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人間の古い秩序が神の新秩序に道を譲る時!世の苦難からの人間の救いは近い!
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から,主権者なる主エホバのそれら崇拝者たちは,マゴグのゴグの重装備を持つ軍勢に激しく抵抗して手を挙げたりはしません。神にその保護の力を行使して守っていただきます。彼らはエホバの崇拝者たちが同様の侵入を受ける窮境に迫られて預言者が述べた次のような言葉を思い起こし,その言葉に信仰を抱きます。『この大衆のためにおそるゝなかれ 慄くなかれ 汝らの戦ひにあらず エホバの戦ひなればなり』。(歴代下 20:15)全能の神に信頼することは見当違いとはなりません。神はそれをご自分の戦いとします。その戦いは実際,証人たちに対するものではなく,彼らの神であるその方に対する戦いだからです。今や神は本当に怒り,その怒りを表わすのは全く正当なこととなります!
49 (イ)聖書の中でハルマゲドンと呼ばれているあの「場所」は何を意味していますか。(ロ)ご予定の時に,エホバはだれを用いて地上の敵に対するその戦いを遂行なさいますか。
49 今や「全能者なる神の大いなる日」が到来し,エホバの宇宙主権の正しさを立証するその日を印づける「戦争」の時となります。ヘブライ語でハルマゲドンと呼ばれる,あの比喩的な「場所」,全能者なる神とゴグの勢力との間の敵意が爆発しそうになるあの段階に達するのです。(啓示 16:14,16)地上のエホバのクリスチャン証人ではなく,エホバが,今や戦闘隊形を整えた地上の敵に対して戦いを開始されます。エホバはその大元帥,戦士である王イエス・キリストに合図なさいます。イエスとその天の軍勢はその合図に従って直ちに行動を起こし,エホバの名において,あたかも軍馬にまたがってでもいるかのように戦闘に突入します。続いて起こる,宇宙的重要性を持つ戦い,および現代のマゴグのゴグ配下の軍勢の世界的な戦列に何が起きるかは,霊感を受けた聖書巻末の書の中でわたしたちのために描かれています。
ハルマゲドンにおける戦い
50 ハルマゲドンにおける戦いに関する事前の報告の中で,使徒ヨハネは義の側に立って戦う者たちのことをどのように描写していますか。
50 その戦場は象徴的にハルマゲドンと呼ばれています。時は,象徴的な「十本の角,また野獣」によって大いなるバビロンが火のような滅びを被った後と考えられます。(啓示 17:16から19:9)新聞やニュース雑誌の従軍記者のように使徒ヨハネはハルマゲドンにおけるその戦いに関する事前の報告を寄せて,こう書いています。「また,わたしは天が開かれているのを見た。すると,見よ,白い馬がいた。そして,それに乗っている者は忠実かつ真実と称えられ,その者は義をもって裁きまた戦う。彼の目は火の炎であり,頭には多くの王冠がある。彼には記された名があるが,彼自身のほかはだれもそれを知らない。そして,彼は血のかかった外衣で身を装っており,その称えられる名は神のことばである。また,天にある軍勢が白い馬に乗って彼のあとに従っていたが,彼らは白くて清い上等の亜麻布をまとっていた。そして彼の口からは鋭くて長い剣が突き出ている。それによって諸国民を打つためである。また彼は,鉄の杖で彼らを牧する。また,全能者なる神の憤りの怒りの酒ぶねも踏む。そして,彼の外衣に,実にそのもものところに,王の王また主の主と書かれた名がある」― 啓示 19:11-16。
51 (イ)その時,地上にいるエホバの証人はなぜ大きな信仰を必要としますか。(ロ)王の王の口から突き出る「鋭くて長い剣」とは何ですか。
51 王の王の指揮下のそれら「天にある軍勢」はその姿を戦列を整えた地上の諸国家に見せはしません。それで,他を害さない無防備のエホバの証人にとって,非常な窮境の際にそれら天の軍勢の救助を受けられるということを信ずるには信仰が要ります。しかし,それら目に見えない軍勢はその戦闘活動を,悪魔サタンであるマゴグのゴグの指揮下の諸国家すべてに痛感させます。王の王は「鉄の杖で」諸国民を「牧する」ので,彼らは陶器師の陶器のように粉砕される時,その威力を思い知らされます。彼は神のことばです。ですから,その口から突き出る「鋭くて長い剣」とは,諸国民に対して刑を執行するために口から出る裁きの言葉です。彼の口の述べる事は諸国民に対して執行され,彼らは打たれて死にます。
