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    生命 ― どのようにして存在するようになったか 進化か,それとも創造か
    • 第11章

      生き物に見られる驚くべき設計

      1,2 (イ)科学者たちが設計者の存在を認めるどんな例がありますか。(ロ)しかし,どのような面で彼らはその見方をすっかり変えていますか。

      人類学者たちは,地中を掘って,三角形になった鋭い火打ち石の断片を見つけると,それは,矢じりとするためにだれかがそのように設計したものに違いない,と判断します。そのように,何かの目的のために設計されたものは偶然の所産であるはずはないと,科学者たちは一致して考えるのです。

      2 しかし,生物に関する事になると,その同じ論理がしばしば放棄されてしまいます。設計者は必要ではない,とみなされるのです。しかし,最も単純な単細胞の生物,あるいはそれが持つ遺伝の暗号であるDNAでさえ,形を整えられた火打ち石の断片よりはるかに複雑な作りなのです。それでも,進化論者たちは,それらの生物体に設計者などはおらず,一連の偶然の出来事によってそのように形造られた,と主張します。

      3 ダーウィンはどんなことの必要を認めていましたか。彼はその必要をどのように満たそうとしましたか。

      3 しかし,ダーウィンは,設計のための何らかの力の必要を認め,それを自然選択の働きに帰しました。彼はこう述べました。「自然選択は,毎日,毎時,全世界で,どんなにわずかな変異をも綿密に吟味している。良くないものを退け,良いものすべてを保存し,かつ蓄積しているのである」。1 しかし,現在この見方は受け入れられなくなっています。

      4 自然選択に関する見方はどのように変化していますか。

      4 ステフェン・グールドの伝えるところによると,現代の多くの進化論者は,本質的な変化は,「自然選択によるのではなく,むしろ無作為の過程で個体群に広がってゆくのかもしれない」と述べています。2 ゴードン・テイラーもそれと同じ見方をこう述べています。「自然選択は実際に起きている事柄のわずかな部分の説明にはなる。大部分は説明されないままである」。3 地質学者デイビッド・ロープはこう述べています。「今日,自然選択に代わる重要なものは,純然たる偶然性の効果と関連している」。4 しかし,「純然たる偶然性」が設計を行なうのでしょうか。それは,生物の基本的な成り立ちに見られる,そのきわめて複雑な仕組みを造り出すことができるのでしょうか。

      5 設計性と,その源とについて,一進化論者はどんなことを認めていますか。

      5 進化論者リチャード・レウォンティンは,それぞれの生物体が「注意深く,しかも巧みに設計されているように思え」,そのためにある科学者たちがそれを,「至上の設計者が存在する主要な証拠」とみなしていることを認めました。5 そのような証拠の幾つかについて考えてみるのは有益でしょう。

      小さなもの

      6 単細胞生物の作りは本当に単純であると言えますか。

      6 一番小さな生き物,すなわち,単細胞の生物から始めましょう。一生物学者は,単細胞の動物も「食物を捕らえ,それを消化し,老廃物を排せつし,動き回り,家を建て,性行為を営んで」おり,「組織も,器官も,心臓も,脳髄もないのに,我々の持つすべてのものをまさに得ている」と述べています。6

      7 珪藻はどのように,またどんな目的でガラスを造りますか。それは海洋の生物にとってどれほど重要なものですか。

      7 単細胞の生物である,珪藻<ケイソウ>類は,海水からけい素と酸素を取ってガラス状のものを造り,それを使って,自分たちの葉緑素を入れる小さな“丸薬容器”をこしらえます。それは,重要さの面でも,美しさの面でも,科学者が次のように嘆賞するところとなっています。「宝石箱に収められたこれらの緑の葉は,海洋に生息するすべてのものが取り入れる食物の10分の9を占める牧草となっている」。その食物としての価値の大きな部分は,珪藻類が造り出す油分にあり,それはまた,珪藻が水面近くを浮遊するのを助け,それによって珪藻の葉緑素は太陽の光を浴びられるようになっています。

      8 珪藻は自分をどんな複雑な形で覆いますか。

      8 この同じ科学者によると,珪藻の,美しいガラス状の覆いは「円,四角,盾形,三角,楕円,長方形など,戸惑うほど様々な形をしており,それらはすべて,幾何学模様のエッチングで絶妙の装飾を施されて」います。その科学者はさらにこう述べています。「それらは,純粋ガラスに非常に優れた技法で線条細工を施したようになっており,その模様の間にはめ込むとすれば,人間の髪の毛でさえ縦に400枚に薄く切らねばならないだろう」。7

      9 放散虫が建てる家にはどんな複雑な作りのものがありますか。

      9 海洋に住む動物の一種で,放散虫と呼ばれるものもガラスを造り,それを用いて,「中心の水晶状の球体から,細長くて透明の突起が放射状に出た,日輪型のガラス玉」を造り上げます。あるいは,「ガラスで六角形の支柱を造り,それを使って簡単なジオデシック・ドームを構成している」場合もあります。この顕微鏡的な建築家のあるものについてはこう述べられています。「この優秀な建築士にとってジオデシック・ドームは一つだけでは足りない。レースのような格子状のドームを順次三つ重ねることが必要なのである」。8 ここに見られる設計のすばらしさは言葉では言い尽くせません。絵で描くことしかできないのです。

      10,11 (イ)海綿はどんな生き物ですか。海綿を完全に砕いても,個々の細胞はどのようになりますか。(ロ)海綿の骨格に関するどんな疑問に進化論者たちは答えることができませんか。しかし,わたしたちにはどんなことが分かりますか。

      10 海綿は数百万の細胞から成り立っていますが,その細胞の種類はほんの数種類にすぎません。大学の一教科書はこう説明しています。「それらの細胞は組織や器官を構成してはいないが,細胞相互の間にはある種の認識があって,互いを連結し,組織化している」。9 海綿をすりつぶし,布目に通して,その数百万の細胞をばらばらにしたとしても,それらの細胞は再び結合して,海綿の体を再生します。海綿は非常に美しいガラスの骨格を造り上げます。中でもとりわけ見事なものは,“ビーナスの花かご”(カイロウドウケツ)と呼ばれています。

      11 これについて,一科学者はこう述べています。「針状珪石でできていて,[ビーナスの花かご]として知られるものなど,複雑な海綿の骨格を見ると,想像を超越したものがそこにあることを感じさせられる。どうして疑似独立性の顕微鏡的な細胞群が共同して,百万ものガラス状の突起を分泌し,これほど入り組み,しかも美しい格子模様を造り上げるのだろうか。我々には分からない」。10 しかし,わたしたちは一つのことをはっきり知っています。すなわち,偶然はその設計者ではないということです。

      共同の関係

      12 共生とはどういうことですか。どんな例がありますか。

      12 二種類の生物が一緒に生活するように設計されていると思われる例が数多く存在します。そのような共同の関係は,共生(一緒に生活すること)として知られています。ある種のイチジクとコバチは繁殖のために互いを必要としています。シロアリは木を食べますが,それを消化するため,自分の体内に原虫類を必要としています。同じように,牛,ヤギ,ラクダなども,自分の体内で生きているバクテリアや原虫類の助けがなければ,草の中の繊維質を消化できません。ある報告書はこう述べています。「乳牛の胃で,そのような消化がなされる部分はおよそ100クォート(約95㍑)の容積があるが,そこには一滴あたり100億もの微生物がいる」。11 藻類と菌類も組になって地衣類の植物を構成しています。そのようなチームを組むことによって初めて,それらはむき出しの岩はだでも生育し,岩を土に変えてゆくのです。

      13 ハリアリとアカシアの木との共同関係はどんな疑問を抱かせますか。

      13 ハリアリはアカシアの木の,中空になったとげの中に住んでいます。これらのアリは,葉っぱを食べる昆虫を木に寄せつけず,その木にはい上ってくるつる植物を断ち切ります。代わって,アカシアの木は,アリが好む糖液を分泌し,また,小さな偽果をつけ,それがアリの食物となります。アリが最初にその木を保護し,そののち木がアリに果実のお礼をするようになったのでしょうか。それとも,木がアリのために果実を作り,そののち,アリが感謝して保護の役を引き受けるようになったのでしょうか。あるいは,そのすべては,たまたま同時にそのようになったのですか。

      14 花は昆虫を引き寄せて受粉を行なうためにどんな特別の備えや仕組みを用いていますか。

      14 そのような協力の関係は,昆虫と花との間にも数多く見られます。昆虫は花の受粉を助け,一方花は昆虫に花粉と花蜜を供給します。ある種の花は二種類の花粉を造ります。一方は受精のためであり,もう一方は生殖不能ですが,訪問してくる昆虫のえさになります。昆虫を花蜜に案内する,特別の模様や香りを持つ花も数多くあります。その道筋をたどる間に昆虫は花に受粉をさせるのです。引き金の仕組みを持つ花もあります。昆虫がその引き金に触れると,花粉を入れた袋である葯が昆虫の体にぶつかります。

