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政治家が立ち向かわねばならない,一変したメシア世の苦難からの人間の救いは近い!
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をあなたの相続財産として,また,地の果てをあなたの所有物として与えよう。あなたは鉄の笏をもって彼らを砕き,陶器師の器のように彼らを粉々にするであろう」。―啓示 2:27; 12:5。ダニエル 2:44。
政治家たちの驚き
28 イエス・キリストと地のあらゆる政治家たちが最終的に対決する時,彼らはどうして「彼をじっと見詰めて驚く」のでしょうか。
28 神の「僕」に関するエホバのこうした預言的な発言に照らしてみると,地の政治家すべてが近い将来相手にしなければならないのは,まさに一変したメシアであることが分かります。その一変した有様は彼らを驚かすほど大変なものとなるでしょう。間もなくこの両者が最終的に対決する時,政治家たちは「彼をじっと見詰めて驚く」ことでしょう。文字通り肉眼で彼を見るというのではありません。エホバ神のための戦士としての彼の力を示す見える証拠を見,またそれらの証拠が挙げられ,高められたこのメシアからのものであることを知るのです。それはキリスト教世界の僧職者がイエス・キリストを宣伝してきた方法とはまるで異なったものとなるでしょう。
29,30 (イ)キリスト教世界の僧職者は世の政治的分子に対してイエス・キリストをどんな方として表わしてきましたか。(ロ)イザヤ書 52書14節で予告されていたように,一世紀当時でさえ起きたどんな事柄によってメシアはどのように『醜い』ものにされましたか。
29 キリスト教世界の僧職者は十字架や教会におけるミサなどによって世の政治的分子にイエス・キリストのことを薄汚い人物と考えさせてきました。イエスはその額にいばらの冠による傷をつけ,手足には血みどろの釘の穴があき,脇には槍を突き刺した傷口のある,杭に釘づけにされた時のそのままの人体を携えて昇天した,と僧職者は主張します。確かにイエス・キリストはある理由のゆえに,耐え難いほどの苦しい恥辱的な死を遂げました。しかし,それ以前にも彼は疑惑をかけられ,はなはだしく偽って伝えられ,律法違反者,安息日を冒す者,気違い,悪霊につかれた者,冒涜者,偽キリスト,欺く者,ユダヤ国民のやっかい者,異教ローマに敵する扇動者として告発されました。確かにイエスの評判はゆがめられ,偽りの告発者たちによって描き出された彼のイメージは,まさに醜くされました。イザヤ書 52章14節(新)の次のような言葉は,特にこのような意味で解すべきものなのです。
30 「その外見の点で醜さは他のだれよりもひどく,その堂々たる形の点でそれは人の子らよりもひどかった」。
31,32 (イ)今日,イエス・キリストは,人間として地上にいた時よりもどのように異なっておられますか。(ロ)イザヤ書 52章15節は間もなく政治家の身の上にどのように成就しますか。
31 不在のイエス・キリストのことを疑い,中傷し,偽って伝えることは,まさしく今日まで続けられてきました。しかし,千九百年後の今日,彼はもはや「赤子のイエス」ではありません。もはや,悪意のある敵に対して無抵抗の,地上の『苦悩する僕』ではありません。彼は今や,上げられ,高められた「僕」,信任を受けた神のメシアなのです。政治家は僧職者に誤導されるまま,エホバの「僕」に敵対し,またその「僕」を無視して何を言ってきたにせよ,地を支配するのはだれかという問題で力を試される来たるべき事態に臨んで,かつて卑しめられた「僕」と対決する時,彼らが軽べつの言葉をそれほど大声で口にするようなことはしなくなるでしょう。その時,政治家は僧職者から詳しく話してもらわなかったことが明白にされるのを実際に見るからです。大いに尊敬されている宗教指導者からの警告として聞かされなかったことを思い巡らさざるを得なくなるでしょう。イザヤ書 52章15節(新)が述べる通りです。
32 「彼は同様に多くの国民を驚がくさせる。彼のことで王たちは口を閉ざす。自分たちに詳しく話されなかったことを彼らは実際に見,自分たちが聞いてはいなかったことを思い巡らさねばならないからである」。
33 エホバのクリスチャン証人がイエス・メシアに関する真理について公に詳しく話してきたのに,政治家たちが「聞いてはいなかった」,またそれゆえに「彼をじっと見詰めて驚く」のはどういうわけですか。