52 (イ)諸国民の経験することはどうして酒ぶねの中のぶどうのそれに似ていますか。(ロ)聖書によれば,エホバの憤りは何によって表わされますか。
52 王の王が『全能者なる神の憤りの怒りの酒ぶねをも踏む』以上,これは諸国民がいわばつぶされることを意味しています。その光景にふさわしく,彼らは途方もなく大きな「酒ぶね」に熟したぶどうのように投げ込まれ,「全能者なる神の憤りの怒り」がそこに投じられて彼らを押しつぶすような影響をもたらします。また,王の王と,馬にまたがったその天の軍勢はつぶす仕事,その象徴的な酒ぶねを踏むことに加わります。酒ぶねを踏む時に出現する象徴的な情景は,全能者なるエホバ神があたかも地震や疫病,はんらんを引き起こす豪雨や雹,火や硫黄,それに多大の流血をもってするようにマゴグのゴグの大軍に対してご自分の憤りや火のような怒りを表わすと言われたことと合致します。―エゼキエル 38:18-22。ヨエル 3:9-16や啓示 14:18-20と比べてください。
53,54 (イ)ハルマゲドンにおける宇宙的な戦いにおける勝者はだれであることが明らかですか。(ロ)戦いが終わる前でさえ,「中天を飛ぶすべての鳥」に対してどんな招きが差し伸べられていますか。
53 霊的なマゴグのゴグの配下で戦闘隊形を整える多国連合軍は,いと高き全能の神エホバの宇宙主権のために戦う,王の王で主の主なる方に対して地歩を保てるなどとどうして考えられるでしょう。国際連合機構また核兵器を備えた諸国家と言えども,決してそうすることなどできるものではありません! ハルマゲドンにおける宇宙的な戦いの際の勝者はだれかという結論の答えは既に分かっています。全能者なる神は敵の死者のしかばねで戦場を覆わせますが,それらしかばねは,中空を飛ぶ,腐肉を食べる鳥すべてのためのいわゆる「神の大きな晩さん」のごちそうとなります。その戦いがなお最後まで行なわれないうちに,太陽の光で飾られたひとりの天の使いがそれらの鳥すべてに向かって,神が彼らのためにハルマゲドンで用意する食事を食べに来るよう差し招く様が描かれています。そのことについて,ニュース記者ヨハネはこう述べています。
54 「わたしはまた,ひとりの使いが太陽の中に立っているのを見た。彼は大声で叫び,中天を飛ぶすべての鳥に言った。「さあ来なさい,神の大きな晩さんに集まれ。王たちの肉,軍司令官たちの肉,強い者たちの肉,馬とそれに乗る者たちの肉,そしてすべての者,すなわち自由人ならびに奴隷および小なる者と大なる者の肉を食べるためである」― 啓示 19:17,18。
55 (イ)それらの鳥は「野獣」や「偽預言者」を食べるよう招かれているのではありません。どうしてでしょうか。(ロ)エゼキエルの預言では,鳥のほかにどんな生き物がその宴に招かれていますか。
55 「中天を飛ぶすべての鳥」が政治的な「野獣」や政治的「偽預言者」の死骸を食べるよう招かれているのでないことは注目に値します。(啓示 13:1-8,11-13; 16:13)ここで描かれているのはまさしく,敵の軍勢の死骸で覆われた戦場の光景です。それはどう猛な野獣を追跡したり,唯一の「偽預言者」を攻撃したりするような光景ではありません。霊的なパラダイスに住む,回復されたエホバの民に対するゴグの軍勢による攻撃に関する預言者エゼキエルの幻の中では,『もろもろの類の鳥』以外のものも,打ち負かされた敵の死骸を食べるよう招かれています。『野のもろもろの獣』も皆,「勇士の肉」『馬と騎者と勇士ともろもろの軍人』を食べるよう招かれています。(エゼキエル 39:17-20)「全能者なる神の憤りの怒りの酒ぶね」の中で天の軍隊によって踏みつぶされる者たちに対するエホバの侮べつや軽べつの念は,殺された敵の死骸を葬らずに鳥や獣のための腐肉のえさとして放置させることによって示されます。
56 啓示 17章はエホバの王を攻撃する,マゴグのゴグ配下の結束した地的勢力をどのように描写していますか。