      15 ウマノスズクサはどのような方法で他花受粉を確実に行なえるようにしていますか。これはどんな疑問を起こさせますか。

      15 例を挙げれば,ウマノスズクサ属の植物は自分で受粉することができず,昆虫に別の花から花粉を持って来てもらうことが必要です。この植物には管状の葉があって花を包んでおり,その葉にはろうのようなものが塗ってあります。花のにおいに引き寄せられた昆虫は,その葉の上に着地しますが,すべすべしたすべり台をすべって,下部の部屋の中に落ちます。その場所で,成熟しためしべの柱頭は,昆虫が運んで来た花粉を受け,こうして受粉が行なわれます。しかし,そののち三日の間,昆虫は,毛と,ろうを塗ったすべり台とのためにそこから動けません。その後,その花自身の花粉が熟成して,昆虫の体に振りかけられます。こうして後に,毛はしおれ,ろうを塗った葉はそり返って平らになります。昆虫は歩いて外に出,新たに集めた花粉を携え,別のウマノスズクサのところに飛んで行って,それを受粉させます。昆虫はそこを三日間も訪問していることを苦にしません。昆虫たちのためそこに蓄えられた花蜜を十分楽しむことができるからです。このすべては偶然に生じたのでしょうか。それとも,それは理知ある設計の結果でしょうか。

      16 ある種のオフリス蘭やつるべ蘭はどのような方法で自分の受粉を行なっていますか。

      16 ある種のオフリス蘭は,その花びらに,目や,触覚や,羽までそろった,雌のジガバチの絵を持っています。それは,交尾中の雌のにおいさえ出すのです。雄は交尾のためにそこにやって来ますが,花の受粉を助けるだけで出て行きます。別の蘭で,“つるべ蘭”と呼ばれるものは,発酵した花蜜を備えていて,それでハチをちどり足にさせます。ハチは液体の入ったつるべの中にすべり落ち,そこから出る唯一の方法は,そのハチに花粉を振りかける仕組みになったさおの下でもがくことなのです。

      自然界の“工場”

      17 葉と根は植物を生長させるためにどのように共同して働いていますか。

      17 植物の緑の葉は,直接にも間接にも,世界の食物源です。しかし,葉っぱは細い根の助けがなければ機能できません。幾百万本もの細根 ― 一本一本の根の先端には保護の帽子がかぶせてあり,その帽子一つ一つには潤滑剤が塗ってある ― は土の中を押し進んで行きます。油を塗った帽子の手前側に生じる根毛は水とミネラル類を吸収し,それらは辺材部の細い水路を通って葉まで上って行きます。葉の中では糖分とアミノ酸が造られ,それらの栄養素は樹木全体に,また根の中に送られます。

      18 (イ)水はどのようにして根から葉に達しますか。このシステムがただ必要をまかなう以上のものであることを何が示していますか。(ロ)蒸散とは何ですか。それは水の循環にどのように寄与していますか。

      18 木その他の植物に見られる循環システムの幾つかの特色は非常に驚くべきものであり,多くの科学者はそれをほとんど奇跡的なものとみなしています。まず,どのような仕組みで水が地上数十メートルの高さにまで汲み上げられるのでしょうか。根圧がまず水を押し上げますが,樹幹では別の仕組みがそれに代わります。水の分子が凝集によってつながり合うのです。水が葉から蒸発するにつれ,水の細い柱は,この凝集作用により,ちょうどロープを引っぱるようにして上へ引っぱられます。これは根から葉まで達するロープであり,1時間に60㍍も進みます。このシステムは木の中を伝って3㌔もの高さにまで水を持ち上げることができる,と言われています。余分の水が葉から蒸発(蒸散と呼ばれる)してゆくにつれ,幾十億トンもの水が空気中に戻り,それが再び雨となって地上に降ります。見事に設計されたシステムではありませんか。

      19 ある種の根とバクテリアとの共同関係によってどんな重要な仕事がなされていますか。

      19 それだけではありません。葉は,大切なアミノ酸を造るために,硝酸塩や亜硝酸塩を地中から取り入れることが必要です。ある程度の量は稲妻や,ある種の自由生活型のバクテリアの働きで土壌中に造られます。窒素の化合物は,エンドウ,クローバー,大豆,ムラサキウマゴヤシなど,マメ科の植物によっても豊富に形成されます。ある種のバクテリアはマメ科植物の根に入り,その根はバクテリアに炭水化物を供給し,バクテリアは,土壌中の窒素を変えて,もしくは固定させて,利用しやすい硝酸塩や亜硝酸塩にします。その産出量は,毎年,1㌶当たり220㌔ほどになります。

      20 (イ)光合成によって何がなされていますか。それはどこで起きますか。その過程について理解しているのはだれですか。(ロ)一生物学者はそれをどのようにみなしていますか。(ハ)緑の植物をどのように呼ぶことができますか。それはどのような点で優れていますか。どんなことを尋ねるのは適切ですか。

      20 さらに別の点もあります。緑の葉は,太陽のエネルギーと,空気中の炭酸ガス,また根からの水を利用して糖分を造り,酸素を放出します。この過程は光合成と呼ばれ,葉緑体と呼ばれる,細胞内の小さな粒の中で起きます。それは非常に小さな粒で,この文の終わりにある丸の中に40万粒も入るほどです。科学者たちはこの過程について十分には理解していません。「光合成には,およそ70もの別個の化学反応が関係しており,それはまさしく奇跡的な事柄である」と,一生物学者は述べています。12 緑の植物は,自然界の“工場”と呼ばれてきました。美しく,静かで,汚染源とならず,酸素を生産し,水を循環させ,世界に食物を供給する工場なのです。これはただ偶然に生じたことなのでしょうか。そのようなことを本当に信じられますか。

      21,22 (イ)二人の著名な科学者は,自然界に働いている理知についてどのように証言していますか。(ロ)聖書はこの点についてどのように筋道の通った考え方を提出していますか。

      21 そのようなことは信じがたいと考えるようになった人々の中には,世界の最も著名な科学者たちもいます。それらの人々は,自然界に理知の働きを認めるのです。ノーベル賞を受けた物理学者,ロバート・A・ミリカンは,進化論を信じてはいますが,アメリカ物理学会のある会合ではっきり次のように述べました。「我々の限界を定める神格者が存在する。……純然たる唯物論的哲学はわたしにとって無知の極みである。どの時代でも,知恵ある人々は,少なくとも敬虔な気持ちを抱くべきことだけは学んだのである」。その話の中で彼はアルバート・アインシュタインの有名な言葉を引用しましたが,アインシュタインは,「自然界に表明されている英知のごく微少の部分を理解しようと謙遜に努める」と述べていました。13

      22 限りない変化や,驚くほどのち密さなど,設計の証拠はわたしたちの周囲いたるところにあり,至上の理知の働きを物語っています。この結論は聖書の中でも示されており,聖書はその設計を創造者に帰しつつ,『その見えない特質,すなわち,そのとこしえの力と神性とは,造られた物を通して認められ,世界の創造以来明らかに見えるのであり,それゆえに彼らは言い訳ができない』と述べています。―ローマ 1:20。

      23 詩編作者は道理にかなったどんな結論を言い表わしていますか。

      23 わたしたちの周囲の生物に豊富に見られる設計の証拠について考えるとき,その背後にあるものは,他からの方向付けのない偶然の働きである,というような見方は,全く「言い訳」ができないもののように思えます。そして,詩編作者が次のように述べて,理知ある創造者に誉れを帰しているのは,いかにも道理にかなったことなのです。「エホバよ,あなたのみ業は何と多いのでしょう。あなたはそのすべてを知恵をもって造られました。地はあなたの産物で満ちています。これほど大きく,広いこの海,そこには無数の動くものがいます。生き物が,小さいのも大きいのも」― 詩編 104:24,25。

  • だれがそれを最初に行なったか
    生命 ― どのようにして存在するようになったか 進化か,それとも創造か
    • 第12章

      だれがそれを最初に行なったか

      1 一生物学者は人間の発明家たちについて何と述べましたか。

      「我々は自分たちが思っているような,いろいろな物事の創始者ではないのではないかと,わたしは考えている。我々はただ,既にあった物事を繰り返して行なっているにすぎない」と,一生物学者は述べました。1 多くの場合,人間の発明家は,植物や動物がこれまで幾千年も行なってきた事柄をただ繰り返しているにすぎません。こうして生物を模倣することは非常に広く行なわれており,それには,生物工学<バイオニクス>という名前さえ与えられています。

      2 人間の工学技術と自然の技術とについて別の科学者はどんな比較をしましたか。

      2 別の科学者は,人間の工学技術のほとんどすべての基礎的な分野は「生物によって既に開発され,有効に利用されていた。……それは人間の知能が,それらの機能を理解し,修得するようになる以前のことであった」と述べています。興味深いことに,その科学者はさらにこうも述べています。「多くの分野で,人間の工学技術はいまだに自然界よりずっと遅れをとっている」。2

      3 バイオニクスの例について考える際,どんな問いを念頭に置くべきですか。

      3 発明家たちが模倣しようと努めてきた,生物の持つこれらの複雑な能力について考えてみるとき,それらがすべて偶然によって生じたとするのは,道理にかなったことと言えるでしょうか。しかも,ただ一度ではなく,相互の関連のない生き物のあいだで何度も生じているのです。そのように入り組んだ設計は優秀な設計者だけがなしうるものであることを,わたしたちは経験によって学んでいるのではないでしょうか。才能のある人々が後になってようやく模倣できるようになった物事を,ただの偶然が造り出せたということを,あなたは本当に信じることができますか。このような問いを念頭に置いて,以下の例について考えてみてください。

