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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1980
塔80 4/15 9–15ページ

神の政府 ― 人類の唯一の希望

1-3 (イ)人類が直面している問題はどれほど大きなものですか。(ロ)どのように将来を知ることができますか。

昨年の夏,マサチューセッツ工科大学で開かれた科学者と宗教指導者の会議の席上,世界が直面している諸問題は「非常に終末論的」であると評されました。英国リーズ大学の哲学の一教師は,「生き残るための青写真」はないと警告し,「問題が大規模で極めて複雑なものになっているため,人間の理性だけではそれらを克服することはできない」と語りました。

2 ではわたしたちは将来に何を期待することができますか。カナダ連合教会の一僧職者は次のように主張しました。「より良い時代が来ると確信をもって予告できる人は一人もいない。文明が消滅するか否か,すべての人がより豊かな生命を享受する新世界がついに訪れるか否か,熟知している人は一人もいない」。

3 しかしそれは真実でしょうか。真実ではありません。実を言えば,将来がどうなるかを知っている方がおられます。その方は将来をご自分の意のままに形造る力と知恵を持つゆえに将来のことを知っておられるのです。この方は創造者であられるエホバ神です。良い政府をもたらす力が人間にないことは歴然としているのですから,今こそその方に聴き従うべき時であると思われないでしょうか。神はご自分について次のように述べておられます。「初めから結末を,昔から,行なわれていないことを告げる者。『わたしの計り事は立ち,わたしの喜びであることを皆,わたしは行なうであろう』と言う者」。(イザヤ 46:10,新)人間に良い政府を備えることを神は喜んでおられます。

聖書の主題

4,5 (イ)聖書の最も重要な主題とは何ですか。(ロ)その主題はどのように知らされていますか。

4 「聖書の最も重要な主題は何ですか」と尋ねられたら何と答えますか。興味深いことに,「現代の聖職者」と題する宗教雑誌は,「前世紀に神学者たちが重要な貢献をしたとして挙げられるのは,新約聖書の最も重要な主題として神の王国を再発見したことである」と述べました。しかし神学者や僧職者たちは聖書のこの重要な教えを人々に知らせてきたでしょうか。この質問に対して,長老派教会の著名な一平信徒が「キリスト教と危機」の中で書いている答えに注目してください。

「最近,神学者の間で,神の王国の意味や今の世界と神の王国との関係について議論が白熱しているという話は聞いたことがない。説教に関して言えば,私は確かに30年以上の間,牧師が人々に神の王国の現実性について説明しようとするのを聞いたことがない。……平信徒として,私は神学者ならびに聖職者に嘆願する。我々に神の王国について話してほしい。それが何であり,現代の世界とどう関係しているか説明してもらいたい」。

5 しかしこれらの宗教指導者たちはそうしてきませんでした。調査の結果,教会に行っている人の中で,神の王国とは何か,それはどのように到来するか,人類のために何を行なうのかなどをはっきり理解していた人は一人もいませんでした。それとは逆に,あなたが手にしておられる雑誌は「エホバの王国を告げ知らせるものみの塔」という名称にふさわしい働きをしてきました。この雑誌は毎号,王国の音信を強調しています。事実,神の政府は聖書の最も重要な主題なのです。

巻頭から巻末に流れる主題

6-9 (イ)どんな事があったのでエホバは新しい政府の取り決めを設けられたのですか。(ロ)創世記 3章15節は何について預言していますか。啓示 12章はその成就を理解する面でどのように役立ちますか。

6 聖書の記述は,神が人間の住みかとして地球を整え,最初の人間夫婦をエデンと呼ばれる美しい園に置かれたところから始まっています。ところがその夫婦から子供が生まれる前に,神のみ使いの一人が蛇を使って女エバに話し掛け,神の支配に対して反逆するようそそのかしました。その女は次に夫であるアダムに話し,神の指示を退けて自分に加わるよう促しました。(創世 3:1-6。啓示 12:9)それでもエホバは,ご自身が取り決めた,人類を支配する新しい政府が将来必要になることを予見されました。そこで神は,反逆の張本人,自らをサタン悪魔としたみ使いに対し,次のように言われました。「わたしはお前と女との間,またお前の胤と彼女の胤との間に敵意を置く,彼はお前の頭を踏み砕き,お前は彼のかかとを踏み砕くであろう」― 創世 3:15,新。

7 しかし「この預言のどこに新しい政府のことがでてくるのか」と尋ねる方もおられるでしょう。それは,この預言を分析してみれば分かります。聖句の述べるところによれば,サタンと「女」およびサタンの「胤」つまり子供たちと女の「胤」つまり子孫との間には敵意すなわち憎しみが介在することになりました。わたしたちはまず最初に,「女」の実体を見極めなければなりません。