56 悪魔サタンの結束した見える組織全体がその戦いに加わります。マゴグのゴグの配下で地上の諸勢力がエホバの王の王に敵して結束する様は,七つの頭と十本の角のある集団的な唯一の「野獣」による攻撃として描写されています。この緋色の「野獣」は最初に,偽宗教の世界帝国である大いなるバビロンを滅ぼすものとして描かれています。その集団的な「野獣」の十本の角で表わされている反宗教的政治支配者たちに関して,使徒ヨハネはこう言われました。「これらの者は一つの考えをいだき,それゆえに自分たちの力と権威を野獣に[国際連合に]与える。これらの者は子羊と戦うであろう。しかし子羊は,主の主,王の王であるので,彼らを征服する。また,召され,選ばれた忠実な者たちも彼とともに征服する」― 啓示 17:13,14。
57 (イ)子羊は「主の主,王の王」と呼ばれていますが,このことにはどんな意義がありますか。(ロ)国際連合を表わす「野獣」による襲撃の目標となるのはだれですか。
57 七つの頭と十本の角のある野獣と子羊とが戦うのでは互角の戦いとは思えません。ところが,この預言の象徴的な子羊は,エホバの用いる任命された主の主で王の王ですから,加盟138か国を有する国際連合である象徴的な「野獣」のうちに結束している主や王たちすべてよりも勝っています。彼らは地的な存在ですから,直接子羊と戦おうとしても肉眼ではその子羊を見ることはできません。しかし,「召され,選ばれた忠実な者たち」の油そそがれた残りの者が肉身で地上にいるのを見ることができます。それらの者は王の王また主の主なる方を代表しているゆえに,国際連合の加盟諸国は特に王国の共同相続者の油そそがれた残りの者と戦うことによって,子羊と戦います。この忠実な残りの者と交わっているのは,エホバの宇宙主権をしっかり支持し,立派な羊飼いイエス・キリストに従う「大群衆」の数え切れないほどの成員です。ですから,「大群衆」に属するそれら弟子たちもまた,油そそがれた残りの者と共に反宗教的な国際連合の猛攻撃を受けます。
58 その時,(イ)王の王,(ロ)その地上の臣民はどんな征服を仕遂げますか。
58 象徴的な「十本の角」と緋色の「野獣」は,王の王の地上の忠実な代表者すべてを滅ぼせるものではありません。マゴグのゴグによる攻撃に関する預言的描写の場合のように,「召され,選ばれた忠実な者たち」や「大群衆」が王の王の保護を受けている霊的なパラダイスを一掃できる訳ではありません。(啓示 7:9-17; 12:17)天界のみ使いたちの軍勢と共に王の王は,「野獣」という世界的機構に属する,戦う「十本の角」を文字通り征服します。地上では「召され,選ばれた忠実な者たちも彼[王の王]とともに」,全地を支配する王の王の権利を決して否認せず,永遠の王エホバ神の宇宙主権を決して否定せずにクリスチャンの信仰によって征服します。(啓示 15:3)霊的なパラダイスの仲間の住民の「大群衆」も同様に妥協を拒み,十本の角と七つの頭のある「野獣」の,全地に対する世界支配にかかわる要求に屈することもしません。
59,60 (イ)その時,信仰によって征服するとは言え,中には敵の手にかかって死ぬ人がいるでしょうか。(ロ)このようにしてエホバの主権に対する忠節を実証するよう,それらの人を強めるのはどんな希望ですか。(ハ)その時,油そそがれた残りの者と「大群衆」が敵によって一掃される可能性が果たしてあるでしょうか。
59 信仰によって征服する者たちの中には,エホバのメシアによる王国に激しく反対する者らの手にかかって死を遂げることにより神の宇宙主権に対する忠節を実証することを全能者なる神から許される人たちがいるかもしれません。とは言え,それは彼らがエホバの元帥イエス・キリストの指揮下のみ使いの軍勢によって処刑されるという意味ではありません。
60 宇宙の神の主権のために死ぬそのような忠実な殉教者は,キリストによるエホバの支配の正当性を立証する者として忠実のうちに死にます。エホバの恵みと感謝を受けながら死ぬのです。「いおうで燃える火の湖」で象徴されているような永久の滅びである「第二の死」に投じられることはありません。(啓示 19:20; 20:10,14,15; 21:8)イエス・キリストご自身も死なれたように,神のご予定の時に死人の中から復活させられるという心強い希望を抱いて,征服されることなく死ぬのです。(啓示 2:10; 14:13; 20:4,6,11-13)とは言え,油そそがれた残りの者の成員すべてがエホバのメシアによる王国に反対して戦う者たちによって絶滅される訳ではありません。また,啓示 7章9-14節は,ほかにも「大群衆」の数え切れないほどの成員が「大患難」のその最高潮に生き残ることを保証しています。個々の人は死ぬ場合があるかもしれませんが,残りの者と「大群衆」全体がそうなることはありません。