      4 (イ)シロアリはどのようにして自分の住まいに冷房を施していますか。(ロ)科学者はどんな問いに答えることができませんか。

      4 空調設備。現代の工学技術によって多くの家には冷房設備が施されています。しかし,それよりずっと前から,シロアリの仲間は自分の住まいに冷房を施しており,今でもそれを行なっています。彼らの巣は大きな土塁の中央部にあります。温まった空気はそこから上にのぼっていって,網の目状になった,表層近くの気道に入ります。古くなった空気はそこから通気性のある外壁を通って拡散し,同時に新鮮な冷たい空気がしみ込んできて,土塁の下部にある気室に入ります。冷たい空気はそこから巣の中に循環してゆきます。土塁によっては,底の部分に幾つか穴があいていて,そこから新鮮な空気が入るものもあり,また暑い季節には,地下から引き込まれた水が蒸発して空気を冷やす仕組みにもなっています。どのようにして幾百万匹もの盲目の働き手がその努力を統一して,このように工夫に富み,立派に設計されたものを建設するのでしょうか。生物学者ルイス・トーマスはこう答えています。「彼らが集団的な知恵のようなものを発揮するというまぎれもない事実,これは神秘である」。3

      5-8 飛行機の設計者たちは鳥の翼からどんな事を学んできましたか。

      5 飛行機。飛行機の翼の設計は,多年にわたり,鳥の翼を研究することによって多くの益を得てきました。鳥の翼の湾曲のぐあいは,重力による下への引っぱりに打ち勝つために必要な浮力を作り出しています。しかし,翼があまり上向きになると,失速の危険があります。失速を防ぐため,鳥の翼には,その最前部である前縁のところに,翼の傾きが増すにつれて飛び出てくる数列の羽毛,すなわち下げ翼のようなものがあります(1,2)。これらの下げ翼は,空気の主な流れが翼面から離れないようにすることによって浮力を維持します。

      6 乱気流に対応し,“失速墜落”を防ぐためのもう一つの特色は,小翼(3),すなわち,鳥が自分の親指のように持ち上げることができる小さな羽毛の束です。

      7 鳥の場合にも飛行機の場合にも,翼の先端部では小さな渦ができて,それが飛行に対する抵抗力となります。鳥は二つの方法でこの抵抗を減らしています。アマツバメ,アホウドリなどの鳥は,先端のとがった,細くて長い翼を持っており,そのような設計になっていると,渦はほとんど起きません。他の鳥,例えばオオタカ,ハゲワシなどは,大きな渦を作る,幅の広い翼を持っていますが,それらの鳥は,翼の先端,すなわち翼端部を,手の指のように広げることによって,これを防いでいます。それによって,そのずんぐりした翼端は幾つかの細くてとがった部分に分かれ,渦と抗力は減少するのです(4)。

      8 飛行機の設計者はこれらの特色の多くを取り入れてきました。翼の湾曲のぐあいによって浮力を生み出せます。種々の下げ翼や突起を設けて,空気の流れを制御させ,またブレーキの働きをさせることができます。小型の飛行機の中には,平らな板を翼の表面に適当な角度で取り付けることによって,翼端の抗力を減少させているものもあります。しかし,飛行機の翼はいまだに,鳥の翼に見られる工学上の優秀さにはかないません。

      9 凍結防止剤を用いる点でどんな動物や植物は人間に先んじていましたか。それはどれほど効果的なものですか。

      9 凍結防止。人間は自動車のラジエーターに入れる凍結防止剤としてグリコールを用いています。しかし,ある種の微小な植物は,化学的な性質のよく似たグリセロールを用いて,南極の湖沼の中でも凍結を防いでいます。それは,零下20度の寒さでも生き延びる,ある種の昆虫にも見いだされます。自分自身で凍結防止剤をこしらえて,南極の極寒の水域で生きている魚もいます。ある種の樹木は零下40度の寒さにも耐えますが,それは,「氷の結晶がその周りにできやすい塵やほこりの粒のない,非常に純粋な水」を蓄えているためです。4

      10 ある種のゲンゴロウは水中で呼吸するための仕掛けをどのように造り,また利用していますか。

      10 水面下での呼吸。人はボンベを背中にくくりつけて,水面下に1時間ほどはもぐっていられます。ゲンゴロウ類の中には,もっと簡単な方法で,ずっと長く水の中にもぐっているものもあります。彼らは気泡をかかえて潜水するのです。その気泡は肺の役もします。それはその虫から炭酸ガスを取り去って水の中に散らし,水に溶けている酸素を集めて,虫はそれを用いるのです。

      11 生物時計は自然界にどれほど広く見られますか。その例としてどんなものがありますか。

      11 時計。人間が日時計などを用いるよりずっと前から,生物体内の時計は時を正確に刻んでいました。干潮になると,顕微鏡的な植物である珪藻は,ぬれた砂浜の表面に出て来ます。潮が満ちてくると,珪藻は再び砂の中にもぐってゆきます。しかし,潮の満ち干などのない実験室の砂の中でも,珪藻が持つ時計は,潮の干満の時刻に合わせて,珪藻を上がってこさせたり沈ませたりします。カニの一種であるシオマネキは,引き潮になると黒ずんだ色になって出て来ますが,満潮の間は明るい色になって自分の穴に引きこもっています。海から離れた実験室の中でも,シオマネキはなおも潮の変化に時を合わせ,潮が満ちたり引いたりする時刻に応じて色を明るくしたり暗くしたりします。鳥は,時の経過とともに位置を変えてゆく太陽や星を見ながら長い渡りをすることができます。鳥は,そうした変化に応じて補正される体内時計を持っているに違いありません。(エレミヤ 8:7)顕微鏡的な植物から人間にいたるまで,無数の体内時計が正確に時を刻んでいます。

      12 人間がそぼくな羅針儀を用い始めたのはいつごろですか。それはずっと以前からどのように用いられていましたか。

      12 羅針儀。西暦13世紀ごろ,人間は,鉢に入れた水の中に磁針を浮かせた,そぼくな羅針儀を用いるようになりました。しかし,それは決して新しい発明ではありませんでした。バクテリアは,羅針儀として用いるのにちょうど良い大きさの,線状になった磁鉄鉱の粒子を体内に持っています。これらが彼らをその好みの環境に導きます。磁鉄鉱は,鳥,ミツバチ,チョウ,イルカ,軟体動物など,他の多くの生物の体の中にも見いだされています。実験によると,伝書バトは,地球の磁場を知覚して元の場所に戻ることができます。渡りをする鳥が自分の方向を定める方法の一つはその頭の中にある磁気コンパスによることが,今では広く認められています。

      13 (イ)マングローブは塩水の中でどのようにして生きることができますか。(ロ)海水を飲むことができるのはどんな動物ですか。どうしてそれを行なえるのですか。

      13 塩分の除去。人間は,大規模な工場を建設して,海水から塩分を取り除いています。マングローブの木は,海水を吸い取っても,膜構造によって塩分をこし取ることのできる根を持っています。マングローブの一種,アビセンニアは,その葉の下側にある腺を用いて余分の塩分を除いています。カモメ,ペリカン,ウミウ,アホウドリ,ウミツバメなどの海鳥は,海水を飲みますが,その頭部にある腺で,自分の血液に入る余分の塩分を取り除いています。また,ペンギン,ウミガメ,ウミイグアナなども,海水を飲んで,余分の塩分を除くすべを知っています。

      14 電気を起こす生き物としてどんなものがいますか。

      14 電気。バッテリーで電気を起こすことのできる魚は500種類ほどいます。アフリカナマズは350ボルトの電気を起こし,また,北大西洋のオオシビレエイは,60ボルト,50アンペアの瞬間波動を出します。南アメリカのデンキウナギが出す衝撃は886ボルトもあることが測定されています。「魚類で,発電器官を持つ種を含んでいることが知られているものは,11の科に及ぶ」と,一化学者は述べています。5

      15 動物はどんな様々な農牧作業を営んでいますか。

      15 農場経営。人間は長年にわたって地面を耕し,家畜を飼ってきました。しかし,それよりずっと前から,ハキリアリは野菜の栽培をしていました。彼らは,葉っぱと自分たちの糞でこしらえた堆肥の中でキノコを育てて食物にするのです。アリの中には,アリマキを家畜にし,乳を絞るようにして,アリマキの出す甘い蜜を吸い,アリマキをかくまうための小屋を建てるものさえいます。収穫アリは地下の穀物倉にいろいろな種子を蓄えます。(箴言 6:6-8)ある種の甲虫はアカシアの木の枝おろしをします。ナキウサギとマーモットは干し草を刈り,保存処置をして,それを貯蔵します。

      16 (イ)ウミガメ,アリゲーター,またある種の鳥は自分たちの卵をどのようにしてふ化させますか。(ロ)雄のツカツクリの仕事はどうして非常に難しいものと言えますか。どのようにしてそれを行なっていますか。

      16 ふ卵器。人間は卵をふ化させるためにふ卵器を造りますが,この点で人間は先んじてはいませんでした。ウミガメとある種の鳥は自分たちの卵を温かい砂の中に産んでふ化させます。温かい火山灰の中に卵を産みつけて,そこでふ化させる鳥もいます。ワニの一種であるアリゲーターは時おり,自分の卵を腐りかけた草木で覆い,それで熱を発生させます。しかし,この点でエキスパートは,“ユーカリ鳥”(ツカツクリ)の雄です。その雄鳥は大きな穴を掘り,その中に植物質のものを詰め,その上に砂をかけます。草木の葉が発酵してその塚を温め,雌鳥は6か月間,毎週一つずつその中に卵を産みます。その間ずっと,雄は自分のくちばしを塚の中に突き入れて,その温度を調べます。砂を加えたり取りのけたりして,雄は,氷点下の気候から非常に暑い時季まで,自分のふ卵器を摂氏33度に保つのです。

