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コリント第一 注釈 4章新世界訳聖書 (スタディー版)
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世に対し,天使たちや人々に対して: この文脈で,「世」に当たるギリシャ語(コスモス)は全人類を指す。パウロは「天使たち」に言及しているが,「世」という語について,目に見えない天使と目に見える人間が含まれるかのように,意味を広げていたのではない。そうではなく,人類という世に加えて天使たちもこの見せ物を見ていると言っていた。コ一 1:20,21,27,28; 2:12; 3:19,22で,パウロはコスモスを人類という世を指して使っているので,ここでも同じ意味に理解できるだろう。
劇場の見せ物: 直訳,「劇場」。ギリシャ語テアトロンは,催し物の行われる場所(使徒 19:29,31)か,この節のように,催し物自体を指せる。パウロは暗に,円形劇場(闘技場)で行われたローマの剣闘競技における恒例の最後の種目に触れていたのかもしれない。その際,出場する幾人かは裸で無防備のまま連れ出され,無残に殺された。コリントの広場の北西には劇場があり,およそ1万5000人を収容できた。その頃には,町の北東の角の円形劇場も使われていたと思われる。それで,コリントのクリスチャンは,使徒たちが「世……に対して,劇場の見せ物」のようになっているというパウロの言葉の意味を十分理解できた。
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