王の反対者たちを壊滅させる
61 啓示 19章19-21節で使徒ヨハネは,ハルマゲドンで処刑される者たちのことをどのように描写していますか。
61 啓示 19章19-21節で使徒ヨハネは,ハルマゲドンにおける「全能者なる神の大いなる日の戦争」で永遠の命を受けるにふさわしくない者として地上で処刑される者たちについて報じています。その事前のニュース記事の中でヨハネはこう書いています。「そしてわたしは,野獣と地の王たちとその軍勢が,馬に乗っているかた[王の王また主の主]とその軍勢に対して戦いをするために集まっているのを見た。そして,野獣[サタンの世界的政治体制]は捕えられ,それとともに,野獣の前でしるしを行ない,それによって,野獣の印を受けた者とその像[国際連合]に崇拝をささげる者とを惑わした偽預言者も捕えられた。彼らは両方とも生きたまま,いおうで燃える火の湖に投げ込まれた。しかし,そのほかの者たちは,馬に乗っている者の長い剣で殺された。その剣は彼の口から出ているものであった。そして,すべての鳥は,彼らの肉を食べて満ち足りた」。
62 その時,諸国民は反宗教的態度によってどの程度特徴づけられているでしょうか。
62 ハルマゲドンでこの戦争を行なう時分までには大いなるバビロンは絶滅させられています。偽宗教のあの世界帝国の滅びのことがここで述べられていないのはそのためです。完全な無宗教状態が諸国民の間に行き渡るその時までにはまた,もはや大いなるバビロンと淫行を行なえないためにしばしの間泣くような「王たち」はいなくなります。同様に,もはや彼女と共に利己的な商売を行なえないゆえに泣いて嘆き悲しんだ「旅商人」もいません。また,もはや大いなるバビロンと利己的な交易を行なえぬゆえに泣いて嘆き悲しんでいる『すべての船長,またどこであろうと航海をする者もみな,また水夫たちや海で暮らしを立てる者もみな』いなくなります。(啓示 18:9-19)もしそれらの者が大いなるバビロンの滅亡後まで生き残りたいのであれば,龍であるサタンが力と権威と座を与えた,七つの頭と十本の角のある「野獣」の政治的な「像」に対する崇拝は別として徹底的な反宗教の立場に転ぜざるを得なくなります。―啓示 13:1-8; 14:9-11; 16:2。
63 地上の支配者たちによる偽宗教の世界帝国の滅びは,神のメシアによる王国に対する彼らの愛を示すものとなりますか。彼らはそのことをどのようにして示しますか。
63 それで啓示 19章19-21節のその戦いの幻が成就する時には,象徴的な「野獣」と「地の王たちとその軍勢」はあの宗教上の「娼婦」に対する憎しみを表わして,「大いなるバビロン」を片付けてしまっています。彼女は決してエホバの神権政府を代表したことはありません。キリスト教世界と呼ばれる,彼女のあの部分と言えどもそうです。しかし,偽宗教である大いなるバビロンの滅びは,神のメシアによる王国に対する「地の王たちとその軍勢」の側の何らかの愛を示すものではありません。それら地上の王たちとその軍勢は全地に対する独自の政治的主権に対する愛ゆえに神の王国を憎んでいます。そこで今度は,大いなるバビロンがなくなったので,彼らはイエス・キリストとキリストの運営する天の王国に対して戦いを行なうことに注意を集中できます。
64 (イ)残りの者と「大群衆」は「地の王たちとその軍勢」にとってどうして不快な存在ですか。(ロ)敵はどんな手段によってエホバの民に対して戦うと考えられますか。