      17 タコとイカはジェット推進をどのように応用していますか。関連のない他のどんな動物もそれを行なっていますか。

      17 ジェット推進。今日飛行機で空を飛ぶ場合,その飛行機はたいていジェット推進装置で飛行することでしょう。同じようにジェット装置で動き,幾千年もそのようにしてきた動物がたくさんいます。タコもイカもこの点で優れています。彼らは特別の袋の中に水を吸いこみ,その後,強力な筋肉でそれを排出し,その勢いで自分を前に進ませます。同じようにジェット推進を利用しているものとしては,オウムガイ,ホタテガイ,クラゲ,トンボの幼虫,さらには大洋のある種のプランクトンなどがいます。

      18 照明装置を持つ多くの植物や動物の例としてどんなものがありますか。どんな点でそれらの照明は人間の造ったものより効率的ですか。

      18 照明。電球の発明はトーマス・エジソンの功績とされています。しかし,それは熱のかたちで多くのエネルギーを失っているため,それほど効率的なものではありません。光を点滅させるホタルはこの点でもっと良い仕事をしています。エネルギーのむだのない,熱の出ない光を発生させているからです。海綿,菌類,バクテリア,種々の虫の仲間にも,明るく発光するものがいろいろいます。かぶと虫の幼虫で,“鉄道虫<レールロード・ワーム>”と呼ばれるものは,赤い“ヘッドライト”と,左右11対の,白または薄緑の“窓”を付けた模型列車が進んでゆくかのようです。魚類の中にも光を発するものが多くいます。その二,三の例を挙げれば,マツカサウオ,チョウチンアンコウ,ハダカイワシ,ホウライエソなどがおり,またホタルイカも知られています。波の砕ける海原では,幾百万もの微生物が光り,きらめきます。

      19 人間よりずっと前に紙を造っていたのはだれですか。そのように紙を造る動物の一つは自分の住まいにどのように断熱処置を施していますか。

      19 紙。エジプト人は数千年前にそれを造りました。それでもエジプト人は,アシナガバチ,スズメバチなどのハチの仲間よりずっと遅れていました。これら羽を持つ働き人たちは,古くなった木をよくかんで灰色の紙を造り,それで自分たちの巣をこしらえます。スズメバチは大きな丸い巣を木にかけます。その外側の覆いはじょうぶな紙を何枚も重ねたものですが,その紙の間は幾層もの断熱空気層になっています。これは,その巣に対して,厚さ40㌢のレンガ壁と同じほど,暑さ寒さの断熱効果を持つのです。

      20 ある種のバクテリアはどのような方法で動き回りますか。一科学者はそれについてどのように述べましたか。

      20 回転式エンジン。回転式エンジンの製作という点では,顕微鏡的な生物であるバクテリアのほうが,人間より幾千年も先んじていました。バクテリアには毛のような延長線が幾本もあり,それが絡み合って,コルク抜きのような固いらせんになっています。バクテリアはこのコルク抜きを船のスクリューのように回転させて前進します。そのエンジンは,逆回転させることもできるのです。しかし,それがどのような仕組みになっているかは,十分には理解されていません。一報告書は,バクテリアが時速48㌔相当ものスピードを出せることを伝え,「自然は事実上,車を発明していた」と述べています。6 一研究者はこう結論しています。「生物学における最も空想的なアイデアの一つが真実になった。すなわち,自然は回転式のエンジンをまさに生み出していたのである。それには,軸継ぎ手,回転軸,軸受け,回転力伝動装置などがことごとく備わっているのである」。7

      21 全く関連のない数種のどんな動物が音波探知装置を用いていますか。

      21 音波探知器。コウモリやイルカの音波探知の能力は,人間がそれをまねて造ったものより勝っています。細い針金を張りめぐらした暗い部屋の中でも,コウモリはその中を飛び回って,決して針金に触れません。彼らの発する超音波の信号がそれらの物体に当たってはね返り,コウモリは音響定位<エコーロケーション>によってそれらを避けるのです。イルカやクジラも水の中でこれと同じことを行なっています。アブラヨタカも,自分たちが巣にしている暗い洞くつを出入りする際にエコーロケーションを応用し,自分たちの導きとなる鋭いカチカチという音を出します。

      22 潜水艇の応用している重量調節の原理が関連のない数種の動物にどのように作用していますか。

      22 潜水艇。人間が発明するよりも前から多くの潜水艇が存在していました。顕微鏡的な生物である放散虫は自分の原形質の中に油の小滴を持っており,それを用いて自分の重量を調節し,海の中で上昇したり下降したりしています。魚類は浮き袋の中の気体を出し入れして,自分の浮力を変えています。オウムガイは,自分の殻の中に幾つもの部屋もしくは浮きタンクを持っています。オウムガイはそれらのタンクの中の水と気体の比率を変えることによって自分のいる深さを調節しています。コウイカの甲(炭酸カルシウムでできた体内の殻)にはたくさんの空洞があります。浮力を調節するために,この軟体動物は自分のその骨格から水を出し,からになった空洞に気体を満たします。こうしてコウイカの甲にある空洞は潜水艇の海水タンクと同じ役をしています。

      23 熱知覚の器官を用いている動物としてどんなものがいますか。それらはどれほど正確ですか。

      23 温度計。17世紀以来,人間は温度計を開発してきましたが,自然界に見られる幾つかのものと比べると,それらはそれほど洗練されたものではありません。カの触角は摂氏500分の1度の温度変化を知覚できます。ガラガラヘビにはその頭の両側に穴があり,それによって摂氏1,000分の1度の温度変化を感知できます。ボアはごく微小な温度差に対して35㍉秒で反応します。ツカツクリ,とりわけヤブツカツクリのくちばしは,摂氏0.5度の温度の違いを識別できます。

      24 これらの例はどんな言葉を思い出させますか。

      24 こうして人間が動物から多くの事を学んでいる事実は,次の聖書の諭しの言葉を思い出させます。「獣に尋ねてみよ。そうすれば,彼らはあなたに教えるであろう。野の鳥に尋ねてみよ。彼らはあなたに告げるであろう。はう生き物はあなたに諭し,海の魚はあなたに知らせるであろう」― ヨブ 12:7,8,モファット訳。

      [152ページの拡大文]

      生物を模倣することは非常に広く行なわれており,その学問には特別の名前さえ与えられている

      [153ページの図]

      (正式に組んだものについては出版物を参照)

      巣は蒸発の作用で冷房される

      古くなった空気

      外からの空気

      地下の水

      [154ページの図]

      (正式に組んだものについては出版物を参照)

      1 2 3 4

      1 2 3

      [155ページの図版]

      気泡

      [159ページの図版]

      オウムガイの断面

  • 本能 ― 誕生の前に組み込まれた知恵
    生命 ― どのようにして存在するようになったか 進化か,それとも創造か
    • 第13章

      本能 ― 誕生の前に組み込まれた知恵

      1 ダーウィンは本能についてどのように述べましたか。

      「数多くの本能の働きは余りにも見事なので,その発達の様子は,読者にとって,わたしの理論全体を覆すほどの難問に思えることであろう」と,ダーウィンは書きました。ダーウィンは,本能に関する事柄が答えの得にくい難問となることを感じていたに違いありません。彼は次いでこう書いているからです。「わたしは,自分が知能の起源については何ら関与するものでないことを,ここで前置きしておくのがよいであろう。それは,わたしが生命そのものの起源に何ら関与するつもりのないのと同じである」。1

      2 今日のある科学者たちは本能をどのようにみなしていますか。

      2 今日の科学者は,本能の仕組みについて説明する点でダーウィンより進んではいません。一進化論者はこう述べています。「はっきりした事実を言えば,遺伝の機構は,特定の行動様式を伝達できるというようなしるしを何ら示していない。……どんなものにせよ本能的な行動様式がそもそもどのようにして始まって,遺伝的に固定したのかを自問してみても,我々は何の答えも見いだせない」。2

      3,4 ある本は,渡りの本能がどのように始まったかについて何と述べていますか。そのような説明はなぜ不十分ですか。

      3 しかし,鳥類に関する,広く読まれているある本は,ダーウィンその他の進化論者たちとは異なり,最も神秘的な本能の一つ,すなわち,鳥の渡りに伴う本能の説明を少しも難しいこととはしていません。その本はこう述べています。「その過程が進化論的なものであったことに疑いはない。すなわち,温暖な気候に起源を持つ鳥たちが食物を探し求めて外の世界に広がっていったのであろう」。3

      4 このように,いたって単純な答えで,多くの渡り鳥が見せる驚くような行動を説明できるでしょうか。科学者たちは,そのような実験的なさまよいや,習得した行動が遺伝の暗号の中には組み入れられないこと,そのゆえに子孫には受け継がれないことを知っています。渡りは本能的なもので,「それまでの経験とは無関係である」ことが認められています。4 幾つかの例について考えてください。

      渡り鳥の成し遂げる畏怖すべき事柄

      5 長距離の渡りのチャンピオンであるキョクアジサシはどんな渡りをしますか。一科学者はどんな疑問を提出していますか。

      5 長距離の渡りをするチャンピオンは,キョクアジサシです。キョクアジサシは北極圏で巣造りをし,夏の終わりになると,南に飛んで,南極近くの流氷の上で南極の夏を過ごします。そして,再び北に向かって北極に帰る前に,南極大陸を一周することもあります。こうして彼らは,全長およそ3万5,000㌔に及ぶ,年ごとの渡りを完了します。両極地地方には豊かなえさ場があります。そのため一科学者は,「そのようなえさ場がそれほど離れた場所にあることを,彼らはいったいどのようにして発見したのだろうか」と問いかけています。5 進化論はその答えを持っていません。