8 この女は地上の女ではありません。サタンは人間の女に特別な憎しみを抱いたことはなかったからです。これは地上の女というより象徴的な女です。この女は聖書巻末の本,ヨハネへの啓示の中では『太陽で身を装い,月がその足の下にあり,頭には十二の星の冠がある』女として語られています。この女の実体を見極めるための助けとして,その子供について啓示がさらに述べている事柄に注目してください。「女は男児を世に送り出した。その男子は鉄の笏で諸国民すべてを支配する。そしてその子供は神とそのみ座のすぐ前のところまで連れてこられた」― 啓示 12:1-5,エルサレム聖書。

9 神の代表者として「諸国民すべてを支配する」この「子供」,政治をつかさどる「男子」とは何のことですか。証拠は追って明らかにされますが,それはキリスト・イエスによる神の王国です。ですから天の女とは忠実な天的な被造物からなる神の組織であり,メシア王国はこの組織から生み出されたものです。それで昔アダムとエバが神の支配権に反逆した時,エホバは自ら行動を起こされ,義を愛する人々の心を奮い立たせ,彼らに希望を与える王国政府を制定されたのです。

王国に関する光は輝きを増す

10,11 (イ)どんな王国を神の古代の僕たちは信頼しなかったでしょうか。なぜですか。(ロ)神はどんな「都市」を彼らのために備えられましたか。

10 エホバ神はこの政府に関する情報をご自分の僕たちに漸進的に啓示され,その政府が人間の頼れる唯一無二のものであることを示されました。その政府が決して失敗しないことは全能の力によって保証されているので,神の忠実な僕たちは人間製の王国を信頼することはありませんでした。彼らは神の天的な王国政府を待ち望んでいることを公に言い表わしました。例えば,使徒パウロはこの点について次のように書いています。

「彼ら[キリスト教時代以前の神の忠実な僕たち]はみな信仰のうちに死にました。彼らは約束の成就にあずかりませんでしたが,それをはるかに見て迎え入れ,自分たちがその土地ではよそからの者,また寄留者であることを公に言い表わしました。……彼らは,さらに勝った場所,すなわち天に属する場所を得ようと努めているのです。ゆえに神は,彼らを,そして彼らの神として呼び求められることを恥とされません。彼らのために都市を用意されたからです」― ヘブライ 11:13-16。

11 神がご自分の古代の僕たちのために用意されたこの「都市」とは何ですか。それは神の天の王国,神の政府です。この王国政府を設立するためになされた準備の幾つかを振り返ってみましょう。ヘブライ人にあてた前述のパウロの手紙の中に記されていたように,古代の神の僕たちは王国に関する「約束の成就にあずかりませんでした」。どんな約束ですか。

12-14 神の政府に関するどんな約束がアブラハム,イサク,ヤコブ,ユダ,ダビデに対してなされましたか。

12 エホバは創世記 22章18節でアブラハムに対して,「あなたの胤によって地のすべての国の民は確かに自らを祝福するであろう」と約束されました。使徒パウロはガラテア人への手紙の中で,国々の民が自らを祝福する手だてとなるアブラハムの胤が,イエス・キリストであることを明らかにしました。(ガラテア 3:16)祝福をもたらす来たるべき「胤」についての同様の約束は,アブラハムの息子イサクと孫ヤコブにも与えられました。(創世 26:3-5; 28:13,14)そういうわけで,これらの約束によって明示されているように,神の女の「胤」はイサクとヤコブの家系を通して到来することになりました。

13 ヤコブの息子ユダにさらに約束された事柄にも注目してください。「笏はユダからそれず,命令者の杖もその足の間から離れることなく,ついにはシロが来る。もろもろの民の従順は彼のものとなる」。(創世 49:10,新)「ユダから出た」イエス・キリストはこの「シロ」となられ,『もろもろの民の従順は彼のものとなる』のです。このことが聖書の中でさらにどのように証拠立てられているかに注目するとよいでしょう。―ヘブライ 7:14。

14 ユダに対する約束の約700年後,エホバはユダ族のダビデについて言われました。「わたしは自分の僕ダビデを見いだし,わたしの聖なる油をもって彼に油そそいだ。彼に関してわたし自身の手はゆるがず,わたし自身の腕も彼を強める。そしてわたしは彼の胤を必ず永久に立てる。その王座を天の日数のように」。(詩 89:20,21,29,新)ダビデの「胤」が「永久に」立てられ,「その王座」が「天の日数のように」長く存続するという神の言葉は,神から任命された支配者イエス・キリストの手中にある王国政府が永遠に続くことを示すものです。このことはどのようにして分かるでしょうか。