64 キリストの油そそがれた共同相続者の生き残っている残りの者は,それに彼らの忠節な仲間の「大群衆」もまた,人の住む全地でメシアによる王国の良いたよりを終わりに至るまであらゆる国民に対する証しのために宣明してきたゆえに世の諸国民の標的となってきました。(マタイ 24:14)エホバの宇宙主権のこのような擁護者たちは,「地の王たちとその軍勢」にとって不快で鼻持ちならぬ存在です。それで彼らは思いのままに用い得る政治・軍事・司法・経済上の手段を駆使して戦いを行なうことにより,目に見えない王の王に対する敵意を表わします。「地の王たちとその軍勢」は,やつらを根絶しろ! というスローガンを唱えるでしょう。天の王の王は,油そそがれた残りの者と「大群衆」に対する彼らの敵意のある行動をご自分に対するものとみなされます。最高司令官であられるエホバ神から正確に時を定めて出される合図と同時に,王の王とそのみ使いの軍勢は,神を侮る地上の敵に対する戦いに突入します。
65,66 (イ)啓示 19章20節で描写されているように,神の地上の敵の一致はハルマゲドンでどのようにして打ち破られますか。(ロ)この処置が取られる時,「野獣」や「偽預言者」が「生きたまま」であるということは何を示していますか。(ハ)それらが「いおうで燃える火の湖」に投げ込まれるということは何を示していますか。
65 最初の措置は,地上の敵の一致を打ち砕くことです。それは海から上った「野獣」で象徴されている世界的な政治体制を粉砕することを意味します。それが解体されると共に,第八世界強国つまり「野獣の像」で象徴された世界平和と安全のための全地球的な機構である国際連合が解体され,また第七世界強国すなわち「偽預言者」で象徴されている英米二重世界強国も解体されてしまいます。従って,使徒ヨハネはこう述べています。
66 「そして,野獣は捕えられ,それとともに,野獣の前でしるしを行ない,それによって,野獣の印を受けた者とその像に崇拝をささげる者とを惑わした偽預言者も捕えられた。彼らは両方とも生きたまま,いおうで燃える火の湖に投げ込まれた」。(啓示 19:20)この処置が取られる時,それら政治組織が「生きたまま」であるということは,「全能者なる神の大いなる日の戦争」がハルマゲドンで始まる際,今日のそれら世俗的組織はなお機能していることを示しています。世界を支配している「野獣」と英米「偽預言者」は共に,油そそがれた残りの者とその霊的なパラダイス内の「大群衆」を滅ぼそうと努めている最中に捕らえられます。次いでそれらの組織は解体され,残りの者と「大群衆」を滅ぼす代わりに,神を侮る人間のそれら政治組織が未来永劫にわたって壊滅させられます。その非業の死は,再組織される希望のない「第二の死」となります。ゆえに,それらのものは「いおうで燃える火の湖」に投じられる様が描かれているのです。
67 悪魔サタンとその悪霊たちは,いつあの「火の湖」で「野獣」や「偽預言者」と一緒にされますか。
67 このように,ハルマゲドンにおける「全能者なる神の大いなる日の戦争」の時でさえ,また悪魔サタンが底知れぬ所に入れられて人類に対するキリストの千年統治が始まる前に,ハルマゲドンで王の王とそのメシアの王国に敵して戦う者たちは「第二の死」に処されることが分かります。「第二の死」という処罰は,「いおうで燃える火の湖」で象徴されています。キリストの千年統治が終わった後,神のご予定の時に,悪魔サタンと配下の使いである悪霊すべてはその「火の湖」で,「野獣」および「偽預言者」で表わされた,人間の作ったもろもろの政治組織と一緒にされます。(啓示 20:10)それは「悪魔とその使いたちのために備えられた永遠の火」となります。―マタイ 25:41。
68 人間の見える古い秩序が除き去られると共に,生き残る人たちにはどんなすばらしい見込みがありますか。
68 こうして,宗教上の大いなるバビロンと,七つの頭のある「野獣」や「偽預言者」で表わされている政治組織が悲惨な終わりを遂げると共に,人間の見える古い秩序はこの地のための神の新秩序に道を譲ります。それは人類史上,生き抜くのに最も困難な時期となるでしょう。(マタイ 24:21,22。ダニエル 12:1)しかし,地上にはそれを生き残る人たちがいます。生き残って祝福された神の新秩序に入る人たちは何と幸いでしょう。
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神の新秩序に敵対して戦う者たちの被る非常な災い世の苦難からの人間の救いは近い!