      6,7 ズグロアメリカムシクイの渡りには不思議に思えるどんな面がありますか。どんな点を考えると,その行動の意味深さがさらに分かりますか。

      6 進化論が同じように説明できないでいるのは,ズグロアメリカムシクイの渡りです。その体重はわずかに20数グラムしかありません。それでも彼らは,秋になると,アラスカからカナダの東岸や,アメリカ北東部のニューイングランド地方にまで旅をし,そこでたくさんのえさを食べて脂肪を蓄え,寒冷前線の到来を待ちます。それが来ると,この鳥は飛び立つのです。その最後の目的地は南アメリカですが,彼らはまずアフリカ方向に飛びます。大西洋の上空に出,およそ6,000㍍もの高度で飛んで卓越風をとらえ,それに乗って南アメリカに向かいます。

      7 アメリカムシクイは,寒冷前線が来るのを待つべきこと,また,それが好天と追い風とをもたらすことを,どうして知っているのでしょうか。空気が希薄で冷たく,酸素が50%も少ない所にまで昇ってゆくべきことを,どうして知っているのでしょうか。その高度にまで行けば横風が吹いていて,それに乗って南アメリカに行けることをどうして知っているのでしょうか。その風の南西方向への流れを見越してまずアフリカ方向に飛ぶべきことをどうして知っているのでしょうか。ムシクイはこうしたことのどれをも意識的には知っていません。およそ3,800㌔,三ないし四昼夜に及ぶ,足跡などのない洋上の旅行の間,この鳥はただ本能だけに支配されているのです。

      8 ほかにもどんな目ざましい渡りの例がありますか。

      8 コウノトリはヨーロッパで夏を過ごしますが,1万3,000㌔も飛んで,南アフリカで冬を過ごします。ムナグロは北極地方のツンドラからアルゼンチンの大草原まで旅行します。シギの中には,その大草原を越えて,南アメリカの先端までさらに1,600㌔も渡りをするものもいます。ハリモモチュウシャクシギは,アラスカからタヒチその他の島々まで,外洋の上空を1万㌔も飛びます。飛行の距離はずっと短いながら,体重わずかに二,三㌘という体の小ささから見て同じように驚くべきものは,ノドアカハチドリで,その小さな翼を1秒間に75回もはばたき,25時間をかけて,およそ1,000㌔のメキシコ湾横断の渡りをします。600万回以上も休みなくはばたき続けるのです。

      9 (イ)渡りの能力は習い覚えるものではなく,誕生の前に組み込まれていることを何が示していますか。(ロ)マン島のミズナギドリと伝書バトに関するどんな実験は,これらの鳥が多芸な飛行家であることを示していますか。

      9 若鳥が成鳥を伴わずに初めての渡りをする場合も少なくありません。ニュージーランドのオナガカッコウの若鳥は,太平洋の島々まで6,400㌔も飛んで,自分たちより先に飛び立った親たちと一緒になります。英国諸島,マン島のミズナギドリは,自分たちのひな鳥をあとに残して,ウェールズからブラジルまで渡りをしますが,そのひなたちは,飛べるようになるとすぐ親たちのあとを追います。その1羽は,1日平均740㌔,16日もの旅をしました。マン島のミズナギドリの1羽が,ウェールズから,通常の渡りのコースからはずっと離れた米国のボストンに連れて来られたことがあります。それでも,その鳥は,12日半をかけて,5,200㌔離れた,ウェールズの自分の巣穴のところに戻って来ました。伝書バトは,どの方角に1,000㌔離れた所に連れて来られても,1日で自分の小屋に帰って来ました。

      10 どんな実験が,アデリーペンギンの航海能力を示していますか。

      10 最後にもう一つ,飛ばないけれども,歩いたり泳いだりすることのできる鳥を例に取りましょう。アデリーペンギンについて考えてみてください。いつもの集結地から1,900㌔も離れた所に連れて来られて放されましたが,ペンギンたちはすぐに自分たちの方向を定めて,まっすぐに進みはじめました。それは自分たちが連れて来られた元の集結地の方角ではなく,外洋のえさ場の方角でした。そして,その海から,彼らはやがて元の集結地に戻ったのです。彼らはほとんど真暗な冬を海で過ごします。暗い冬の間もペンギンはどうして方位を失わないのでしょうか。だれもそれを知りません。

      11 鳥がそのような驚くべき飛行を行なうためにはどんなことが必要ですか。

      11 鳥はどのようにしてこうした見事な飛行や航海をやってのけるのでしょうか。種々の実験は,鳥たちが太陽や星を利用している可能性を示しています。それら天体の移動に応じて補正される体内時計を備えているようにも思われます。しかし,空が曇っている時はどうでしょうか。少なくともある種の鳥は,そのような場合に用いるための,内蔵型の磁気羅針儀を持っています。しかし,羅針儀による方向指示以上のものがなければなりません。その頭の中に,出発地と目的地とを示した,ある種の“地図”が必要です。そして,その地図には,道順も記されていなければなりません。それが直線であることはめったにないからです。しかし,このすべても,自分がその地図のどこに位置しているかを知らなければ,何の役にも立ちません。マン島のミズナギドリは,ボストンで放たれた時,自分がどこにいるかを知らなければ,ウェールズの方角を定められなかったでしょう。伝書バトは,小屋への道をはっきり定める前に,自分がどこに連れて来られたかを知らなければなりませんでした。

      12 (イ)エレミヤは渡りについて何と述べましたか。彼がそれを述べたのはいつでしたか。なぜそれは注目すべきことですか。(ロ)なぜわたしたちは渡りに関するすべての細かな点を決して理解できないかもしれませんか。

      12 ずっと中世になるまで,多くの人々は,広く見られる鳥の渡りの行動を信じていませんでした。しかし,聖書は,西暦前6世紀に,それについて記していました。「空のこうのとりは渡りの時を知っており,鳩とあまつばめとありすいは,戻るべき時を知っている」。これまでに多くの事が研究されてきましたが,依然多くの事がなぞのままです。好んでも好まなくても,聖書が述べる次のことは真実です。「神は人に,過去と未来の時の感覚をお与えになった。しかし,神のみ業を始めから終わりまで悟りつくすことはできない」。―エレミヤ 8:7;伝道 3:11,新英訳聖書。

      他の航海者たち

      13 鳥以外にも,渡りをする動物としてどんなものがいますか。

      13 アラスカのカリブー(シンリントナカイ)は,冬には南に1,300㌔移動します。クジラの中には,北極海から1万㌔も旅をして,また元の所に戻って来るものが多くいます。オットセイは,4,800㌔離れた,プリビロフ諸島と南カリフォルニアとの間を移動しています。アオウミガメは,ブラジルの海岸から,2,200㌔離れた,大西洋の小さな島,アセンション島まで航海し,その後ふたたび元の所に戻ります。ある種のカニは海底を240㌔ほども季節的に移動します。サケは自分が卵からかえった流れを離れて外洋で数年を過ごし,その後,幾百キロも旅して,自分が生まれた元の流れに戻って来ます。大西洋のサルガッソー海で生まれた子ウナギは,その生涯の大半をアメリカ合衆国やヨーロッパの淡水の川で過ごしますが,産卵のためには,サルガッソー海に戻って行きます。

      14 オオカバマダラの渡りにはどんな驚嘆すべき点がありますか。どんな神秘はまだ解かれていませんか。

      14 チョウの一種であるオオカバマダラは,秋にはカナダを離れ,その多くがカリフォルニアやメキシコで冬を過ごします。その飛行は3,200㌔を超えることもあり,あるチョウは,1日に120㌔以上飛びました。彼らはこんもりと茂った木にとまります ― 毎年同じ林,時には同じ木にとまるのです。しかし,それらは同じチョウではありません! 春,帰りの道の途中,彼らは乳液を出す植物に卵を産み付けます。こうして生まれてくる新しいチョウが北への渡りを続け,次の秋には,自分の親たちがしたと同じ,南への3,200㌔の旅を行なって,同じ林の木々に,一面に群がります。「受粉の話」という本はこう述べています。「秋に南にやって来るのは,その冬ごもりの場所をそれ以前に一度も見たことのない,若いチョウである。何が彼らにそれを見つけさせるのかは,いまだに理解しがたい自然の神秘である」。6

      15 動物の知恵に関する幾つかの質問に,一語でどのように答えることができますか。

      15 本能的な知恵は,渡りの行動だけに限られているわけではありません。幾つかの例を手短に見るだけで,その点は明らかでしょう。

      どうして幾百万もの,目の見えないシロアリたちが,その労働を時間的に一致させて,手の込んだ構造の住まいを造り,その空調設備まで調えることができるのでしょうか。それは本能です。

      どうしてイトランガは,ユッカの花に他花受粉させるための幾つかの段階を知っており,それによって新しいユッカと,新しいガとが形成されるようになっているのでしょうか。それは本能です。

      水中の,自分の造った“潜水鐘<ダイビングベル>”の中に住むミズグモは,酸素が少なくなったときにはその“ベル”に穴をあけて古くなった空気を逃がし,穴を修繕してから,新しい新鮮な空気を運んで来るべきことをどうして知っているのでしょうか。それは本能です。

      アカシアの木の皮を輪状に切り取る甲虫の仲間は,どうして自分の卵をアカシアの枝の樹皮の下に産み付けるべきことを知っており,木の幹から30㌢ほどのところに来て,その部分の皮をぐるりと切り取ってその枝を死なせるのでしょうか。その卵は生きた木の中ではかえりません。これも本能です。

