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北極地方の気候の変化
● 最近,科学者たちは,北アメリカとヨーロッパが昔は陸続きであったとの学説の裏付けを得るため,カナダのノースウェストテリトリーズの北極圏地方にあるエルズミア島の調査を行ないました。興味深いことに,科学者たちは「当時,その地域の気候が湿地性で温暖であったことを示す証拠」を発見しました。―1976年9月24日付ニューヨーク・タイムズ紙。
ところが,現在エルズミア島の大部分は氷に覆われています。このように気候が全く変化してしまったのはなぜですか。聖書の歴史的記録はその答えを示しています。その記録によれば,地球の周りには「空間」が造られ,『空間の下の水と空間の上の水を分けていました』。そのため,「空間の上」にあった天蓋状の水が温室のような効果をもたらし,地球を取り巻いていた大気は,相対的に言って,一様で温暖なものであったと思われます。―創世 1:6,7,新。
ペテロ第二 3章5,6節は,地球が「水の中から,そして水の中に引き締まったかたちで立って」おり,「それによってその時の世は,大洪水に覆われた時に滅びをこうむった」と確証しています。大洪水が地を覆ったときに天蓋はなくなり,このことが,北極地方が寒帯となった主な要素と考えられます。
善良な市民とは何か
● カナダ連邦控訴院は,最近デンマーク人の一家族にカナダの市民権を与えることを拒みました。しかし裁判所のジョージ・アディ判事は次のように書きました。「控訴人二人は,日々の生活で信仰を実践している,善良で正直な人々であるという印象を与えている。二人はエホバの証人として知られている団体の成員である。……当人とその妻は明らかに,しっかりした勤労精神を抱いており,我々の社会に備わっている社会福祉の恩恵を利用したことは一度もない。……子供たちは非常にしっかりしていて機敏であり,彼らはどう見ても模範的な家族である」。
それでは,この判事自らが市民権を与えるのを拒んだのはなぜですか。ウエスタン・オンタリオ大学法学部のイアン・ハンターによると,「市民権を許可する上での唯一の障害」は,忠誠の誓いを行なう際,戦争遂行のための活動に参加することに彼らが同意しようとしなかったことである。
ハンターはこう述べています。「世の賢人はイェンセン氏のことを愚か者とみなすだろう。彼は誠実ではあるが誤導されているとか,あさはかだと思う人々もいるだろう。私はイェンセン氏(わたしは彼のことをよく知らないのだが)を,そのまま聖者とみなす。その立場は聖者特有の知恵を表わしており,世間がその知恵を狂気と間違えるのも無理はない」。
「我々は普通,やがて刑務所に送られるような悪人や,不合理な福祉制度を種に私腹を肥やす怠け者に市民権を与えている。しかし,……戦争における殺りく行為に参加しないという高潔な人を不利な状態に置くのである。イェンセン夫妻が『仲間のカナダ人』として迎えられるようなら,カナダは戦時でさえ,もっと強力で安全な国になるだろうと思う」。―1976年8月28日付ロンドン・「フリープレス」紙(オンタリオ)。
司教を乗せた旅客機が乗っ取られる
● 最近,クロアチア人の国家主義者たちが乗っ取った,パリ行きの米国旅客機には,イリノイ州ピオリアのローマ・カトリック司教エドワード・オルークが乗り合わせていました。同司教は途中で機内通話装置を通して乗客に話をすることが許されました。その結果はどうだったでしょうか。乗客の一人は次のように述べました。司教は『今こそ神と和解する時だと言って,我々に赦免を与えた。……司教は人々をあわてさせ,おびえさせた』。
とう乗員の一人は,乗客たちを意気消沈させたとして司教を非難しました。また別の乗客は,恐怖心を与えることは良くない,励ましを与えるべきだったと司教に語りました。しかし,オルーク司教は『来世のために霊の準備をすべき時だ』と述べました。
このように,司教には「憂えている人々に勇気を与える」という,真の神の人に与えられた聖書の助言を遂行する機会がありました。しかし,司教はその代わりに,偽りの教えに基づき,恐怖心を与えるような策をあえて用いたのです。その偽りの教えとは,最後の瞬間に一人の人間が「赦免」を宣言するという儀式を行なうことによって,人に対する神の裁きが異なったものになるという教えです。―テサロニケ第一 5:14,カトリックの「エルサレム聖書」。