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15章
神の新秩序に敵対して戦う者たちの被る非常な災い
1 ハルマゲドンで何が終わりを告げますか。
ハルマゲドンにおける「全能者なる神の大いなる日の戦争」に際し,地上の悪魔の見える組織は滅ぼされます。これは,それと気づかれずになされている悪魔サタンの監督下で世俗的人間が設けた種々の政府機関の悲惨な終わりを意味しています。(啓示 13:1,2; 16:14,16。ヨハネ 14:30)そして予想通り,人間のそれら諸政府の支配者や支持者たちはハルマゲドンで神のメシアによる王国に敵対して戦います。
2 それらの組織を運営したり支持したりした人たちはどうなりますか。
2 それら政府機関を機能させた政治支配者やその支援者や臣民についてはどうですか。彼らはエホバのクリスチャン証人が世界中で宣明している神のメシアによる王国を無視して運営してきた政治組織もろとも必ず滅びてしまいます。その滅びは,ヨハネへの啓示が戦いの結果について述べる事柄によって示されています。「しかし,そのほかの者たち[すなわち地の王たちとその軍勢]は,馬に乗っている者の長い剣で殺された。その剣は彼の口から出ているものであった。そして,すべての鳥は,彼らの肉を食べて満ち足りた」― 啓示 19:21。
3 啓示 19章17,18節で示されているように,ハルマゲドンの戦場で倒れる死者の中にはだれが含まれますか。彼らの場合,その滅びはどんな種類の滅びですか。
3 『中天を飛ぶ鳥』は殺された王たち,軍司令官たち,強い者たち,馬や騎兵,自由人や奴隷,大なる者や小なる者の腐敗する肉を食べて満腹します。(啓示 19:17,18)王の王に対する戦いを彼らが積極的に支持したのは,イエス・キリストとその忠実な弟子たちに助けとなる事を単にしなかったということよりもはるかに悪質なことです。どちらかと言えば,それらの者は皆,羊とやぎに関するイエスの例え話の中で描かれている象徴的な「やぎ」です。彼らは,戦いを行なう王の王の口から突き出る象徴的な「長い剣」によって,「悪魔とその使いたちのために備えられた永遠の火」に入るよう命じられます。王の口から出る剣のような命令を受けると,神とそのキリストに敵して戦う,それら「のろわれた者たち」は,「去って永遠の切断にはいり」ます。永遠の処罰として一掃され,存在しなくなるのです。―マタイ 25:31-46。
4 古代エルサレムの外の火の燃えるゲヘナについて知られている事から考えて,ハルマゲドンで死骸が片付けられる仕方について述べられている事柄に関してどんな疑問が出されるでしょうか。
4 それら殺されたやぎのような者たちの死骸が,死人の中から復活させられるとの希望をもって墓に葬られるのを使徒ヨハネが見なかったのはそのためです。しかし,それらの死体すべてが啓示 19章20節で述べられている湖,「いおうで燃える火の湖に投げ込まれ」るのではありません。なぜでしょうか。イエスとその使徒たちの時代のエルサレムでは,復活に値しないほど卑劣な者とみなされた,処刑された犯罪者の死体は,同市の南側の城壁からヒンノムの谷つまり「ゲヘナ」に投げ落とされ,そこで硫黄を加えて燃やされている火で焼却されたことを思い起こします。また,もし死体が硫黄の燃える箇所に落ちないと,近くの高温の場所で野ざらしのままになり,死体は一面にわいて群がってはい回るうじによって食い尽くされました。イエスが述べた通りです。「また,もしあなたの目があなたをつまずかせるなら,それを投げ捨てなさい。あなたにとっては,片目で神の王国に入るほうが,二つの目をつけてゲヘナに投げ込まれるよりはよいのです。そこでは,うじは死なず,火は消されないのです」― マルコ 9:43-48。