神の政府の王が現われる

15,16 (イ)イエス・キリストがダビデの「胤」であることはどのようにして分かりますか。(ロ)ヨハネが「天の王国は近づいた」とふれ告げることができたのはなぜですか。

15 では,西暦一世紀に生じた出来事を考慮してみましょう。エホバはみ使いガブリエルを遣わして,処女マリアから奇跡的な方法で生まれようとしていた子供について彼女に告げ知らせました。ガブリエルは言いました。「あなたはその名をイエスと呼ぶのです。これは偉大な者となり,至高者の子と呼ばれるでしょう。そしてエホバ神はその父ダビデの座を彼に与え,彼は王としてヤコブの家を永久に支配するのです。そして,彼の王国に終わりはありません」。(ルカ 1:31-33)イエスの誕生に際し,「エホバのみ使い」は,この者は約束のメシア,救い主なる主であると羊飼いたちに告げました。―ルカ 2:8-12。

16 ゆえに,神の政府は西暦一世紀に現実的な色彩を帯び始めました。やがてバプテスマを施す人ヨハネが「悔い改めなさい。天の王国は近づいたからです」と伝道し始めます。(マタイ 3:1,2)なぜヨハネはこのように言うことができたのですか。それはその政府の指命された王が彼らのただ中にいたからです。ヨハネがイエスにバプテスマを施した後,神はご自分の聖霊を注ぎ,天の政府の王となる者としてイエスに油そそがれました。その後3年半にわたる宣教期間中,キリストは蛇にかかとを踏み砕かれた時,つまり死に至るまで神への忠実さを示すことにより,ご自分の王としての資格を実証されました。(創世 3:15)キリストは天の命に復活させられて以来,来たるべき神の世界政府のために道を開くため,「これらのすべての[人間の]王国を打ち砕いて終わらせ(る)」というみ父のご意志を遂行する立場におられます。―ダニエル 2:44,新。マタイ 6:9,10。

17 神の政府の構成についてさらにどんなことが明らかにされましたか。

17 この政府に関してはさらに,人類の中の他の人々が,キリストと共に王として統治する特権にあずかるということが明らかにされました。神は預言者ダニエルを通して「聖なる者たち」と呼ばれる人々がみ子と共に支配することを示されました。(ダニエル 7:13,14,27,新)キリストも忠実な使徒たちに同じことを約束されました。(ルカ 22:28-30)使徒パウロはガラテア人への手紙の中で,「キリストに属しているのであれば,あなたがたは実にアブラハムの胤であ(る)」と,油そそがれたクリスチャンたちに説明しました。ここでパウロは,キリストは約束の胤の主要な者であられたが,神は「王国の相続者」としてキリストに加わる他の人々を選ばれたということを示したのです。(ガラテア 3:16,29。ヤコブ 2:5)この点と調和して,パウロはテモテにこう書きました。「忍耐してゆくなら,わたしたちはまたともに王として支配するようになる」。(テモテ第二 2:12)後に使徒ヨハネは,キリスト・イエスと共に「地に対し王として支配する」人々について書き,14万4,000人という数字を挙げています。―啓示 5:10; 14:1-3。

闇を照らす希望

18-20 (イ)一人の電気技師は聖書の主題をどのように見事に要約しましたか。(ロ)王国の音信を宣べ伝えているのはだれだけですか。

18 神を愛し信頼する者たちの永遠の益のために義の政府を建てるという壮大な目的を,神が説き明かされたいきさつには驚嘆させられるのではないでしょうか。しかし嘆かわしいことに,キリスト教世界の信仰のない僧職者や神学者は自分たちの群れにこの目的を知らせることができませんでした。かくて,精神的な暗闇にあり,王国の知識を持たなかった人々は,次から次へと人間の政府に信頼を寄せ,その結果自分自身が傷つき,失望を味わうことになりました。ではあなたは聖書の音信の価値を認識していますか。「聖書の最も重要な主題は何ですか」と尋ねられたら,何と答えますか。

19 何年か前のことですが,米国オハイオ州デートンのあるデパートに勤める電気技師のエホバの証人は,この質問に答える良い機会に恵まれました。その人は,デパートの新聞の編集者から,最近読んだ本の中で一番面白かったものについて書いてほしいという依頼を受けたのです。その電気技師は次のように書きました。