      未発達で生まれ,目も見えず,そら豆ほどの大きさしかないカンガルーの赤子は,生き抜くためには母親の体毛を伝って自力でその腹部にはい上り,母親の袋の中に入って乳首の一つにすがり付かねばならないことをどうして知っているのでしょうか。それは本能です。

      どうして1匹のミツバチがダンスをして,どこに蜜があるか,どれほどあるか,どのくらい遠いか,どちらの方角か,どんな花かを他のミツバチたちに知らせるのでしょうか。それも本能です。

      16 動物の行動の背後にあるすべての知恵には当然何が存在するはずですか。

      16 このような疑問はいくらでもあって,それだけで一冊の本が満たされるでしょう。しかし,それらすべての疑問には,「それらは本能的に賢い」という共通の答えを述べることができるでしょう。(箴言 30:24)「そのように複雑化した本能的な知識が発達し,後の世代に次々と伝えられるということがどうして起きえたのだろうか」と,一研究者は問いかけています。7 人間はそれを説明できません。進化論もその説明を提出できません。しかし,そこに見られるような理知には,当然その源となる理知が存在するはずです。そこに見られる知恵がその知恵の源を必要としていることは変わりません。それは,理知と知恵を持たれる創造者の働きを必要としているのです。

      17 多くの進化論者たちのどんな考え方を避けるべきですか。

      17 それでも,進化論をほとんど自動的に信じている人の多くは,創造を裏付けるこのような証拠すべてを,問題とは無関係なものとして退け,それらは科学的な考慮に値しない,とします。しかし,そのような狭い見方によって証拠の検討を怠ることのないようにしてください。次の章ではさらに多くのことが取り上げられています。

      [160ページの拡大文]

      ダーウィン: 『わたしは知能の起源については何ら関与するものではない』

      [160ページの拡大文]

      本能がどのようにして始まって,遺伝するようになったかについて,「我々は何の答えも見いだせない」

      [167ページの拡大文]

      「それらは本能的に賢い」

      [164,165ページの囲み記事/図版]

      巣造りと本能

      科学著述家G・R・テイラーは,遺伝の仕組みについてこう述べています。「巣造りに伴う一連の行為など,ある特定の種類の生物が持つ一定の行動様式が,[遺伝]によって次代に伝えられることを示すものは全くない」。イ それにもかかわらず,巣造りに伴う本能的な知恵は,特に教えられなくても次代に伝わってゆきます。幾つかの例を考えてみてください。

      アフリカやアジアのサイチョウ。その雌は,粘土を運んで来て,木のうろの入り口をふさいでゆき,自分がやっと中にもぐり込めるぐらいまでにします。雄は雌のところにさらに泥を運んで来て,雌はなおも中から入り口をふさいでゆき,わずかな細い切れ目が残るだけにします。その穴を通して,雄は,雌と,やがて卵からかえってくるひなとにえさを与えます。雄の運んで来るえさでは足りなくなると,雌は入り口を破って外に出ます。そして,今度入り口を修繕するのはひなたちであり,父鳥と母鳥の両方がひなにえさを運んで来るようになります。数週間すると,ひなたちは壁を破って巣を離れます。ついでながら,雌が閉じこもって飛ばない間に,その羽毛がすっかり生えかわり,新しい羽毛の衣が整うのは,意図ある設計の証拠ではないでしょうか。

      アマツバメ。ある種のアマツバメは巣を自分の唾液で造ります。繁殖期の前になると,その唾液腺はふくらんできて,ねばねばした液を分泌するようになります。これが始まると,本能的な知恵は,それで何をすべきかを鳥に悟らせます。彼らはそれを岩の表面に塗り付けるのです。それが固くなると,さらにその上に塗り付け,やがてはおわん型の巣ができ上がります。別の種類のアマツバメは,ティースプーンほどの大きさの巣を造って,ヤシの葉にのり付けし,ついで卵をその巣の中にのり付けします。

      コウテイペンギンは,作り付けの巣を持ち運んでいます。南極の冬に雌は卵を産み,その後,二,三か月の漁に出かけます。雄はその卵を自分の足の上に乗せますが,その部分は血管に富んでいます。雄はさらに自分の腹部から垂れ下がる育児嚢のようなものを卵の上に掛けます。母親は夫と赤子のことを忘れません。卵がかえってまもなく,母親は腹に食物を満たして戻って来て,それを家族のために吐き戻します。その後,雄が漁に出かけ,今度は雌が子供を自分の足の上に乗せ,その上に自分の育児嚢を掛けます。

      アフリカのハタオリドリは,草その他の繊維を用いて,宙づりになった巣を造ります。彼らはいろいろな織り方や種々の結び方を本能的に知っています。社交好きなこれら機織り人たちは,アパートのようなものを建てます。直径が4.5㍍もある草ぶきの屋根をしっかりした枝の中に造り,その下側に幾組もの夫婦が自分たちの巣をかけるのです。新しい巣が次々に加えられ,ついには同じ屋根の下に100以上の巣が集まることもあります。

      南アジアの鳥,サイホウチョウは,綿や木の皮の繊維,またクモの巣を使って糸を造ります。しかも,短い材料をつなぎ合わせて長い糸にするのです。そのくちばしで,一枚の大きな葉の左右両端にそって穴をあけてゆきます。次いで,くちばしを針のように使い,糸で葉の両端を引き寄せて,ちょうどわたしたちがくつのひもを締める時のようにします。糸の端に来ると,糸のこぶを作ってそこがゆるまないようにするか,さもなければ,さらに新しい糸をつないで縫い続けます。こうしてサイホウチョウは大きな葉をコップのような形にし,その中に巣を造ります。

      シジュウカラの仲間が造る懸垂式の巣はフェルトのようです。綿毛のような植物性の材料や草で巣を造るからです。巣の基本的な形は,長い草の繊維を右に左に織り合わせて造ります。この鳥は繊維の端をくちばしで織り目の中に押し込んでゆきます。次いで,綿毛の短い繊維をくわえ,それを織り目の中に押し込みます。このやり方は,東洋のじゅうたん織りの手法に似たところがあります。これらの巣は非常にじょうぶに,またしなやかにできており,小物入れや,子供用のスリッパとしてさえ用いられています。

      ツノオオバンは普通,小さい平らな島に巣を造ります。しかし,この鳥の住んでいる所に,そのような島はたくさんはありません。ですから,この鳥は自分で島を造るのです。水中の適当な場所を選び,そこにくちばしで石を運んで行きます。深さ60㌢から90㌢ぐらいの水の中に石を積み上げて島を造ります。島の基部は直径4㍍,積み上げられた石の重さが1㌧を超える場合もあります。この石の上に草や木を運んで来て,自分たちの大きな巣をこしらえるのです。

      [161ページの図版]

      キョクアジサシは毎年3万5,000㌔もの渡りをする

      エンドウ豆ほどの大きさの脳しか持たないこのムシクイが気象や航行に関する事柄をどうしてそれほど多く知っているのだろうか

      [162ページの図版]

      渡りをする時,このハチドリは,毎秒75回もはばたいて,25時間も飛び続ける

      渡り鳥はその頭の中に,ある種の“地図”を生まれつき持っていて,自分がどこにいるか,どこに行くのかを知っている

      [163ページの図版]

      ペンギンはほとんど暗闇の海で数か月を過ごし,その後,自分たちの集結地に間違いなく戻ることができる

      [166ページの図版]

      南への3,200㌔の旅の後,オオカバマダラは,自分たちの冬ごもりの場所で休息する

  • 奇跡的な存在としての人間
    生命 ― どのようにして存在するようになったか 進化か,それとも創造か
    • 第14章

      奇跡的な存在としての人間

      1 脳に関するどんな事実は脳にとって大きな問題となるように思えますか。

      地上のあらゆる驚嘆すべきものの中でも,人間の脳ほどすばらしいものはありません。例えば,人間の脳の中には,さまざまな感覚器官から,毎秒1億ビットもの情報が流れ込んでいます。しかし,どうして脳は,このように殺到する情報にうずもれて動きが取れなくなってしまうことがないのでしょうか。わたしたちが一時に一つの事しか考えることができないのであれば,わたしたちの知能はどのようにして,同時にやって来る,これら幾百万ものメッセージと取り組んでゆくことができるのでしょうか。明らかに,わたしたちの知能は,このような情報の集中にこたえ応じ,しかもそれをたやすく処理しています。

      2,3 脳はどんな二つの方法でこの問題と取り組んでいますか。

      2 人の知能がどのようにこれを行なっているかということは,人間の脳に伴う多くの驚嘆すべき事柄のほんの一例にすぎません。そこには二つの要素が関係しています。第一に,脳幹の中には,あなたの小指ぐらいの大きさの,神経の網目組織があります。この網目組織は網様体と呼ばれています。それは,一種の交通コントロールセンターのような働きをし,脳の中に入って来る幾百万ものメッセージを監視し,ささいな事柄を取り除き,大事な事柄を選んで,大脳皮質がそれに注意を向けられるようにします。この小さな,神経の網目組織は,毎秒多くて数百のメッセージだけが意識の中に入るようにします。

      3 第二に,脳の中を1秒に8回から12回通過する波動によってわたしたちの注意をさらに細かな対象にしぼることがなされているようです。これらの波動によって感度の高い時間が作り出され,その時間のあいだ脳はより強力な信号に注目し,それに対応して行動します。それらの波動によって脳は自らを精査し,それによって大事な事柄に注意を集中する,と信じられています。このようにして,わたしたちの頭の中では,毎秒,疾風のような驚くべき仕事がなされています。