5 「野獣」と「偽預言者」は「生きたまま」火の湖に投げ込まれるということには,どんな異常な点が見られますか。これは明らかに何を示唆していますか。
5 有罪宣告を受けてヒンノムの谷の火の中に(つまりゲヘナに)投げ込まれた犯罪者の体は死体でしたから,象徴的な「野獣」と「偽預言者」が「いおうで燃える火の湖」に投じられる時,『彼らが両方とも生きたまま,投げ込まれる』のは注目すべきことです。(啓示 19:20)明らかにこれは,それらのものが突如終わりを告げることを意味しています。なお活発に機能しているうちに,それらの政治組織は突然停止し,崩壊させられ,こん跡も残存物も周りに残さずに永遠に解体されてしまいます。腐肉をあさる鳥に食べさせて,骨の多い骸骨をついばんできれいにしてもらうような死骸を戦場に一つも残しません。
6,7 (イ)ハルマゲドンで王国に敵して戦う者たちについて言えば,彼らの永遠の滅びはどのように描かれていますか。(ロ)すべての死体の肉を片付ける方法を聖書はどのように述べていますか。
6 しかし,ハルマゲドンで王国に敵して戦う者たちの永遠の滅びは別の方法で描かれていました。どのように描かれていましたか。エホバはご自分の宇宙主権に敵して反対する者や戦う者たちの死体をもって,「中天を飛ぶすべての鳥」のための血だらけの宴を設けることを意図されました。(啓示 19:17,18)殺された者たちの体は,名誉ある埋葬場で朽ちるのではありません。葬られぬまま,彼らの肉はきれいについばまれて骨だけにされ,身元不明のむきだしの骸骨と化します。殺される者はおびただしいので,それは腐肉をあさる生き物にとって途方もなく大きな宴となるでしょう。ダビデ王は詩篇 110篇5,6節〔新〕で,古代の王メルキゼデクによって予表された王の王である主イエス・キリストに語りかけてこう述べました。「〔エホバ〕はもろもろの国のなかにて審判をおこなひたまはん こゝにもかしこにも屍をみたしめ(たまへり)」。この最後の箇所はこうも訳されています。「彼らの頭骸骨を打ち砕き,彼は広い世界にしかばねを山と積まれる」。(エ)ハルマゲドンにおける戦いの結果,地を覆う死体は,人間の健康上の理由から言って無理のない期間中にその全部を片付け得る,腐肉をあさる鳥よりもずっと多いのはまず明らかなことです。それで,あまった死体は神が他の方法で処分なさると考えるのは当を得ています。
7 エホバの民の回復された残りの者に対するマゴグの地の君ゴグとその大軍の攻撃に関する類似の預言の中で,神に敵して戦って打ち負かされる者たちのしかばねを片付ける際,『もろもろの類の鳥』が『野のもろもろの獣』によって助けられると述べられていることを,わたしたちは思い起こします。それら腐肉をあさる生き物に対しては預言的にこう言われています。『汝らわが席につきて馬と騎者と勇士ともろもろの軍人にあくべしと〔主権者なる〕主エホバいひたまふ』。(エゼキエル 39:17-20〔新〕)それで,ヒンノムの谷で(つまりゲヘナで)腐敗する肉をうじにすっかり食べさせて骨だけにさせる代わりに,ハルマゲドンで殺される敵の死骸はいわば自然界の衛生隊である腐肉をあさる鳥や野獣によってすっかり食い尽くされて骨だけにされてしまいます。
8-12 (イ)エゼキエル書 39章11-20節には,メシアによる王国のかつての反対者たちの骨を片付けるためのどんな備えが述べられていますか。(ロ)骨を埋めるその仕事が『七か月』も続くと言われていることは何を示唆していますか。
8 ハルマゲドンでエホバとそのメシアによる王国に反対する者すべてのまさに当然の何と卑しむべき終わりなのでしょう。しかし,主権者であられる主エホバのかつての反対者たちの,日にさらされて白骨と化すままに,つまりもろい汚れた恐ろしい遺骸と化して崩れる
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