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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 2010
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読者からの質問

エホバは偶像礼拝を禁じておられるのに,金の子牛を作ったアロンを処罰なさらなかったのはなぜですか。

アロンは,出エジプト記 32章に記されているように,金の子牛を作り,偶像礼拝に関する神の律法を破りました。(出 20:3-5)その結果,「エホバは[アロンに対して]非常にいきり立たれ,彼を滅ぼし尽くそうとさえされ」ます。「しかし,[モーセ]はその時アロンのためにも祈願をささげ」ました。(申 9:19,20)義にかなった人モーセのこの祈願には「大きな力」があったでしょうか。(ヤコ 5:16)ありました。そうした祈願,および少なくとも他の二つの理由ゆえに,エホバはモーセの祈りにおこたえになり,アロンを処罰なさらなかったようです。

一つの理由として,アロンの忠実さの記録が関係していたと思われます。エホバは,ファラオの前に出るよう,またイスラエル人をエジプトから連れ出すようモーセに命じた際,モーセに同行して代わりに話すようアロンを任命します。(出 4:10-16)二人は従順に何度もエジプトの王の前に出て,心のかたくななファラオからの攻撃の矢面に立ちます。ですから,アロンはエジプトにいる時から,エホバへの忠節で確固とした奉仕の記録を築き上げていました。―出 4:21。

アロンが金の子牛を作ることになった経緯についても考えましょう。モーセはシナイ山に40日います。『民は,モーセが山から下りて来るのに長くかかっているのを見て』,自分たちのために偶像を作るようアロンに迫ります。アロンは言うことを聞き,金の子牛の像を作ります。(出 32:1-6)とはいえ,その後の行動からすると,アロンは偶像礼拝を推し進める動きに心から同調していたわけではないと思われます。圧力に屈したようです。例えば,モーセがこの偶像礼拝の問題を劇的な仕方で扱った時,アロンを含め,レビの子らはみなエホバの側に堅く付きました。偶像礼拝の主な責任を負っていた3,000人は殺されました。―出 32:25-29。

その後モーセは民に,「あなた方は,大きな罪をおかしました」と告げます。(出 32:30)ですから,悪行の罪科を負っていたのはアロンだけではありません。アロンも民も,エホバの大いなる憐れみから益を受けたのです。

金の子牛の出来事があった後のこと,エホバはアロンの大祭司への任職を命じ,こう言われます。「アロンに聖なる衣を着けさせ,油そそぎを行なって彼を神聖なものとするように。こうして彼はわたしに対して祭司の務めを行なうのである」。(出 40:12,13)エホバはアロンの弱さをお許しになったのです。アロンは本質的に,反抗的な偶像礼拝者ではなく,真の崇拝の忠節な擁護者でした。

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