      「不思議に思える」もの

      4 脳について理解しようとする大々的な科学研究にもかかわらず,どんなことは依然として真実ですか。

      4 近年,科学者たちは,脳の研究で長足の進歩を遂げてきました。しかし,これまでに分かった事柄は,まだ解明されていない事柄に比べると取るに足りません。数千年にわたる憶測と,最近数十年の大々的な科学研究にもかかわらず,わたしたちの脳は,宇宙に関する種々の事柄と共に,「基本的に神秘」のままである,と一研究者は語りました。1 確かに,人間の脳は,奇跡,すなわち全く「不思議に思える」事柄としての人間存在の中でも,とりわけ神秘的な部分であることが容易に認められるでしょう。

      5 成長してゆく幼児に見られる,人間の脳の発達に関するどんな事実は,人間の脳と動物の脳との間の大きな隔たりを示していますか。

      5 この不思議は,母親の胎内でまず始まります。妊娠から3週間後に,脳の細胞は形成され始めます。それは非常な勢いで成長してゆき,ときには1分間に25万個もの細胞が造られます。誕生後にも脳は成長を続け,網状の連接を形成してゆきます。人間の脳と他の動物の脳との間の大きな隔たりはすぐに現われ始めます。「人間の脳は,他のどんな動物の脳とも異なって,最初の1年間で3倍の大きさになる」と,「内なる宇宙」と題する本は述べています。2 やがて,神経単位<ニューロン>と呼ばれる,およそ1,000億の神経細胞,また他の型の細胞が人間の脳の中に詰め込まれますが,それは人の体重の2%を占めるにすぎません。

      6 神経の信号はニューロンからニューロンへとどのように流れて行きますか。

      6 主要な働きをする脳細胞,つまりニューロンは,実際には相互に連結してはいません。それらは,接合部<シナプス>,つまり幅4万分の1㍉ほどのわずかなすきまによって隔てられています。それらの隔たりを橋渡しするのが神経伝達物質と呼ばれる化学物質で,30種類ほどが知られていますが,脳はさらに多くのものを有しているかもしれません。これらの化学的な信号は,ニューロンの一方の端,つまり,細く迷路のように枝分かれした,樹状突起と呼ばれる部分で受け止められます。次いでそれらの信号は,軸索と呼ばれる神経繊維を経て,ニューロンの他方の端に伝えられます。ニューロンの中で信号は電気的に伝えられますが,ニューロンとニューロンのすきまでは化学的に行なわれます。こうして,神経信号の伝達は電気化学的です。一つ一つの衝撃<インパルス>の強さは同じですが,その信号の強度はインパルスの周波数によって変わり,それは1秒間に1,000にもなります。

      7 脳の持つどんな特色について聖書は注解していますか。科学者たちはこの点と一致するどんな事柄を学びましたか。

      7 わたしたちが何かを学習する時,脳の中でどんな生理学的変化が起きているのかははっきりしていません。しかし,実験的な証拠によると,わたしたちが学習するにつれ,とりわけ人生の早い時期に学習するにつれ,ニューロンの連接関係は良くなり,ニューロン相互のすきまを橋渡しする化学物質はより多く放出されます。続けて用いることによって,連接関係は強められ,それによって学習の能力は強化されます。「関連し合って何度も活性化される経路は何らかの仕組みで強化される」と,サイエンティフィック・アメリカン誌は伝えています。3 これに関連して興味深いのは,「使うことによって自分の知覚力を訓練し(た)」円熟した人々は,深遠な事柄をより容易に理解できる,と述べる聖書の言葉です。(ヘブライ 5:14)知力は活用しないと衰えることも,研究は示しています。こうして脳は,筋肉と同じように,使えば強化され,使わないと弱くなります。

      8 脳に関する未解明の難問の一つは何ですか。

      8 脳の中でこのような連接関係を構成している,膨大な数の顕微鏡的な神経繊維は,しばしば脳の“配線”と呼ばれています。それらは,想像を超えるほど複雑な迷路の中で的確な位置に配置されています。しかし,それらが“配線図”によって要求される正確な場所にどのようにして配置されるのかはなぞのままです。「脳の発達における,未解明の最も重要な問題点は,疑いなく,ニューロンがどのようにして連接のための特定の型を造り上げるか,という疑問であろう。……連接の大部分は発達の初期の段階で的確に定められるように思われる」と,一科学者は述べています。4 別の研究者はさらに,これら,脳のはっきりと図式化された領域について,それは「神経系統全体にわたって共通して見られるものであり,この的確な配線がどのようになされるのかは,未解決の大きな問題の一つとして残されている」と述べています。5

      9 脳の中にはどれほどの連接関係ができ上がっていると科学者たちは推定していますか。その受容力について一権威者はどのように述べていますか。

      9 これらの連接の数は天文学的な数字に上ります。個々のニューロンが他のニューロンとの数千の連接部を持っているかもしれません。ニューロン相互の間に連接関係があるだけでなく,樹状突起そのものの間にも超小型回路が直接設けられています。「これらの『超小型回路』は,脳の働きに関して我々がすでに持つ仰天するほどの概念に全く新たな広がりを付け加えるものである」と,一神経学者は述べています。6 ある研究者たちは,「人間の脳の中の幾百億という神経細胞は,もしかしたら1,000兆もの連接関係を構成しているかもしれない」と信じています。7 これはどれほどの受容力となるでしょうか。カール・セーガンは,脳は「およそ2,000万冊,すなわち世界最大の図書館に収められているのと同じ数の本を満たすほどの」情報を収納することができる,と述べています。8

      10 (イ)人間の大脳皮質は動物の場合とどんな点で異なっていますか。それは人間にとってどんな利点となっていますか。(ロ)一研究者はこの点について何と述べましたか。

      10 人間を他のすべての動物から大きく異ならせているものは,大脳皮質です。それは厚さ6㍉ほどですが,頭がい骨の形にきちんとはまる,溝の多い構造になっています。もし広げたとすれば,大脳皮質はおよそ2,300平方㌢あり,その部分の神経繊維の全長は,1立方㌢当たりおよそ1,000㌔にもなります。人間の大脳皮質は,他のどんな動物の,その該当部分よりはるかに大きいだけでなく,使用に付されていない部分をもずっと多く有しています。それは,体の生理的な機能を扱うために使用されておらず,人間を動物と異ならせる高等な精神作用のために自由に用いうる部分のことです。「我々は単なる賢い類人猿ではない。[我々の知能]は,我々を,他のあらゆる形態の生物と質的に異ならせているのである」と,一研究者は述べています。9

      わたしたちのはるかに勝った能力

      11 人間の脳は,動物の持たない,学習における融通性をどのように人間に持たせていますか。

      11 「人間の脳を際立たせているものは,学習することのできる特殊化された活動がさらに分化しており,かつ多様なことである」と,一科学者は述べました。10 コンピューター関連の科学では,プログラマーによってコンピューターに入れられる機能とは対照させて,固定した回路に基づき,機械にもともと組み込まれている特色に関して,“配線による<ハードワイヤード>”という言葉を使います。「人間に当てはめた場合,この“配線”とは,生来の能力,あるいは,少なくとも素質のことを指している」と,一権威者は書いています。11 人間には,学習のためにもともと備わった多くの能力がありますが,学識そのものは備わってはいません。これと対照的に,動物には“配線による”本能的な知恵がありますが,新しい事柄を学ぶための能力は限られています。

      12 動物の場合とは対照的に,人間の脳はどんな能力を事前のプログラムによって与えられていますか。これは人にどんな自由を持たせていますか。

      12 「内なる宇宙」と題する本はこう述べています。最も賢い動物でも,「人間と同じような知能を発達させることは決してない。動物は,我々が持っているもの,すなわち,目で見たものから概念を,耳で聞いた事柄から言語を,経験した事柄から思想を形成させることのできる,神経装置に基づく事前のプログラムを欠いている」。それゆえにもわたしたちは,自分の周囲にあるものから入力<インプット>することによって,自分の脳に作業手順<プログラム>を与えてゆかなければなりません。そうしなければ,その本も述べるとおり,「人間の知能に相当しうるものは発達せず,……あの膨大な量の経験の注入というものがなければ,ほんのわずかな知性もまず発現しえない」でしょう。12 ですから,人間の脳の中にもともと備わった能力のゆえに,わたしたちは人間としての知性を築き上げてゆくことができるのです。そして,動物とは異なり,わたしたちには,自分の持つ知識,価値観,機会,目標などに基づいて,自分の選ぶとおりに自分の知性を計画的に発展させてゆく自由意志も賦与されています。

      人間の特異な言語

      13,14 (イ)事前のプログラムで,人が自分の知能の中に自分の選ぶものを組み入れるための大きな融通性を持つものとしてどんな例がありますか。(ロ)こうした点を見て,著名な一言語学者は,動物と言語とに関して何と述べましたか。

      13 “配線”によって備わった能力で,わたしたち自身がプログラムを与えることによってその融通性を大いに発揮することのできるものの一つは,言語です。専門学者たちは,「人間の脳が,言語的発達のためのプログラムを遺伝的に与えられている」13 こと,また,言語能力が「我々の脳の中の,生得的な言語処理能力に基づいてのみ説明しうる」14 ことを認めています。そして,動物の本能的な行動に示される固定性とは異なり,言語習得のための,“配線による”この能力を人間が活用する面では,非常に大きな融通性があります。