33 それは忠実なエホバのクリスチャン証人がそのようなことを諸国民や王たちに詳しく話して,諸国民や政治支配者たちにそうした事柄を思い巡らさせなかったというのではありません。かえって,それらの人びとは大抵,エホバの「僕」のこれら忠実な追随者が全世界で発表し,叙述的な言葉遣いをもって説明してきた事柄に対して聞こえぬふりをし,見えぬふりをしてきました。それとは逆に,エホバの「僕」が諸国民や政治支配者に敵して実際にどのように戦ってエホバの裁きを執行するかに関する真相を彼らに詳しく話して聞かせなかったのは,有給の僧職者のほうです。エホバがその「僕」を用いて,だれが地とその上の人民を支配すべきかという問題を解決するため,諸国民や王たちに敵して行動を起こす時,それら諸国民や王たちを待ち受けている事柄に関して彼らを盲目にさせてきたのは,有給の宗教指導者たちなのです。したがって,彼らは自分たちの予期していたのとは全く異なるある事柄に遭遇する時,『彼をじっと見詰めて驚き』『口を閉ざ』さざるを得ません。
34 詩篇第二篇は政治支配者たちにどんな警告を与えていますか。しかし,彼らはどうしてそれに答えて行動してきませんでしたか。
34 西暦1914年以来のこの「終わりの時」の時代中,エホバ神は次のような警告を伝えさせるのにキリスト教世界の僧職者を用いてはこられませんでした。「では,今,王たちよ,洞察力を働かせなさい。地の裁き人たちよ,矯正を受けなさい。恐れをもってエホバに仕え,おののきつつ喜びなさい。子に口づけしなさい。彼がいきり立たないため,そして,あなたが道から滅び失せないため。彼の怒りは容易に燃え上がるからです。幸いです,すべて彼のもとに避難する者は」。(詩 2:7,10-12,新)有給の僧職者に頼るがゆえに,ユダヤ民族およびキリスト教世界の政治支配者は,「子に口づけ」しませんでした。つまり,エホバが天のシオンの山に座らせ,『諸国民を相続財産として,また,地の果てを所有物として』お与えになった,その「僕」である天のみ子,イエス・メシアに対して彼らは何らの愛情も示しませんでした。
35 (イ)エホバはだれを用いて,霊感を受けたこの警告を支配者や裁き人たちに伝えてこられましたか。(ロ)これらの証人たちは自ら「子に口づけ」するゆえに,人びとからどう見られていますか。神のみ前で彼らはどんな立場に立っていますか。
35 エホバは政治支配者や法廷の裁き人たちにこのような警告を伝えてきましたが,そのために用いてこられたのはご自分のクリスチャン証人たちでした。それら証人たちは自ら「子に口づけ」し,またそれゆえにあらゆる国民の憎しみの的となり,誤った情報を受けた人びとの目からすれば外見は醜いものとなってきました。(マタイ 24:9)エホバはご自分の忠実で従順な証人たちに対していきりたったり,その怒りが彼らに対して燃え上がったりして証人たちが自分たちの進む道のただ中で滅び失せることはありません。エホバはご自分のもとに避難してきた者たちを見捨てることはなさいません。ですから,その証人たちは世の憎しみを受け,悪意をもってその評判を醜いものにされようとも,今日,地上で最も幸福な民です。彼らは高まる関心を抱きながら,「王たち」つまり諸国民の政治支配者がエホバの高められた「僕」なる一変したメシアの,畏怖の念を引き起こす顕現に際して,じっと見詰めて驚きのあまり口を閉ざす様を見ようと待ち構えています。
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一変するメシアなる「僕」世の苦難からの人間の救いは近い!
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4章
一変するメシアなる「僕」
1 現在の世代の王たちは,エホバのメシアなる「僕」がもたらす,力を示す証拠に対してどのように反応するでしょうか。
人類のこの現在の世代の王たちは,神の組織の中で地位の変化したメシアなる「僕」によって示される来たるべき顕著な事柄を「じっと見詰めて驚く」ことでしょう。そして,エホバの「僕」なるメシアが一変したことを確証する,畏怖の念を引き起こす証拠を思い巡らす時,口を閉ざして沈黙するでしょう。―イザヤ 52:13-15。
2 メシアなる「僕」が一変することは,諸国民の「王たち」にとっても,あるいは地の住民の他の人びとの大多数にとっても良いたよりでないのはなぜですか。
2 メシアなるその「僕」が一変するのは極めて重大なことです。さもなければ,エホバは西暦前8世紀にご自分の預言者イザヤを用いてそのことに注意を喚起させはしなかったでしょう。それは本当
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