは律法の下にあるのではなく,恵みの下にある。』『キリストは,わたしたちを律法ののろいからあがない出して下さつた。』『ご自分(イエス)の肉によつて,数々の規定から成つている戒めの律法を廃棄したのである。』― ロマ 6:14。ガラテヤ 3:13。エペソ 2:15,新口。
他の人は,すべての人が最後には救われると言い,またそのように教えます。すべての人ではなく,『多くの人のあがないとして』自分の命を与えると,イエスは言われました。『御子を信じる者は永遠の命をもつ。御子に従わない者は,命にあずかることがないばかりか,神の怒りがその上にとどまるのである。』― マタイ 20:28。ヨハネ 3:36,新口。
このすべてと比べるとき,あなたの宗教は聖書の標準にかないますか。あなたの宗教をしらべて下さい。それが聖書と一致していることを確かめなさい。
自分の宗教に誠実であれば,それで十分なのだと,あなたは信じているかも知れません。聖書はこう述べています,『人のみづから見て正しとする道にしてその終はついに死にいたる道となるものあり。』誠実さは肝要ですが,それさえあれば十分というわけではありません。イエスは言われました,『その日には,多くの者が,わたしにむかつて「主よ,主よわたしたちはあなたの名によつて悪霊を追い出し,あなたの名によつて多くの力あるわざを行つたではありませんか」と言うであろう。そのとき,わたしは彼らにはつきり,こう言おう,「あなたがたを全く知らない。不法を働く者どもよ,行つてしまえ」。』明らかに,この人々はその崇拝をまじめに行つていました。また,行いによつてそのことを証明していたのです。しかし,誠実さと行いがあつても,その人々は救われませんでした。正しい宗教を持たず,それを行わなかつたゆえに,彼らは不法の者と裁かれました。救われるために正しい宗教は是非とも必要です。―シンゲン 14:12。マタイ 7:22,23。
理性をもつて正しい宗教を選ぶには,個人的な研究が必要です。神は御自身の御言葉,聖書を備えられました。聖書は正しい宗教を示しています。聖書を研究しなさい。聖書の原則を学びなさい。