「この本は生涯をかけても読み切れる本ではない。それは美しい住みかが反逆によって破壊されるところから始まる。悲劇,災難,悲嘆,殺人,死がそれに続く。家族が増えるにつれ,絶望と暗黒の度は深まってゆく。幾世紀かが過ぎ,国々が興っては滅び,幾千もの人物が次々に現われ,激しい露骨な憎しみから殉教者の愛に至るまで人間のありとあらゆる感情が描写されている。始めはかすかな輝きだった希望も,絶対に確信できるものとなってゆく。完全な政府が美しい住みかを再建することになる。その支配者は王なるキリスト・イエス,その政府は神の王国である。その家族とは人類のことであり,その本とは聖書である」。

20 神の王国とそれが人類のために行なうことについて,この電気技師は何と立派な証言を行なったのでしょう。確かに,神の政府は,真実の幸福を伴う充実した生活を楽しむための唯一の希望です。これはエホバの証人が,「王国のこの良いたよりは,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう。それから終わりが来るのです」というイエスの預言に調和して全世界にふれ告げてきた音信です。(マタイ 24:14)そうです,人間の政府すべてに,まもなく終わりがもたらされます。人間の政府は人々の必要を満足させることができなかったからです。それは,天の王イエス・キリストとその共同支配者たちの指示と管理の下に置かれる義の新体制の始まりを印づけるものとなります。その神の政府の臣民となるのはなんとすばらしいことなのでしょう。その政府が人間の上に注ぐと聖書に述べられている数々の祝福について少しの間調べてみてください。

人間の必要を満たす支配

21,22 (イ)人間の努力とは対照的に,この王国は戦争,犯罪,恐れなどに対処する点でどんな成功を収めますか。(ロ)神が動物たちを支配することからどんな結果が生じますか。

21 詩篇 46篇8,9節にはエホバの業を調べるようにとの招待がなされています。「来て,エホバの働きを見よ。地上にどのように驚くべき出来事を置かれたかを」。では驚くべきこれらの出来事にはどんなものがありますか。「彼は地の果てに至るまで戦いをやめさせようとしておられ」ます。人間の政府は戦争を終わらせることにみじめにも失敗しました。しかし神は必ず永続的な平和をもたらしてくださいます。詩篇作者は,「悪行者は断たれる,……邪悪な者はもういなくなる」と述べているからです。(詩 37:9,10,新)人間の社会には刑務所や警察やドアの錠前が,そして恐れがなくなります。ですから神は,その王国支配の下に住む人々が生活を楽しみ,「それをおののかせる者はだれもいない」と約束しておられるのです。―ミカ 4:4,新。

22 今日でさえ,動物的な傾向をもった人々が神の言葉を生活に適用することにより,他の人々と平和に暮らすことを学んでいます。神の言葉の示すところによれば,王国の支配下では動物たちでさえ平和に暮らします。聖書はこう述べています。「狼はしばらくの間雄の子羊と共に住み,ひょうも子やぎと共に横たわり,子牛と,たて髪のある若じしと太った動物は一緒になり,小さな少年がそれらを導く者となる」。言うまでもなく,人間の政府はこうしたことを実現させようとも思っていません。―イザヤ 11:6,新。

23 地の新しい支配者の持つどんな力は,王国のすべての臣民のために豊富な食物が供給されることを保証しますか。

23 わたしたちすべてが住みたいと願う世界であるためには,もう一つ重要な条件として,すべての人に豊富な食物がなければなりません。人間の政府は食糧不足や飢きんを一掃できませんでしたが,王国の支配はそれを成し遂げます。地上におられた時のイエスは,神の霊によって,風,海,植物,魚などを制御することができました。(マルコ 4:39。マタイ 21:19。ヨハネ 21:6)このことが王国の支配下で何を意味するかを考えてみてください。全地にわたって完全に気候が管理されます。ですから不作などということはありません。そうなれば,すべての人に豊かな食物が保証されます。聖書はこう述べています。「地には穀物が十分にでき,山々の頂は実りこぼれるであろう」― 詩 72:16,新。

24-26 王国は,病人,足なえの人,盲人のため,さらに年取った人のためにさえどんなことを行ないますか。

24 人間の政府は,人間家族を病気や疾患から解放することができませんでした。その解放は本当に幸福な生活を送る上で是非とも必要なものです。ところが地上におられたイエスはあらゆる種類の病気や疾患を癒され,ご自分のすべての臣民に健康と命を与えるため地球の全域にわたって行なわれる事柄を明示されました。王国の支配下では,「居住者はだれも,『わたしは病気だ』と言わない」という聖書の約束が文字通り成就します。(イザヤ 33:24,新)医師も,歯の治療費ももういりません。診療所も,病院も,病院への支払いも必要ではないのです。