      14 ある特定の言語が“配線”によってわたしたちの脳の中に組み込まれているわけではありません。わたしたちは,言語を学習するための能力を事前のプログラムによって賦与されているのです。ある家庭で二つの言語が話されていれば,その家庭の子供はその両方を習得することができます。そして,三つ目の言語に接すれば,子供はその言語も習得できます。ある少女は赤子の時から多くの言語に接しました。そして,5歳になるころまでに,8か国語を流ちょうに話せるようになっていました。そのような,人間が持つ生得的な能力について考えるとき,身振り言語を用いた,チンパンジーに関する実験は,「実際には,チンパンジーが人間の用いる言語の最も初歩的な形のものをさえ習得できないことを示している」という,一言語学者の言葉も不思議ではありません。15

      15 古代の最も古い言語に関する研究はどんなことを示していますか。

      15 このような驚くべき能力が動物の鳴き声やうなり声から進化してきたと考えられるでしょうか。古代の最も古い言語に関する研究は,そのような言語の進化という概念を全く排除してしまいます。「原始的な言語というものはない」と,一専門学者は述べています。16 人類学者アシュレー・モンターギュもその点を認めて,一般に原始的言語とされるものは,「いわゆる高度な文明の言語よりずっと複雑で,ずっと効率的である場合が少なくない」と述べています。17

      16 言語の起源についてある研究者たちは何と述べていますか。しかし,どんな人々にとってこれはなぞではありませんか。

      16 一神経学者はこう結論しています。「言語の仕組みについて調べようとすればするほど,その作用の神秘さは深まる」。18 別の研究者はこう述べています。「現在のところ,統語法を持つ言語の起源はなぞのままである」。19 さらに別の人はこう述べています。「人々および諸国民を他のどんな要素にもまして動かしている力である言語能力は,特異なかたちで人間と動物との間を隔てている。とはいえ,言語の起源は,脳の持つ最も理解しがたいなぞの一つとして残っているのである」。20 しかし,言語に伴うさまざまな機能のため脳の中にあらかじめ“配線”を施された創造者のみ手を認める人々にとって,これは少しもなぞではありません。

      創造を認める考え方だけが説明できる事柄

      17 (イ)脳に関するどんな事実は進化論の説明できない難問を提出しますか。(ロ)どんな点を考えれば,人間の脳がそのような途方もない能力を備えているのももっともなことと言えますか。

      17 人間の脳には,「ひとりの人の生涯中に活用される分よりずっと大きな潜在力が授けられている」と,ブリタニカ百科事典は述べています。21 また,人間の脳は,現在課される学習や記憶の量をどれだけでも引き受けることができ,さらにその10億倍を吸収できる,とも言われています。しかし,進化の過程によってどうしてそのような剰余の分まで生み出されるでしょうか。「事実これは,一つの種に,それ自身がまだその用い方を学んでいない器官が備えられている例として,現在知られているただ一つのものである」と,一科学者は認めました。その科学者は次いでこう尋ねています。「これは,進化論の最も基本的な想定,すなわち,自然選択はわずかずつ段階的に進み,個々の段階は,その個体に,最小限とはいえ無視できない利点を得させる,という想定とどのように調和するのだろうか」。彼はさらに,人間の脳の発達は「進化における最も不可解な面として残っている」とも述べました。22 進化の過程が,脳の,使われることのない剰余の能力までも生み出して,それを子孫に伝えてゆくというようなことは考えられません。したがって,限りない学習の能力を備えた人間はもともと永久に生きるように設計されていた,と考えるほうが道理にかなっていないでしょうか。

      18 一科学者は人間の脳に関してどのように述べましたか。その能力を示す例としてどんなものがありますか。

      18 カール・セーガンは,人間の脳が『およそ2,000万冊の本を満たすほどの』情報を収納できるということに驚きつつ,「脳は,ごく小さな場所に収まった非常に大きな場所である」と述べました。23 そして,この小さな場所でなされている事柄は人の理解を超越しています。一例として,すべての指を鍵盤上に飛ぶように動かして難しい曲を演奏してゆくピアニストの脳の中でどんなことがなされているかを想像してください。自分の頭の中の音の流れに合わせて,正しい鍵を,ちょうど良いタイミング,ちょうど良い強さで打つよう指に指示してゆく,何と驚くべき運動の感覚がその脳の中にあるのでしょう。そして,もしも誤った音をたたけば,脳はただちにそのことをピアニストに気づかせるのです。この信じがたいほど複雑な動きのすべては,幾年もの習熟によってその脳の中にプログラムとして組み入れられました。しかしそれは,音楽のための能力が,誕生の時から人の脳の中にあらかじめ組み込まれていたからこそできる事なのです。

      19 人間の脳が知性的な特質その他の驚くべき能力を備えているのはどんな理由によりますか。

      19 動物の脳がこのようなことを想起したことはかつてありません。ましてそのような事柄を行なうことはできません。また,進化のどんな理論もこの事の説明を提出することはできません。人間の持つ知性的な特質が,知性を持たれる至高の方の特質を反映していることは明らかではないでしょうか。これは,『神は人をご自分の像に創造された』と述べる,創世記 1章27節とも一致しているのではないでしょうか。動物は神の像には創造されていません。人間が持つような能力を動物が備えていないのはそのためです。動物も,あらかじめ定められた,固定化した本能によって驚くべき事柄を行ないはしますが,思考や行動における融通性,また,以前の知識の上に終始積み上げてゆく能力の点では,人間とは全く比べものになりません。

      20 人間の利他的な能力はどんな点で進化論と相入れませんか。

      20 人間の持つ,利他的な,すなわち,私心なく自らを与える能力も,進化論に対して難問を提出します。一進化論者はこのように述べました。「何にせよ自然選択によって進化してきたものは利己的になるはずである」。確かに,利己的な人は多くいます。しかし,その進化論者が後に認めたとおり,「人間のもう一つの際立った特質は,純粋で,私欲のない,真の利他的精神を発揮する能力である,と言うことができる」のです。24 別の科学者は,「利他的な素質は我々の内にもともと備わっている」とも述べました。25 伴いうる負担もしくは犠牲を意識してさえそれが実践されているのは,人間のあいだだけです。

      奇跡的な存在としての人間に対する認識

      21 どんな能力や特質を持つゆえに人間は他のどんな動物ともかけ離れていますか。

      21 どうか考えてください。人間は抽象的な思考を進め,意識的に目標を定め,それを達成するために計画を立て,それを実施するための仕事を手がけ,それを成し遂げることに満足感を抱きます。人間は,美しいものを楽しむ目,音楽を喜ぶ耳,芸術を愛する感覚,物事を学ぼうとする強い衝動,飽くことのない探究心,発明し,新しい物事を造り出す想像力などを持つ者として創造されており,そのような授けられた能力を活用することに喜びと達成感を見いだします。人間は,何かの難問に直面しても,自分の知的また身体的な力を生かしてそれを解決することに喜びを感じます。善悪を判断する道徳的な感覚,また正しい道からそれた場合に心に痛みを与える良心 ― これらをも人間は備えています。また,与えることに幸福感を見いだし,人を愛し,人に愛されることを喜びとします。そして,このような活動すべては,生きることの喜びを深めさせ,人の生活に意義と目的とを与えています。

      22 人間はどんな物事について黙考して自分の小ささを感じ,また理解を得ようとしますか。

      22 人間は,植物や動物について,また,自分の周囲の山や海の壮大さ,頭上に輝く星空の広がりなどについて黙考し,自分の小ささを感じることができます。人間は時と永遠性の概念を持ち,自分がどのようにして存在するようになったか,どこに進んでゆくのかを考え,それらすべての背後にあるものについて知ろうとします。動物でそのような思考を行なうものはありません。人間は,物事の理由と目的とを知ろうとするのです。このすべては,人間が,畏怖の念を抱かせるような脳を賦与され,人を創造した方の「像」を帯びていることから来ています。

      23 ダビデは自分の存在についてだれの働きを認めましたか。ダビデは自分が母胎内で形造られたことに関して何と述べましたか。

      23 驚くほどの洞察力を働かせて,古代の詩編作者ダビデは,脳を設計した方,また,人間の誕生の奇跡に関与していると自分がみなした方の働きを深く認めました。彼はこう述べました。「わたしはあなたをたたえます。なぜなら,わたしは畏怖の念を起こさせるまでにくすしく造られているからです。わたしの魂がよく知っているように,あなたのみ業はくすしいのです。わたしがひそかに造られたとき,わたしが地の最も低い所で織り成されたとき,わたしの骨はあなたから隠されてはいませんでした。あなたの目は胎児のときのわたしをもご覧になりました。あなたの書にそのすべての部分が書き記されていました」― 詩編 139:14-16。

      24 科学によるどんな発見について考えると,ダビデの言葉はいっそう驚くべきものとなりますか。

      24 確かに,母親の胎内の受精した卵子には,そののち形成されてくる人体のすべての部分が『書き記されている』と言えます。心臓,肺,腎臓,目と耳,手と足,そして畏怖すべき脳 ― これら,および人体の他のすべての部分が,母親の胎内の受精した卵子の持つ遺伝の暗号の中に「書き記されて」いるのです。この暗号の中には,これら様々な部分が,それぞれふさわしい順序で形成されるための時間表のようなものも内蔵されています。この事は,現代の科学が遺伝の暗号を発見するよりもほとんど3,000年前に聖書の中に書かれていたのです。

      25 このすべてから当然どんな結論に至りますか。

      25 すばらしい脳を持つ人間の存在はまさに奇跡,まさに驚異ではないでしょうか。そして明らかに,このような奇跡は,進化ではなく,創造を認めることによって初めて説明できるのではないでしょうか。

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