イエスの生涯と宣教
暴君から逃れる
ヨセフはなぜ真夜中にマリアを起こすのですか。『エホバのみ使いがたった今わたしに現われました。そして,ヘロデがまさに,イエスを捜して殺そうとしているから,妻と子供を連れてエジプトへ逃げなさいと言ったのです』とヨセフはマリアに告げます。
ヨセフたち3人は逃げて行きます。それはちょうどよい時でした。というのは,占星術者たちが自分をだまして国を去ったことをヘロデはすでに知っていたからです。占星術者たちは,イエスを見つけたらヘロデのところへ戻って報告することになっていたのを思い出してください。ヘロデはたいへん怒り,イエスを殺そうとして,ベツレヘムとその地方の2歳以下の男の子を皆殺しにするようにという命令を出します。ヘロデは以前に占星術者から得ておいた情報に基づいてそのように年齢を割り出します。
男の赤ちゃんを皆殺しにするとは身の毛のよだつような光景です。ヘロデの兵士たちは家々に次から次へ押し入り,男の赤ちゃんを見つけるとその子を母親の腕の中から無理やり奪い取ります。どれほど多くの赤ちゃんが殺されるのか分かりませんが,母親たちの激しい泣き悲しみとどうこくは神の預言者エレミヤによる聖書の預言の成就です。
一方,ヨセフとその家族は無事エジプトにたどり着き,そこで暮らしています。しかしある晩,エホバのみ使いが夢の中でふたたびヨセフに現われ,『起きて,イエスとその母とをイスラエルに連れて戻りなさい。イエスを殺そうとしていた者たちは死んだからである』と言います。それで,神のみ子はエジプトから呼び出されるであろうという聖書の別の預言が成就し,ヨセフの家族は故郷へ帰ります。
ヨセフは,エジプトへ逃げる前に住んでいたユダヤに落ち着こうとしているようです。ところが,ヘロデの息子でよこしまなアケラオが現在ユダヤの王になっていることを知ります。さらに,夢の中でエホバから危険を警告されたので,ヨセフとその家族は北へ旅してナザレという町に落ち着きます。ユダヤ人の宗教生活の中心地から遠く離れたその町でイエスは成長します。マタイ 2:13-23。エレミヤ 31:15。ホセア 11:1。
◆ 占星術者たちが戻らなかったとき,ヘロデ王はどんな恐ろしいことをしましたか。しかし,イエスはどのように保護されましたか。
◆ エジプトから帰ったとき,ヨセフはなぜベツレヘムにふたたびとどまらなかったのですか。
◆ その期間にどのような聖書預言が成就しましたか。