25 年を取ることでさえ,現在では最もゆううつな経験となりかねません。一人の婦人が書いているとおりです。「私はゆううつになるようなタイプではないのですが,現にゆううつになっています。その理由も分かっています。年取ってきたからです。……いつも痛いところがありますが,それも私の容貌ほどには気になりません。若い時はとてもきれいだったのに,今は違います。しわが多くなってきましたが,これは美容整形の医師にも直せません。白髪も増えました。……気のめいるようなこんな状態からどうすれば抜け出せるでしょうか」― 1979年3月23日付ニューヨーク・ポスト紙。

26 実のところ,神の王国こそ,こうした問題に対する確かな唯一の解決策なのです。神の王国の支配下で老人は神の力によって若返り,心身共に若々しく完全になります。人々は完全な健康を取り戻すので『人間の肉は若いころよりもみずみずしくなり』ます。(ヨブ 33:25,新)イザヤ書 35章5,6節(新)に描写されているような状態になります。「盲人の目は開かれ,耳しいの耳もあけられる。そのとき,足なえは雄鹿がするようによじ登り,口のきけない者の舌はうれしさの余り叫ぶ」。

27 死さえも征服されるというどんな証拠がありますか。

27 しかし,「人が病気にならない,年を取らないということになったら,死ぬこともなくなるだろう」と言う方がおられるかもしれません。そのとおりです。確かにそのようなことがこれから起こるのです。葬儀屋は新しい仕事を探さなければならないでしょう。神は「もはや死もなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない」と約束しておられるからです。(啓示 21:4。イザヤ 25:8)詩篇作者はエホバについて語りました。「あなたは御手を開き,あらゆる生きているものの願いを満たしておられます」。(詩 145:16,新)その意味を考えてみてください。あらゆる人間の正当な欲求や願いが満たされるのです。これは今の不完全な人間の想像を絶するすばらしい状態です。

28,29 (イ)待望のどんな別の祝福も,王国によってもたらされますか。(ロ)死者がよみがえらされるというどんな証拠がありますか。(ルカ 7:11-15; 8:49-56)

28 何という喜びでしょう! 王国の義が行き渡る状態下で,子供たちには学ぶ機会と成長して完全になる機会が与えられるのです。そこには今の世の不安定さや街路での危険もありません。人をとりこにする麻薬や,人を堕落させる悪い交わりの犠牲者になる危険性もありません。どんな人にも自分の知的能力や生来の才能を思う存分みがく機会が与えられ,すべての人のために喜ばしく報いの多い活動が備えられるでしょう。預言者イザヤは王国の支配が可能にする事柄を説明し,次のように述べました。「彼らは必ず家を建てて住み,必ずぶどう畑を設けてその実を食べるであろう……わたしの民の寿命は,木の寿命のようになり,わたしの選ぶ者たちは,自分の手の業を最大限に用いるであろう」― イザヤ 65:17-25,新。

29 ここに描かれている約束は,すべての男,女,子供に威厳と目的を付与する約束です。以前の生活は記憶から拭い去られます。人は建てたもの,植えたもの,刈り取ったものを自分で所有するようになります。子供たちは静かで健全な環境のもとで育てられます。死者でさえよみがえらされます。(ヨハネ 5:28,29)アベルの時代から現代に至るまでの父・母,兄弟・姉妹,おじ・おば,友人・隣人,そのすべてがこの地上で再び結び合わされます。何と驚嘆すべき時なのでしょう!

30 (イ)地に対する神の最初の目的はどんな方法によって達成されますか。(ロ)王国の希望に動かされて,あなたは何をしたいと願いますか。

30 人間の政府の中で,自国の臣民のため,あえてこのようなことを成し遂げようと考えた政府は一つもありません。こうした約束の実現を保証できるのは神だけです。それだけではありません。王国の支配下では全人類がエホバの崇拝において結ばれます。天からエホバの監督を受け,この地は徐々に全地球的なパラダイスへ,その全体がエデンの園へと変えられてゆくのです。そしてそこで生きる人々はみな,神の王国のもとでの完全な健康と永遠の命を享受します。本当にすばらしい希望です。その希望は最も信頼できる源,エホバ神ご自身を基とするものなのです。

[11ページの図版]

アブラハムは王国を「はるかに」見た。―ヘブライ 11:13-16

[13ページの図版]

イエスを指命された王として認めたヨハネは「神の王国は近づいた」と宣べ伝えた。

[15ページの図版]

神の政府の下で,「神は彼らの目からすべての涙をぬぐい去ってくださり,もはや死もなく,嘆きも叫びも苦痛ももはやない」。―啓示 21:4

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